光速・音速・ボウショック・・・超光速で広がる宇宙空間

 

 

光速 : チェレンコフ放射

 

音速 : 超音速衝撃波ソニックブーム

 

ボウショック

 

位相速度

群速度

エバネッセント場

トンネル効果

弾性波

音の壁

熱の壁

よどみ点

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光速は、

光が伝播する速さです。

光速は、宇宙における最大速度であり、時間と空間の基準です。

電磁場の伝播速度でもあります。

 

尚、電磁場の伝播速度は、

c  =  1 /[ε0μ0] c は一定)です。

ε0 真空の誘電率、μ0 :真空の透磁率

 

ちなみに、物質中を伝播する光の速度は、cよりもかなり遅くなるので、

物質中の光速を超えることはできます。

尚、荷電粒子の速度が、物質(誘電体)中の光速よりも速い場合に、光が出る現象を、

チェレンコフ放射といいます・・・光(電磁波)の衝撃波ですね。

 

ちなみに、重力作用も、光速で伝播するとされますが・・・

電磁波の誘電率と透磁率に相当するものは、重力の場合、何でしょう???

 

音速は、

物質(媒質)中を伝わる音の速さです。

音速は、媒質中を伝わる振動の最高速度です。

 

音速を超えると、ソニックブームという、音の衝撃波が生じます。

 

ボウショックは、

太陽風(流体)の見かけの速度が、超音速から亜音速に減速される境界です。

太陽風の衝撃波です。

 

尚、プラズマ物理学での音速は、cs2 = γp /ρ、だそうです。

 

磁気圏と周囲媒質との境界でもあります。

 

 

さて、すべての情報や物質は、

真空中の光速よりも速く伝わることは不可能とされていますが・・・

空間は、光速より速く広がってもよいようです・・・

 

138億年前の観測可能な宇宙の果ての空間は、

地球の位置から、光の約60倍の速度で遠ざかっていた、という説があります。

この空間は、現在、光速の約3.5の速度で地球から遠ざかっているという説もあります。

 

重力は、時空のゆがみを伝えますが・・・

空間が広がる速度は、光速の3.5倍(昔は60倍)なので、

重力の伝播速度も、超光速であってもよさそうな気がしますが。

 

尚、光速を超えて遠ざかる天体は、

赤方偏移Z = 1.6程度の天体と考えられますが、

この値を超える天体は、少なくとも1000個観測されています・・・

宇宙背景放射は、なんと、z = 1089 (約138億光年)です。

 

ちなみに、光の群速度は、

超光速が可能なだけでなく、0となったり、負の速度となったりすることもできます・・・

 

もし、観測可能な宇宙の果てを超えた、別の宇宙?があるなら、

光の位相速度も、超光速や負の光速?の世界があるかも???

 

しかし、超光速で移動できるとされる、

宇宙空間」そのものは、一体何でできているのでしょう?

 

電磁波(光)は横波ですが・・・

の場合、横波は、固体の場合のみ伝わります・・・

光にとっては、宇宙空間は固体

尚、音の横波は、かなり遅く、縦波の半分以下の場合もありますが・・・

なぜ光には、横波より速い「縦波」がないのでしょう・・・

縦波があると、横波より速いので、超光速になり、この宇宙空間に存在できないからでしょうか・・・

ちなみに、超音速時に生じる衝撃波に、

垂直衝撃波という、伝播方向に対して、波面が垂直なものがありますが、

何か関係するのでしょうか?

 

超光速ということは、宇宙空間」は、この宇宙の物質ではない、可能性もありますが・・・

ブレーンワールドという、

「我々の認識している4次元時空(3次元空間+時間)の宇宙は、

さらに高次元の時空(バルク)に埋め込まれた、膜(ブレーン)のような時空」

と考える宇宙モデルがあります・・・

ウイルスは、高次元空間生命(の射影)!?と、考えてみたことがありますが・・・

「宇宙空間」は、実は、高次元の物質(の影)???

 

ちなみに、重力だけが、余剰次元5次元目以降の次元)方向に伝播できる、とされます。

尚、超弦理論では、1011)次元時空が必要ですね。

 

そういえば、メトシェラ星は、144.6億年±8億年、と推定されていますが・・・

「宇宙空間」は、今の宇宙ができる「前の宇宙」にあった、過去の物質???

