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司法書士とは?仕事内容や独占業務を徹底解説!

独学で資格取得 - 目指せ!司法書士 -
司法書士とは?仕事内容や独占業務を解説

 司法書士という名前はよく聞くけれど、司法書士ってどんな資格なの?どんな仕事をするの?という人も多いのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、司法書士の資格の概要や仕事内容・独占業務についてご紹介したいと思いますので、参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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司法書士とは?

 では、司法書士とはどんな資格なのか、そして、どんな仕事をするのか、解説していきます。

合格率4〜5%の超難関資格

 司法書士とは、司法書士法という法律に基づく国家資格です。

 司法書士試験は年に一度だけ実施され、その合格率は4〜5%という難易度で、法律系資格の中では弁護士に次ぐ超難関資格とされています。

不動産登記・商業登記を中心に幅広い業務がある

 司法書士は、不動産の権利に関する登記及び商業登記の手続代理を中心的な業務としています。

 そして、高齢化社会の進展に伴い、「成年後見制度」や「民事信託」などにおいても活躍の場を広げています。

 さらに、認定司法書士になれば、簡易裁判所において、弁護士と同様に裁判業務(訴訟代理業務)を行うことも可能です。

 なお、この訴訟代理業務にスポットが当たったことで見落としがちなのが、裁判書類作成業務です。従来から司法書士には、簡易裁判所に限らず地方裁判所でも高等裁判所でも最高裁判所でも、本人訴訟を支援する形で裁判所に提出する書類の作成業務が認められています。

身近なくらしの法律家

 このように司法書士は、法律事務の専門家として幅広い業務を行うことができ、弁護士のような敷居の高い法律家ではなく「身近なくらしの法律家」として、今、注目されている国家資格のひとつとなっています。

司法書士とは
  • 合格率4〜5%の超難関資格
  • 不動産登記・商業登記の手続代理が中心的な業務
  • 成年後見制度・民事信託などに活躍の場を広げている
  • 認定司法書士は、簡易裁判所の訴訟代理業務を行うこともできる
  • 従来から、簡裁に限らず裁判書類作成業務が認められている
  • 身近なくらしの法律家」として活躍 している

司法書士の仕事内容

 では、これら司法書士の仕事内容について、もう少し具体的にご紹介していきたいと思います。

独占業務

 司法書士には、独占業務があります。

 独占業務というのは、つまり、司法書士しか、やってはいけない業務のことですね。逆に言うと、司法書士ではない人が、この業務をすると違法になり、罰せられることになります。

 司法書士の独占業務としては、以下の業務が定められています。(司法書士法第3条第1項第1号〜第5号第73条第1項

司法書士の独占業務
  • 登記又は供託に関する手続の代理
  • 法務局に提出する書類の作成
  • これらの審査請求の手続の代理
  • 裁判所又は検察庁に提出する書類の作成
  • 上記に関する相談

 以上の業務は、司法書士以外はすることができない独占業務とされています。

 ただし、他の法律に別段の定めがある場合は除かれています。つまり、他の法律で、この業務をすることが認められている場合があるわけですね。

 例えば、土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第3条に基づき、不動産の表示に関する登記の手続代理をしますし、弁護士は、弁護士法第3条の「その他一般の法律事務」として、登記申請代理業務を行うことが認められています。

非独占業務

 また、 これらの独占業務に加えて、財産管理業務(相続財産管理人、不在者財産管理人、成年後見人などへの就任)も行うことができます。(司法書士法第29条第1項同法施行規則第31条

※ 法29条1項は、「司法書士法人」に関する規定のため少々読みづらいですが、「すべての司法書士」が行うことができるものとして、施行規則31条で財産管理業務が定められています。

司法書士の非独占業務
  • 財産管理業務(相続財産管理人、不在者財産管理人、成年後見人などへの就任)

認定司法書士の業務

 特別研修を受け、認定考査に合格した認定司法書士は、以下の業務を行うことができます。(司法書士法第3条第1項6号〜第8号

認定司法書士の業務
  • 簡易裁判所における140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理
  • 筆界特定手続の代理
  • 上記に関する相談

司法書士の独占業務

 それでは、司法書士の”独占業務”について、詳しくご紹介していきます。

登記業務

 登記業務には、不動産登記商業登記とがあります。

 司法書士が担う不動産登記は、所有権や抵当権などの権利関係を登記記録(登記簿)に記録する「権利に関する登記」を行うものです。

 例えば、土地や建物を購入したときに、売主から買主へ登記の名義を変更する登記(所有権移転登記)をしたり、住宅ローンを組んだときに、金融機関の抵当権を設定する登記をしたりすることですね。

 また、商業登記は、法人を設立するために必須となる設立登記を行ったり、会社の事業内容や資本金の額、役員など、その会社の重要な事項を登記記録に記録するものです。

 司法書士は、これらの登記業務を、不動産の所有者や会社の代表者から依頼を受けて、代理で行います。

供託業務

 供託とは、供託所という機関に金銭を預ける制度のことです。

 例えば、家賃の値上げなどで折り合いがつかない場合や、貸主が行方不明で弁済することができない場合などに、供託所にその家賃を預けることにより、債務不履行となることを免れる制度です。

 この供託制度は手続きが複雑なため、司法書士に手続を依頼することが一般的です。

裁判書類作成業務(本人訴訟の支援)

