安全週記
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2019年12月21日記(宮城県 クレーン横転 1人死亡)
 12月18日宮城県塩釜市のホームセンター新築工事でクレーン車が横転し、
工事関係者の車7台が下敷きになり、車に乗っていた作業員1人が死亡、5
人が重軽傷を負う事故が発生しました。
 最初に事故の報道を見た時にはアウトリガーが出ていない。どうして片
方だけアウトリガー出して作業していたのだろう?と思いました。よく調
べるとアウトリガーは地中に埋もれていました。通常、敷き鉄板を使って
アウトリガーの沈み込みを防止するのですが、敷き鉄板を使っていなかっ
たようです。40トンもあるクレーン車で敷き鉄板を使わなかった理由は不
明ですが、吊荷が比較的軽い(10トン程度)ので大丈夫と判断したのかも
しれません。もし、そうであればお粗末な判断としか言いようがありませ
ん。


2019年12月21日記(首都高速道路湾岸線のトンネル火災)
 12月17日川崎市を通る首都高速道路のトンネルでトラックから火が出ま
した。そのトラックを追い越した場所で高速バスなど15台が次々に追突し
1人が死亡、22人が救急搬送されました。
 テレビでドライブレコーダーの映像を見たのですが、周囲は真っ暗です。
ヘッドライトが前の車を照らした時には衝突寸前です。黒煙でトンネル内
の照明は全く効果がありません。衝突事故を起こした車は、火災があった
トラックを追い越したので、危険を回避できたとして普通に走っていたの
でしょう。煙で前が良く見えなかったのですが、何も見えなかったので、
前の車両に気が付かなかったのでしょう。また、火災が発生したので、で
きるだけ遠くに逃げようと考え、逆にスピードをあげたのでしょう。
 前が見えない場合はすぐに止まれる速度で走りましょう。

 
                       ご安全に!

2019年12月14日記(ひらかたパークでの書類送検)
 ひらかたパークを運営する㈱京阪レジャーサービスが労働安全衛生法違
反で書類送検されました。違反項目は衛生管理者の未選任でした
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/20191210-pressk.pdf
 安全管理者、衛生管理者、産業医の選任は労働安全衛生法で定められて
いますが、未選任で書類送検されることはあまりありません。未選任の場
合は是正勧告が出される場合がほとんどで。今回の書類送検に至ったのは
今年7月に着ぐるみショーのダンサーが熱中症で死亡したことも含めて出
されたものだと考えます。ただし、熱中症事故発生時には未選任の状態は
解消されていました。
 この安全週記では時々書類送検事例を紹介していますが、その多くは事
故の直接的な法違反ですが、事故が起こっていなくても法違反があれば書
類送検される場合もあります。法令は事故を防止するための最低基準であ
り、法令を守っていれば十分というものではありません。
 現在、COP25(第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議)が開催
されていますが、間違いなく温暖化は進行するでしょう。今、令和2年の
安全衛生計画を作成している企業も多いと思います。熱中症対策のための
計画(対策費用の計上等)を組み込んでいただくようお願いします。

                        ご安全に!


2019年12月7日記(自殺教唆)
 三菱電機で新入社員が8月に自殺した件で、兵庫県警は30代の教育主任
を自殺教唆の疑いで書類送検する事件がありました。 
 「死ね」と言われたようなのですが、「死ね」と言われて、「判りまし
た」と答え、自殺する人は居ないでしょう。パワハラで追い詰められて精
神的な疲労がピークに達し、自殺以外の方法を考えられなかったのではな
いかと思われます。
 虐めや暴言などパワハラはよく報道されますが、自殺教唆と判断される
とは思いませんでした。
 さらに驚いたことには2014年以降、5人が精神疾患によって労災認定さ
れ、自殺した方もいたということです。なぜ悲劇が繰り返されているので
しょう。
 原因をしっかり調査できなかったのではないかと考えられます。挟まれ
る事故などの労働災害の場合では原因を追究する手法はいろいろあります
が、精神疾患に至るのは日々の積み重ね、疲労の蓄積もあり、原因追究は
困難かもしれませんが、状況を聞き取り調査し、対策を検討しなければな
りません。
 現在放映中のテレビドラマに「同期のサクラ」があります。同期入社の
5人が配属後もお互いの状況に気遣いながら問題に立ち向かっていくもの
です。
 現在、パワハラの法制化も検討されています。「パワハラをやめよう」
と言うだけではなくなりません。ハラスメント全般について社員教育する
ことが重要で、それをチェックする仕組みも必要です。
   ご安全に!

2019年11月30日記(ながら運転罰則強化)
 12月1日から“ながら運転”(運転中にスマホなどを使用する)の罰則
が強化されます。普通車の場合の違反点数は1点から3点に増え、反則金も
6,000円から18,000円となり3倍に引き上げられます。
 ながら運転が原因となっている交通事故は平成20年の1,299件から平成
30年の2,790件と、10年で2倍にもなっています。
 なぜ、ながら運転が危険かということは理解していると思いますが、仮
に2秒間スマホの画面を見ながら時速60キロで走行すると、スマホを見て
いる間に33.3メートルも走行します。これは約30メートルを目隠しして走
行するのと同じです。
 参考(警視庁:やめよう!運転中のスマホ・携帯等使用)
 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html
 「スマホの画面と前の道路を両方見ている」と主張する方も多いと思い
ますが、そんなことは神業です。試しに、運転時に前を見ながらスピード
メーターを読んでみてください。視線を動かさないとスピードメーターは
読めないはずです。
 先日、オフィス防災の展示会ではさまざまなドライブレコーダーが展示
されていました。中には通信機能があり、急ブレーキを掛けた瞬間に情報
が本社にメールされ、その時の状況がすぐに再生できるものもありました。
感心しましたが、担当の方に「運転中にスマホを見たらメール送信できる
機能はありませんか?」と尋ねたら「リアルタイムで運転席の状況を画面
で確認することは可能ですが、ながら運転を検知してメールする機能はあ
りません。視線を検知して、AIでながら運転を判定することは技術的に可
能だとは思いますが、商品化は考えていません」と言われました。
 身近な危険では、自転車のながら運転です。歩いていて危険と感じるの
は毎日のようにあります。片手にスマホを持って自転車を運転する人がと
ても多いです。みなさんも無謀な運転の被害者にならないように気を付け
てください。
                    ご安全に!

2019年11月23日記(和歌山 鉄パイプ落下)
 11月19日、和歌山市にある12階建てのビルの屋上の足場から長さ1.5m
重さ5キロの鉄パイプが落下し、近くを歩いていた男性に当たり、死亡さ
せる事故がありました。その前の週の15日にも鉄パイプが落下していまし
た。15日に危険と判断し、作業を中止しました。再発防止として防護ネッ
トを張り、取り外す鉄パイプにはロープを結びつける対策をしました。し
かし、19日にはまたもや鉄パイプが落ち、残念なことに通行人に激突し、
死亡させてしまいました。落ちた鉄パイプにはロープは結ばれていません
でした。
 なぜ、再発防止策を決めていたにも関わらず事故になったのでしょうか。
取り外す鉄パイプにロープを結びつけ、外した鉄パイプからロープを外し
次の鉄パイプに結びつけるのはとても面倒です。面倒な作業は守られない
ものです。それを守らせるには監督者が目を光らせ全ての撤去作業を確認
しなければなりません。この再発防止策は口頭で指示をしただけのように
思えます。仮にロープを結びつけていたら落ちなかったのでしょうか。よ
ほどしっかり結んでいなければパイプなので抜け落ちる可能性もあります。
 また、防護ネットは有効ですが、それを取り付けているのが足場の支柱
であり、支柱を外すたびに防護ネットを付け替えるなど面倒な作業となっ
ていたのでしょう。防護ネットは二重に張って、パイプが通る隙間もでき
ないようにしなければなりません。さらに歩道は通行禁止にするべきでし
ょう(作業場所と歩道の監視人が常に連絡を取り合う必要があります)。
 なお、歩道には「屋上作業中、落下物に注意してください」と表示があ
りましたが、注意させるのではなく、近づくことを防ぐ表示にするべきで
しょう。 


2019年11月23日記(高速道路塗装場の火事)
 11月21日、静岡市の東名高速道路の橋桁部分の塗装工事現場から火が出
て1人死亡10人が搬送される事故が発生しました。この報道を見た時「ま
たか」と思いました。場所は違いますが、首都高速道路では2014年と2015
年に立て続けに発生しました。
 2014年の火災事故では、シンナーが照明の電球に触れたことが原因と発
表がありました。その対策として防炎シートを使い、白熱電球からLED
に換え、消火器を設置していました。
 今回の発火原因はまだ分かりませんが、高速道路の下に吊り足場を組ん
で周囲をシートで囲んだ状態ですから密閉空間に近い状態かもしれません。
局部的に爆発下限界を超えたところにコンセントの火花などが影響したの
ではないでしょうか。防炎シートで囲まれた状態なので人体に静電気が蓄
積してそれが一気に放電されたためでしょうか。
 消火器が配備されていたにも関わらず大きな火災になったのは、爆発的
な出火ではないかと考えます。
             ご安全に!

2019年11月16日記(個人サンプラー)
 個人サンプラーに関するパブリックコメント(意見募集)が11月15日に
発表されました。 
 ☆作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令案について
  
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190275&Mode=0
 ☆作業環境測定基準等の一部を改正する告示案について
  
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190276&Mode=0
 パブリックコメント(意見募集)が公開される前の11月6日には「個人
サンプラーを活用した作業環境管理のための専門家検討会」報告書が公開
されました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02129.html
 現在、労働安全衛生法により化学物質等の健康障害を防止するために作
業環境測定が義務付けられています。作業環境測定の方法にはA測定・B
測定が行われています。A測定は作業場所を等間隔に測定点を定め(5点
以上)て測定します。B測定は最も濃度が高いと思われる場所(作業者の
呼吸域)を測定し、A測定とB測定の結果から作業環境を評価するもので
す。この方法は有害物の発生源が固定され、作業者の作業位置が一定であ
れば良いのですが、実際には、発散源が移動したり、いろいろな発散源に
接近したり、作業者が移動したり、作業姿勢が変わったり変化することが
多く、作業環境測定結果が実際の作業と合わないこともあります。
 今回、パブリックコメント(意見募集)の結果をもとに改正され、2021
年度から施行される予定です。これにより、A・B測定か個人サンプラー
のどちらかを選ぶことが認められます。なお、A・B測定か個人サンプラ
ーの選択は作業環境測定士の意見を踏まえて決定する必要があります。

                        ご安全に!


2019年11月9日記(羽田空港の断水)
 羽田空港第2ターミナルの断水が11月6日から始まり、8日の午後から給
水が再開されました。断水の始まりは水道水に異常な塩分が含まれていた
ことでした。貯水槽の水を全部抜き、清掃して再開されましたが、原因は
不明のままです。
 作業員が「水がしょっぱい」と訴えたことから異常が明らかになりまし
た。しかし、なぜ、都水道局から供給した水に高濃度の塩分が含まれてい
たのでしょう。局部的な異常(第2ターミナルだけ)ですから、都の水に
は問題はなく、配水管→貯水槽→各所への送水だけの閉鎖的なところで発
生していました。
 この報道で、30年以上前の私が勤めていた工場で、水道が濁ったことを
思い出しました。原因は確かボイラーの循環水がオーバーフローしたため
にあふれた水が受水槽に流れ込んだことだと記憶しています。オーバーフ
ローした水が受水槽に流れ込むような構造自体が誤った構造なのですが、
それまでオーバーフローすることがなかったので、誰も気が付かなかった
ようです。
 原因が究明できない限り給水を再開するべきではないのですが、利用者
が不自由なので再開したのでしょう。これが塩分だったから健康上の被害
は少ないのですが、他の物が混ざっていたのであればとても怖い話です。
 早期に原因を特定することを期待しています。


2019年11月9日記(階段での転倒事故)
 ある会社で階段での転倒が頻繁に発生して困っているという話がありま
した。その会社では対策として「階段の昇降では常に手すりを持つこと」
を定めたそうです。常に手すりを持つことは間違っていませんが、駅など
の階段で手すりを持ちながら昇降している人はとても少ないです。手すり
を持って昇降する習慣がないとも言えます。手すりを持つ習慣がない人に
会社の階段では必ず手すりを持つという指導も定着が難しいと感じます。
 また手すりを持つということは階段の転落による重傷化を防ぐものであ
り、対策は階段でのつまづき、踏み外しをなくすことが重要です。
 そこで、駅などの階段で、通勤客の階段昇降を観察しました。気が付い
たのは、足の踵が階段に触れない人が多いということです。昇る時は、足
の前半分が階段の踏み面に乗り、踵は宙に浮いています。降りる時は、階
段の踏み面の端(角)に足の裏の一部が面ではなく、線で接触している状
態です。踵を踏み面に乗せている人でも足の裏の後ろ側半分程度が踏み面
に乗っており、つま先は宙に浮いている状態でした。降りる時の原因は、
足の裏の接地面積が小さいことが滑ったり、踏み外すことにつながると考
えます。特に急いでいる方は階段の踏み面の端の角部分にしか足が付いて
いません。これでは靴と角の摩擦力だけで支えているようなものなので、
転倒の可能性は高いでしょう。
 昇る時の原因としては、足を上げる高さが不十分だったり、つま先が下
がっているとつま先が階段に引っ掛かって転倒すると考えられます。なお、
転倒の要因には手に物を持っているために段差がわからず転倒するなど様
々な要因もあります。
 踏み外しの原因が見えてきたのですが、対策をどうするか思案中です。
 建築基準法では一般住宅の場合の階段寸法は蹴上(段の高さ)23cm以下
踏み面15cm以上となっていますが、15cmでは上り下りしにくいです。一般
的な階段は(蹴上)×2+(踏み面)=60cmが適切と言われています。蹴
上が15cmとすると、踏み面30cmで60cmとなります。多くの方の足のサイズ
は30cm以下ですから足全体を踏み面に乗せることは可能ですが、これでは
歩きにくく、どうしても足の先は宙に浮きます。
    ご安全に!