 

あと、宇宙の生成に、トンネル効果が関わっているという説があります。

つまり、宇宙は、無の状態から誕生し、

無から有の状態への移動は、トンネル効果によってなされた、というものです・・・

「無」ということは、時間もない時代ですが・・・

反粒子は、粒子が時間軸を過去に向かって進んでいる、と解釈することもあります・・・

 まさか、「宇宙空間」は、未来から来た(未来の宇宙の反粒子からなる)物質???

 

謎は、深まるばかりです。

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光速光速度:c

光が伝播する速さです。

 

光速は、宇宙における最大速度であり、時間と空間の基準です。

 

現代の国際単位系では、長さの単位メートルは、光速と秒により定義されています。

 

真空での光速の値は 約30km/秒です。

 

1秒間に地球7回半回ることができる速さ」とも表現されます・・・

光は直進するので、地球を実際に周回することは不可能ですが。

 

光速度は、電磁場の伝播速度でもあり、

マクスウェルの方程式で、媒質を真空にすると、光速が一定となるということが、

相対性理論の根本原理になっています。

 

尚、電磁場の伝播速度は、

c  =  1 /[ε0・μ] c は一定)です。

ε0 :真空の誘電率、μ0 :真空の透磁率

 

重力作用も、光速で伝播するとされますが・・・

 

物質中の光速

光速は、物質中では真空中よりも遅くなります。

屈折が生じるのは、光速が媒質によって異なるためです。

 

尚、物質中の光速よりも、速い速度で荷電粒子が運動することは可能で、

この時チェレンコフ放射が発生します。

 

物質の絶対屈折率は、真空中の光速を、物質中の光速で割った値で定義されています。

水の屈折率は、可視光領域波長で約1.33

真空中の光速度は、約30km/sなので、

水中での光速度は、約22.5km/sとなります。

 

相対論の方程式によると、

光速よりも速く移動する物体を仮定すると、実数で表すことのできない物理量が現れ、

質量が無限大になってしまいます。

そのため、あらゆる情報や物質は、真空中の光速よりも速く伝播することは不可能とされています。

 

しかし、光速よりも大きな速度が出現する物理的状況は、多数存在します。

 

光の群速度は、光速を超えることが可能です。

 

エバネッセント波が関与する現象や、

トンネル効果

量子もつれの状態にある場合等で、

光速を超えることができます。

 

しかし、情報伝達の速度は、前面速度(パルスの最初の立ち上がりが伝播する速さ)によっており、

群速度と前面速度の積は、物質中の光速の2乗に等しいため、

超光速の情報伝達のために使うことは不可能です。

 

量子複製不可能定理通信不可能定理というものもあります。

 

尚、いわゆる超光速運動と呼ばれるものが、

電波銀河や、クエーサーのジェット(超光速クエーサー)等で観測されます。

しかし、これは、物体が光速に近い速度で運動しており、

その方向と視線とのなす角度が小さい時に起こる投影効果とされます。

 

理論上の超光速粒子に、

タキオンや、スーパーブラディオンがあります。

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チェレンコフ放射チェレンコフ効果) 衝撃波

荷電粒子が物質(誘電体)中を運動する時、

荷電粒子の速度が、物質中の光速度よりも速い場合に、光が出る現象です。

 

この時出る光を、チェレンコフ光チェレンコフ放射光)といいます。

 

相対論は、真空中の光速がどんな場合にも一定( c )と仮定していますが、

物質中を伝播する光の速度は、cよりもかなり遅くなります

粒子は、粒子加速器等によって、物質中の光速を超えることができます。

 

この時の光速は、群速度ではなく、位相速度です。

 

位相速度は、フォトニック結晶等の周期的媒質を用いることで変えることができ、

この時最小粒子速度に達さなくとも、チェレンコフ放射を観測することができます( Smith-Purcell効果 )。

後方への放射も可能です。

 

