重力波について
アインシュタイン方程式 : 一般相対性理論、宇宙項(宇宙定数)
時空(重力場)の曲率(ゆがみ)の時間変動が、波動として、光速で伝播する現象です。
重力波は、巨大質量をもつ天体が、光速に近い速度で運動する時に、強く発生します。
尚、素粒子物理学の標準理論において、
重力相互作用を伝達する素粒子として、重力子(グラビトン)が想定されていますが、2016年現在、未検出です。
重力波は、物体が加速度運動をすることにより、放出されます。
連星系の天体からは、
重力波放出が期待されます。
ブラックホール、中性子星、白色矮星等が、連星系を形成すると、
重力波によってエネルギーを放出することで、最終的に合体すると考えられています。 かに座HM星
連星系が重力波放出により、軌道半径を小さくしてゆく運動を、インスパイラル運動といいます。
コンパクトで非常に重い星の非球対称振動(中性子星・白色矮星等)では、
1つの天体からでも、重力波放出が期待されます。
ブラックホールが形成される時は、
ブラックホールに物質が吸い込まれる時に、特徴的な減衰振動(ブラックホール準固有振動)が期待されます。
複数の白色矮星の振動による重力波は、
合成されてノイズのように観測されうると予想されています。
超新星爆発のうち、非球対称な超新星爆発回転を持つものは、
運動の非対称性より、重力波放出が期待されます。
発生頻度は、連星系の合体等よりは、少ないと考えられています。
インフレーション宇宙モデル等の、初期宇宙の痕跡モデルによっては、
宇宙の相転移で発生する泡状構造の衝突等の現象で、重力波が発生する可能性があります。
背景重力波として、存在することが考えられています。
重力波の検出は、
非常に困難です。
1年で数回程度の重力波を、現在のレーザー干渉計装置で観測しようとするならば、
重力波の振幅として、10−21以下の、小さな時空の歪みを検出する必要があります。
干渉計型検出器(地上)
マイケルソン干渉計(自由質量型観測装置)を用いるものが主流です。
1つの発振装置から出たレーザー光を、直交する二方向に分け、一辺が数kmのアームを往復させます。
レーザーの反射には、時空の歪みにしたがって振動する鏡を用いることにより、
重力波が通過した時の四重極の歪みによる、
二方向の距離差(理想的には片方は伸び、もう片方は縮みます)が、
干渉縞の変化から検出される、という原理です。
アメリカは、LIGO(ライゴ)というプロジェクト名で、
一辺が4kmの、レーザーマイケルソン干渉計を2台稼働させています。
2015年9月からは、第2世代の干渉計aLIGOとして稼働を開始しました。
日本では、大型低温重力波望遠鏡( LCGT、 KAGRA かぐら)が、
2017年に、本格的に観測を開始する予定です。
干渉計のアームの長さは3kmです。
干渉計型検出器(宇宙空間)
宇宙空間に、衛星を打ち上げてレーザー干渉計を形成し、重力波を検出しようという、
LISA計画が、NASAとESAによって計画されています。
これは、3台の衛星で、一辺が500万kmのレーザー干渉計を形成します。
合体の数年前の連星系からの重力波、
白色矮星の振動による背景重力波、
初期宇宙起源の重力波、
を捉えると期待されています。
2015年9月14日、LIGOで、重力波を検出したと発表され、
GW150914と命名されました。 GW170104
この重力波は、13億光年先にある、
ブラックホール連星が合体して1つの大きなブラックホールになる過程と解析されました。
ブラックホールの質量は、太陽質量の36倍と29倍のもので、
合体後には、太陽質量の62倍のブラックホールになりました。
その差の質量(太陽質量の3倍)は、重力波として放出されたことになります。
超新星爆発を、はるかにしのぐエネルギーです。
尚、重力波源に関する数値は、10%程度の誤差を持ちます。
GW150914の観測は、
重力波を、初めて直接検出したことだけではなく、
初めてブラックホール同士の衝突を実証した観測でもあります。
また、これまで発見されていなかった、