2019年11月2日記(首里城火災)
 
31日の朝、首里城の火災でテレビの画面に釘付けになった人も多かった
でしょう。
 正殿を含めて7棟も消失してしまいました。原因は不明ですが、電気関
係だと推測します。
 今回の火災では、わからないことも多いです。たとえば、延焼を防止す
るためのドレンチャー(水で幕をつくり延焼を防止するもの。スプリンク
ラーと異なり、外からの延焼を防止するもの)や放水銃があるという報道
はありましたが、なぜそれらが有効に機能しなかったのはなぜか、内部に
は監視カメラが相当数あるがその映像は報道されていません。
 またスプリンクラーの未設置にも注目されましたが、確かに誤動作によ
る放水で文化財が損傷するリスクもあります。
 木材だから燃えるのは仕方ないのでしょうか。木材でも火災を防ぐ方法
として、ニッコーの液体ガラス処理という方法もあります。
 http://www.woodrescue.co.jp/index.html 
 しかし、文化財の保護は当時の状態をそのまま保存することが必要なの
で液体ガラス処理は賛否があるでしょう。 


2019年11月2日記(京都アニメーション事件の再発防止)
 危険物の規制に関する規則改正案が出ました。
  https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/191028_kiho.pdf
 本人確認、使用目的確認、販売記録作成を義務付けるようです。たとえ
ば、使用目的を「害虫駆除」と答えたらどうするでしょう。販売店員がゴ
キブリ等の駆除に使うのだろうとして販売するかもしれません。しかし、
悪意を持つ者は殺したい人を害虫と考えているかもしれません。
 本人確認というだけでは免許の写真と本人を確認するだけでしょうから、
一致していたら販売するでしょう。記録に残すことを義務付けていません
ので、どこの誰かは記憶だけになります。
 課題は残りますが、抑止力にはなるでしょう。


2019年11月2日記(過労死防止)
 
加藤厚生労働相は、11月1日の閣議後記者会見で、過労死の労災認定の
基準見直しに向け、来年度に有識者検討会を設置する方針を明らかにしま
した。
 現在は、脳や心臓の疾患による過労死として労災認定する「過労死ライ
ン」を、残業時間が「1か月で100時間」「2~6か月平均で80時間」として
いますが、こうした基準は2001年から変わっておらず、過労死問題に取り
組む弁護士が「過労死ラインを月65時間に見直すべきだ」と要望していこ
とから検討されているようです。
            ご安全に!

2019年10月27日記(台風等による洪水)
 台風21号は本土上陸かと思われましたが、東に向かったので安心したの
も束の間、千葉、茨城、宮城、福島などに多くの雨を降らしました。関東
地方は台風15号、19号と続けざまに上陸し大きな被害をもたらした矢先の
災害でした。
 死者も多く発生しています。その中で注目したのは、車で走行(避難行
動含む)中に水没して脱出できなかったという災害です。走行中に水位が
上がった時、マフラーに水が入ればエンジンは停止してしまいますので、
バックすることも止まることもできなくなります。浸水していないところ
に向かって走ろうとしても、道路が冠水してしまうとどこが浅いのかも分
かりません。車をあきらめて降りて逃げようとしても、今度はドアにかか
る水圧が高く、ドアを開けることさえできなくなります。例え腕力に自身
があっても、水没した車内で自由に動けない状態では窓を割ることはでき
ないでしょう。万一に備えて脱出用ハンマーを備え付けましょう。
 脱出用ハンマーには金槌タイプとポンチタイプがあります。ポンチタイ
プの方が高齢者でも簡単に割ることができます。ただし、使い方を理解し
ていないと使えないので必ず取扱説明書を読んでください。なお、フロン
トガラスにはフィルムが入っているので、ヒビは入るけど割ることは難し
くなります。
 脱出用ハンマーなどが無い場合はどうしましょう? 110番や119番をか
けても間に合いません。そんな時は、外の水位と車の中の水位が同じにな
った時がチャンスです。水圧差がないので、開けることができるでしょう。
または、エンジンが動いている間に窓を全開して走ってください。
 さて、建物への浸水防止を防ぐための止水板をいろいろ探してみました。
 文化シャッターの“止めピタ”や“ラクセット”が扱いやすいでしょう。
 http://bunka-s-pro.jp/product/tomepita/
 どちらも数分で取り付けができますが、夜間や休日など無人の時には取
り付けできません。会社に近い人が取り付けに行ければいいと考えるかも
しれませんが、自宅のことをほっといて会社に行くことは難しいと思いま
す。
 これらの止水板で守れるのは50cm程度しかありません。今回の水害で
は2mを超えたところもありました。しかし、2mにも達することを想定
した防護壁を作ることはコスト的に難しい問題です。
 万一、事業所が水没した場合の被害低減と、事業を再開するまでの期間
を短くできるように検討しておくことが重要だと感じます。
 ご安全に!

2019年10月19日記(台風19号)
 台風19号は史上最強と報道されていましたが、特に雨による災害が多く
堤防決壊は70を超える河川で発生し、決壊箇所は100を超えています。11
の都県で死者、行方不明者が発生するなど広範囲な災害でした。特に箱根
では24時間降水量が942㎜にも達していました。
 洪水を防ぐための治水工事は1000年以上前から行われていると言われて
いますが、現代でもまだ不十分ということが証明されてしまいました。家
を買う時や会社を建てる時には周囲の地形を十分に検討することが必要に
なります。
 さて、今回の台風では広範囲に大きな被害がありましたが、私が注目し
たのは岩手県山田町の田の浜地区の浸水です。この場所では東日本大震災
の津波を教訓に津波防災緑地公園の堤防(2018年完成 長さ420m、最大
高さ8m)が作られました。この堤防ができたために今回の台風により山
から大量の雨と土砂が流れ込み、堤防がその水をせき止める形になり、約
50戸が浸水してしまいました。もちろん排水溝もあったのでしょうが、今
回の大量の雨・土砂・葉などで塞がれてしまいました。災害を防ぐための
防潮堤が災害を生む結果になりました。
 新たに何かを作るときには、それが完成した時のリスクを考えなければ
なりません。
 なお、台風20号が接近しています。本州に上陸する前に温帯低気圧にな
る予想となっていますが、停滞前線と一体化して大雨になるかもしれませ
ん。地盤が緩くなっている場所も多いので引き続き警戒してください。


2019年10月19日記(ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~)
 興味深いテレビ番組が始まりました。
 https://www.nhk.or.jp/drama/drama10/jikocho/index.html
 主役は“失敗学”を研究する天才工学博士の天ノ真奈子。爆発事故、食
中毒などの事故がなぜ発生したのかを追求し、再発防止につなげる研究を
しています。
 番組の中には“ハインリッヒの法則”などの紹介があり、多くの方に興
味を持って見て、失敗から多くのことを学び取って欲しいと思います。

                        ご安全に!


2019年10月12日記(台風19号)
 台風19号の発生から上陸までが短期間でしたので、安全週記で注意喚起
できませんでしたが被害はいかがでしたでしょうか。
 屋根の補修等は専門業者に依頼してください。決して不慣れな作業者に
修理等はさせないでください。もし、作業をする場合は転落墜落対策とし
て柵や囲または安全帯(墜落制止用器具)を装着してください。決してフ
ォークリフトで作業者を上げるなど法に反する行為は絶対にしないでくだ
さい。作業を行う場合は作業手順を審議して、リスクアセスメントを実施
した上で安全対策を十分に検討してから実施してください。
 (9月21日の安全週記を参考にしてください)
 車を運転(通勤を含む)する場合には特にカーブミラーに気を付けてく
ださい。角度が曲がっていて必要な箇所が映らない場合もあります。


2019年10月12日記(事務所の室温)
 7月から8月にかけて、姫路市庁舎で室温を25度に設定する実験がありま
した。従来は28度に設定していましたが、3度下げることにより、残業が
14%も下がり、アンケートでは85%の職員が業務効率が向上したと答えま
した。
 https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20191007/2020005072.html
 残業が下がったのは働き方改革の意識によるものも含まれますが、業務
効率が向上したことは確かだと思います。このことは、労働災害防止にも
効果があるのではないでしょうか?
 労働災害のデータで比較することはできないかもしれませんが、業務に
集中できるのであれば災害防止の効果もあると考えられます。
 ところで、なぜ冷房温度を28度に設定している会社が多いのでしょう?
環境省では地球温暖化対策として冷房時の室温を28度として、軽装を呼び
かけています。同じく環境省では熱中症防止のため熱中症指数28度以上は
厳重警戒としています(熱中症指数28度とは、気温28度の時、湿度75%)
 多くの会社ではエネルギー使用量の目標を立てているので、室温を安易
に下げられないかもしれませんが、検討するべきだと考えます。

 
2019年10月12日記(信号機のない横断歩道で一時停止)
 信号のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていた時には車は一時停止し
なければなりません。これはマナーではなく、道路交通法で定められた運
転者への義務です。しかし、現実には9割の車が停止していません。
 参考(JAFの調査結果)
 https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2018-crosswalk
 2018年の調査では一時停止するのは8.6%しかありません。大阪では4%
と全国平均の半分です。私は止まります。今年で58歳になり、反応速度が
低下していると自覚しているので、車間距離を長めに保っています。視野
が広くなり、横断歩道に人がいたらすぐに気が付きます。しかし、先日は
危ない状況がありましたので紹介します。
 信号のない横断歩道の右側(運転席から見て右側に立っている歩行者)
に歩行者(横断待ち)を見つけたので停止しました。対向車線には車が走
っていませんでした。歩行者は横断をはじめて、ちょうど私の前を通り過
ぎる時に、私の車の左横を走行する自転車がありました(自転車は一時停
止しません)。“あっ、危ない”と思いましたが一瞬のことなので何もで
きません。歩行者は私の車の左側を見て、自転車に気が付き立ち止まった
ので無事でした。もし歩行者が左右を確認していなかったり、歩きスマホ
をしていたら自転車と激突していたことでしょう。本当に危なかった。
 次に同じような場面があったらどうすればよいか考えてみました。声を
掛けようにも窓を開けるような時間の余裕がありません。とりあえずクラ
クションを鳴らそうかと思います。音に気が付いてこちらの方を見ると自
然に自転車に気が付くかもしれません。
 自転車は本当に怖い。信号守らないし、交差点から飛び出してくるし、
スマホを見ていたり、見ていなくても片手にスマホを持っていることなど
が非常に多い。歩く時も車を運転する時も危険な自転車に気を付けましょ
う。
 ご安全に!

2019年10月5日記(パッカー車の逸走防止)
 大阪労働局の書類送検事例にパッカー車の運転席から離れる際に逸走防
止措置をさせなかった疑いとして掲載されました。
 
https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/20190930-HP.pdf
 廃棄物処理業者の労働者が一人で段ボールの回収作業をしている時、回
収のために車から降りた時に車両が動き出しそれを止めようとして挟まれ
たようです。
 車両から降りる時にはエンジンを止め、ブレーキを掛け、エンジンキー
を抜いたり、車止めをするなどの逸走防止が必要ですが、車両が後退した
ために発生しました。
 どこの町でも段ボールの回収は行われていますが、エンジン掛けたまま
車から降りて、段ボールを回収して運転席に乗り込んで走り去ることが多
いのだと思います。
 今回、書類送検を受けたのは車両に同乗していない経営者でした。被災
した労働者の単独行動で発生した事故ですが、経営者の責任と判断されて
います。
 おそらく、経営者は、車両を停止した時の逸走防止措置について作業手
順を定めておらず、指導もしていなかったのでしょう。
 パッカー車もフォークリフトも車両系荷役運搬機械という分類であり、
運転については免許等の資格が必要なものです。試験や講習で車両から離
れる際の逸走防止の知識を持っていたとしても、事業者はルールを定めて
指導しなければならないということです。「免許を持っているから知って
いるはず」と考えていけません。事業者が指示をする必要があります。

                        ご安全に!