荷電粒子が原子内を通過すると、電子軌道が乱され、電子の偏りが生じます。

偏りは、光子を放出して元に戻りますが、通常光子は打ち消し合って消えてしまいます。

しかし、荷電粒子の速度が、媒質での光速を超えていた場合、

放出された光子の速度を超えて、次の光子が放出されるため、追いつけず打ち消し合いません。

この結果、光子は外部に飛び出し、チェレンコフ放射として観測されます。

 

尚、伝導体では、光子を放出することなく、平衡状態に戻ります。

 

チェレンコフ放射は、ソニックブームに喩えられます。

 

超音速の物体によって発生する音波は、十分な速度がないため、

物体自身から離れることができません。

そのため音波は蓄積され、衝撃波面が形成されます。

 

同様に、荷電粒子も、絶縁体を通過する時に、光子の衝撃波を生成することができます。

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音速 超音速

物質(媒質)中を伝わる音の速さです。

 

音速には、位相速度群速度がありますが、

一般的には、位相速度を指します。

 

音速は、媒質中を伝わる振動の最高速度です。

 

物質自体が振動することで伝わるため、

物質の種類により決まる、物性値の1種(弾性波伝播速度)です。

 

速度単位の「マッハ」は、音速の倍数にあたるマッハ数に由来しますが、

これは、気圧や気温に影響されます。

 

このため、便宜上、標準大気中の音速 1225 km/h が使われています。

 

気相中を、音が伝わる場合、分子量が小さい物質ほど、速い傾向を示します。

 

固体では、質量数9ベリリウムが最大値を示します。

 

実際の音速は、物質の状態(温度、密度、圧力等)によって変化します。

特に相変化による影響は大きく、同じ物質では固体が最大で、次いで液体、気体の順となります。

 

温度は、気体では正の、固体では負の影響を与えます。

 

媒質中を伝わる振動の成分は、

気体と液体では、進行方向と波が同じ方向になる、縦波(疎密波)だけですが、

固体中では、地震波と同じように、横波(ねじれ波)が遅れて伝わります。

 

ちなみに、地震の初期微動速度である 5-7 km/s が、地殻における音速です。

 

気体

気体中では、音速は比熱比、気体定数、温度に依存します。

圧力はほとんど影響しません。

 

空気中の音速は、湿度を無視して乾燥空気に対する近似式で求められます。

1気圧の乾燥空気では、 331.5 + 0.61t t は摂氏温度)です。

 

液体

物質の違いにあまり影響されず、1000-1500 m/s の範囲です。

高温ほど遅いですが、74℃までは上昇し、最高速を示します。

水銀では、周波数による差が知られており、高いほど速いです。

 

尚、気泡を多数含む液体の音速は、両者の中間値にならず、より小さくなります。

これは、質量の大きい液体が、体積弾性率の小さい気体をばねとして振動するためです。

 

液体を水、気体を空気とすると、

音速の最小値は、c = 23.7 m/s です。

 

固体

固体の場合、伝播される振動が複数あり、速度も異なります。

また、物体の形状や構成(純物質では結晶構造、混合物では成分比等)によって影響されます。

この他、結晶方向と伝播方向による差や、周波数による差も大きいです。

 

縦波(疎密波)

固体で最も速いです。

 

横波

かなり遅く、縦波の半分以下の場合もあります。

 

棒の縦振動

縦波と横波の中間よりやや速く、物質によっては縦波とほぼ同じとなります。

 

表面波

物体表面(境界)で観測され、レイリー波とラブ波が知られています。

横波と同程度か、やや遅いです。

 

ラブ波は、

水平の剪断力を、地面に与える表面波です。

地表に対して平行に、進行方向に対して垂直に振動します。

レイリー波より、やや速く進みます。

 

レイリー波は、

水面に立つ、さざ波に似た動きをする表面波で、体積変化を伴う波です。

上下動と水平動からなり、地表が上下方向に楕円を描くように振動します。

実体波に比して、遅いです。 弾性波

 

屈曲波

物体が板状で、波長に対して十分に広い時に出現し、速度が振動数の平方根に比例します。

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超音速

媒質中で移動する物体と媒質の相対速度が、

媒質における音速を超えること、及びその速度です。

 

マッハ数が1より大きい、とも定義できます。

 

衝撃波等の、特異な現象を伴います。

 

