準惑星についてなど

 

地球型惑星木星型惑星

 

 

準惑星

冥王星 : カロン

エリス

マケマケ

ハウメア

ケレス

 

太陽系外縁天体

エッジワース・カイパーベルト天体

散乱円盤天体

オールトの雲

 

小惑星帯

 

地球近傍小惑星

 

軌道共鳴 : 平均運動共鳴・ラプラス共鳴・永年共鳴

軌道傾斜角

軌道離心率

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準惑星

国際天文学連合 IAU )が、20068月に、「惑星」を再定義した際に、

同時に定義された、太陽系の天体の新分類です。

 

ドワーフ・プラネット(準惑星)とは、

以下の条件をすべて満たす天体です。

太陽をめぐる軌道を周回しています。

固体をその形に維持するための力(分子間力)によるのではなく

それ自身をまとめあげている重力(自己重力)によって、静水圧平衡(ほぼ球形)を保つに足る質量があります。

その軌道の近くに、他の天体が存在しています(他の天体を取り込んだり、はじき飛ばしたりしていません)。

それ自体が、衛星ではありません(ただし、「衛星」の定義はなされていません)。

 

冥王星エリスマケマケハウメアケレス、があります。

ケレス以外の4個は、プルトイド(冥王星型天体)です。

更に、数十個の天体が分類される可能性があります。

 

カロンは、「衛星かどうか」という判断を除き、基準を満たしています。

 

小惑星帯の中では、ケレスに次いで大きな天体である、

ベスタパラスヒギエアは、

自身の重力によって、球に近い形を保っている可能性があります。

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冥王星 エリス マケマケ ハウメア

準惑星に区分される天体です。

 

1930年に発見され、2006年までは、太陽系第9惑星とされていました。

 

更に、冥王星を、太陽系外縁天体の「新しい下位分類のプロトタイプ」とすることが決定され、

20086月からは、プルトイド冥王星型天体)と呼ばれるようになりました。

 

再分類された後、冥王星は小惑星の一覧に記載され、小惑星番号134340番が与えられました。

 

冥王星は、太陽を取り囲む原始惑星系円盤で形成されたという説が有力です。

 

質量は、地球の月0.2倍以下であり、

冥王星より質量が大きい衛星が7つ(ガニメデ、タイタン、カリスト、イオ、月、エウロパトリトン)もあります。

 

冥王星の直径は、2370kmで、太陽系外縁天体の中では最大です。

衛星カロンの直径は、1208kmで、

直径が冥王星の半分以上あり、二重天体とみなされることもあります。

 

冥王星の大気は、主に窒素メタン、一酸化炭素からなりますが、稀薄です。

 

太陽へ近づくと、冥王星の固体表面の温度が上昇し、

固体窒素や一酸化炭素等が昇華して気体となります。

昇華する窒素は、冷却効果があり、反温室効果をもたらします。

 

太陽から離れると、大気の大部分は凝固し、地表へと降下します。

 

大気圧は、0.15パスカル(地球の約70万分の1)。

 

冥王星の表面は、異常に不均一です。

表面のうち、

カロンに向いた側は、メタンの氷が多く、

反対側は、窒素と一酸化炭素の氷が多いです。

 

冥王星の軌道は、黄道面から大きく傾いており(17°以上)、離心率が大きいです。

軌道が傾いているため、冥王星の近日点は黄道面よりもかなり北側に( -8.0 AU )あります。

離心率が大きいことから、冥王星の軌道の一部は、海王星よりも太陽の近くに入り込んでいます。

直近で、この現象が起こったのは、197927日から1999211日です。

 

冥王星の軌道は、海王星の軌道と、32軌道共鳴状態にあります。(冥王星族

 

エッジワース・カイパーベルトは、短周期彗星の供給源と考えられており、

冥王星も、彗星の特徴を持っています。

 

冥王星の表面の物質は、太陽風によって、ゆっくりと宇宙空間に吹き飛ばされており、

冥王星が太陽の近くにあれば、彗星のように尾が発達するようです。

 

冥王星には、5つの衛星が発見されています。

 

カロンの他に、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、ステュクスがあります。

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カロン

冥王星の第1衛星かつ冥王星最大の衛星です。

 

冥王星が、冥府の王プルートーの名にちなむことから、

ギリシア神話の冥府の川・アケローンの渡し守、カローンに由来します。

 