2019年9月28日記(改正健康増進法)
 2020年4月1日から健康増進法が改正施行されます。受動喫煙防止につい
て進めている事業所も多いと思いますが改正健康増進法の受動喫煙防止に
ついて少し説明しますので、皆さんの会社の状況を確認してください。
①施設は第一種施設と第二種施設に区分されます。第一種は学校や児童福
 祉施設、病院、行政機関の庁舎となり、敷地内禁煙が必要になります。
 第二種施設は上記以外となります。
②第二種施設の受動喫煙防止 
 原則屋内禁煙となりますが、喫煙を認める場合は喫煙専用室を設置する
 必要があります。その喫煙専用室には2通りあります。
 (1)喫煙専用室・・・喫煙のみ可(飲食禁止)
 (2)加熱式たばこ専用喫煙室・・・喫煙および飲食可
 いかがでしょうか。すでに分煙しているから問題ないと思っている方は
ご注意ください。普通の火を付けるタバコの喫煙室ではコーヒーなどを飲
んではなりません。喫煙だけの部屋となりますのでご注意ください。また
【喫煙専用室(喫煙のみ・飲食禁止)】または【加熱式たばこ専用喫煙室
(飲食可)】等の表示をし、いずれも20歳未満立入禁止です。
 皆さんの職場では上記を満足しているでしょうか。安全衛生委員会や喫
煙者の意見も聞きながら必要な措置をしてください。
 また、喫煙専用室の条件は「職場における受動喫煙防止のためのガイド
ライン」で定められています。
 主なものは、喫煙室の出入り口面の吸い込み気流の風速が0.2m/s以上
必要になります。詳細は下記をご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/kitsuen/index.html
 また、厚生労働省では無料の相談支援をしています。下記をご確認くだ
さい。
 http://www.jashcon.or.jp/contents/second-hand-smoke

                        ご安全に!


2019年9月21日記(台風15号)
 8日の夜からの台風15号による被害状況が毎日のように報道されていま
す。まだ電気などのライフラインが戻っていないところも多く、最長で3
週間にもなるそうです。
 屋根の補修(ブルーシートなどの応急処置を含む)では転落事故も発生
しているようです。昨年の台風21号の復旧作業では大阪労働局管内で8名
の死亡、69名の休業4日以上の労働災害が発生しました。ただ、これは労
働者の災害データであり、自宅の補修を自ら行ったものは含まれていませ
ん。千葉では専門業者に依頼するように呼びかけをしています。しかし、
修理状況の報道を見ると安全帯も付けずに作業している方が多いので、専
門業者だから大丈夫とは言えません。
 屋根の作業では足場を組むのが良いのですが、足場を組まずにするため
には親綱を張り、ロリップなどでフルハーネスで転落防止を図らなければ
なりません。
 私が以前居た会社では太陽光パネルなどがありましたので、屋根上作業
について勉強会をしたことがあります。屋根に登るには梯子を使用します
が、普通の梯子では雨どいを破損させたり、瓦を破損させる可能性がある
ので、屋根用の梯子(上部にフック上のストッパーが付いたもの)などが
適しています。
 個人でブルーシート張りをすることはお勧めしませんが、しなければな
らない時の注意点として
①ヘルメットを着用すること
②滑りにくい靴を着用すること
③親綱などを張ってフルハーネス安全帯を装着すること
④ブルーシートの上は滑りやすいので、ブルーシートの上を歩かなくても
 いいように作業の順番を決めること
⑤梯子を昇る時は両手が使える状態にするため、道具類は腰や背中に掛け
 たりして運ぶこと。(又は、上からロープで引き上げる)
⑥屋根の上では後ろ向きに歩かないこと(端に気が付かず転落する)
⑦風が強い時や雨の時には作業しないこと
⑧手袋を使用するときはゴム軍手など滑り止めのある手袋を使用する
 (普通の軍手だと転倒した時などに滑ってしまう)
⑨自分の体力を過信しないこと
⑩万一に備えて医療保険、生命保険に加入すること  
⑪地上で作業を見る場合は真下から離れること(物が落ちてくる可能性が
 あります)
 決して無理をしないでください。家財より安全・健康が大事です
                        ご安全に!

2019年9月14日記(台風15号と備え)
 先週日曜日の夜から台風15号が関東を中心に大きな傷跡を残しました。
千葉では最大瞬間風速が57.5m/sということで、時速になおすと207kmにも
なります。新幹線なみの風速で鉄塔やゴルフ場のフェンスの支柱や電柱な
どを倒し、千葉県内では未だに停電や断水が続いています。また、9月と
いえども30度を超える気温でエアコンも使えず熱中症も発生しています。
 特に今回の台風については、発生(9月5日)してから上陸(9月8日)ま
での日数が短い台風でした。台風の予報を見た時に暴風域・強風域を示す
円が比較的小さいことからあまり怖くないと思った人も多いのではないで
しょうか。
 生活で困っているのは停電と断水ですが、これに関係してスマホの充電
切れ、食料品店の停電による閉店、またガソリンスタンドへの長い渋滞も
ありました(ガソリンスタンドの停電により、営業中のガソリンスタンド
に客が集中した)。
 スマホの充電切れは情報収集等の手段を失うので対策が必要です。自動
車のシガーソケットから充電するためのUSB変換器や手回し発電機なども
用意しておきましょう。台風が発生したらガソリンを満タンにしておきま
しょう。
 台風が接近したら風呂に水を貯めて生活用水として利用できるようにし
ましょう。なお、防災知識として風呂に水を貯めてのは間違っているとい
われます。その理由は、風呂水をトイレに流すと地震によって排水配管が
壊れている可能性があることです。しかし、台風で排水配管が壊れること
はあまりないので、台風の直前に風呂に水を貯めるようにした方がいいで
しょう。
 次に通勤ですが、関東ではかなり混乱しました。電車が動き出す予定が
報道されたのですが、実際に動く時間は大幅にずれたことが混乱に拍車を
掛けました。地震発生時に備えた連絡網を作っていると思いますので、余
裕を持った業務開始時間などを連絡して混乱を避けるようにした方が良い
と感じます。
 まだまだ台風シーズンは続きます。ご注意ください。

                        ご安全に!

2019年9月7日記(アンダーパスでトラック水没)
 9月4日の夜から三重県では集中豪雨があり、いなべ市の三岐鉄道の線路
をくぐる市道が冠水して大型トラックが水没しました。トラックの汚れ具
合から考える車体が完全に水没したようです。残念ながら運転席では50歳
の男性が水死してしまいました。
 アンダーパスでは水没事故が多く、多くの道路では水没の危険があるこ
とを表示しています。この道路でも壁面に青の表示がありましたが、1時
間に100㎜を超えるような雨の中では注意表示に気が付かなかったかもし
れませんし、数秒程度で通り抜けられるところなので危険を感じなかった
のかもしれません。1時間に100㎜を超える雨ならアンダーパスの中はあっ
という間に水位があがったことでしょう。
 水位がドアまで達すると、ドアは外側の水圧が強く、中から開けること
はできなくなります。電気系統が止まると窓を開けることができません。
脱出するためには窓ガラスを割るしか方法がないのですが、窓ガラスは簡
単には割れません。尖った金属製の物などががあれば叩いてキズを付けて
ガラスを割ることも可能でしょうが、運転席に工具箱を備え付けることは
あまりないので、どうすることもできません。一般的な乗用車であればヘ
ッドレストを引き抜くと2本の金属棒があるので、これで叩き割ることは
可能だと思います。
 局所的な豪雨(ゲリラ豪雨)はいつ発生するか分かりません。ハンマー
などの窓ガラスを叩き割る工具(マイナスドライバー等)でも運転席の近
くに置いておきましょう。


2019年9月7日記(京急脱線事故)
 9月5日、京急電鉄が大型トラックに衝突しトラックが炎上する事故があ
りました。この事故では事故の直前に大型トラックが踏切付近に立ち往生
し、踏切周辺を何度も切り返ししていたので、踏切内の異常を検知してい
ました。異常を知らせる信号はすぐに出されていたので、踏切前に電車を
安全に止めることができるほど余裕があったと考えられています。しかし、
運転手は気が付かなかったのでしょうか、見ていなかったのでしょうか、
あるいは、日光等で見えない状態だったのでしょうか。
 私は電車の運転の経験がないのでわかりにくいのですが、時速120キロ
ぐらいの速度で走るとき信号はしっかり認識できるのでしょうか。見逃す
ことも十分考えられます。
 昔の汽車の時代とはスピードが全く異なります。時速120キロで走る現
代では目視で異常に気が付いた時点では安全に止まることができません。
異常が発生した場合には自動的にブレーキがかかるシステムにする必要が
あります。
 高齢化社会はどんどん進みます。踏切内で転倒することもあれば、踏切
が開いている時間内に渡れない場合もあります。
 踏切内でトラックが走行不能な状態になっているのを京急の社員が見て
いたという報道がありました。なぜ、異常と判断して電車を止める行動が
できなかったのでしょうか。
 大型トラックの運転手は何度も周囲に接触し、冷静な判断ができない状
態と想像できます。昼の時間帯なので多くの方がその様子を見ていました。
誰かが非常ボタンを押していたらあの事故はなかったのではないでしょう
か。「誰かがなんとかするだろう」と考えず、事故・危険を想定した行動
を心がけましょう。
                ご安全に!

2019年8月31日記(洗剤製造工場での爆発)
 8月30日、名古屋市の洗剤製造工場で6人が重軽傷を負う爆発事故が発生
しました。洗剤の原料を混ぜる際に、撹拌機を加熱しすぎた(関係者の証
言では、ボイラーを止めるスイッチを切るのが遅れた)ことが爆発の原因
とみられています。
 スイッチを切るのが遅れた理由は不明ですが、下記のことが想像できま
す。
 ①誰かがスイッチを切っていると思い込んだ
 ②違うスイッチを切ったために発見が遅れた
 ③加熱時間を間違えた
 ④温度上昇を確認していなかった
 ⑤いつもと違う人が作業していた
 ⑥スイッチを切るタイミングを決めていなかった
 気になるのは温度監視ができているのかという点です。
 2012年9月29日、姫路市の日本触媒姫路製造所で爆発事故があり消防隊
員1人が死亡し、30人が重軽傷を負う事故がありました。この時はアクリ
ル酸の温度上昇を監視する装置がありませんでした。

 
2019年8月31日記(佐賀県豪雨)
 
28日の佐賀豪雨は多くの浸水がありました。報道を見ているとタイヤの
半分以上が浸かった状態で走る車がたくさん見られました。
 昔の車と違い、ハイブリッド車が多くなったので、水没した場合は感電
の危険がありますので、安易にエンジンをかけると危険です。ご注意くだ
さい。
 今回の被害の上にオイルの流出が加わりました。熱処理用のオイルが流
れ出しました。油は比重が水より軽いため、タンクに雨水が侵入すると比
重の軽い油が外にあふれ出ます。あふれだした量は5万~10万リットル以
上ともいわれています。幸い引火点は400℃以上なので、近くで火災が発
生しなければ発火することはないと思われます。しかし、この被害は甚大
です。命を守る行動が最優先ですが、防ぐ方法はなかったのでしょうか。
事前にこのリスクを把握していたなら、土嚢、止水板、オイルフェンス等
の準備ができていたかもしれません。
 私事ですが、私が小学校4年の時に岡山で豪雨がありました。私の家は
高台だったので問題ありませんでしたが、学校に行こうとすると、小学校
の近くは腰まで(小学生の身長で腰まで)浸かっていました。学校の近く
には柵などがない用水路がたくさんありました。結局、学校は休みになり、
パンツまでびちょびちょになりながら帰宅しました。腰まで浸かっている
ので、当然、道と用水路の境目はわかりません。その当時の用水路は現在
は蓋がされております。今考えると、無事でよかったと思います。

                        ご安全に!