実際に移動している物体の周囲では、

空気等の媒質は、乱流を持ち、

物体表面と媒質の相対速度は、確率分布を示します。

これは、機体が超音速に達していなくても、

機体の一部では、超音速による衝撃波が発生し得ることを意味します。

亜音速の気流と超音速の気流が混在する領域を、遷音速ということがあります。

亜音速は、機体表面に超音速の気流が存在しない速度です。

 

音速に近づくと、先端の空気は圧縮され、高温となります。

 

更に音速に達すると、高エネルギー衝撃波が発生しますが、

衝撃波を生み出すために、大きな運動エネルギーを要求されます。

これは、造波抵抗(音の壁といいます。

 

マッハ数による流れの分類

非圧縮性流れ

マッハ数0.3以下

流体の内部エネルギーが、運動エネルギーに比べ極めて大きく、

速度変化による温度変化を無視できます。

 

亜音速 サブソニック

マッハ数が0.3以上で、かつ流れ場のすべての部位で1未満

速度変化による温度変化が無視できないものです。

 

遷音速 トランソニック

マッハ数1前後( 0.81.3

ジェット旅客機の巡航速度です。

衝撃波の発生を伴い、音の壁の問題が生じます。

 

超音速 スーパーソニック

マッハ数1.35.0程度

ジェット戦闘機の最高速度です。

気流から機体への伝熱、つまり空力加熱と呼ばれる現象が発生し始め、

特にマッハ数3付近では、熱の壁という問題が生じます。

また、超音速機の翼等、鋭利な形状からは、

斜め衝撃波と呼ばれる、強い衝撃波が発生します。

ソニックブームによる騒音が問題となります。

 

極超音速 ハイパーソニック

マッハ数5.0以上

スペースシャトルの再突入時等。

広義には超音速に含まれますが、特殊な現象が生じます。

運動エネルギーが極めて大きいため、静圧は極めて小さいです。

1.衝撃波が物体表面に近づくことによって、衝撃波層が生じる、

2.物体先端部での断熱圧縮及び物体表面における粘性によって、極めて高温な空気となり、組成が変化する、

3.流れに平行な薄板であっても、強い衝撃波が生じる、

等があります。

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衝撃波 光速 音速

圧力波の一種で、主に空気中を伝播する、圧力等の不連続な変化です。

 

超音速飛行中の戦闘機やロケット、隕石や、

大気圏再突入した人工衛星等の周囲で発生します。

自然界では、火山噴火等でみられます。

を振るった時に、先端部が音速を超えて発生する場合もあります。

 

光(電磁波)の衝撃波チェレンコフ放射)、

太陽風の衝撃波ボウショック)、もあります。

 

媒質中を超音速で移動する物体の周りに発生し、

超音速で伝播し、急速に減衰して、最終的には音波ソニックブーム)となります。

 

衝撃波は、波面後方で圧力・温度・密度の上昇する圧縮波ですが、

自然界で発生するほとんどの衝撃波は、近傍に膨張波を伴っています。

 

衝撃波を発生させるには、大きな力が必要で、

造波抵抗という抗力として作用します。

 

分類

垂直衝撃波

伝播方向に対して、波面が垂直なものです。

形状が単純であることから、各衝撃波の空気力学的解析によく用いられます。

 

斜め衝撃波

伝播方向に対して、波面が垂直でないものです。

θが、θmax より小さい曲がり角に、超音速の流れが進入する際に発生します。

このθmax は、マッハ数とともに増加します。

尚、θが負の時は、プラントル―マイヤー膨張扇と呼ばれる、無数に集まったマッハ波が発生します。

超音速で飛行する航空機に発生した、円錐形の衝撃波(マッハコーン)も、斜め衝撃波です。

このような場合、波面の角度βは、マッハ角と呼ばれ、

マッハ数M sinβ = 1/M の関係があります。

 

離脱衝撃波

θがθmax より大きくなった時に、曲がり角の手前側に発生する衝撃波です。

地表に達すると、窓ガラスを割る等の被害を生じ、

減衰しても、ソニックブームになります。

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ソニックブームN-Wave  チェレンコフ放射

超音速飛行により発生する衝撃波が生む、轟く様な大音響です。

 

