更新日:2023年10月4日
司法書士は、合格率4〜5%の超難関資格であり、合格するためには自分の趣味や遊びは全て我慢し、可処分時間のすべてを勉強に注ぎ込む必要があると言われています。
では実際に、司法書士試験は独学でも合格できるのでしょうか?合格するためにはどれぐらい勉強すればいいのでしょうか?そして、どんな勉強をすればいいのでしょうか?
このページでは、司法書士試験に独学で合格した私の経験に基づく勉強時間の目安やおすすめ勉強法などをご紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
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司法書士は独学でも合格できる?
まずはじめに、そもそも司法書士試験は独学で合格できるのでしょうか。
市販のテキスト・過去問で合格レベルの知識が身につけられる
司法書士試験の独学用のテキスト・過去問は、ここ数年でかなり充実してきました。
基本テキストやまとめ本、過去問・一問一答問題集など、各種の書籍が出版されています。
ですので、これらの書籍を使えば、独学でも十分に合格レベルの知識を身につけることが可能です。
おすすめのテキスト・参考書や問題集・過去問については、下記の関連記事でご紹介していますので、そちらを参考にしてください。
模試・答練など限定的に予備校を活用する必要はある
ただし、予備校などを一切使わない完全な独学というのは、難しいかもしれません。
司法書士試験に独学で合格する方は一定数いらっしゃいますが、その多くは、模試や答練など、限定的な形で予備校を活用しています。
私も、原則として独学で勉強しましたが、模試・答練・単科講座といった限定的な形で予備校を活用しました。
なぜかというと、現状では、予備校の模試・答練に代わるものが市販されていないためです。
例えば、宅建や行政書士試験なら、予想問題集・予想模試などが各出版社から数多く市販されていますが、司法書士試験では、そういった問題集がほとんど市販されていないため、予備校の「模試」に頼らざるを得ないという事情があります。
また、記述式の勉強に関しても、過去問以外に本試験レベルの問題が解けるような問題集が存在しないため、「答練」の受講も必要になってきます。
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効率的に勉強すれば独学でも合格できる!
ということで、司法書士試験は、模試・答練など限定的に予備校を活用すれば、独学でも合格することは可能と言えます。
ただし、現実問題として、独学で合格できる方は、ごく少数です。合格率4%という狭き門に、独学で合格するのは困難を極めるということを覚悟して取り組む必要があると思います。
予備校の講座を受講すれば、合格に必要な情報を取捨選択したうえで、重要知識や暗記が必要な知識などをわかりやすく噛み砕いて教えてくれます。
しかし、独学で勉強する場合は、テキストに載っている知識をすべて理解して暗記しようとしたり、膨大な過去問をすべて解けるようになろうとするなど、無駄な勉強をしてしまう恐れがあります。
その結果、全範囲を学習することさえできずに挫折してしまったり、合格に必要な重要知識を確実に身につけることができず、いつまで経っても合格できないということになってしまいます。
「100の曖昧な知識よりも10の確実な知識」というのは、よく言われる言葉です。
ですので、独学の場合は、いかに効率的に勉強できるかがポイントになってきます。
このページでは、私自身が独学で合格した効率的な勉強法をご紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
- 独学用のテキスト・過去問は充実しているため、独学でも合格レベルの知識を身につけることは可能
- ただし、模試・答練など限定的に予備校を活用する必要がある
- 効率的に勉強すれば独学でも合格できる!
司法書士の独学に必要な勉強時間の目安は?
それでは、司法書士試験に合格するために必要な勉強時間の目安や私自身の勉強時間、そして、私が考える最短合格の勉強スケジュールについて、ご紹介していきたいと思います。
最低でも3,000時間の勉強時間が必要
一般に、司法書士試験に合格するためには、最低でも3,000時間の勉強時間が必要と言われています。
もし1日に3時間の勉強時間なら3年かかることになりますし、1日に6時間勉強したとしても、1年半程度はかかる計算になります。
1年で合格しようとすれば、1日に9時間ほど勉強しないといけません。
1日の勉強時間 | 勉強期間 |
---|---|
3時間 | 3年 |
6時間 | 1年半 |
9時間 | 1年 |
1日に6時間や9時間という勉強時間は、専業受験生なら可能ですが、フルタイムで仕事をしているような兼業受験生には不可能ですよね。
社会人なら1日3時間(土日8時間)で2年かかる
では、社会人が働きながら3,000時間を達成しようとした場合、平日は3時間、土日に8時間勉強すれば、2年で達成することができます。
社会人の合格者の話を聞くと、おおむね、これぐらいのスケジュールで勉強されているように感じますね。
社会人の1日の勉強時間 | 勉強期間 |
---|---|
平日3時間 土日8時間 |
2年 |
司法書士の試験日は例年7月の第1日曜日ですので、その2年前の夏頃から勉強を始めるようなスケジュールになってきます。
とはいえ、一発合格できるような人はごく少数ですので、何度も何度も挫折を繰り返しながらベテラン受験生になっていく、、といった話もよく聞きます。
私自身も、4度の受験をしたベテラン受験生の一人です。