ブラックホール連星が存在したこと、
太陽質量の30倍付近と60倍付近の質量をもつブラックホールの存在を示しました。
これまで、一般相対性理論は、太陽系等の「弱い」重力場でしか検証されていませんでした。
重力波の発見により、ブラックホールが形成される程の「強い」重力場での物理現象が初めて検証でき、
一般相対性理論の予言と無矛盾である、と結論されています。
LIGOによって、2017年1月4日に検出された、
GW150914、GW151226に次ぐ、3例目の重力波です。
重力波の波長のピークは、160-199 Hzでした。
シグナルの起源は、
地球から880+450−390メガパーセク離れた、
質量が、各々31.2+8.4−6.0と19.4+5.3−5.9太陽質量の連星ブラックホールが、
軌道崩壊して、融合したものです。
融合後のブラックホールの質量は、48.7+5.7−4.6太陽質量であり、
2太陽質量分が、重力波として放射されました。
ピーク光度は、3.1+0.7−1.3×1049Wでした。
連星ブラックホールの形成
ブラックホールの回転軸は、連星軌道の回転軸と外れており、
両方の軸がそろう確率は、5%以下と考えられています。
この配置は、連星ブラックホール系が、
球状星団等の密度の高い星団の中から形成される可能性を示唆しています。
即ち、恒星や連星の間の重力相互作用の結果として、回転軸がランダムに配置します。
一方、連星ブラックホール系が、2つの主系列星からなる連星系からできる、という説もあります。
しかし、このような連星から形成されたブラックホールは、
回転軸がそろう確率が高くなり、回転軸が逆に配置するということは、あり得ないようです。
重力子の質量の上限
GW170104の分析により、
重力子のコンプトン波長は、少なくも1.5×1016m(約1.6光年)であり、
これに相当する重力子の質量は、7.7×10-23eV/c2を超えません。
このコンプトン波長は、GW170104の重力波の波長より、約9×109倍大きいようです。
かに座の方向に、地球から1600光年離れた位置にあり、
質量が太陽の半分程度の白色矮星が2つ、重力で結合した連星系です。
公転周期と同じ周期で、X線を放出しています。
公転半径は、約7.5万kmと、地球-月間の20%しかなく、
公転周期は5分21.5秒と、最も短い公転周期を持つ連星系です。
白色矮星は、互いの重心の周りを1462km/sの速度で公転しています。
重力波の放出により、1年あたり1.2ミリ秒、公転周期が短くなっていると考えられています。
1日あたり、61cm ( 2ft )公転半径が縮んでおり、
34万年ほどで合体し、超新星になると予測されています。
重力波のエネルギーは、銀河系の中で最も強力という説もあります。
万有引力・重力場を記述する、場の方程式です。
万有引力の法則を、強い重力場に対して適用できるように拡張した方程式であり、
中性子星やブラックホール等の高密度・大質量天体や、宇宙全体の幾何学等を扱えます。
一般相対性理論によれば、大質量の物体は、周囲の時空を歪ませます。
つまり、重力とは時空の歪みであるとして説明されます。
この理論的な帰結・骨子となる方程式です。
Gμν + Λ gμν = κ Tμν
左辺は、時空の曲率を表す幾何学量であり、
右辺は、物質場の分布を表す量です。
星のような物質またはエネルギーを、右辺に代入すれば、
その物質の周りの時空が、どういう風に曲がっているかを読みとることができます。
空間の歪みが決まれば、空間中を運動する物質の運動方程式(測地線方程式)が決まるので、
物質分布も変動することになります。
Λ は宇宙定数であり、この項は宇宙項と呼ばれます。
左辺の Gμν = Rμν – 1/2 R gμν は、アインシュタイン・テンソルと呼ばれ、この発散は、0です。
Rμνは、
リッチテンソル(歪んだリーマン多様体上の測地球の体積が、ユークリッド空間上の球体からどれだけずれるかを表す量)、
R は、
スカラー曲率(リーマン多様体の、最も単純な曲率不変量で、