超音速で飛行する物体が上空を通過した際に、爆発したような2つの不連続な音として観測されます。

最初の音は、飛行体前方で発生した衝撃波(マッハコーン)によるもので、

2つ目の音は、物体後方(スペースシャトルの場合は垂直尾翼)で生じた衝撃波で生じます。

この2つの音を区別するのが難しく、1回しか聞こえない場合もあります。

 

2013年に、ロシア連邦で発生した隕石の落下では、

隕石の通過と爆発で発生するソニックブームが災害の原因となりました。

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ボウショックバウショック) 衝撃波

磁気圏と周囲媒質との境界です。

 

恒星にとっては、

恒星風と星間物質との間の境界です。

 

太陽系の果てでは、太陽風が銀河系の星間物質等の抵抗で、

超音速から亜音速に減速され、

ゆがんだ球状の末端衝撃波面が形成されます。

 

一方、星間物質側から見ると、

太陽風によって減速されて、傘型の衝撃波面を形成します。

 

惑星の磁気圏におけるボウショックは、

恒星風が磁気圏界面に近づくために、速度が突然落ちる境界です。

太陽風が地球の磁気圏に入る所が有名ですが、磁場を持つ全ての天体で生じます。

 

地球のボウショックは、約100-1000kmの厚さで、

地表から約9kmの位置に存在します。

 

ボウショックは、

流体(太陽風)の見かけの速度が、超音速から亜音速に減速される境界です。

 

プラズマ物理学での音速の定義

cs2 = γ p / ρ

csは音速、γは熱容量の比、pは圧力、ρはプラズマ密度を表します。 トップ

 

太陽風の粒子は、磁場に沿ってラセンの経路を描きます。

それぞれの粒子の速度は、通常の気体中における分子の熱運動速度と同じように扱うことができ、

熱運動速度の平均は、ほぼ音速となります。

 

ボウショックでは、太陽風の見かけの速度は、粒子がラセン状に進む速度以下に落ちます。

 

太陽が星間を進むボウショックも、仮定されています。

これは、星間物質が、太陽に向かって超音速で動き、

太陽風が太陽から離れる方向に超音速で動く時に発生します。

 

星間物質の速度が亜音速に減速される境界面を、ボウショック

星間物質と太陽風の圧力が平衡になる境界面を、ヘリオポーズ

太陽風の速度が亜音速に減速される境界面を、末端衝撃波面といいます。

 

太陽のボウショックは、太陽から230 AUの位置にあるようです。

 

ボウショックは、ハービッグ・ハロー天体共通の特徴でもあります。

恒星風が、星間物質と相互作用し、可視光の波長で見られる、明るいボウショックを形成します。

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位相速度 音速 チェレンコフ放射

位相、つまり波の山や谷の特定の位置が移動する速度のことです。

 

位相速度は、円の外周上の1点がどれだけの速度で移動するかを表します。

 

定位置で回転する円の円周上の点が上下する状態を縦軸とし、

横軸を、時間軸とすると、

その点は、正弦波で表されます。

 

正弦波である波動を起こす回転物の角速度角周波数)を ω rad/s とし、

外周で1秒間に移動した距離(長さ)における位相の進行度合を、波数k rad/長さ とすると、

1点の円周上の移動速度、つまり位相速度は、vφ(長さ/s)で表されます。

 vφ= ω/ k

 

分散がない場合、位相速度は群速度と一致します。

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群速度 音速 チェレンコフ放射

複数の波を重ね合わせた時に、その全体(波束)が移動する速度のことです。

 

波(波動)の周波数(角振動数)を ω、その波数を k とすると、

 

分散関係は、

ω = ω(  k  )  となり、

 

群速度 vgは、

v g   = ∂ ω ( k  ) / k 、となります。

 

分散がない場合、群速度は、位相速度に一致します。

 

群速度は、エネルギーや情報が伝わる速度と考えられています。


特別な物質中では、

レーザー光のパルスの速度は、真空中の光速度を超える速度で伝播します。

しかし、信号速度は、光の速度よりも遅いため、超光速の情報伝達は不可能です。

 

また、群速度を小さくして0として静止させたり、

負の速度とし、パルスを逆向きに伝播するようにしたりすることができます。

 