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5,000〜10,000時間ぐらい勉強した人がほとんど
ということで、司法書士試験は、かなりの長期戦になることを覚悟しないといけません。
択一の基準点落ち(足切り)で不合格を繰り返し、やっと基準点を突破したと思ったら、今度は総合落ち(合格点に足りない)で不合格、、、こんなことを何年も繰り返しながら、やっと合格できるのが司法書士試験です。
実際のところ、私の耳に入ってくる合格者の話では、3,000時間で合格したような人は稀で、皆さん5,000時間や8,000時間、10,000時間ぐらい勉強したという人がほとんどです。
実際、合格者の平均受験回数は4回程度と言われていますし、合格するまでに10年かかったという話もよく聞きます。
ですので、司法書士試験に合格するためには、5,000〜10,000時間ぐらい勉強するのが普通と考えておいた方がよさそうですね。
合格レベルに達してから何年もかかる場合がある
なぜこれほどまでに長期戦になるのかというと、それは、合格レベルの知識を身につけたとしても、そう簡単には合格できないからです。
合格レベルに達してから実際に合格できるまでに、何年もかかるのが現実です。
本試験では、緊張感による見落としや、焦りによる判断ミス、周囲の雑音による注意力散漫、予想外の出題により出鼻をくじかれる、突然の難問により気持ちを折られる、など様々な不確定要素が生じてきます。
逆に、試験会場での一瞬のひらめき、冴えわたるヤマ勘、ゾーンへの没入、たまたま直前に確認した問題の出題、といったプラスに働く要因もあります。
このように、合格レベルに達したあと実際に合格できるかどうかは”運”の要素に大きく左右されます。
ですので、合格するためには、”運に左右されないほどの盤石な知識を身につける”、又は、”運を味方につける”のいずれかが必要になってきます。
このため、合格レベルの知識を身につけているにもかかわらず、合格するまでにさらに何年も費やしてしまうという現象が起きるわけです。
行政書士合格者でも勉強時間はほとんど変わらない
ちなみに、同じ法律系資格として行政書士がありますが、行政書士試験の合格者が司法書士に挑戦する場合は、もっと短期間で合格できるのでしょうか。
これに関しては、はっきり言って、初心者が司法書士に挑戦する場合と、ほとんど変わらないと思います。
確かに、勉強を開始した時点でのアドバンテージはありますが、トータル的に見た場合は、ほとんど差はなくなるはずです。
というのは、行政書士に合格するための勉強時間は、500〜800時間といわれています。
このうち、3分の1ぐらいは司法書士の試験科目ではない「行政法」の勉強時間ですから、行政書士合格者のアドバンテージとしては、300〜500時間程度ということになります。
つまり、司法書士の合格に最低必要な3,000時間という勉強時間が、2,700〜2,500時間程度に短縮されるだけです。
こうなると、正直、大差ないと感じますよね。
- 最低でも3,000時間の勉強時間が必要
- 早くても1年半〜3年程度かかる
- 社会人なら平日は1日3時間・土日8時間で2年
- ベテラン受験生になる人も多く、長期戦を覚悟する必要がある。
- 合格者の平均受験回数は4回。10年かかったという話もよく聞く。
- 5,000〜10,000時間ぐらい勉強するのが普通
- 合格レベルの知識に達してから何年もかかる
- 行政書士合格者でも勉強時間はほとんど変わらない
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私が司法書士試験の合格までにかかった勉強時間
次は、私自身が、実際に司法書士試験に合格するまでにかかった勉強時間について、社会人(兼業受験生)の時代と、仕事を辞めて専業受験生になってからの時代の2期に分けて、ご紹介します。
社会人として働きながらの勉強時間(5年間で1,000時間)
私が司法書士試験の合格を目指して勉強を始めたのは2008年度のことでした。
当時は、社会人(公務員)として働きながらの兼業受験生でしたので、1日に2時間程度の勉強時間を目標に、独学で勉強を始めました。
400時間の勉強で1回目受験
初年度は、ほぼ目標どおり勉強でき、7ヶ月で400時間ぐらい勉強しました。
1回目受験(2008年度)⇒午前16問・午後18問で、基準点に遠く及ばず。
1,000時間の勉強で2回目受験
その後、仕事が忙しくなり、1日に1時間も勉強できない状況が数年続きましたが、2012年度の試験直前3ヶ月前から1日3時間の大奮闘!
この5年間で、およそ1,000時間の勉強をしたことになります。
2回目受験(2012年度)⇒午前26問・午後25問で、基準点まであと一歩。
仕事の都合上、これ以上勉強を続けるのは難しくなったため、ここで一旦、司法書士の勉強を中断することになりました。
専業受験生になってからの勉強時間(2年間で2,000時間)
その後、8年のブランクを経て、2020年3月末に、それまで勤めていた市役所を辞め、専業受験生として本気で司法書士を目指すことにしました。
2,000時間の勉強で3回目受験
2020年度試験に向けて、半年間で1,000時間の勉強をしました。
3回目受験(2020年度)⇒午前32問・午後32問・記述26.5点。記述を最後まで解き切れず、総合得点は合格点を上回るも記述で足切り。
3,000時間の勉強で4回目受験
そして、翌年の2021年度試験に向けて、1月から勉強を始め、半年間で1,000時間の勉強をしました。
これで、司法書士の勉強を始めてから累計3,000時間の勉強時間を達成しました。
4回目受験(2021年度)⇒午前35問・午後29問・記述35.0点で、ついに合格!