リーマン多様体の各点に、その近傍における多様体の内在的な形状から定まる、単一の実数を対応させたもの)です。
どちらも、時空の計量テンソル(リーマン幾何学において、空間内の距離と角度を定義する、階数が2のテンソル)
gμνの微分で書かれる幾何学量です。
つまり、アインシュタイン方程式は、計量についての連立偏微分方程式の形をしています。
右辺の Tμν は、
エネルギー・運動量テンソル(重力を生じさせる源)です。
係数 κ は、
アインシュタインの重力定数と呼ばれ、
ニュートンの重力定数 G と、 κ = 8πG /c 4 の関係にあります(π は円周率、c は光速)。
アインシュタイン方程式の両辺は、4次元2階対称テンソルであるので、
成分毎に分解すれば、10本の独立な方程式が得られます。
このうち、4本は、エネルギー保存則と運動量保存則に対応するものであり、
Gμν の空間成分に関係する、残りの6本の方程式が、時空の運動方程式に相当します。
これらは、時間微分2階の偏微分方程式6本(時間微分1階の偏微分方程式12本)ですが、
座標の選択の自由度(ゲージの自由度)が4つ、
保存則を満たしながら時間発展を行うための拘束条件が4つあると考えれば、
真空中であっても、1階の微分方程式4本(2階に直せば2本)の自由度が残ります。
この自由度は、時空の歪みを周囲に波として伝える「重力波」のモードが2つあることを意味します。
宇宙項は、正負の符号によっては、重力に対する反重力(万有斥力)として機能します。
1916年のオリジナル論文には含まれておらず、
1917年の論文で、方程式に「宇宙項」を加えて Gμν + Λgμν = κTμν の形に書き換えられました。
1917年論文の宇宙モデルは、重力と宇宙項による反重力とが釣り合う静止宇宙でした。
しかし、このモデルは不安定であり、
僅かな摂動で、膨張または収縮に転じる性質を持ちます。
1929年に、ハッブル氏が宇宙の膨張を観測的に示した後、
1931年に、アインシュタイン氏自身により消去されました。
しかし、近年の宇宙のインフレーション理論や素粒子物理学との関連の中で、
宇宙項(に相当する斥力)を導入して考えることが行われています。
ダークエネルギーは、方程式上では宇宙項です。
ダークエネルギー(暗黒エネルギー)
宇宙全体に広がって、負の圧力を持ち、
宇宙の膨張を加速していると考えられる、仮想的なエネルギーで、
「反発する重力」としての効果を及ぼしています。
ダークエネルギー(1998年)と言う用語は、
暗黒物質(ダークマター。1933年)になぞらえて作られました。
宇宙の質量とエネルギーに占める割合は、
原子等の通常の物質が4.9%、
ダークマターが26.8%、
ダークエネルギーが68.3%と算定されています(2013年)。
現在観測されている宇宙の加速膨張や、
宇宙の大半の質量が正体不明であるという観測事実を説明するために、
ダークエネルギーの効果を加えた、新しい宇宙論の標準モデルを、Λ-CDMモデルといいます。
観測的証拠
1.超新星(Ia型超新星)
1990年代後半、宇宙は減速膨張から加速膨張へ 66.2億年前に移行していることを立証しました。
2.宇宙背景放射の非等方性から、
宇宙論パラメータを求めることができます。
特に、宇宙の平坦性は、主に宇宙背景放射の観測によります。
3.バリオン音響振動は、
宇宙の晴れ上がりの際、後に銀河や星を構成することになるバリオンの、共鳴していた距離が凍結され、
銀河間の特徴的な距離が、約140メガパーセク(約4.57億光年)として銀河分布に刻まれる現象です。
2005年、銀河の分布から初めて観測されました。
性質
ダークエネルギーは、互いに反発する性質があるため、宇宙膨張を加速する原因となりえます。
宇宙の全エネルギー密度は、
宇宙がちょうど平坦になる(時空の曲率が 0 )ような、臨界密度に非常に近いです。
エネルギーは、質量と等価( E = mc2 )であるので、
宇宙が平坦になるのに必要な、臨界質量密度と呼ばれます。