カロンは、衛星にしては、惑星に対する質量が大きく

また共通重心が、冥王星とカロンの間の宇宙空間にあるため、

冥王星とカロンは、二重惑星との解釈もできます。

 

冥王星 - カロン系は、太陽系内で最大の連星系

つまり、重心が主天体の地表の外にある系の中で最大のものです。

 

冥王星とは互いに同期回転しているため、

カロンは常に冥王星に同じ面を向けています。

 

直径は、1208km

質量は1.90 ×1021 kgで、冥王星の7分の1です。

 

カロンは平均密度が2.24g/cm3あり、冥王星の2.05g/cm3より大きいです。

これは、メタン等の軽い物質に対する、の氷の割合が多いためと考えられています。

 

かつて、カロンは、細長い楕円軌道を回っていた時期があったと考えられています。

そのような時期には、潮汐変形で熱が発生し、

カロン内部に液体の海が存在した可能性もあるようです。

 

カロンの表面は、に覆われています。

この点は、メタンに覆われている冥王星とは違います。

 

長さ1000kmにも渡る、グランド・キャニオン( 429km )よりも巨大な谷や、

深さ79kmの深い谷もあります。

 

更に、冥王星と同様、クレーターは少ないという特徴も見られるため、

カロンでも地殻変動が起きている可能性があります。

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エリス マケマケ

冥王星型天体1つで、冥王星と同程度の大きさと考えられている、準惑星です。

 

散乱円盤天体の一種です。

 

公転周期は、約560年です。

 

エリスの軌道は、離心率が大きい楕円を描いていると考えられています。

発見当時は、太陽から 97 AUの距離にありましたが、近日点は 35 AUと考えられています。

(冥王星は 29 から 49.5 AU

 

軌道傾斜角44°という、かなり傾いた軌道を持ちます。

 

太陽系の天体の明るさは、サイズとアルベド(反射率)から決定されます。

エリスのアルベドは知られていないため、正確なサイズは不明です。

 

天体表面にメタンの氷が存在し、冥王星とよく似た性質です。

メタンは揮発性が高いため、エリスはこれまでずっと太陽から遠方に存在していたことを示します。

 

尚、ハウメアは、メタンではなく、の氷が存在します。

 

ディスノミアという衛星があり、大きさは、約350kmです。

名称は、不和の女神エリスの娘である、不法の女神デュスノミアにちなみます。

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マケマケ

準惑星であり、太陽系外縁天体の冥王星型天体です。

 

名前は、イースター島の創造神、マケマケに由来します。

 

エリス冥王星に次ぐサイズの外縁天体と考えられています。

 

公転周期は、307年です。

 

キュビワノ族に分類されますが、

冥王星と同様に、楕円がかった軌道と、傾いた公転面を持っています。

 

直径は、1,502km×1,430kmで、

冥王星50%から75%と推測されています。

そのため、明るさではハウメアを上回っていますが、サイズは同程度とされます。

 

平均密度は、1.7g/cm3です。

 

質量は、最大でも4×1021 kgと、冥王星の半分以下です。

 

20164月、NASAはマケマケに衛星を発見しました。

直径160km程度で、マケマケから約2.1kmの距離を周回していると推測されています。

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ハウメア エリス マケマケ

準惑星であり、冥王星型天体です。 ハウメア族

 

名前は、ハワイ諸島の豊穣の女神、ハウメアに由来します。

 

衛星を持つため、質量を測定することが可能で、

4×1021 kg冥王星3分の1)と計算されています。

 

細長い形で、3軸不等楕円体と考えられており、

長軸の長さは冥王星に匹敵すると推定されています。

球体でないのは、自転周期が4時間弱と、非常に短いためです。

 

尚、ハウメアの自転が速いのは、

かつて大規模な衝突を経験し、2つの衛星もその時にできたとされます。

 

キュビワノ族に分類されますが、大きな離心率と軌道傾斜角を持ちます。

これは、海王星により軌道が散乱されたためです。

 

発見当時、太陽から51AUの距離にありました。

軌道が楕円形をしているため、近日点では35AUと考えられています。

 

表面には、の氷が存在しています。

これは、冥王星の衛星カロンにも見られる性質です。

 

衛星2個発見されており、

質量は、ハウメアの約1%、約0.2%と推測されています。

1衛星はヒイアカ、第2衛星はナマカと命名されました。

いずれもハウメアの娘に由来します。

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ケレス (セレス)