- 2020年度・2021年度の受験勉強の記録については、【合格体験記(独学)】司法書士試験の勉強スケジュール&受験記録のページに詳しく記載しています。
勉強時間と成績の推移
以上、私が司法書士試験に合格するまでの勉強時間と成績の推移について、表に整理すると以下のようになります。
受験回数 (受験年度) |
累計勉強時間 | 私の成績 (午前/午後/記述) (基準点との差) |
基準点 (午前/午後/記述) |
1回目受験 (2008年度) |
400時間 | 16問/18問 (-12問/-8問) |
28問/26問 |
2回目受験 (2012年度) |
1,000時間 | 26問/25問 (-2問/-1問) |
28問/26問 |
3回目受験 (2020年度) |
2,000時間 | 32問/32問/26.5点 (+7問/+8問/-5.5点) |
25問/24問/32.0点 |
4回目受験 (2021年度) |
3,000時間 | 35問/29問/35.0点 (+8問/+7問/+1点) |
27問/22問/34.0点 |
このように、初受験の2008年度は400時間の勉強時間で、基準点には遠く及ばず、午前はマイナス12問、午後はマイナス8問という酷い成績でした。
次に2回目に受験した2012年度は、1,000時間の勉強時間になり、基準点まであと一歩(午前マイナス2問、午後マイナス1問)のところまで来ました。
その後ブランクを経て3回目に受験した2020年度には、累計2,000時間になり基準点を一気に突破しましたが、記述で足切り。。
そして翌年、4回目の受験になった2021年度は、累計3,000時間の勉強時間に達し、ついに合格できました!
- 2008〜2012年度の5年間:1,000時間
- 2020年度:1,000時間
- 2021年度:1,000時間
- 合計:3,000時間
1年で合格できる?最短合格の勉強スケジュール
司法書士の勉強をこれから始めようと考えている方は、テキストを読むのにどれぐらい時間がかかるのかなど、まったく見当もつかないと思います。
そこで、私のこれまでの経験に基づき、余計な回り道をせず、必要最小限の教材だけで効率的に勉強した場合の最短最速の勉強時間とスケジュールを計算してみましたので、目安として参考にしてください。
この勉強スケジュールなら、1日に5〜6時間の勉強をすれば、1年で合格することも可能ですね。
なお、各項目の具体的な勉強法については、次項「司法書士の独学におすすめの勉強法」のところで詳しくご紹介しますので、ひとまず「勉強時間」のイメージを掴むためにご覧ください。
基本テキストの通読(640時間)
まず、基本テキストを読んで、おおまかに理解します。
基本テキスト「オートマシステム」なら全11冊の合計で4,800ページあります。
私の場合、1時間で読めるページ数はおよそ15ページでしたので、全巻読むには、320時間かかる計算になります。
これを2周回すとすれば、640時間です。
- オートマ×2周⇒640時間
要点整理テキストで総整理&叩き込み(280時間+330時間)
次に、要点整理テキストを使って基礎知識を頭に叩き込んでいきます。
要点整理テキスト「必出3300選」なら、全4冊の合計でおよそ1,140ページあります。
私の場合、1時間で読めるページ数は8ページほどでしたので、全巻読むのに140時間かかる計算になります。
これを2周回すなら、280時間です。
- 3300選×2周⇒280時間
これをさらに繰り返せば時間も短縮されてきますので、仮に、120時間→110時間→100時間と短縮されるとすれば、あと3周回せば330時間です。
- 3300選×3周⇒330時間
一問一答で知識の精度アップ・補強(240時間)
さらに、一問一答問題集「でるトコ一問一答」を使って、知識の精度アップ・補強を行います。
でるトコ一問一答は、全巻を回すのに、120時間ほどです。2周回すとすれば、240時間ですね。
- でるトコ×2周⇒240時間
記述対策(360時間)
次は記述対策です。
記述対策は、ちょっと大雑把で申し訳ありませんが、私自身、オートマ記述式+雛形集+答練を、1日2時間ずつ半年間勉強しましたので、2時間×半年(180日)で360時間ということにしておきます。
- オートマ記述式+雛形集+答練⇒360時間
解答スピードアップ・時間配分対策(150時間)
最後は、答練や模試、年度別過去問などで総合的な問題演習をしながら、解答スピードアップや時間配分対策を行っていきます。
これに要する時間として、150時間を計上することにします。
- 答練・模試・年度別過去問⇒150時間
最短合格の勉強スケジュール(合計2,000時間)
ということで、上記を合計すると、司法書士試験に最短合格するための勉強時間は、2,000時間という計算になってきます。
無理やり2,000時間に押し込んだ感はありますが、私自身の勉強時間は、2020年度(合格の前年度)の受験時点で2,000時間でした。