2019年8月24日記(ミス・ジコチョー)
 失敗学で有名な畑村創造工学研究所の畑村洋太郎氏が監修を務めたTV
ドラマ「ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~」がNHK
総合で10月18日から放送されます。(毎週金曜夜10時から)
 「ジコチョー」とは、さまざまな事故を第三者の目で調べる事故調査委
員会のことです。
 あらすじ(NHKホームページより)
  天ノ真奈子(あまの・まなこ)は、とある一流大学の工学部教授で、
  「失敗学」を立ち上げ研究中。失敗の責任を追及するのではなく、直
  接の原因と、背景的・社会的な原因とを究明して知識化し、再発防止
  に役立てる学問だ。日々起こるさまざまな事故は常に何かの失敗であ
  り、事故調査は真奈子の最高のフィールドワーク。その活動は工学の
  枠を超え、企業の不正や医療事故など、好奇心の赴くまま広がってい
  く。性格はマイペース、わがまま勝手。「成長・進歩には必ず失敗が
  ついてまわるもの」という信念で失敗を愛し、失敗話に目を輝かせる
  ため、相手をイラつかせることも。しかし脳内に古今東西の失敗デー
  タベースを内蔵したその天才ぶりで、今日も真奈子は事故の真実へと
  たどり着く!(引用終わり)
   https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/22000/371229.html
 労働災害やさまざまな災害の直接原因だけでなく、その根本的な原因ま
で追求し対策することが必要とされます。このドラマが参考になるのでは
ないかと楽しみにしています。


2019年8月24日記(あおり運転)
 
連日のようにあおり運転の報道があります。あおり運転をする方が悪い
のですが、きっかけの多くは被害者が作っていると思います。
 何年か前に一般道路で後続の車が非常に接近して追走してくるので、ち
ょっとからかってやろうと制限速度の30kmで走行しました。赤信号で停
車するとその車から怖いおじさんがどなりつけてきました。今考えると、
どなりつけられるだけで良かったと思います。
 ルールを守っていても相手を怒らせることにつながることもありますの
で困った問題です。
 右折専用車線のない交差点で対向車線の右折の車が止まっているため、
対向車線は渋滞していました。右折車にパッシングして進路を譲ると、私
の後ろからクラクションが鳴ることもあります。
 信号のない横断歩道で歩行者を見かけるともちろん停車しますが、対向
車線の車は全然止まってくれません。歩行者は渡ることができず、長い時
間停車したままになりました。止まっている原因がわからないのか、後ろ
からはクラクションが鳴ります。窓から手を出してやっと対向車線の車が
止まってくれました。信号のない横断歩道で止まってくれない車は本当に
多いですね。こういう場合でもあおり運転のきっかけを作るのかもしれま
せん。JAFの調査では9割の車が止まらないそうです。信号のない横断
歩道で停止しなかった場合の反則金は9000円です。お気を付けてください。

                        ご安全に!


2019年8月10日記(ファンベルテ)
 毎日暑い日が続きます。私の家から最寄り駅までは徒歩で10分程度です
が駅に着いたら汗が吹き出します。最近は、空調服を着て徒歩で駅まで歩
き、駅に着いたら着替えています。車を運転する時も、事務所でも空調服
を使っています。エアコンで部屋全体を冷やさなくても自分だけ涼しけれ
ばいいので空調服を良く使っています。
 会社によっては作業服が決まっており空調服が使えないという場合があ
るかもしれませんが、今回紹介するファンベルテは、手持ちの作業服が空
調服として使えるというものです。
 https://ht.midori-sh.jp/?p=3436
 背中に付けるので、フォークリフトの運転などには不向きかもしれませ
んが、定められた作業服をそのまま使用したい場合は有効だと思います。


2019年8月10日記(解体用つかみ機)
 
建物の解体現場で使用する解体用つかみ機の災害による送検事例があり
ました。
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/190809_ibaraki.pdf
 解体用つかみ機は作業効率がいい。ブロックでも何でも破壊できます。
 以前、通りがけに、たまたま一戸建て住宅の解体をしていたので、見て
いましたが、解体用つかみ機で取り外していた部材をトラックの荷台に乗
せており、荷台には作業者が居ました。オペレーターが操作ミスをすると、
荷台の作業者は突き落とされるでしょう。
 解体現場は建設と違って不要物の処理なので操作が荒っぽくなりがちで
す。法律上、接近する場合には誘導者を配備すれば合法になりますが、接
近している場合には誘導者の指示も間に合いません。面倒であっても解体
用つかみ機が動いている時は安全な場所で待機し、作業員が近づく時には
解体用つかみ機を停止することが必要です。
      ご安全に!

2019年8月3日記(ひらパーの着ぐるみアルバイト、熱中症死亡)
 7月28日大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で、着ぐるみを着て
ダンスの練習をしていたアルバイトの男性(28)が意識不明となり、搬送
先の病院で死亡したことが分かりました。熱中症が原因ということです。
 7月28日は台風6号が通過した翌日で急激に気温が上昇しました。着ぐる
みというのは、全身が覆われていて、外からは汗の状態や顔色などが判り
ません。被災者は8月からのイベントの練習(着ぐるみを着て練習)して
いたということです。単なるダンス練習ではなく、着ぐるみを着てという
ことなので、全員での通し練習だと思われるので、キツイ状態でもなかな
か言い出せない状態だったとも言えます。周りに迷惑をかけるから言い出
せない状態ほど気を付けなればなりません。
 男性は数日前から風邪気味だったということです。28歳と若いから、本
人も周囲の方も大丈夫だと判断したのかもしれません。
 着ぐるみでなくても、職場によってはマスクを着用し、化学防護服を着
用する作業もあります。汗の状態などが見えないため、周囲の方では異変
に気が付きにくくなります。必ず作業前に健康状態を確認してください。
ただ、「良好」「不調」の確認だけでなく、朝食の内容、睡眠時間、前日
の飲酒、作業前の水分摂取量などを聞くようにし、健康状態の確認が終わ
ったあと、さらにスポーツドリンクを飲ませるようにし、作業中も15分間
隔など時間を決めて健康状態(意識等)を確認するようにしてください。


2019年8月3日記「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全」
 厚生労働省の新着情報にこのようなタイトルで掲載がありました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06087.html
 70歳前後の高齢労働者は30前後との比較があり、千人率でみると、男性
は2.3倍高くなり、女性は4.9倍高くなるというものがあります。千人率は
簡単にいうと災害の発生の頻度の指標であり、高齢者には配慮が必要なこ
とがわかります。特に女性の高齢者には配慮が必要になります。
 エイジアクション100を参考にして職場の作業環境・作業管理を検討し
てください。
 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/age_action_100.pdf


2019年8月3日記(ネッククーラーminiの続き)
 前回、ネッククーラーminiを紹介し、早速使ってみました。会った人に
見せると「すごい冷たくなるね。気持ちいいね」と絶賛でした。
 騒音が高いといいましたが、街中の騒音も大きいので、慣れるとさほど
気になりませんでしたが、汗がしたたり落ち、量が多いと感じました。お
かしい?と思ってよく観察すると、汗だけでなく、結露して水が垂れてい
るのです。
                   ご安全に!

2019年7月27日記(wemo:ウェアラブルメモ)
 
今回は役立つ文具を紹介します
 メーカーはコスモテック 商品名wemo 
 https://www.wemo.tokyo/
 仕事で客先の巡視をする時はバインダーとカメラを持っていきますが、
バインダーがあるため、片手は使えません。メモ帳でもよいのですが、開
いたり閉じたりが面倒です。
 そんな時に見つけたものが“wemo”です。手首に巻き付けて使うた
め、邪魔になりません。書いた文字は簡単に消すことができ、何回でも使
えます。
 この商品が開発されたきっかけは、看護師が血圧を測って、左手の甲に
その値を書いていて、手軽に手を汚さないで書ける方法はないかと考えた
そうです。
 使ってみるととてもいい感じです。使わない時は長さ約24cmの薄い板、
使う時は手首に巻き付けるだけなので、数秒で装着。書いた文字は指で擦
れば消えますし、消しゴムを使えばさらにきれいに消せます。
 通販サイトのアマゾンでは1,296円でした。


2019年7月27日記(ネッククーラーmini)
 熱中症防止には空調服(送気ファンを内蔵した作業服)や気化熱を利用
したものや保冷剤を利用したものなどがあります。今回紹介するのは、ペ
ルチェ素子を利用したものです。ペルチェ素子というのは”熱移動”とい
う科学現象を引き起こす半導体素子です。ペルチェ素子は2種類の金属で
構成されていて、それぞれの金属に電流を流すと片側が冷却、もう片側が
発熱されるという性質を持っています。
 今回サンコー株式会社から販売されたネッククーラーminiは重さが135g
しかないく、首に掛けて使用し、首筋の動脈を冷やすので冷たい血液を体
内に循環されて体温を冷やします。
 https://www.thanko.jp/shopdetail/000000003329/
 使用時間はモバイルバッテリーの容量によります。8000mAhの場合は8時
間使用できます。
 ただ、テレビで紹介され、あっという間に品切れ、入手できるのは1か
月後になってしまいます。
 私は本日入手しました。触った感じは保冷剤をタオルなどで包んだより
冷えます。首筋に直接当たるのですが、しばらく付けていると直ぐに慣れ
ます。ただ、首に付けているため、ファン騒音(発熱側をファンで冷やす
ため)がやかましい。耳元で騒音を測定すると67dBもありました。(騒
音が大きいと感じましたのでメーカーに問い合わせ中です)
 騒音の問題を別にすると、軽くて持ち運びもいいので、移動するときな
どにはとても良いと感じます。早速月曜日から使う予定です。ただ、電車
の中では周囲の方が騒音を迷惑に感じると思うので歩く時だけ使います。
 空調服と比べると、上半身全体を冷やす空調服の方が良いと感じます。
空調服とネッククーラーminiを両方を使うとさらに効果的です。

                        ご安全に!


2019年7月20日記(京都アニメーションの爆発)
 京都アニメーションでの放火事件には驚きました。放火とはいえ半数の
方が死亡する災害になるなんて想像がつきません。
 被害が大きくなった理由として螺旋階段があります。この建物の螺旋階
段には壁がないため、1階から3階まで吹き抜け同然なので、炎や煙が3階
まで瞬時に広がりました。火を付けた場所は螺旋階段の近くだったため、
爆風は一瞬に3階に達したでしょう。
 火災の延焼を防ぐために、防火区画を設け、壁や防火扉などで拡大を防
止し、階段等は熱による上昇気流で上層階への拡大を防ぐために区画しな
ければなりません。しかし、螺旋階段室としての区画もなく、このような
建築に問題があると考えます。建築時には消防からの指導で防炎垂れ壁
(天井から50cmぐらいまでの壁での煙の拡散を防止するためのもの)を
設けることになりましたが、ガソリンを撒いて火をつけることなどは想定
したものではありませんので、全く効果はなかったようです
 このような場合では、火災発見⇒通報⇒初期消火⇒避難などの一般的な
行動は役にたちません。とにかく逃げることしかありません。死亡した方
の多くは3階から屋上に逃げようと考えたようですが、途中で力尽きてし
まいました(一酸化炭素中毒)。屋上は避難場所とは言えませんが、屋上
に出ることができて屋上の風上に逃げることができれば助かった人も多い
と思われます。(屋上は普段から出入り自由だったのですが、屋上に出る
までに倒れたようです)
 多くの方が一酸化炭素中毒で死亡しました。一酸化炭素の比重は空気と
ほぼ同じですが、火災による熱で上の方にたまりますので、姿勢を低く、
床を這うように逃げる必要があります。
 皆様の職場には非常口に通じる経路は確保され、避難の障害となるよう
な物は置かれていませんでしょうか。二方向避難が可能でしょうか。
 この事件を教訓として、一人一人が複数の避難経路を確認してください。
日常使う避難ルートが使えない場合どのように避難すればいいか確認して
実際に通って再確認してください。ある会社では屋外にある階段を降りて
みると、1階には鍵がかかっていて出られないケースもありました。

                        ご安全に!


