感じて楽しむ吹奏楽

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1.楽しむ

 楽しい合奏の時間。この時間を充実させるために、パート練習などの練習を組み立ててきました。ですので、全体練習として 「合奏の時にやるべきことは」、と言うように内容を限定するべきではないでしょう。音楽を楽しむ時間が 生まれればいいのです。ただ、音楽的により充実したものを作り出すためには、少し工夫が必要です。そのひとつは、当然のことですが 個人練習・パート練習・セクション練習で行ってきたことを、総まとめとして意識して行うことです。 音楽つくりの基本になる音の三要素と音楽の三要素を、この合奏の時間に合わせることにより、 全員での新しいサウンドが生まれてくるのです。

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2.合わせる(1)

 でも、この「合わせる」という言葉にはいろいろな意味があります。前の項目のように、音楽の三要素を合わせるのもそうですが、 そういった技術的なものだけでなく、演奏する人たちの気持ちを合わせるといった意味も含まれています。 しかし、気持ちを合わせるといっても、指揮者が「皆さん、気持ちを合わせましょう」との掛け声だけで、合うものではありません。 では、この気持ちを合わせるということは具体的に何をさすかと言うと、それは演奏する曲に対して、 皆が共通理解を持つと、いうことです。

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3.合わせる(2)

 曲に対する演奏者の共通理解。これには、さまざまなアプローチの仕方があります。「演奏者で、その曲に対するイメージを話し合う」という、 シンプルな方法から始まり。その他に、音楽の背景を知ることも有用でしょう。何か、 特別な出来事に対して作られた曲なのか!例えば、映画音楽なら、そのストーリーはどんな場面で聞こえてくるのか!歌を含む曲を演奏する場合は、歌詞と曲想との関係は どんな風になっているのか!などです。また、曲の形を知ることも役に立ちます。ここで、メインのテーマが出てきて、 ここから対旋律が始まるとか、ここからテーマが、木管と金管に分かれて鳴っている、などです。テーマという曲の中での登場人物が、どんな風に、 どんな現れ方をするのかを意識することが出来るだけでも、演奏の仕方に工夫が出来るというものです。さらに、 作曲家について知ったり、少し、難しい話になるかもしれませんが、どんな時代に、どんな社会背景の下に出来た 曲なのかを知ることで、共通理解ができたりします。

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4.合わせる(3) NEW

 ただ、注意しなければいけない点は、合わせるために個人の意見を引っ込めてしまうことのないように しないといけません。「ここのfはもっと激しい方がいいのに、みんな優しく吹いてる」こんふうにみんなと違った感じを持っているときは、 それを伝えるべきです。でも一人で主張するのは勇気がいるものですから、まず同じパートの人に自分の感じを話してみませんか。 もしかしたら隣で演奏している人も同じように感じているかもしれません。ですから、自分がみんなと違う感じを 持ったら、それを言ってみましょう。また、それが音楽に対してみんなの共通理解を進める事につながっていくのです。

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5.次の目標

 最初に書いたように、合奏が楽しかったと感じて終わることは、大変素晴らしいことです。是非、楽しくやりましょう。 ただ、いくら楽しくても、やりっぱなしではいけません。それでは、次回の練習への緊張感が無くなってしまいます。 つまり、楽しい合奏でも、同じ曲を何回か繰り返し吹くのですから、回を重ねると緊張感がなくなって、だらけた練習におちいりがちです。 それを防ぐには、次への目標を確認することが大切です。今日の合奏で出来なかったことを確認して、 次回の合奏の時にはこんなところが合うように、と次への目標を確認する時間を合奏の終わりには持ちたいものです。

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