その年は、解答の時間配分に失敗した結果、不合格になりましたが、知識レベル自体は合格レベルにあったと考えられますので、2,000時間で合格というのも、そこそこ現実味があると思っています。
- 基本テキストで理解
オートマ×2周⇒640時間 - 要点整理テキストで総整理&叩き込み
3300選×2周⇒280時間
3300選×3周⇒330時間 - 一問一答で知識の精度アップ・補強
でるトコ×2周⇒240時間 - 記述対策
オートマ記述式+雛形集+答練⇒360時間 - 解答スピードアップ・時間配分対策
答練・模試・年度別過去問⇒150時間 - 合計 2,000時間
1日に2時間なら約3年。1日3時間なら約2年。1日4時間なら約1年半。1日5時間なら約1年。という具合ですね。
ただし、一発合格できる人は少数だと思いますので、1年延びるたびに3,000時間、4,000時間、5,000時間と増えていくことは覚悟しないといけません。
司法書士の独学におすすめの勉強法
それでは次は、司法書士試験の独学におすすめの勉強法について、ご紹介していきたいと思います。
司法書士試験の勉強は、基本テキストと過去問をメインに勉強するのが一般的です。
しかし、私がおすすめする勉強法は、基本テキストは最初だけ使い、過去問も原則として使用せず、「要点整理テキスト」と「一問一答」をメインに勉強することを特徴としています。
私も元々は、基本テキストと過去問を使って勉強していましたが、勉強時間が取れない中で効率的な勉強法を追い求めた結果、このような勉強法に辿り着きました。
それでは、おすすめの勉強法について、以下のステップに沿って順にご紹介していきます。
- 択一式対策
- 基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
- 要点整理テキストで択一知識の総整理&叩き込み
- 一問一答で択一知識の精度アップ・補強
- 記述式対策
- 記述式テキストで基礎から応用まで問題演習
- 記述式解法テクニックの参考書で解法をマスター
- 雛形集で基礎固め
- 答練・過去問で本試験形式の問題演習
- 解答スピードアップ・時間配分対策(直前期)
- 戦略を立てる
- 解答テクニックの実践練習
択一式対策(基本テキスト→要点整理テキスト→一問一答)
では、択一式対策のおすすめ勉強法からご紹介していきます。
基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
まずは、 基本テキストを読み、基礎知識をおおまかに理解するところから始めます。
独学者向けの基本テキストとしては、「オートマシステム」や「合格ゾーンテキスト」、「リアリスティック」、「Vマジック」など各種のテキストが出版されていますが、私のおすすめは『オートマシステム』です。
テキストを最初に読むときは、とにかくわからないことがあっても気にせずに、ドンドン読み進めることがポイントです。
細かいところは気にせず、大雑把にイメージを把握するつもりで読み進めるのがいいと思います。細かいところを気にしすぎると前に進めなくなり、挫折してしまうおそれがありますので。。
司法書士試験は、とにかく試験範囲が膨大です。大抵の人はテキストを最後まで読み終えることなく撤退してしまうのではないでしょうか。
ですので、わからなくてもいいから、まずはテキストを最後まで読み切ることを目標にするぐらいがよいと思います。
なお、通常であれば、テキストの通読と平行して過去問も解いていきますが、オートマシステムなら、適宜過去問が挿入されていますので、別途の過去問演習は不要とします。
もちろん、テキストを1周読み終えだだけでは何も頭に残らないと思いますので、もう1周ぐらいは回しておきましょう。
- 基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
⇒『オートマシステム』
要点整理テキストで択一知識の総整理&叩き込み
基本テキストを2周ぐらい読み、基礎知識をおおまかに理解した後は、要点整理テキストを使って択一知識を総整理しながら頭に叩き込んでいきます。
要点整理テキストというのは、合格に必要な知識のみを凝縮した”まとめ本”のことで、「必出3300選」や「ケータイ司法書士」などがありますが、私のおすすめは『必出3300選』です。
このような要点整理テキストは、重要知識のみが凝縮されているので、基本テキストに比べると圧倒的にコンパクトです。このため、高速で反復学習をすることが可能になります。
また、この2冊はいずれも、見開きの一方が要点整理、もう一方が一問一答問題集という形になっていますので、”問題演習”と”テキストの読み込み”が同時にできるというメリットもあります。
この段階に入った以降は、この要点整理テキストを知識のベースとして作り上げていきます。つまり、問題を解く際に記憶を辿るのは、基本テキストではなく要点整理テキストということになります。