準惑星1つで、小惑星帯に位置する最大の天体です。 EKB

 

小惑星として初めて発見された天体でもあり、小惑星番号1を持ちます( 1 Ceres )。

 

名前は、ローマ神話の女神ケレス(ケレース)に由来します。

 

直径は、約950 km

 

ケレスは、ごくわずかな大気と霜が存在すると考えられています。

 

形状がほぼ球形であり、表面の凹凸が少ない事から、岩石の核を持つと考えられています。

 

20141月に、2ヵ所から水蒸気の噴出が確認されました。

量は1秒あたり6kgと推定されています。

 

20152月、クレーターの中に二つの輝点が発見され、等と推測されています。

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太陽系外縁天体TNO ) 小惑星帯

海王星軌道の外側をまわる天体です。

 

エッジワース・カイパーベルト天体

散乱円盤天体

オールトの雲に属する天体が含まれます。

 

冥王星マケマケ等があります。

 

軌道要素によって、いくつかのグループに分類されています。

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エッジワース・カイパーベルト天体EKBO

太陽系外縁天体のうち、エッジワース・カイパーベルトにある天体です。

 

狭義には、軌道長半径が約3048 AUの天体を指します。

 

仮説上のオールトの雲内オールトの雲より、内側の天体です。

 

小惑星帯で最大のケレスを超えるものもあり、

総質量はメインベルト小惑星の数百倍と推算されています。

 

EKBOでは、冥王星、エリス、ハウメア、マケマケが準惑星に属します。

 

また、エリス等、軌道長半径が約48 AU以上で、離心率が大きい散乱円盤天体を含めることがあります。

 

ただし、セドナは、EKBOに含めません。

 

キロン等、ケンタウルス族や、

短周期彗星、

海王星の衛星トリトン

土星の衛星フェーベ等は、

元はEKBOだったと考えられています。

 

分類

散乱円盤天体SDO

狭義のEKBO

共鳴天体

海王星との軌道共鳴により、公転周期が整数比にある天体です。

海王星との永年共鳴と摂動により、離心率と軌道傾斜角が増大しています。

軌道が大きくSDOの定義に当てはまるものは、SDOに分類することもあります。

 

尚、以下の「32」等は、公転周期の比ですが、

角速度の比 23 )を表す流儀もあります。

 

冥王星族(プルーティノ)

海王星との32共鳴天体

公転周期約247年、軌道長半径約39.4 AUで、

エッジワース・カイパーベルトの内縁付近に位置します。

冥王星等。

尚、冥王星族は、冥王星型天体とは無関係です。

 

トゥーティノ族

海王星との21共鳴天体。

公転周期約330年、軌道長半径約47.7 AUで、

エッジワース・カイパーベルトの外縁付近に位置します。

1998 SM165等。

 

キュビワノ族

EKBOのうち、SDO、共鳴天体以外のものです。

海王星の永年共鳴を受けないため、軌道傾斜角も離心率も低く、

ほとんどは離心率0.2以下、軌道傾斜角10°以下です。

近日点距離は35 AU以上で、あまり海王星に近づきません。

軌道長半径は、ほとんどがトゥーティノと冥王星族の間の4148 AUです。

マケマケハウメア等。

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散乱円盤天体SDO

海王星の重力によって、エッジワース・カイパーベルトから外側に散乱させられた太陽系外縁天体です。

 

近日点距離は、約3040 AU

遠日点は、はるか遠く(約70〜数百AU)にあります。

 

そのため、近日点の付近では、エッジワース・カイパーベルト内に位置しますが、

軌道の大部分は、その外側に位置します。

 

離心率は0.30.7程度(最大のものでは0.9以上)、

軌道傾斜角は030°がほとんどで、

公転周期は350年以上です。

 

最も大きいものはエリスで、

公転周期が1万年を超える天体があります。

 

ケンタウルス族を、内側への散乱天体として、

外側への散乱天体であるSDOと一括して扱うことがあります。

 

散乱円盤天体を、エッジワース・カイパーベルト天体に含むか否かについては見解が分かれますが、

海王星と軌道共鳴の関係にあると推測されている天体のうち、

最外部の天体には、散乱円盤天体と区別しにくいものがあります。

 

尚、近日点がエッジワース・カイパーベルトの外にある

E-SDO または

DDOの存在が言われるようになりましたが、

E-SDOは、EKBOには含めません。

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オールトの雲 TNO

太陽系を球殻状に取り巻いているとされる、仮想的な天体群です。

 