2019年7月13日記(産業廃棄物収集運搬会社の爆発)
 7月6日大阪府高槻市にある産業廃棄物収集運搬会社(今村産業)で爆発
事故が発生し、2名死亡、2名重症となっています。スプレー缶のガス抜き
作業中に爆発したということです。
 この事故を知り、最初に思ったことは、昨年12月に札幌の不動産会社で
消臭剤120本を放出して大きな爆発があったことは連日報道されていたの
で知っているはずですし、廃棄物を扱う会社であれば、危険性を認識でき
たはずだということです。
 さらに驚いたことは、台風による浸水で販売できなかったスプレー缶な
ので、未使用品です。その数は3000本ということでさらに驚きました。
 ガスが充填されているスプレー缶は埋め立てることができませんし、プ
レス機で鉄くず塊にもできません。仕方なくガス抜きをすることになった
のでしょう。収集運搬会社でも処理できないので、販売会社(モノタロウ)
の社員が出向いてガス抜き作業をすることになったと考えられます。
 その作業は6月上旬から毎週土曜日に行われました。
 事故に至った経過の詳細は報道されていないので、私の推測で述べさせ
ていただきますが、3000本もの大量なので、倉庫内に収まらず屋外に一時
保管されました。その屋外のものからガス抜きが始められましたが、屋外
なので、自然とガスは拡散され爆発することはありませんでした。何週間
が経過して、屋外のスプレー缶は処理でき、6日には屋内に保管されてい
るスプレー缶のガス抜き作業になりました。スプレー缶を屋外に運び出し
てから作業すれば爆発には至らなかったでしょうが、それまでに何日も作
業して何も危険を感じなかったので、何の危険も感じないまま屋内でガス
抜きをしていたと想像します。
 被災した4人は今村産業の従業員ではないということでした。最初は今
村産業の社員が立ち会っていたと考えられますが(今村産業の従業員はス
プレー缶のガス抜き作業に伴うリスクを認識していた)、何週間も同じ作
業が行われたので、被災の際には立ち会っておらず、安易に倉庫内で作業
したと考えられます。
 点火源は特定できていませんが、ハンマーで叩いていたことから微小な
火花が発生したか、照明器具等の電源投入時の火花と考えられます。
 今回のスプレー缶はパーツクリーナーだと思われます。パーツクリーナ
ーはヘキサンなどを含んでいることが多く、大量の噴射では健康影響も考
えられます。パーツクリーナーを大量に扱う会社では空気の流れる方向を
調べて、風下に向けて噴射して使用するようにしてください。また最後ま
で使用したうえで廃棄物置き場に集められますが、まとめてガス抜き穴を
開けるのではなく、使用済が発生する都度、屋外の風通しの良い場所で穴
をあけてガス抜きしてください。
 今回の事故では父親の手伝いをしていた中学生までもが巻き込まれてし
まいました。
 今回の事故は産業廃棄物処理業者と通販会社の事故ですが、業種が違っ
ても多くの方がこの事故から危険性を認識していただきたいと感じます。 

                        ご安全に!


2019年7月6日記(職場における受動喫煙防止のためのガイドライン)
 令和元年7月1日に職場における受動喫煙防止のためのガイドラインが発
表されました。
 https://www.mhlw.go.jp/content/000524558.pdf
 工場や事務所などは屋内禁煙にするか、「喫煙専用室」または「指定た
ばこ専用室(指定たばことは加熱式たばこをいいます)」を設けて喫煙を
認めることができます。喫煙専用室はタバコを吸う専用の部屋であり、飲
食は認められません。指定たばこ専用室は飲食が認められていますが、喫
煙専用室は飲食が禁止になります。
 事業者は受動喫煙防止の担当部署を定めて推進し、衛生委員会等で調査
審議する必要があります。また、労働者の募集および求人の申し込みにつ
いては、就業の場所の受動喫煙を防止するための措置に関する事項を明示
する必要があります。
 喫煙専用室等を設ける場合、技術的基準を満たすように設置しなければ
なりません。具体的には、①喫煙専用室の出入り口において、室外から室
内に流入する空気の気流が0.2m/s以上であること。②煙が室内から室外
に流入しないように、壁・天井等によって区画されていること。③たばこ
の煙が屋外に排気されていること。
 受動喫煙防止でお困りの方のために、厚生労働省では受動喫煙防止相談
窓口を設置しています。
 http://www.jashcon.or.jp/contents/second-hand-smoke
 相談は無料ですのでご利用ください。
        ご安全に!

2019年6月29日記(豪雨による爆発)
 昨年7月には西日本豪雨があり、大きな災害になったことはまだ記憶に
新しいと思います。
 その豪雨の際に岡山県総社市の「朝日アルミ産業」で爆発事故がありま
した。アルミニウム地金を製造している会社でアルミニウムを溶解する炉
が水没したため爆発(水蒸気爆発)が発生し、近くの住民がケガをしたり
住宅などが全焼しました。ほぼ1年経過したところですが、岡山県警が同
社の社長と工場長を業務上過失傷害の疑いで書類送検を受けることになり
ました(書類送検は7月1日以降の見込みです)
 書類送検の理由として、工場が浸水する危険性を認識していたにも関わ
らず操業停止などの指示をしなかったことが爆発につながったと判断され
ました。(爆発発生時には同社社員は退社したため、社員は被災していま
せん)
 爆発は7月6日午後11時35分頃に発生しましたが、6日の昼には浸水の危
険を認識しており、炉の運転を中止したのは夜になってからでした。従業
員は午後10までには全員退社しています。
 溶解炉が浸水したらどのような被害になるかは想像できたはずなのです
が操業停止の措置が遅れたと判断されました。
 自然災害といえども、事業所の災害に関係するものは、リスク管理する
必要があります。リスクを把握し、気象情報の入手と判断手順を明確にし
ておく必要があります。
                ご安全に!

2019年6月22日記(霧島酒造)
 私が普段に飲むお酒は黒霧島という焼酎です。宮崎の霧島酒造が生産し
ています。その霧島酒造が書類送検されました。
 事故は昨年11月、コンベヤーを清掃中の女性が右腕を巻き込まれ切断す
る事故があり、都城労働基準監督署は4日、安全措置を怠ったとして、労
働安全衛生法違反の疑いで同社と社員1名を書類送検しました。
 霧島酒造のホームページには経過と今後の対策が記されています。
 http://www.kirishima.co.jp/news/2019-06-05/
 以下、引用
 1. 経緯
  2018年11月21日(水)午後2時22分頃、弊社が操業する志比田工場に
 おいて、清掃作業中に労働災害事故が発生しました。この件について、
 事故発生以降、都城労働基準監督署の調査に協力しながら、事故原因の
 究明と再発防止に取り組んでまいりました。
 2. 再発防止に向けた取り組み
  弊社は、事故直後より、社内の安全衛生管理体制の強化と全従業員へ
 の安全衛生に関する教育を実施しました。今回の事態を厳粛に受け止め
 改めて労働災害の重大性を認識するとともに、労働災害の防止への取り
 組みを進めてまいります。
  (1) 清掃作業中に全てのコンベアを停止することを徹底。
  (2) 事故発生箇所の設備改善。
   (コンベアカバーの追加、安全装置の追加、洗浄配管の追加)
  (3) 全ての工場の危険個所の総点検とリスクの再評価ならびに対策の
    実施。
  (4) 安全衛生に関する教育内容の見直しと全ての従業員に向けた教育
    の徹底。
  (5) 安全衛生に関する組織体制の強化。 (引用終わり)
 この報告の中で「清掃作業中は全てのコンベアを停止することを徹底」
の「徹底」という文字に引っ掛かります。どこの会社でも災害が発生した
際には「〇〇を徹底します」などの報告書が上がっていると思います。
「〇〇を徹底します」で災害がゼロになれば、災害防止は簡単とも言えま
す。ルールを決めて指導しても実際には職場で密かに違反行為が発生し、
それが普通になって、やがて再発するものです。「徹底」では災害のリス
クは下がりません。
 それではどうすればよいかというと、
 ①ゴミや汚れが発生しない設備にする
 ②ゴミや汚れは自動的に排除される自動掃除機能を持たせる
 ③防護カバーを付けて、防護カバーを開けると電源遮断するインターロ
  ック構造
 などの対策が考えられます。しかし、これらの改造には時間がかかり、
その間、生産を止められない場合には、カバーを付けて南京錠で開けられ
ないようにするか、常時、職長が見張るなど応急的な措置が必要です。
 残念ながら、人間はルールを理解していても守らないものと考えなけれ
ば事故はなくなりません。
 さらに、インターロックを付けてこれで安全と考えるのは早いです。イ
ンターロックの安全技術はレベルがあって、レベルによっては、ガムテー
プで簡単に無効化できるものもあります。安全対策を考えた時には、どう
すれば無効化できるかも合わせて検討してください。どんなに高性能な安
全装置を付けていても、その安全装置の切り替えキーの管理ができていな
ければ勝手に解除してしまう可能性もあります。
   ご安全に!

2019年6月15日記(オートバックス「ペダル見張り番」)
 ブレーキペダルの踏み間違いが多発しており、毎日のように報道されて
います。東京都では購入費用の9割を補助することを検討しています。そ
の補助金の対象となる商品の一つに、オートバックスが販売している「ペ
ダル見張り番 価格:税込み32,399円」があります。
https://www.autobacs.com/static_html/spg/pedal_mihariban/top.html
32,399円(税込)
 この商品は、停車時または徐行時に強くアクセルを踏んだ場合に作動し
て誤発進を防止します。
 強く踏んだ時に作動するということは走行時にアクセル全開にすると止
まることを心配するかもしれませんが、走行中は作動しないので、レース
などをしない限り問題ありません。事故の多くが駐車時、発進時なので有
効だと考えます。
 ただ、4月19日に発生した東池袋で87歳の男性が起こした事故は走行中
にブレーキを踏もうとして間違ってアクセルを強く踏んだと考えられるた
め、「ペダル見張り番」では誤操作を検出できない可能性があります。
 今後、大阪も補助金の対象になれば、私も取り付けたいと思います。
 最近、車を運転するとき、足はどのような位置にあるのか注意してみる
と、私の場合は、ブレーキペダルの真下の床面に踵を付け、足首を右にひ
ねりながらアクセルペダルを踏んでいました。
 ブレーキの踏み間違いは後ろを見るなど身体をひねった後に発生する確
率が高いということです。身体をひねった時、腰を回すと同時に足も同じ
方向に動いてしまい、自然とアクセルペダルに足を掛けてしまいます。
 事故を防ぐためには、身体をひねる時も運転するときも踵の位置を動か
さないように意識しています。

2019年6月15日記(G20大阪サミット)
 6月28日は某会社で安全衛生指導の予定がありましたが、G20のため中
止になりました。交通規制などは事前に周知されていますが、不測の事態
が発生するかもしれないので中止したいと申し出がありました。
 G20の開催が月末ということで車移動が集中する時期と重なります。通
勤など車を使用する際には大幅な渋滞が予想されます。時間に余裕をもっ
て安全に運転してください。
            ご安全に!

2019年6月8日記(シーサイドライン逆走事故)
 6月1日に発生したシーサイドラインの逆走事故の原因が報道されました。
 自動列車運転装置(ATO)の流れは下記の通りです
 ①駅のATOから方向転換を指示する
 ②車両のATOからモーター制御装置に方向転換の信号を送る
 ③車両のATOから方向転換完了と駅のATOに信号を送る
 ④駅のATOが確認して発車指示信号を送る
 ⑤発車
 ところが、車両側の断線で②の信号がモーター制御装置に伝わらなかっ
たのです。③は方向転換の指示がモーター制御装置に伝わったことをチェ
ックしないまま方向転換完了の信号を送る流れになっていました。断線し
たことを検知できないのはシステムの欠陥と言えます。今回、原因が特定
されたことから、対策が進むことでしょう。
 人間も同じです。たとえば「安全帯を使用しろ!」と指示しただけで完
了してはいけません。「安全帯を使用しろ!」と指示したら、使用を確認
しなければなりません。指示しっぱなしで確認をおろそかにしていること
はありませんか。
                ご安全に!

2019年6月1日記(パワハラ防止法)
 5月29日、パワハラ防止法が成立しました。来年春より施行される見通
しです。これまで明確な定義がなかったパワハラを「職場において行われ
る優越的な関係を背景とした言動」などと明記。企業に相談窓口の設置な
ど新たに防止措置を義務付けられます。
 この定義もあいまいではわかりにくいと感じますが、施行されることが
確実になりましたので、事業所は対応しなければなりません。
 厚生労働省では無料で専門家を派遣する事業をしています。対象は中小
企業に限られ、150社しか受けることができませんが、数か月にわたって
指導を受けたり企業内研修を実施してもらえるので利用されてはいかがで
しょうか。
 http://partner.lec-jp.com/ti/harassment/
 公益社団法人 21世紀職業財団ではハラスメント防止コンサルタントの
養成講座および認定試験を実施しています。受験資格には衛生管理者等の
資格要件がありますが、9月に実施される養成講座を修了すれば受験資格
を満たします。
 https://www.jiwe.or.jp/harassment/consultant


2019年6月1日記(シーサイドライン逆走事故)
 1日夜、横浜にある新交通システム(無人走行)「シーサイドライン」
で列車が逆走して車止めに衝突して多数の被災者がありました。なぜ逆走
したのか原因は全くわかりません。
 今回の事故は新杉田駅で終着駅のため、逆走した場合には車止めがあり
ますが、路線の途中で逆走すれば、後続車に正面衝突することも考えられ
ます。今回は逆走し始めて数秒間で車止めに衝突したので、監視室でも対
応が取れなかったようです。路線の途中で逆走した場合には、監視室から
緊急停止措置がとれるので、後続車との正面衝突の可能性は低いと考えら
れますが、無人の車両が暴走するのはとても怖いものです。
 事故の原因等がわかり次第コメントさせていただきます。

                        ご安全に!