 司法書士は、簡易裁判所に限らず、家庭裁判所や地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所など、裁判所の制限なく本人訴訟を支援する形で裁判書類を作成する業務が認められています。

 そもそも司法書士は、裁判書類作成業務をルーツとする資格です。

 明治時代に、裁判所に提出する書類を作成する「代書人」として司法書士の制度はスタートし、当時、弁護士は「代言人」、司法書士は「代書人」として訴訟手続の両輪を担っていました。

 その後、裁判手続は弁護士が中心に担うことになったため、司法書士の裁判業務における存在感は薄れてきましたが、依然として裁判所提出書類の作成業務は、司法書士本来の業務であることに変わりはありません。

 訴状の作成や答弁書の作成、相続放棄の申述書の作成や自己破産の申立書の作成など、裁判所に提出するあらゆる書類を作成することができます。

 ただし、弁護士と違って法廷に立つことはできませんので(簡易裁判所における140万円以下の訴訟を除く。)、傍聴席に座り、あくまでも本人訴訟を支援する形になります。

司法書士の非独占業務

 次は、司法書士の”非独占業務”についても、少し触れておきます。

財産管理業務(成年後見業務など)

 司法書士の財産管理業務の代表例は、成年後見業務です。

 成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な方を保護し、支援する制度です。

 家庭裁判所から、成年後見人(又は保佐人・補助人)として選任を受けて、不動産や預貯金などの財産管理を行います。

裁判業務(訴訟代理業務)

 平成15年に司法書士に簡易裁判所の訴訟代理権が与えられたため(平成14年5月改正、平成15年4月施行)、特別研修を受け、認定考査に合格した認定司法書士は、簡易裁判所(140万円以下の請求に限る。)において、弁護士と同様に、裁判業務(訴訟代理業務)を行うことができます。

司法書士と行政書士の仕事内容の違い

 司法書士と行政書士は、いずれも「書士」という名前がついているため混同されることがよくありますが、その違いについて簡単に説明しておきたいと思います。

司法書士の仕事

 司法書士の業務は、上記のとおり、登記・供託に関する手続の代理、法務局に提出する書類の作成、裁判所・検察庁に提出する書類の作成、簡易裁判所での代理人業務などです。

行政書士の仕事

 行政書士の業務は、官公署に提出する許認可等の書類の作成やその手続の代理、権利義務又は事実証明に関する書類の作成などです。

司法書士と行政書士の仕事の違い

 これらの違いをひとことで言うと、作成する書類の提出先の違いです。

 司法書士は、法務局や裁判所に提出しますが、行政書士は、官公署(国の機関や都道府県、市町村など)に提出します。

 司法書士が法務局に提出する書類は登記申請書などで、裁判所に提出する書類は訴状などであり、行政書士が官公署に提出する書類の代表的なものは、許認可等の申請書ということになります。

司法書士と行政書士で重複する仕事

 ただし、現実には、重複してくる業務もあります。例えば、「相続」に関する業務は、司法書士も行政書士も取り扱う業務です。

 遺言書の作成や、相続人の調査、遺産分割協議書の作成などは、司法書士も行政書士もいずれも行うことができる業務ですが、いざ、相続登記をしようとすると、その登記申請は司法書士にしかできない業務ですので、ここで違いが出てきます。

非司行為

 稀に、司法書士の独占業務が「登記申請の代理」だけで、「登記申請書の作成」は独占業務ではないと勘違いし、行政書士が相続登記の申請書を作成して本人に申請させるという事例があるようですが、これは明かな違法行為です。

 これを、”非司行為”といいます。つまり、司法書士ではない者が、司法書士の業務を行うことですね。

 法務局に提出する書類の作成(相談を受けることも含めて)は司法書士の独占業務であり、司法書士でない者がこの業務を行った場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。(司法書士法3条1項2号、73条1項、78条1項)

司法書士の年収

 司法書士の平均的な年収は、およそ500万円〜600万円ぐらいと言われています。一方、行政書士の平均的な年収は、およそ500万円ぐらいと言われていますので、そう大きな差はないようです。

司法書士になるには?

 司法書士になるためには、司法書士試験に合格後、新人研修を受講し、日本司法書士会連合会が備える司法書士名簿に登録されることで、司法書士になることができます。

独学でも合格できる?

 司法書士になるためには、まずは司法書士試験に合格しないといけませんね。

 では、司法書士試験は独学でも合格できるのでしょうか。

 正直なところ、独学で合格するのは極めて難しいですが、不可能ではありません。私自身も、司法書士試験には独学で合格しました。

 ただし、独学といっても、100%の独学ではなく、必要最小限で予備校の模試・答練や単科講座などをピンポイントで利用することは必要になりますので、その点はご留意ください。

 私がおすすめする勉強法については司法書士の独学におすすめの勉強法のページで詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

 また、おすすめテキストについては司法書士の独学におすすめのテキストのページでご紹介しています。

独学が不安な方は通信講座もおすすめ

 なお、独学が不安な方や、短期合格を目指したい方には、通信講座もおすすめです。

 下記の記事では、司法書士のおすすめ通信講座・予備校を徹底的に比較してランキング形式でご紹介しています。初心者向け講座のほか、学習経験者向け講座、費用の安い講座など目的別のおすすめ通信講座もご紹介していますので、参考にしてください。

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