長周期彗星や非周期彗星の起源とされます。

 

存在を仮定されている天体は、

メタン二酸化炭素・一酸化炭素等の氷が主成分と考えられています。

 

オールトの雲は、

太陽から1万天文単位( AU )、または

太陽の重力が他の恒星銀河系の重力と同程度になる10AU1.58光年

の間に、球殻状に広がっているとされます。

 

オールトの雲には、1兆個単位の数の天体が含まれると推測されています。

 

起源は、太陽系の形成と進化の過程で、

現在の木星軌道から海王星軌道付近までに存在していた小天体が、

巨大惑星の重力や相互衝突により軌道要素が変わり、

近日点距離が、海王星軌道の半径よりも大きな長楕円軌道に移ったとする説が有力です。

この説によると、もともと海王星軌道の外側にあった天体は、

エッジワース・カイパーベルト天体として、今も残っているということになります。

 

オールトの雲に含まれる可能性のある天体

長周期彗星・非周期彗星

太陽系天体の中で、オールトの雲に属すると推測される天体です。

非周期彗星の軌道は、放物線か双曲線であり、遠日点という言葉は意味をなしません。

 

小惑星

セドナは、オールトの雲に属する天体とする説がありましたが、

遠日点が最大でも924 AUであることが判明したため、

オールトの雲は1AUよりずっと内側まで広がっている(内オールトの雲)とする説と、

セドナはオールトの雲の天体ではない、とする説とが対立しています。

 

尚、セドナは、軌道が非常に大きいだけでなく、

近日点 (76 AU) でもエッジワース・カイパーベルトよりかなり外側なので、EKBOには含めません。

 

他の恒星の影響

現在太陽系から63光年の空間に存在する、グリーゼ710GL710という恒星が、

150万年後に、太陽から1光年の位置まで接近するため、

近接する空間のオールトの雲は、影響が生じると予想されます。

 

過去に、こうした恒星の接近によって軌道を乱された彗星が太陽系内部に飛来し、

その一部が地球に衝突して、大量絶滅を引き起こしたとする説があります。

 

ショルツ星系は、7万年前に、太陽から0.82光年の距離を通過したと計算されています。

仮にショルツ星系の影響でオールトの雲から彗星が散乱されたとしても、

太陽系の内側に達するには、200万年を要するとされます。

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小惑星帯アステロイドベルトメインベルト

太陽系の中で、火星木星の間にある小惑星の軌道が集中している領域です。

 

惑星は太陽系の最初の100万年に、微惑星の累積によって形成されたとされます。

 

微惑星は、度重なる衝突によって、

地球型惑星と、木星型惑星や天王星型惑星のコアとなりました。

 

しかし、現在の小惑星帯では、

木星の強い重力によって、惑星となる最終段階を阻まれ、

微惑星は単一の惑星を形成することができずに、そのまま太陽の周りを回り続けたとされます。

 

このことから、小惑星帯は原始太陽系の名残と考えることができますが、

活発な変化がみられるため、小惑星自体は原始の状態を保っているわけではありません。

 

一方、太陽系外縁天体は、太陽系の構成以来、ほとんど変化がないと考えられています。

 

小惑星帯の大部分は、ですが、

小惑星の総数は、数百万もあると推定されます。

そのため、小惑星同士の衝突は(天文学の用語としては)頻繁に起こります。

 

小惑星以外にも、

1個の準惑星と逆行小惑星、

メインベルト彗星や彗星・小惑星遷移天体も存在します。

 

小惑星帯にある天体のうち、約220個は、直径が100kmを超えます。

最も大きい天体はケレスで、直径約1,000kmです。

 

小惑星帯内の全質量は、2.3 ×1021 kg1/35)と見積もられ、その1/3は、ケレスです。

 

2番目に大きいパラスの質量は、ケレスの5分の1です。

 

質量は、ベスタ2番目で、ケレスの3.5分の1です。

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地球近傍小惑星NEAs

地球に接近する軌道を持つ天体(地球近傍天体NEO )に含まれる小惑星です。

 

イトカワは、アポロ群の小惑星で、

20059月から12月に、はやぶさが探査を行いました。

はやぶさは、2010613日に大気圏再突入し、サンプルを収めたカプセルは無事着陸しました。

 