2019年5月25日記(フルハーネス)
 フルハーネスの特別教育が義務化され、当方にも特別教育の講師依頼が
あり、すでに10回実施しました。
 よく質問されるのは、「5m以下だったら従来通り胴ベルト型安全帯を
使ってもいいですね」というものです。
 法令上では6.75m以上ではフルハーネス型が必須になり、ガイドライン
では5m以上はフルハーネスと記載があります。
 装着に時間がかかること、重たいことなど、フルハーネスを敬遠する気
持ちはわかるのですが、2m以上の高所ではフルハーネスを使うようにし
ていただきたと思います。たとえば、地上からの高さが2mだった時、フ
ックを掛ける位置の高さを0.85mとすると、転落した時はフックから地上
まで2.85mあります。ランヤードの長さを1.5m、ショックアブソーバの
伸びを1.2mにしても合計2.7mとなり、頭蓋骨を地上に打ち付けることは
防げます。
 それに対して、胴ベルト型を使用していれば、2mでも地上への激突は
避けられたとしても、お腹に深く食い込み内臓破裂で死亡することもあり
ます。内臓破裂を防ぐために腰骨にしっかり固定するように指導はされて
いても、現場で見る限りでは、お腹に締めている人が多い状況です。
 現在、墜落制止用器具規格適合品のフルハーネスの入手が困難になって
いますが、胴ベルト型も新しい規格に適合したものを使う必要があります
のでご注意ください。(旧規格品でも、2022年1月1日まで使用は認められ
ています)
 新規に購入する場合は「安全帯規格適合品」または「墜落制止用器具規
格適合品」のどちらかが記載されています。「安全帯規格適合品」と記載
されていれば旧規格品です。
 私は先日あるメーカーのSサイズのフルハーネス(新規格品)を購入し
ました。身長165cmまで対応と書いてありましたが、私には大き過ぎま
した(私の身長は160cm)。以前から使っている別のメーカーのフルハ
ーネスはMサイズで問題なかったのですが、新しく買ったものは調整して
もベルトのたるみが大きくて現場では使えません。
 購入時には必要数を一括発注するのではなく、いろいろなメーカーのい
ろいろなタイプを試着した方がよいでしょう。一番気になるのは腿ベルト
の「水平型」と「V型」です。受講者に感想を聞くと水平型が良いという
人とV型が良いという人とわかれます。メーカーによっても装着感が異な
りますので、作業者の意見を聞きながら購入していただきたいと思います。
また、電動工具などを吊るす作業ベルトが邪魔になったり、ポケットが使
えなくなったりしますので買ってから後悔しないようにしてください。
 一番大事なことは、高所で作業するときは常にフックを掛けておくこと
です。フルハーネスを装着していてもフックを掛けていなければ、転落す
れば致命傷です。講習の最後には「どうすればフックの掛け忘れを防げる
か」を話し合うようにしています。フックを掛けることが一番重要だと意
識し、監督者は常にチェックし、作業者同士でもチェックしあうようにし
ましょう。
 なお、屋外作業では空調服を着用することも多いと思います。フルハー
ネス用の空調服(背中にランヤードを接続する開口部付き)もあります。

                        ご安全に!


2019年5月19日記(平成30年労働災害発生状況)
 平成30年の労働災害発生状況が公表されました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04685.html
 死亡災害は909人となり、前年から69人減少しましたが、死傷災害は
127,329人で前年から7000人近く増加しました。特に増えたのは転倒災害
で、約3500人も増加しています。業種別でみると小売業・社会福祉施設・
飲食店等の第三次産業で約4,000人増加しています。
 死傷災害の事故の型をみると、転倒、墜落・転落、動作の反動・無理な
動作の3項目が特に増加しています。これには高齢者の災害が多くを占め
ています。
 50~59歳が30,385人、60歳以上が33,246人となりますので、50歳以上は
63,631人で、死傷災害の半数を占めています。60歳以上の就労者は増加傾
向にありますので、高齢者の占める割合も増加するでしょう。令和時代の
安全管理は特に高齢者の安全確保が課題となります。
 高齢者への配慮を行うことが重要になってきます。(下記は例)
①通路を区画し、その通路には物を置かないこと、凸凹や段差をなくす。
 照明を明るくする。凸凹や段差がやむを得ない場合は特に明るくする。
②階段や踏み台等には滑り止めを行う。階段や踏み台には手すりを設ける
③見通しの悪い場所にはカーブミラーを付ける。通路や階段には左側通行
 あるいは右側通行などすれ違いの際の接触を防ぐ。
④高所作業は可能な限り避ける。
⑤重量物の扱いを避ける(年齢や体格を考慮する)。
 重量を表示する。
⑥必要に応じて、膝や肘のプロテクターを付ける。
⑦職場パトロールでは高齢者による高齢者のための安全パトロールを組み
 込む。
⑧作業前の体操やストレッチを行う。

 
2019年5月19日記(平成30年熱中症発生状況)
 平成30年の熱中症発生状況が公表されました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04759.html
 熱中症防止対策は進んできたはずなのですが、死亡災害は前年の2倍の
28人、死傷者は前年の2倍以上の1,178人、死傷者については、過去最悪と
思われた平成22年の656人を大きく上回っています。
 職場の中には水分さえ十分に摂っていたら大丈夫と思っている人はいな
いでしょうか、水分は必要ですが水分の対策だけでは防げません。睡眠・
休養も重要です。朝元気でも、業務の疲労が加わり、体調は変化していき
ます。管理監督者が声掛け巡視を行ったり、労働者相互での声掛けなどを
してください。特に新入社員や高齢者に対して注視してください。

                        ご安全に!


2019年5月11日記(滋賀 大津 保育園児交通事故)
 交通事故はたくさん発生しているが、幼い命が失われるのは特に胸が痛
みます。5月8日滋賀県で発生した事故は、歩道で信号待ちをしている時に
突然、乗用車が激突してしまいました。
 事故の原因は右折車が強引な右折をしたために起こったと思われます。
直進の軽自動車側から見たとき、青信号であれば右折車がいても直進車が
優先ですから、右折車が止まったままと考えてしまいがちです。
 ニュースで気になったのは、右折車が「前を見ていなかった。衝突音で
気づいた」という発言です。前を見ずに右折するなんて考えられないと思
っていました。しかし、そのニュースを見たあとで車を運転して感じまし
たが、右折をするとき、直進車がいないことを確認して右折を始める前に
は右折先の横断歩道に人がいないか?を注視しているので、対向車線の状
況は全く意識していないことに気づきました。直進車がいないと判断した
時点で、直進側に対する注意力はなくなってしまうことを体験しました。
 今回の事故では直進車との距離を甘く見た結果だと思われます。事故の
あった現場の制限速度は時速60kmでした。60キロは一般道路としては早い
方です。しかも、軽自動車ということで、実際の距離よりも遠くに感じた
のでしょう。
 軽自動車は危険と感じてハンドルを左に切ろうとしました。ハンドル操
作ではなく、急ブレーキを掛ければ保育園児の列に激突することはなかっ
たかもしれませんが、一瞬のことですから難しいと思います。
 さて、最近、車を運転するときは片道1車線で対向車に右折車があれば
止まって道を譲るようにしています。皆さんも経験があるかと思いますが、
信号待ちの先頭車両が右折するときに、対向車が止まらないと、いつまで
たっても進みません。対向車が多いと赤になってから先頭車両が右折する
ことになるので、結果的に1台しか進めないこともあります。それが渋滞
の原因となるので、積極的に右折車に道を譲るようにしています。

                        ご安全に!


2019年5月4日記(ハイブリッド車 特別教育)
 
4月19日、池袋で暴走事故で横断中の母子が死亡する痛ましい事故があ
りました。運転者は87歳で原因はブレーキとアクセルの踏み間違いと言わ
れています。周囲の人は免許返納を勧めていた最中の事故でとても残念で
す。その事故を起こした車はプリウスでした。プリウスの事故がよく報道
されるようですが、プリウスが発売されてから20年以上経過しており、所
有台数も多いので、プリウスが危険な車というわけではありません。
 さて、厚生労働省の新着情報に、ハイブリッド車などの電気自動車の特
別教育に関する報告書がありました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04563.html 
 ハイブリッド車は電気で走るのでその最高電圧は500ボルトにも達しま
す。その高電圧部に触ると感電死の危険があります。もっとも運転中に高
電圧部に触ることはないので、問題はないのですが、電気自動車の整備な
どをする場合には感電の危険があります。なお、安全基準により交通事故
が発生すると高電圧回路は遮断されるので、事故があっても車内の人が感
電する危険がないように設計されています。
 今回の厚労省の報告書には電気自動車等の整備に関して特別教育を義務
化するということです。現在は電気自動車の整備等に係る作業者には低圧
電気取扱い特別教育が課せられています。電気取扱い特別教育は低圧、高
圧・特別高圧の種類がありますが、今後は電気自動車等に特化した特別教
育が追加されるということです。電気自動車等の組立、整備、修理に係る
方は今後の法改正情報にご注意ください。
 今、販売されている自動車の5台に1台はハイブリッド車等の電気自動車
です。この割合は今後増えていくでしょう。また、ドラグショベルなどの
建設重機や農業機械にも電気自動車等が増えています。

 
2019年5月4日記(あおり運転)
 あおり運転がこのゴールデンウイークにも多く発生したようです。特に
報道されていたのは4月30日の名古屋高速のあおり運転でしょうか。高速
道路でペットボトルを投げたり、急ブレーキ、急な車線変更でした。あお
るというより嫌がらせ運転のようです。
 あおり運転はする方が悪いのは当然ですが、なんらかのきっかけを与え
るのは被害者の方ともいえます。
 ある保険会社のアンケート結果によると、①車線変更に腹立てる、②追
い越し車線を長く走行している、③法定速度で走る。などがあおり運転の
きっかけになるそうです。③の法定速度で走るというのは、片側1車線の
道路のことでしょう。法定速度で走ることは当然なのですが、イラチの運
転手にとっては邪魔なのでしょう。「変な奴が後ろから走ってきた」と思
ったら広いところで追い越させた方が良いかもしれません。
 無謀な運転に対してクラクションを鳴らすこともあるかもしれませんが、
クラクションを鳴らしても、相手が謝罪することは絶対ないので、なんの
効果もないでしょう。クラクションを鳴らすことによって標的にされるリ
スクがありますので注意しましょう。運転する時には、バカな運転手にき
っかけを与えるような行動は慎みましょう。
 私の車の後ろには“ドライブレコーダー録画中”のステッカーを貼って
います。多少の抑止力はあると思います。
 令和の時代も安全運転をお願いします。 
      ご安全に!

2019年4月20日記(スマホで学ぶ安全衛生)
 前回お知らせしましたが、「クイズで学ぶ労働安全衛生スマホ用無料ア
プリ教材は試してみましたか?
 https://www.jisha.or.jp/media/pdf/20190409.pdf
 このクイズは単に正解すればいいというものではありません。
 例えば初級の第10問
   階段の昇降に関して正しいのはどちらか
   (ア)健康のため、中央を早足で昇降する
   (イ)手すりを使用して慎重に昇降する
 この問題は正しいのはどちらかお判りだと思いますが、階段の昇降で手
すりを使用していますか? なぜ、手すりを使うのが正しいと考えるのに
実際には手すりを使っていないのですか?
 このアプリは正解するだけで満足するのではなく、自らの行動、職場の活
動が正しくできているか確認していただくようお願いします。


2019年4月20日記(赤チン)
 赤チンの愛称で親しまれたマーキュロクロム液が5月末で販売が終了し
ます。まだ売っていたことは知りませんでした。購入者は高齢者が主だと
思われます。
 昔から小さな災害を「赤チン災害」と言っていました。今の若い方は赤
チンを使ったことも見た事もありません。元号も5月から変わりますので、
若い方に理解されにくい「赤チン災害」という名称をやめてはどうでしょ
うか。なお、赤チン災害に変わる言葉としては、「微傷」などの表現にし
ている会社が多いと感じます。


2019年4月20日記(池袋交通事故 高齢者) 
 19日に発生した池袋の交通事故は悲惨な事故でした。150mにわたって衝
突を繰り返しましたが、時速100kmぐらい出ていたならその間はわずか5~
6秒ほどでしょう。おそらくアクセルペダルをブレーキと間違って踏み続
けたと考えられます。ブレーキを踏んでも止まらないと思った時には一瞬
でパニック状態になり、ペダルの踏み間違いには気が付かず、ブレーキと
思ってアクセルを全開にしてしまうのでしょう。
 アシストブレーキやナルセペダルなど踏み間違いを防ぐものは多いので
すが、まだまだ普及には至っていません。
 私の親父は60歳の定年の時に運転免許を返納しました。もう40年も前の
ことです。その時は警察の方は「なぜ返すのですか」と不思議がっていた
そうです。 
 私もそのうち高齢ドライバーになります。今は車間距離を空けて運転す
ることに意識していますが、次に車を買い替える時にはペダルの踏み間違
い事故を防ぐものを買いたいと思います
        ご安全に!