あくまでも基本テキストは”理解”するためのテキストと位置づけて、要点整理テキストは”記憶”するためのテキストという使い分けです。
なぜ、このように2段階のテキストを使うのかというと、基本テキストは、ボリュームが膨大だからです。1周回すのに時間がかかり過ぎるからです。
その点、要点整理テキストなら、ボリュームがとてもコンパクトですので、何周も回すことができます。しかも、問題を解きながらテキストを読み込みますので、とても効率的に記憶できます。
ということで、要点整理テキストを2周ぐらい回しましょう。
この段階で、おそらく本試験の択一で5割程度の正答ができるレベルになっているのではないかと思います。
さらに3周ほど回せば、7割程度の正答ができるレベルに上がってくるはずです。
ただし、おすすめの要点整理テキスト「必出3300選」の唯一の欠点は、”改訂版が毎年出版されるわけではない”という点です。
このため、法改正対応版の出版を待てない場合は、必出3300選のベースとなっている「択一クイックマスター総整理講座(伊藤塾)」の受講を検討する必要があり、私も、2020年度・2021年度はいずれも、クイックマスターの教材をメインテキストとして使用しました。
ところが、このクイックマスター総整理講座、2022年度までは6万円前後で購入できていたのですが、2023年度向けからは、40万円を超えるパック講座「学習経験者向けExceed(エクシード)コース」に組み込まれてしまいました。。
- 要点整理テキストで択一知識の総整理&叩き込み
⇒『必出3300選(又はケータイ司法書士)』
一問一答で択一知識の精度アップ・補強
ここまでで、基本テキストを2周、要点整理テキストを5周ぐらい回しましたが、これではまだ本試験の基準点にあと一歩届きません。
次に使うのは、一問一答問題集です。私のおすすめは、過去問ではなくオリジナルの一問一答が収録されている「でるトコ一問一答」です。
これを使えば、知識の精度を上げることができ、要点整理テキストのスキマもうまく埋めることができます。最低、2周ぐらいは回しましょう。
私は、「必出3300選」+「でるトコ一問一答」が最強の組み合わせだと思っています。詳しくは、うかる!司法書士 必出3300選の活用法【これで択一9割超え!】のページで解説していますので、そちらをご参照ください。
この組み合わせで、2020年度・2021年度は2年連続で、択一は9割の正答ができましたので、択一知識としては、「必出3300選(又は、択一クイックマスター総整理講座)」と「でるトコ一問一答」のみで十分ということがわかりました。【2020年度:午前32問・午後32問、2021年度:午前35問・午後29問】
- 一問一答で択一知識の精度アップ・補強
⇒『でるトコ一問一答』
科目別の勉強時間
ちなみに、科目別の勉強時間の違いを気にされる方も多いかと思いますが、私は特に意識することなく勉強していました。
確かに、主要科目と呼ばれる民法、不動産登記法、会社法(商法)、商業登記法の4科目を中心に勉強し、マイナー科目と呼ばれる憲法、刑法、民事訴訟法・民事執行法・民事保全法、供託法、司法書士法の勉強時間が少なくなることは確かです。
しかし、そもそもテキストや問題集のボリューム(分量)自体が、主要科目が多く、マイナー科目が少なくなっていますので、自分で積極的に、勉強の時間配分を考える必要はありません。
テキスト・問題集を順にこなしていけば、それでOKです。
勉強の順番
勉強の順番についても、テキストに収録されている順に勉強していけばOKです。
つまり、主要科目から先に勉強していくということです。まず、主要科目の「民法→不動産登記法→会社法(商法)→商業登記法」を勉強してから、マイナー科目の「憲法→刑法→民事訴訟法→民事執行法→民事保全法→供託法→司法書士法」という順番ですね。
【関連記事】
- テキストの比較・おすすめはこちら⇒司法書士のおすすめテキスト・参考書
記述式対策(テキスト→解法→雛形集→答練・過去問)
以上は択一対策でしたが、次は記述式対策です。
実際には、択一対策と平行して進めていくことになりますので、タイミングとしては、上記の要点整理テキストを2周回し終わったあたりから開始すればよいのではないかと思います。
記述式テキストで基礎から応用まで問題演習
記述式のテキストは、「オートマシステム〈記述式〉」がおすすめです。
このテキストは、テキストと問題集を兼ねていますので、記述式の基礎から応用まで着実に力をつけることができます。
最低、2周ぐらい回しましょう。
- 記述式テキストで、基礎から応用まで問題演習
⇒『オートマシステム〈記述式〉』
記述式解法テクニックの参考書で解法をマスター
そして、ある程度記述の問題を解いていくと、問題文の線の引き方やメモ書きの方法、問題文を読む順序などに悩みが生じてくるはずです。
タイミング的には、オートマシステム〈記述式〉の基本編まで解いたあたりで、記述式解法テクニックの参考書を読んで、記述式試験に特有の解法テクニックをマスターする必要があります。