地球近傍小惑星の起源

1. 揮発成分を失った短周期彗星

2. エッジワース・カイパーベルト

3. 木星との重力の相互作用により、小惑星帯から弾き飛ばされたもの。

 

分類

アポロ群、アモール群、アテン群の3つに大別されます。

そのため、地球近傍小惑星は、

アポロ・アモール・アテン型小惑星AAA天体と呼ばれることもあります。

 

尚、これらは、地球や水星金星火星等を通過する時に摂動を受けるので、軌道が変わりやすいです。

 

アポロ群とアテン群の小惑星は、

公転軌道が地球の公転軌道と交叉しており、地球横断小惑星とも呼ばれます。

 

特に衝突の可能性が高く、衝突時に地球に与える影響が大きいと考えられる小惑星は

潜在的に危険な小惑星( PHA )と呼ばれます。

 

NASAによると、地球に接近するために監視が必要とされるものは、8500とされます。

もっとも、今後少なくとも100年間は、地球に衝突する恐れはないとしています。

 

アポロ群

軌道長半径が1天文単位(AU)以上で、

近日点距離1.017 AU以下の小惑星。

1.017 AUは、地球の遠日点距離です。

 

アポロ群の小惑星の軌道は、半分以上が地球軌道の外側にあり、

地球軌道の内側に一時入りこむ小惑星です。

 

イトカワ

リュウグウはやぶさ2の目標天体。炭素質コンドライトからなるC型小惑星で、含水シリケイトの存在も示唆)等。

 

アモール群

軌道長半径が1 AU以上で、

近日点距離1.017 AU以上1.3 AU以下の小惑星。

 

アモール群の小惑星の軌道は、地球の軌道とは交差していませんが、

火星の軌道より内側に入り込むため、地球に接近します。

 

アポロ群と合わせて、アポロ・アモール群と呼ばれることもあります。

 

アテン群

軌道長半径が1 AU以下で、

遠日点距離0.983 AU以上の小惑星。

0.983 AUは、地球の近日点距離です。

 

アポロ群とは逆に、アテン群の軌道は、

半分以上が地球軌道の内側にあり、地球軌道の外側に一時出る小惑星です。

 

尚、地球と非常に似た軌道を取る小惑星を、アルジュナ群と呼ぶことがあります。

いくつかは、地球から見て、まるで衛星のように振舞うことから、準衛星と呼ばれます。

 

地球近傍小惑星の衝突

K-T境界は、巨大な彗星か隕石の衝突によってもたらされたとされますが、

その元として、地球近傍小惑星の可能性があるようです。

 

地球への小惑星の衝突は、

直径5kmほどのもので、1000万年毎、

直径1kmほどのもので、100万年に数回、とされます。

 

小天体の衝突は、毎月23回起こっていると考えられています。

 

2002年、NASAは、アポロ群の小惑星1950 DA( 直径1.1km )が

2880316に、0.3%の確率(他の小惑星の1,000倍)で

地球に衝突すると発表しました。

 

20112月に、2011 CQ1( 直径1.3m )が、

地球表面から、わずか5,480kmの位置を通過しました。

 

尚、木星には、地球以上に多くの天体が衝突していると考えられています。

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軌道共鳴 EKBO

公転運動を行う二つの天体が、互いに規則的・周期的に重力を及ぼし合う結果、

両者の公転周期が、簡単な整数比になる現象です。

 

公転周期が、整数比になっている状態を、尽数関係といいます。

尽数とは、有理数の古い呼び名です。

 

共鳴の種類

軌道共鳴は、以下のような性質を持ちます。

 

離心率と軌道長半径の共鳴、離心率軌道傾斜角の共鳴等、様々な軌道要素パラメータ間に生じます。

 

短い時間尺度、公転周期と同程度の時間尺度、永年的なもの(104106 年)等、様々な時間尺度で起こります。

 

長期的に見て、軌道を安定化させる方向に働くこともあれば、軌道を不安定化させる方向に働くこともあります。

 

平均運動共鳴

2つの天体の公転周期が、簡単な整数比になっている場合の共鳴です。

 

軌道が安定化する場合も、不安定化する場合もあります。

 

軌道が安定化するのは、

2つの天体が同期状態の下に運動していて、決して近接遭遇を起こさないような場合です。

 