光を放出する物質の観測からは、必要な質量密度の2-5%しか説明できず、
ダークマターも、25%しか説明できません。
ダークエネルギーが、残りの約70%を補えば、
全エネルギー密度は、宇宙が平坦であるのに必要な量と矛盾しなくなります。
ダークエネルギーの形態としては、
宇宙定数(静的)と、クインテッセンス(動的)があります。
宇宙定数は、
静的な宇宙を表す、アインシュタイン方程式の定常解を得るための方法として、提案されました。
この時、ダークエネルギーにあたるエネルギーを、重力と釣り合わせるために用いました。
ダークエネルギーは、宇宙定数で表される真空のエネルギー、という説があります。
宇宙定数は、時間や宇宙膨張によらず、宇宙全体に存在する、一様密度のダークエネルギーと解釈できるからです。
ダークエネルギーが、このような形をとるとすると、
ダークエネルギーが、宇宙の持つ基本的な特徴であることを示すことになります。
クインテッセンスは、
空間と時間に応じて変化する点で、宇宙定数とは異なっています。
ダークエネルギーは、ある種の動力学的な場が、粒子的に励起したものとして生まれるとする考え方もあります
クインテッセンスは、物質のように、互いに集まって構造を作ることがないように、
非常に軽くなければならないとされます(大きなコンプトン波長を持ちます)。
インフレーションとの関係
インフレーションは、
ダークエネルギーと同様の、何らかの反発力の存在を前提としています。
これによって、宇宙は、ビッグバンの直後に急速な指数関数的膨張を引き起こします。
しかし、インフレーションは、現在我々が観測しているダークエネルギーよりも、
はるかに高いエネルギー密度で起きなければならず、
宇宙の初期(誕生後一秒)で、完全に終わっていると考えられています。
そのため、ダークエネルギーとインフレーションの間に、関係があるとしても、
それがどのようなものなのかについては、不明です。
ダークエネルギーが示唆する宇宙の未来
ビッグリップ
ビッグクランチ
4次元よりも高次(5次元以上)の時空です。
物理学では、3次元の空間と 1次元の時間が、許容されている次元ですが、
更に次元を導入することで、4つの基本的な力を統一しようという理論があります。
弦理論は、
10次元の時空を要求します。
M-理論は、
11次元の理論です。
超弦理論における余剰次元は、
カラビ-ヤウ多様体の形状を持つと仮定されます。
現在の所、余剰次元は観測されていませんが、
余剰次元は、非常に小さなスケールに巻き上げられているという説があります。
一方、大きな余剰次元である可能性もあります。
つまり、現実の宇宙に現れない余剰次元が存在する可能性もあります。
大きな余剰次元は、
重力が、他の基本的な力に比べて非常に弱い理由を説明できる可能性があります。
D-ブレーンでは、
ゲージ相互作用は、開弦により媒介され、終端がブレーンに固定されています。
重力相互作用は、閉弦により媒介され、全時空(バルク)上を自由に伝播できます。
このことは、重力が、他の力よりも桁違いに弱い理由に関係する可能性があります。
高次元空間を伝播するほど、自分自身を希釈することになるからです。
その他、ブレーンガス宇宙論によると、
空間の次元が 3次元である理由は、
弦が交差しうる空間次元の最大数が 3 であるため?のようです。
弦理論において、特殊な条件下で存在するとされる物体です。
DブレーンのDは、ディリクレ境界条件に由来します。
ブレーン(膜)は、
弦等も含む、広がりを持った物理的対象全般を表す用語です。
Dブレーンも、弦と同様に、伸縮や振動等の運動を行います。
素粒子は、量子弦が特定の振動をしながら飛び回る描像に対応するという説があります。
Dブレーンも、弦によって構成されている可能性があるようです。
弦の振動が許す粒子スペクトラムの中には、
タキオンという、虚数質量を持つ等、奇妙な性質を持つ粒子が含まれます。
「全空間を満たす」Dブレーン、
つまり、空間と同じ次元を持ち、無限に広がるDブレーンを仮定すると、