このような解法テクニックの参考書は何冊か出版されていますが、定番のおすすめは、「うかる!司法書士 記述式答案構成力」です。
なお、私自身の答案構成用紙へのメモ書きの仕方については、司法書士試験の記述式対策 - 答案構成用紙の使い方のページでご紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
- 記述式解法テクニックの参考書で、記述式特有の解法をマスター
⇒『うかる!司法書士 記述式答案構成力』など
雛形集で基礎固め
また、オートマシステム〈記述式〉だけでは基礎固めに不安が残りますので、雛形集を使って、しっかりと基礎を固めます。
雛形集についても有名なものがいくつかありますが、私のおすすめは「オートマシステム 試験に出るひながた集」です。
- 雛形集で、基礎固め
⇒『オートマシステム 試験に出るひながた集』
答練・過去問で本試験形式の問題演習
そして、本試験の出題形式や解答スピードに慣れるため、答練も受講した方がいいと思います。
私のおすすめは、「記述式答案構成力養成答練(伊藤塾)」です。
さらに、本試験のボリューム感や型に慣れるために、記述式の過去問も解いておいた方がいいと思います。私は、過去5年分の記述式過去問を解きました。
- 答練・過去問で本試験形式の問題演習
⇒『記述式答案構成力養成答練(伊藤塾)』、『記述式過去問』
【関連記事】
- 問題集の比較・おすすめはこちら⇒司法書士のおすすめ問題集・過去問
解答スピードアップ・時間配分対策(直前期)
上記までの勉強で、基本的に合格レベルの知識は身についているはずですが、ここからが司法書士試験の最後の砦”時間との戦い”の明暗を分ける対策になってきます。
私はここを軽視したがばっかりに、2020年度試験で酷い目に遭いましたので。。
午前の択一式は、時間配分が問題になることはありませんが、午後の択一式&記述式に関しては、よほど訓練を積まない限り、制限時間内に解き終わることは困難です。
私は2020年度試験(合格の前年度)において、模試や年度別過去問を一度も解くことなく本試験に臨むという無謀なことをした結果、記述を最後まで解き切ることができず、記述で足切りを食らってしまいました。。
ということで、試験の直前期に入った段階で、午後択一の解答スピードを上げ、時間配分についてしっかり対策する必要があります。
戦略を立てる
具体的な時間配分・解答スピードアップ対策の戦略については、下記の関連記事でご紹介していますので、詳しくは、そちらのページをご参照ください。
戦略のポイントは、「確実に判断できる肢(「絶対に×」又は「絶対に〇」)を使って解答を絞り込み、検討する肢の数を減らす。」という方法になります。
いわゆる「軸肢検討」という解答テクニックです。
- 戦略を立てる
⇒ 軸肢検討の解答テクニック
【関連記事】
解答テクニックの実践練習
そして、予備校の答練や模試、年度別過去問を使って、解答テクニックの実践練習を積んでいきます。
私は、答練については「択一実戦力養成答練(伊藤塾)」を、模試については「公開模擬試験(LEC)」で模試4回分を受験しました。
それと、年度別過去問は、午後択一式のみ、過去4年分解きました。
- 解答テクニックの実践練習
⇒『択一実戦力養成答練(伊藤塾)』、『公開模擬試験(LEC)』、『年度別過去問』
【関連記事】
- 予備校各社の答練・模試についてはこちら⇒司法書士のおすすめ模試・答練
独学で合格するためのおすすめ勉強法まとめ!
それでは改めて、ここまでご紹介してきたおすすめ勉強法について整理しておきたいと思います。
- 択一式対策
- 基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
⇒『オートマシステム』 - 要点整理テキストで択一知識の総整理&叩き込み
⇒『必出3300選(又はケータイ司法書士)』 - 一問一答で択一知識の精度アップ・補強
⇒『でるトコ一問一答』
- 基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
- 記述式対策
- 記述式テキストで基礎から応用まで問題演習
⇒『オートマシステム〈記述式〉』 - 記述式解法テクニックの参考書で解法をマスター
⇒『うかる!司法書士 記述式答案構成力』など - 雛形集で基礎固め
⇒『オートマシステム 試験に出るひながた集』 - 答練・過去問で本試験形式の問題演習
⇒『記述式答案構成力養成答練(伊藤塾)』、『記述式過去問』
- 記述式テキストで基礎から応用まで問題演習
- 解答スピードアップ・時間配分対策(直前期)
- 戦略を立てる
⇒軸肢検討の解答テクニック - 解答テクニックの実践練習
⇒『択一実戦力養成答練(伊藤塾)』、『公開模擬試験(LEC)』、『年度別過去問』
- 戦略を立てる
以上が、私のおすすめ勉強法です!