冥王星冥王星族天体は、

より質量の大きな海王星の軌道と交差しているにもかかわらず、安定な軌道を持っています。

これは、これらの天体と海王星の公転周期が、32 の共鳴状態にあり、

海王星から常に離れた位置にあるためです。

海王星と交差しますが、海王星との共鳴軌道を持たない、他の天体は、

トリトンのように、海王星の衛星となるか、

海王星から強い擾乱(じょうらん)を受けて、この領域から弾き出されてしまいます。

 

トロヤ群に属する小惑星は、

太陽‐木星系のラグランジュ点に位置し、

木星 11 の共鳴にあるために、安定した軌道を持ちます。

 

太陽系外惑星の、グリーゼ876bとグリーゼ876cは、

21 の軌道共鳴の状態にあります。

 

軌道が不安定化する場合もあります。

小さな天体の場合は、共鳴によって、軌道が不安定化することが多いです。

 

カークウッドの空隙と呼ばれる、

メインベルトでの、小惑星がほとんど存在しない領域があります。

この領域は、木星との平均運動共鳴が起こる位置に相当し、

小惑星は、木星からの摂動を繰り返し受けて、領域外へ弾き飛ばされます。

 

 ラプラス共鳴は、

3個またはそれ以上の天体の公転周期が、互いに簡単な整数比になっている場合の共鳴です。

木星の衛星ガニメデ・エウロパ・イオの三つは、互いに 124 の軌道共鳴の状態にあります。

 

 永年共鳴

二つの天体の軌道の歳差(通常は近日点歳差)が同期している場合の共鳴です。

 

小天体が、より大きな天体(惑星等)と永年共鳴の状態にあると、

小天体は、大天体と同じ割合で、歳差運動を起こします。

 

永年共鳴は、106といった長期間にわたって、天体の軌道に作用し、

小天体の軌道の離心率や、軌道傾斜角を変化させます。

 

小惑星と土星との間に、

永年共鳴 ν6と呼ばれる共鳴があります。

土星に接近する小惑星は、この共鳴によって、ゆっくりと離心率が増加し、

やがて、火星軌道の内側に入るようになります。

このような軌道をとる小惑星は、火星との近接遭遇によって、小惑星帯から弾き出されます。

この共鳴によって、メインベルトの小惑星分布には、約2AU付近に、内側の境界が作られます。

 

また、軌道傾斜角に対する共鳴として、小惑星と土星との間に、

永年共鳴 ν16と呼ばれる共鳴があり、

軌道傾斜角の分布でも、約20度を超える小惑星が存在しない境界が作られています。

 

太陽系の平均運動共鳴

太陽系の惑星や衛星の間には、

5つの平均運動共鳴だけが知られています。

 

より大きな整数比の共鳴は、小惑星や惑星の環、小衛星等にのみ見られます。

 

23 海王星-冥王星

42 ミマス・テティス(土星の衛星)

21 エンケラドゥス・ディオネ(土星の衛星)

43 タイタン・ヒペリオン(土星の衛星)

124 イオ・エウロパ・ガニメデ(木星の衛星);唯一のラプラス共鳴

 

公転周期の整数比は、共鳴の性質を簡潔に表す便利なものですが、

実際には、以下のような、より複雑な関係が存在しています。

 

会合点が、共鳴によって定義される平衡点の周りを振動します。

軌道の離心率が 0 でない場合、軌道の昇交点・降交点や近点が移動します。

共鳴に関係したこの種の移動は、短周期のもので、永年的な歳差とは異なります。

 

「準」平均運動共鳴

太陽系の衛星の中には、共鳴に近い関係のものも存在します。

 

土星系

(53) レア‐ディオネ

 

天王星

(31) ウンブリエル‐ミランダ

(53) ウンブリエル‐アリエル

(21) チタニア‐ウンブリエル

(32) オベロン‐チタニア

 

土星系や木星系に、共鳴が存在するにもかかわらず、

天王星系に、(完全な)共鳴が見られない理由は不明です。

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軌道傾斜角i ) 準惑星 軌道共鳴

ある天体の周りを、軌道運動する天体について、軌道面と基準面とのなす角度です。

 

基準面は、太陽系の場合、

主星である、太陽の自転軸に垂直な平面、

つまり、太陽の赤道面です。

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軌道離心率 準惑星 軌道共鳴

天体の軌道の形が、どれだけ円から離れているかを表す値です。

 

軌道離心率の値により、円、楕円、放物線、双曲線が定義できます。

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