しかし、これらの場合には、光子は媒質中での光速度で伝播を続けています。

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弾性波弾性応力波弾性ひずみ波

弾性体中を伝わる変形波です。

 

体積変化を伴う、体積波と、

形状変化は生じますが、体積変化を伴わない、等体積波に大別されます。

 

一次元物体中の圧縮波引張り波は、前者に対応し、

剪断波ねじり波は、後者に対応します。

 

弾性波の伝わる速度は、弾性係数、ポアソン比と密度に依存します。

 

種類

P

進行方向に平行に振動する波動。

弾性波の中で最も早く伝播します。

 

S

進行方向に垂直に振動する波動。

 

レイリー波

S波よりも遅い速度で伝播します。

 

Head wave

観測点の位置とソースの位置に、ある特定の関係がある(観測点が表面付近にある)時に存在する波です。

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エバネッセント場 光速

電磁波(光)の反射現象において、特定の条件下で、反射する媒質内部に電磁波の浸透が発生します。

浸透した電磁波を、エバネッセント場といいます。

 

エバネッセント場から放出(反射)する電磁波は、

エバネッセント波(エバネッセント光、近接場光)といいます。

 

屈折率の高い媒質から低い媒質に、電磁波が入射する場合、

入射角をある臨界角以上にすると、電磁波は全反射しますが、

その際に、波数の(境界面に対する)垂直成分が虚数になっているために、

1波長程度まで、低媒質側の内部に電磁波が浸透することになります。

 

エバネッセント波は、反射した物体の表面近傍の状態を観測できるため、

フォトン走査型近接場光顕微鏡等に応用されています。

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トンネル効果量子トンネル効果) 光速

粒子が、古典的には乗り越えることができないポテンシャル(エネルギー)障壁を、

量子効果、つまり、時間とエネルギーとの不確定性原理により、乗り越えてしまう現象です。

 

あたかも壁にトンネルが存在し、壁をすり抜けるように見えるため、トンネル効果と呼ばれます。

 

これは、粒子の波動関数が、ポテンシャル障壁の反対側まで染み出してしまうことによります。

 

量子力学では、粒子は、同時にとしても扱われます。

波であれば、壁の向こう側にも回折によって届きます。

そのため、粒子を波と見なせる場合、粒子も壁を越えることができます。

 

我々が日常見る事ができる物については、トンネル効果は無視できます。

巨視的トンネル効果も考えられていますが。)

 

しかし、半導体や集積回路を流れる電流を扱う場合等では、トンネル効果が無視できません。

そのため、電化製品や電子機器も、トンネル効果と深く関わっています。

 

集積回路の微細化による、リーク電流増加の原因にもなります。

 

また、宇宙の生成においても、トンネル効果が関わっているという説もあります。

これは、宇宙は、無の状態から誕生し、

無から有の状態への移動は、トンネル効果によってなされた、というものです。

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音の壁音速の壁) 超音速

航空機が、音速(マッハ1付近の速度で、飛行が困難となる状況です。 熱の壁

 

空気の圧縮性の影響から生ずる、造波抗力の急増、

翼表面に生じる衝撃波の後流における、流れの剥離、

空力変化や空力弾性的な問題、

等により生じます。

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熱の壁 超音速

航空機が、マッハ3付近の速度で飛行が困難となる状況です。 音の壁

 

飛行速度がマッハ3付近に近づくと、

高速な機体の移動のために、空気が急速に圧縮される断熱圧縮により、

高温になった空気に機体が加熱され、高温となります。

 

高度10000m(標準大気)、マッハ3の飛行で、よどみ点温度350℃を超える所が生じます。

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よどみ点岐点) 熱の壁

流れ場(完全流体)の中で、速度がゼロになる点のことです。

 

通常、流線が交わることはありませんが、

よどみ点は例外で、複数の流線が交わることがあります。

 

速度がゼロで、かつ温度や密度の勾配がなく、流体が平衡状態にあることを、よどみ点状態といいます。

 

よどみ点状態における

圧力を、よどみ点圧力(総圧・全圧)、

温度を、よどみ点温度(全温度)、

エンタルピーを、よどみ点エンタルピーといいます。

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