基本的には独学の学習ですが、記述対策として本試験形式に慣れるための答練と、択一対策として解答スピードをアップさせるための模試については、予備校に頼らざるを得ないのではないかと思います。
司法書士の受験対策費用
ちなみに、司法書士試験に独学で挑戦しようと決めたときは、当然、通信講座や予備校を利用するよりも安くつくと思っていました。
ところが、実際に始めてみると意外や意外、10年以上かかっていることで、80万円もの出費になってしまったのでした。。
予備校のオールインワンの通信講座が40万円ぐらいですので、これなら2回ぐらい受講できる費用ですよね。。
とはいえ、講座を受講したからといって一発合格できる保障はありませんから、何年もかかることを考えれば独学の方が安い、と考えることにしておきます。。
社会人の時代(2008〜2012年度)
まず、社会人として働いていた時代の5年間の出費です。
六法、テキスト、問題集、単科講座代 : 約40万円
※ 単科講座⇒必出3300選のベースとなっている伊藤塾の択一クイックマスター総整理講座(約5万円)
学習を始めてから年数を経過するたびに、法改正による買い替えが必要になりますので、独学であってもかなりの費用がかかってしまっています。
また、勉強方法が定まらず、あれやこれやと色んなテキスト・問題集に手を出していることも、費用がかさんでいる理由のひとつです。
専業受験生の時代(2020〜2021年度)
そして、専業受験生になってからの2年間の出費です。
六法、テキスト、問題集、単科講座、答練、模試代 : 約40万円
【単科講座・模試・答練】
単科講座:クイックマスター(約5万円)×2年
答練:約8万円×2年
模試:約3万円
勉強を再スタートしてからの2年間で40万円、集計してみてビックリしました。。やはり、答練や模試を受講すると、一気に費用がかさんでしまいますね。。
以上、合格するまでにかかった費用の合計は、約80万円です!
司法書士試験に短期合格する勉強法のコツ!
次は、司法書士試験に短期合格するために、とても大切だと思った勉強法のコツをご紹介したいと思います。
- 基礎知識・重要知識に絞って勉強する
- 混同しやすい知識を比較しながら覚える
- 関連知識にリンクを張る
- 特に覚えにくい知識はメモやノートに書き出して暗唱する
- すべての情報を1冊のテキストに集約する
- テキストのどこに何が書いてあるか想起できるまで記憶する
- テキストを覚える手段として問題演習を行う
@基礎知識・重要知識に絞って勉強する
まず一つ目は、そもそも教材の選び方に関わってくる部分ですが、過去問や模試・答練で出題される問題の中には、合格に必要のない知識が山ほど含まれています。
本試験で合格できるかどうかは、”基礎知識・重要知識で解ける問題を、いかに確実に得点できるか”です。
そして、択一式問題は、2肢又は3肢が確実に判断できれば正解できます。それ以外の肢は、判断できなくて構わないのです。それはつまり、合格に必要のない知識です。
このため、基礎知識・重要知識に絞って勉強をしないと、無駄な勉強に時間を費やすことになってしまいます。
ですので私は、効率的に勉強するために、『必出3300選(又は、クイックマスター総整理講座)』や『でるトコ一問一答』などの、合格に必要な知識が凝縮されたテキスト・問題集のみに絞って勉強をしました。
これは、模試・答練の復習をする際にも、同じことが言えます。重要度が低い問題は、思い切って無視する割り切りが必要です。
過去何十年分の過去問を全部解かないと不安だ、模試・答練の問題を全部復習しないと気が済まない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、事実、これだけに絞った勉強で、2年連続で基準点を15問も上回る点数が取れたわけですから、心配いりません。
A混同しやすい知識を比較しながら覚える
司法書士の勉強をする際には、その知識が何の知識なのか、よく似た制度・混同しやすい知識を比較しながら覚えていくことがとても大切です。
それぞれの規定をそれ単独で覚えることは、特に難しいことではありません。しかし、類似した知識が出てきた途端に、ふたつの知識が混同してしまい、破綻してしまいます。
例えば、会社法で特別決議の要件自体は、単純に覚えられますよね。⇒「議決権の過半の出席+出席議決権の2/3の同意」
ところが、創立総会の決議要件(議決権の過半であって出席議決権の2/3の同意)が登場した途端に、この2つの知識が混同し、間違えてしまいます。
司法書士試験は、このような類似知識のオンパレードです。まさにこのような混同しやすい知識が本試験で問われるわけです。
”混同しやすい知識をいかに正確に記憶できるか”というのが勝負です。これが、択一の勉強法の核心部分になってくると思います。
B関連知識にリンクを張る
ですので、テキストを読む際は、とにかく関連する知識にリンクを張っていくことがとても重要です。
このため、テキストの余白などに、関連する箇所のページ番号をメモ書きするなどして、関連知識のリンクを張りながら勉強を進めていくことが必要になります。
1周目では、どことどこが関連する部分なのか、なかなか気づきにくいですが、2周目、3周目と回すにつれて、あれ?よく似た知識が前にどこかで出てきたような気がするぞ、と気が付くようになります。
こうなってくると、しめたものです。それがどこに書いてあったのか探します。それを見つけたら、各ページの余白に、お互いのページ番号をメモします。
このようにして、どんどん関連ページを増やしながら、テキストを回していきます。すると、そのメモが書かれたページが来るたびに、関連知識を思い出し、お互いのページを確認し、その知識がより深く定着するようになっていきます。