2019年4月13日記(豊洲市場ターレ事故)
 4月8日、豊洲市場でターレ(荷物運搬専用軽車両)を運転していた男性
がエレベーターに乗る際(ターレに乗ったままエレベーターに乗る)、上
から降りてきた扉に挟まれて死亡する事故が発生しました。
 エレベーターの扉は閉まる時に異物に当たると開くような安全装置が付
いていたと報道がありましたが、それは機能しませんでした。なぜ機能し
ない(故障)状態だったのかは明らかにされていませんが、私の想像では
扉が閉まりかけていたら、エレベーターの開ボタンを押すべきなのですが、
ターレから降りて開ボタンを押すより、そのまま侵入して、ターレを扉に
当てて扉が開くように使っていたと考えます。事故の前から多くの人が扉
にゴツゴツ当てていたのでしょう。それによって安全装置が故障したまま
になっていたと考えます。
 豊洲市場では昨年11月にもターレの荷台に乗っていた女性がカーブを曲
がる際に落ちて死亡する事故があったばかりです。ターレは荷物運搬専用
の車ですから荷台に人が乗ってはいけません。しかし、エレベーター事故
の翌日のニュースではターレの荷台に人が乗っている姿がありました。タ
ーレの死亡事故があったにもかかわらず荷台に人が乗っているのには驚き
ましたが、豊洲市場で働く人々は小規模事業者の集団のようなものですか
ら安全指導が全員に対して行われていないようです。
 事故のあと、エレベーターの前に張り紙をしたということです。張り紙
には「一時停止 エレベーターのシャッターによる重大事故が発生してお
ります。エレベーターの乗り降りは慎重に。(東京都)」しかし、この貼
り紙だけでは事故は無くならないと感じます。
 築地から豊洲に移転する時もターレの荷台にたくさん人が乗っていまし
た。まるで乗り合いバスのような光景でした。今回の事故はエレベーター
の故障で済まさずにルールを定めて安全教育を徹底しなければ、今後も事
故は続くでしょう。
 ちなみに、物流倉庫などではエレベーターの手前にロープが垂らされて
おりフォークリフトの運転席から降りなくてもロープを引っ張ればエレベ
ーターの扉が開きます。しかし、事故のあったエレベーターの映像にはそ
のようなものは映っていません。エレベーターの操作のために運転席から
降りるのは面倒です。面倒なものは実行されません。

2019年4月13日記(スマホで学ぶ安全衛生)
 中央労働災害防止協会では厚生労働省の委託事業で、「クイズで学ぶ労
働安全衛生スマホ用無料アプリ教材」を開発しました。
 https://www.jisha.or.jp/media/pdf/20190409.pdf
 職長などの管理監督者はチャレンジしてください。初級・中級・上級と
全部合わせて100問ありますが、何が理解できていないか見えてくると思
います。事業所の安全衛生担当者は全問正解していただきたいです。
 また、社会福祉施設での労働災害防止へEラーニング教材も開発されま
した。
 https://www.jisha.or.jp/media/pdf/20190409_2.pdf

2019年4月13日記(ショートソックス)
 私は使ったことありませんが、非常に短いソックス(ショートソックス
やローカットソックスと呼ぶそうです)が若い方に人気があるそうです。
中には足のくるぶしが完全に露出しているものもあります。安全靴(短靴)
では足のくるぶしまでは保護できません。何かがくるぶしに当たるとケガ
するでしょう。安全靴は支給しても靴下を支給する会社は少ないでしょう。
靴下は各自が自由に着用していいものか悩みます。事業所によっては長靴
タイプの安全靴や脚絆を使用しているところもあります。誰かがケガをし
てから対策を検討するのではなく、ケガをする前に対策を考えてください。

                        ご安全に!


2019年4月6日記(食品製造業者を書類送検)
 産経新聞の記事より
 「食品加工用混合機の運転を停止させず、殺菌洗浄後の水滴拭き取り作
業を行わせ、パートの女性作業員=当時(48)=が上半身を巻き込まれ死亡
する事故を引き起こしたとして、千葉労働基準監督署は3月27日、労働安
全衛生法違反の疑いで、千葉市美浜区新港の食品製造業「ピュアディッシ
ュ」と同社の男性業務課長(30)を千葉地検に書類送検したと発表した。調
べに対し、男性業務課長は容疑を認めているという。書類送検容疑は平成
29年5月29日午前11時ごろ、ポテトサラダを製造していた食品加工用混合
機の運転を停止しないまま、女性作業員に殺菌洗浄後の水滴拭き取り作業
を行わせ、回転する羽根と窯に上半身を挟まれ、2日後に死亡する事故を
引き起こしたとしている。」引用終わり。
 ポテトサラダを練り合わせる機械はゆっくり回るもので危険と思わない
ことがあるかもしれません。ゆっくり回っているとしても、それを人力で
同じように回そうとすると一人の力ではとてもできないでしょう。という
ことは服が引っかかった時、引き抜こうとしても無理なのです。機械とい
うものは高速回転は危険で、低速回転は安全とは言えません。手袋が引っ
かかったり、服が引っかかると手も胴体も巻き込まれ死亡災害になること
もあります。そのため「動いている機械には触れるな!」となるわけです。

2019年4月6日記(令和)
 新しい元号が決まりました。昭和から平成に変わる時と今年は全く状況
が違います。私は昭和最後の時にスキー場に居ました。崩御のニュースを
見て、このままスキーしていいのだろうか、何か後ろめたい感じを持った
ことを覚えています。その年には新年会は自粛、その他のイベントも自粛
でした。しかし、今年は全く違い、1日はお祭り騒ぎのようでした。
 さて、5月から令和と変わります。安全衛生活動もマンネリを打破して
何か始めませんか。新しいことをするには絶好の機会かもしれません。
 たとえば、長年使ってきたヒヤリハット活動報告書の様式を変えたり、
白い紙を緑に変えてはどうでしょうか。
 安全衛生パトロールを女性社員パトロールにしたり、高齢者社員パトロ
ールを加えたり、指摘するパトロールではなく、いいところを褒めるパト
ロールもいいかもしれません。
 その他
 ・構内でのあいさつを全て「ご安全に」と変える。
 ・10連休を利用して安全通路の色を塗り替える。
 ・安全週間に備えて、従業員がポスターを作る。
 ・名前に「令」「和」がつく人をパトロール員に指名する。
 ・構内の通路は左側通行にする。
 さて、みなさんの会社ではどんな新しい活動が生まれるでしょうか。
 できれば、教えてください。楽しみに待っています。

                        ご安全に!


2019年3月30日記(自動車の駐車時)
 時事通信社の記事より
 3月23日午後5時ごろ、福井県若狭町横渡の住宅の車庫で「男性が口から
血を吐いている」と女性から119番があった。県警敦賀署によると、男性
は同町の中村良隆副町長(63)で、病院に搬送されたが出血性ショックで
死亡した。中村さんは1人で車庫入れしていた際、車と壁の間に体を挟ま
れたとみられ、同署が当時の状況を調べている。同署によると、中村さん
は車庫に車を入れるため、運転席ドアを開け、身を乗り出してバックさせ
ていた。車庫入り口の壁とドアの間に頭などを挟まれたとみられ、近くの
畑にいた妻が物音で事故に気付いた。(以上引用終わり)
 駐車時に、ドアを開けて身を乗り出して後ろ側を見ながらバックして駐
車している人を時々見かけます。この体勢だと、左後は全く見えません。
家の駐車場なら周囲に人がいることが少ないのですが、スーパーなどでは
子供も多くとても危険です。
 ドアを開けて身を乗り出すと、身体を右に捻ります。右に捻ると右足も
少し右側に動いてしまい、ブレーキに足をかけていたつもりが、アクセル
ペダルの方にズレてしまい、その結果、ブレーキをかけるつもりがアクセ
ルを踏んでしまったのかもしれません。

2019年3月30日記(虚無報告)
 大阪労働局のHPに虚偽報告による書類送検事例が掲載されていました。
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/201903261130.pdf
 墜落して負傷したにもかかわらず、階段で転倒したと虚偽の報告をして
しまいました。死傷病報告に「墜落」したと記載すると、監督署が調査に
来ることを警戒して内容を変更したと考えられます。しかし、そのような
嘘は露見すると考えてください。病院の記録と死傷病報告の内容を確認さ
れます。仮に病院での診察時に虚偽の説明をして、同じ内容を死傷病報告
に書いたとしても、情報はいろいろな形で漏れてしまいます。誰かがSNS
で書けば誰かが気づいて監督署に報告することもあります。
 虚偽の報告は悪質なものであり、罰則も厳しくなります。事実のまま報
告してください。

2019年3月30日記(有給休暇)
 
働き方改革関連で4月から年次有給休暇が年10日以上付与される労働者
に対して5日間の取得が義務付けられました。
 私がサラリーマンの時には労使が取り決めた目標をクリアするために無
理に休んだこともありました。今は有給休暇がありませんが、適度にリフ
レッシュしています。
 個人は有給休暇を取得しても、事業所は生産活動を継続していますので
誰かが休んだ人の代わりをする必要があります。中には普段していない作
業をすることもあるでしょう。
 たとえ1日であっても通常作業と違う場合は、安全衛生教育が必要です。
労働災害は慣れていない作業で発生しやすいものです。リスクとリスク回
避の方法などをしっかり指導してください。また、これから暑い日になる
と熱中症のリスクもあります。熱に順化していない人に有給休暇を取得し
た人の作業をさせると発症するかもしれません。休んだ人の代わりに作業
させる場合には特に気を付けて監督してください。
   ご安全に!

2019年3月23日記(新入社員を迎えるにあたって)
 春から新入社員を受け入れる会社も多いと思います。新入社員に対する
教育はどこの会社も熱心に行っていると思いますが、迎える側の心がまえ
をまとめてみました。みなさんには常識であっても、彼らには無知の世界
かもしれません。新入社員教育やOJTの時の参考にしてください。
1.新入社員は何も知らないと思ってください。
  作業の内容、作業の方法、確認の方法、工具の使い方など
2.新入社員は聞いたことは理解できないと思ってください。
  「質問は?」と聞いた時に何も言わないのは、聞いただけで理解でき
  ていないから、質問したいことも判りません。だから何も質問できな
  いのです。そんな時は逆に質問しましょう。
3.新入社員は理解していても守らないと思ってください。
  新入社員に限ったことではありません。「こんなこと必要?」「面倒
  だ」って思っていたら守りません。
4.皆さんの常識は通用しません。
  皆さんの常識は、会社生活の中で積み重ねた経験です。
  「こんな事は言わなくてもわかるだろう」と考えてはいけません。
5.コミュニケーションは重要です。
  まず、あいさつからできるように指導しましょう。
6.作業に伴うリスクを指導しましょう。
  作業を指導する時は、危険・有害性のあるリスクと、そのリスクを回
  避する方法を指導しましょう。新入社員は危険を認識できません。作
  業にはリスクを伴います。そのリスクを指導し、そのリスクを回避す
  る方法を指導してください。
7.新入社員の手本は皆さん方です。
  ポケットに手を入れたり、時間を守らなかったり、保護具を装着して
  いないなどはありませんか? 新入社員は良いことは真似せず、悪い
  ことは真似するものです。
8.作業手順書をもう一度確認しましょう。
  新入社員受け入れの機会に、作業手順書の有無および内容を確認しま
  しょう。
9.新入社員がケガしたら本人の責任でなく、会社の責任です。
  新入社員が作業を間違えたのは新入社員が悪いのではなく、新入社員
  が理解できなかったと考えてください。
10.褒める時はみんなの前で、叱る時は1対1で
  「怒る」と「叱る」の違いを理解してください。
  「怒る」は、感情のままに怒りをぶつけること。
  「叱る」は、新入社員に正しい言動を教えて、育てること。
 皆さんが新入社員で入社した時のことを思い出しましょう。仕事で失敗
したり、「何度言えば判るんだ!」と叱られたことはありませんか?
 学生の時には、予習して、授業を受けて、復習しながら理解を深めてい
ったはずです。一度授業を受けただけで全て理解できた人は少ないのでは
ないでしょうか。人は忘れたり、間違えたりするものです。繰り返し指導
してあげてください。「後輩に仕事を教える」のではなく、「後輩を育て
る」つもりで接してあげてください。
 最後に、山本五十六(連合艦隊司令長官)の名言を紹介します。
   「やって見せて、言って聞かせて、やらせてみて、
                  ほめてやらねば、人は動かず。」
   「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
   「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

2019年3月23日記(中国江蘇省の化学工場爆発)
 3月21日に発生した化学工場爆発事故では死者が64人ともいわれていま
す。原因は定かではありませんが(報道がない)、ベンゼンが原因で発生
したと思われます。ベンゼンは引火性の物質であり、発がん性が区分1と
いう人体にも有害なものです。日本国内では“ベンゼンゴムのり”が製造
禁止物質に指定されています。“ベンゼンゴムのり“の有害性が指摘され
たのは昭和30年代です。オードリーヘップバーンの影響で“ヘップサンダ
ル”が流行し、主に内職作業でゴムを貼り付ける接着剤として使用され、
多くのベンゼン中毒が発生しました。一般家庭の内職作業ですから、窓を
開けて作業すれば周辺住民から苦情が出るため、窓を閉め切って作業して
いたことも要因の一つになっています。
 1km離れていた建物でも窓ガラスが割れる被害も発生しています。毒性
が強く、引火性もあるベンゼンを大量に使っていたと考えられます。

                        ご安全に!