このブレーンに端点を持つ弦は、ブレーン上にタキオン場を導きます。
D1ブレーン等の低次元のブレーンは、
全空間ブレーン上にあるタキオンの、コヒーレントな集団?と考える事ができるようです。
タキオン凝縮?は、この分野での中心的なコンセプトのようです。
最終的には、Dブレーンの正体は、
弦理論を非摂動論的に定義する過程で明らかになるとされます。
Dブレーンの次元
点状のDブレーンを、D0ブレーン(D粒子)、
線状のDブレーンを、D1ブレーン(Dストリング)、
平面状のDブレーンを、D2ブレーン等と表します。
更に、時間方向にも単純な広がりを持たない、
0+0次元の、D( -1 )ブレーン(Dインスタントン)があります。
ボソン弦理論は、
26次元時空の理論で、
D( -1 )からD25までのブレーンが考えられますが、
超対称性を持たない理論では、全て不安定です。
超弦理論では、超対称性チャージの保存則によって、
特定の次元のDブレーンが安定して存在することができます。
ディリクレ境界条件
開いた弦は、端点に関して、特別な扱いが必要です。
最小作用の原理を満たすためには、
端点でエネルギーが保存するという条件(ノイマン境界条件、自由端)を課すか、
または、端点を固定(ディリクレ境界条件、固定端)する必要があります。
ディリクレ境界条件の弦は、
単体ではエネルギー保存の条件を満たさず、
保存するのは、弦と固定した物体とのエネルギーの和です。
よってディリクレ境界条件を考える際には、固定する先の物体が必要です。
また、T双対という操作には、
2つの境界条件を入れ替えるという働きがあり、
双対の理論では、ディリクレ境界条件の弦を考える必要があります。
各々の次元ついて、
2つの条件のうち、いずれかの条件を選ぶ必要があります。
空間のp次元が、ノイマン境界条件を満たすなら、
弦の端点は、p次元の超曲面の中だけで、自由端として運動する事になり、
p次元空間内での物理が、見掛け上出現します。
この超曲面が、Dpブレーンの一つの解釈です。
開弦のスペクトルは、Dブレーンの「変形」に相当するモードを含んでいて、
これにより、Dブレーンが力学的な対象であるとされます。
ブレーン上での開弦の物理
Dブレーンを配置する事によって、系に存在できる弦の状態を制限する事ができます。
全ての弦は、張力を持ちます。
張力を持つものを引っぱると、その仕事はエネルギーとして蓄えられます。
弦理論は、相対論的となるので、
エネルギーを与えることは、E = m c 2から、質量を与える事と同じです。
この事から、Dブレーンの間隔を変える事で、開弦が持つことができる最低の質量をコントロールする事ができます。
更に、弦の端点をブレーンに固定する事は、弦の運動や振動の仕方に影響を与えます。
弦理論において、粒子状態は、弦ができる振動状態の違いとして「出現」するので、
Dブレーンをアレンジする事で、理論に現れる粒子をコントロールする事ができます。
ブレーンワールド宇宙論
弦理論は、宇宙が、より多くの次元を持つ事を示すので、
余剰次元が見えない理由が必要です。
一つの可能性は、目に見える宇宙が、
実は、とても大きな、3つの空間次元に広がるDブレーンであるという事です。
このシナリオは、ブレーン宇宙論と呼ばれます。
物質的なもの、つまり開弦からできているものは、
Dブレーン上に拘束され、「現実世界と垂直」に動いて、ブレーンの外にいく事はできません。
尚、重力を媒介する重力子は、閉弦の振動です。
閉弦はDブレーンに拘束されないので、
重力的な効果は、ブレーンに垂直な角度の余剰次元に依存します。
量子論を特徴づけるプランク定数と、
特殊相対性理論を特徴づける光速度によって、
質量を、長さに換算した量です。
質量 m の粒子の、コンプトン波長 λ は、
プランク定数 h と、光速度 c を用いて
λ = h /m c
と表されます。
電子のコンプトン波長は、 λe = 2.4×10−12 m です。
尚、GW170104の分析によると、
重力子のコンプトン波長は、少なくも1.5×1016m(約1.6光年)です。