最終的には、リンク元を見た段階で、リンク先のページを見ずにスラスラ言える状態にまで記憶します。
C特に覚えにくい知識はメモやノートに書き出して暗唱する
関連知識にリンクを張りながら勉強を進めていくと、関連ページが多くなりすぎる場合や、別途まとめて整理しないと覚えられない場合も出てきます。
例えば、後れる登記(抵触する登記)の抹消方法については、買戻し、時効取得、仮登記の本登記、仮処分、差押えの各場面で登場します。
こうなってくると、ページ間の1対1のリンクでは対応できませんよね、、しかも、とても複雑です。
このような場合は、特別に暗記用のメモやノートを作成するなど、別の場所に書き出したうえで、すべて一気に覚えた方が効果的に覚えられます。
スキマ時間を使って何度も何度も、頭の中で暗唱します。こうすることで、しっかりと頭に焼き付いていきます。
実際に、私自身が作成して暗唱したメモについては、「司法書士試験の暗記メモ・関連知識の覚え方」のページで公開していますので、参考にしてください。
なお、こういった暗記用のメモを作っておけば、試験の直前期、特に前日や当日などに集中的に見直すことができますので、そういった意味でも便利です。
Dすべての情報を1冊のテキストに集約する
司法書士の勉強をしていると、テキストのほかにも、過去問集や一問一答問題集、答練、模試など様々な教材を使って知識を採り入れることになります。
こういった情報は、すべて1冊のテキストに集約することが大切です。
あちこちの教材に知識を分散させてしまうと、実際に情報を調べるときに不便なのは当然として、頭の中で検索する際にスムーズに出てこなくなってしまいます。
ですので、自分がこれと決めたテキストに、過去問や答練、模試などで仕入れた情報をメモ書きしていくというやり方がベストだと思います。(むやみやたらに仕入れるのではなく、重要度の高い知識に限ります。)
Eテキストのどこに何が書いてあるか想起できるまで記憶する
そして、問題を解く際には、テキストのどこに何が書いてあるかをしっかりと頭の中で想起できる状態にまで記憶することが大切です。
こうなるためには、問題集とテキストとを往復しながら勉強する必要があります。
問題を解くときに、なんとなくこの選択肢は誤りだな、と判断するだけではダメです。テキストのあのページのここらへんに、こう書いてあったから、この選択肢は誤りだ、と判断できる状態になるまで記憶しないといけません。
そして、その問題で直接問われている知識だけでなく、その論点の知識をすべて、そのページを見ずに言える状態にまで記憶していきます。
例えば、未成年者の論点で、「贈与契約を取り消すことができるか?」が問われた場合、その関連知識として、同意を得ずにできる行為の全て(@身分行為 A取消し B権利を得、義務を免れる行為 C処分を許された財産 D許可を受けた営業)を、テキストを見ずに言えるようにする、ということです。
Fテキストを覚える手段として問題演習を行う
過去問を解いたり答練の問題を解いたりすることは、テキストに載っている情報を記憶に定着させるための手段だと捉えることができます。
テキストを読むだけではなかなか知識を定着させることができませんが、記憶を何度も出し入れすることで、定着させることができます。
問題を解くことで、目の前にテキストがない状態で、テキストの内容を思い出す練習ができるわけです。
問題演習とは、思い出す訓練です。
つまり、問題演習は、テキストを覚えるための手段ということになります。
この意識を持って問題演習することで、基礎知識を確実に身に付けることができるようになるはずです。
司法書士の勉強時間・勉強法まとめ
以上、司法書士の合格に必要な勉強時間やおすすめ勉強法について、ご紹介してきました。
ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。
- 一般に、最低でも3,000時間の勉強時間が必要
- ⇒ 早くても1年半〜3年程度かかる
- ベテラン受験生になる人も多く、長期戦を覚悟する必要がある
- ⇒ 結果的に、5,000〜10,000時間になるのが普通
- 択一式対策
- 基本テキストで基礎知識をおおまかに理解
- 要点整理テキストで択一知識の総整理&叩き込み
- 一問一答で択一知識の精度アップ・補強
- 記述式対策
- 記述式テキストで基礎から応用まで問題演習
- 記述式解法テクニックの参考書で解法をマスター
- 雛形集で基礎固め
- 答練・過去問で本試験形式の問題演習
- 解答スピードアップ・時間配分対策(直前期)
- 戦略を立てる
- 解答テクニックの実践練習
以上、司法書士の合格に必要な勉強時間とおすすめ勉強法でした。
この中で、もし参考にできる部分があれば、参考にしていただければと思います。
司法書士試験の独学による受験結果
最後に、私が独学で勉強を開始してから13年、累計3,000時間の勉強の末、ついに手に入れることができた司法書士試験の合格証書を掲載しておきます。
司法書士試験合格証書
令和3年度(2021年度)合格:午前35問(1位)・午後29問(78位)・記述35点(1,005位)⇒総合140位/613人中
法務大臣の名で発行されています。
司法書士会員証
そして、令和4年4月21日付けで、司法書士になりました。
独学が不安な方は通信講座もおすすめ
なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には、通信講座もおすすめです。
下記の記事では、司法書士のおすすめ通信講座・予備校を徹底的に比較してランキング形式でご紹介しています。初心者向け講座のほか、学習経験者向け講座、費用の安い講座など目的別のおすすめ通信講座もご紹介していますので、参考にしてください。
司法書士のおすすめ通信講座【予備校を徹底比較!】 |