2019年3月16日記(コンビニ24時間営業)
 問題となっていたコンビニの24時間営業について、短縮営業をした場合
違約金や契約解除の問題は、セブン-イレブン・ジャパンが方針を一転し
て、短縮営業を認めるという形で決着したということです。
 多くのコンビニで従業員募集のポスターが貼られていますが、その時給
は以前より高くなっています。それをもっと高額にすれば応募も増えるの
でしょうが、そうなれば人件費高騰で経営が成り立ちません。
 今回の問題で一番大きなものは、店長自ら長時間、店に立つので長時間
労働の問題がありました。高齢者のオーナーも少なくありません。
 しかし、朝6時から25時までの短縮営業とはいえ、アルバイトが見つか
らなければオーナーの負担はかなり高くなります。一応、決着がついたも
のの、まだまだ問題は残るように思います。

2019年3月16日記(ピッキング作業での転落)
 大阪労働局の書類送検事例
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/201903151200.pdf
 この事故は商品棚から商品を取り出す際にピッキングフォークリフト
(運転席とフォークが同時に昇降するフォークリフト)を使っていた時の
事故のようです。運転する場所には作業床があるのですが、パレットに商
品を載せる際にはどうしてもパレットの上にあがる必要があります。パレ
ットには転落を防止するための柵などはありませんので、墜落防止のため
の安全帯が必要になります。パレットは平らな面だけではありません。凸
凹もありますし、商品を抱えあげるため、どうしてもバランスを崩しやす
いものです。
 ピッキングフォークリフトを使う作業では、乗り降りも頻繁に発生しま
す。乗車の都度、安全帯を接続するように指導、監視をしてください。
 また、一般的なフォークリフトで2階の倉庫等などから荷物を降ろす時
も転落の危険が伴います。2階から物品を降ろす場合は、開口部に柵を取
付けた状態でパレットに物品を載せてから柵を取り外して、フォークリフ
トで降ろすようにしてください(その時には2階の作業者は開口部に接近
してはいけません)。
 柵の取付、取り外しが面倒な場合は、安全帯の着用が必要です。
 2m程度は大丈夫と考えないでください。2mの高さから飛び降りるの
と、転落するのは全く違います。飛び降りる際には着地のことを考えてい
ますので、大きな災害にならなくても、バランスを崩して落ちる場合は受
け身を取ることができず、頭から落ちて致命傷になることもあります。
 まだ平成30年の労働災害発生状況は確定していませんが、墜落・転落が
死亡災害要因の4分の1を占めるほど発生しています。

2019年3月16日記(チコちゃんに叱られる)
 NHKの人気番組の「チコちゃんに叱られる」16日の放送では「自転車
に乗る時はどうして左から乗るか」というのがあり、答えは「左足は支え
る足だから」ということでした。閉眼片足立ちを右足、左足で試すと左足
の方が身体を支えやすい。産業の現場でも足踏みスイッチは右側に付ける
ことが多い。車の運転も右足でアクセルやブレーキ、左足はフットレスト
に乗せます。ということは、操作は右足、支えるのは左足と考えると、作
業性、安定性も向上すると考えられます。
       ご安全に!

2019年3月9日記(「ながら運転」罰則強化)
 3月8日、車の運転中にスマートフォンなどを使用する「ながら運転」の
罰則強化を盛り込んだ道路交通法の改正案が閣議決定されました。
 運転中、スマホや携帯電話を手に持って通話するなどの違反行為は、現
在は「5万円以下の罰金」だが、「6カ月以下の懲役、または10万円以下の
罰金」に引き上げられます。さらに、こうした行為で事故を起こすなど、
危険を生じさせた場合には、「3カ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金」
から「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」に引き上げられます。
(年内にも施行の見通し)
 携帯電話の使用などが原因の交通事故は、2018年1年間で2,790件にのぼ
っています。実際に事故になったものが2,790件であり、事故にならなか
ったのは100倍以上あるのではないでしょうか。ながら運転している人は、
「スマホを見ながらでも前はちゃんと見ている」と思っているでしょう。
しかし、人間の能力は2つの物を同時に見ることはできないと思ってくだ
さい。スマホの画面の文字を読んでいる時間中は、目隠しをして運転して
いるのと同じです。
 渋滞でゆっくりしか走れない状態だから問題ないだろうと考えないでく
ださい。なぜなら、渋滞していると、歩行者が横断してきます。スマホを
見ていいのは完全に停止している時間だけです。
 頻繁に危険を感じるのはスクランブル交差点を走る自転車です。横断歩
道は“歩道”であり、自転車で渡る時には降りて押さなければなりません
が、自転車を押して渡る人はいません。そんな交差点でスマホ運転してい
る自転車が前から、横から、斜め後ろから接近するのですから怖いです。
 なお、横断歩道とは別に自転車横断帯があるところは自転車に乗って横
断できます。また、信号機がある横断歩道で歩行者がいない時は自転車で
横断することも可能です。
 自転車は“軽車両”です。歩道を走行する時は歩行者最優先で運転して
ください。歩行者を追い抜くのは、人が急に向きを変えることがあるので
危険です。道路を横断する時は車両の信号にしたがってください。
                        ご安全に!

2019年3月2日記(コンビニ24時間営業)
 セブン-イレブンで深夜の営業を取りやめるかどうかさまざまな報道が
されています。コンビニの店舗は増えていますが、従業員の確保が問題に
なっています。連続操業の製造業では社員を雇い、2交代、3交代とシフ
トを組むのですが、コンビニの多くはアルバイトに頼ることが多く、アル
バイトがいなければ店主自ら立たざるえません。その店主の労働時間は相
当なものになります。そういう実態を知りながら24時間営業を強要する
企業の問題も大きいと感じます。アルバイトが集まらないのはオーナーの
努力不足だけではないでしょう。昔のコンビニと違い、ドリップコーヒー、
から揚げ、焼き鳥、おでんなどの調理もありますし、宅配便の扱い、各種
カード、電子マネー、公共料金の受領など業務も複雑ですし、イートイン
のある店舗ではテーブルの掃除などもあり、業務は多忙です。その上、販
売ノルマがある店舗もあります。時給を上げても人が集まりにくいでしょ
う。
 店主が過労死になる前に解決していただきたいと思います。

2019年3月2日記(横断歩道橋)
 昨年10月、大阪市住吉区で自転車同士が衝突し、転倒した女性が道路に
転がり、トラックにひかれて死亡する事故がありました。
 自転車の衝突の要因になったのは横断歩道橋でした。歩道の真ん中に横
断歩道橋が立てられ、その歩道橋で死角ができていました。その死角の影
から自転車がいきなり現れるのですから、衝突の可能性は高いです。その
危険性は以前からあり、住民は7年前に横断歩道橋の撤去を要望しました
が撤去に至りませんでした。今回の事故を受けて2年以内に撤去をするそ
うです。危険性を認識していながら人命を失わないと対策ができないとい
うのはとても残念です。しかも撤去までには2年もかかります。その間の
対策はなにもありません。すぐに撤去できなければ、公園の入口のような
柵を立てて、ゆっくりしか通れないものにするか、横断歩道橋の左右を一
方通行にするなど方法はあると思います。
 横断歩道橋は昭和30年代後半の交通戦争と呼ばれた時代に建てられ始め
ました。今では横断歩道橋のすぐ近くに信号のある横断歩道も増えていま
す。当然、横断歩道橋を使う人はいません。
 危険性を認識しながら放置する方も問題ですが、向こう側の状態が判ら
ないにもかかわらずスピードを落とさない自転車の過失の方が大きいと思
います。自転車で相手の命を奪う事故も発生しています。
 自転車の危険性についても職場の安全教育に取り入れてください。

                        ご安全に!

2019年2月23日記(若者11億人 難聴リスク)
 19日の新聞には、WHO(世界保健機関)は世界の若者の2人に1人が難
聴になるリスクがあるとありました。世界の12~35歳のおよそ半数の11億
人がスマートフォンなどを利用して限度以上の音量で音楽を聴いていると
いうことです。
 国際基準では80デシベルの音を聴くことを1週間に40時間以内に抑える
必要があるとされています。
 騒音障害防止のためのガイドラインでは等価騒音で85デシベル未満を第
一管理区分とされています。(第一管理区分とは、この状態を維持する必
要があるレベル)
 http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/hor/hombun/hor1-33/hor1-33-17-1-0.htm
 騒音にさらされるのは業務だけではありません。通勤途上やスポーツ観
戦、コンサート、ライブ、カラオケなど1日中、さまざまな音を聴いてい
ます。
 騒音の作業環境測定で第一管理区分であっても、業務以外でも騒音にさ
らされるので耳栓を付けるなど対策が必要になるでしょう。
 しかし、耳栓は耳を塞ぐので、指示の伝達などの支障もあります。
 そこで紹介したい製品はKING JIMのデジタル耳栓です。
 https://www.kingjim.co.jp/sp/mm2000/
 これは人の声など必要な音は聞こえるが、周囲の騒音だけカットできる
すぐれものです。ただ、防音保護具ではありませんので、第二管理区分以
上(85デシベル以上)ではお勧めできません。
    ご安全に!

2019年2月16日記(らくらく雪すべーる)
 今年も雪降ろしで多くの方が亡くなっていると報道がありました。
 雪の積もった屋根に昇ると、周囲が全て白い雪のため、屋根の端が判ら
ず踏み外して落ちてしまったり、屋根の斜面で足を滑らせることもありま
す。
 先日、テレビで「らくらく雪すべ~る」という商品の紹介がありました。
 これは屋根に昇らなくても、アルミ製のものを地上から屋根の上に向け
て差し込むだけで、屋根の上の雪が滑るように落ちてくるものです。しか
も。スライド板が折れ曲がっているため、割れながら滑るように落ちてく
るので、これを使えば、屋根に昇る必要がなくリスクも下がるでしょう。
 ネットで探した動画は下記などです。
 https://www.youtube.com/watch?v=CpVzFFYHQ2M
 https://www.youtube.com/watch?v=Ki_GkG9XOmU
 短所といえば、雪に差し込むため、固まった雪では使いにくくなります。
降った直後に使えば効果的です。
          ご安全に!

2019年2月9日記(ロボット掃除機が火災の原因になった)
 8日、ニュースを見ていると、ロボット掃除機が火災の原因になったと
ありました。東京都内だけで2件あったそうです。
 状況は、フローリングの床の上に電気ストーブを置いた状態にロボット
掃除機が当たる。ロボット掃除機が障害物と判断して進行方向を変えれば
問題ないのですが、フローリングに置かれた電気ストーブはロボット掃除
機に押され、床面を滑るように移動しソファーに当たりました。ヒーター
がソファーに接近したため出火したということです。部屋から離れる時に
はストーブは消すようにしてください。
 
2019年2月9日記(レオパレス21)
 レオパレス21の施工不良問題には驚きました。本社の指示なのか、施工
業者が独断でしたのかは判りませんが、施工不良が1324棟もあるというこ
とで対象となるのは1996年から2001年に着工した物件ということです。
 施工不良が数棟であれば、作業ミスとも考えられますが、4桁もあれば
意図的なものでしょう。バブル崩壊後の苦しい時期で生き残りをかけた策
だったのかもしれないが、その代償はあまりにも大きい。
 2005年に発覚した構造計算書偽装問題(俗に姉歯事件ともいう)も同時
期のものでした。
 賃貸であっても生活の場になるのですから、「安かろう、悪かろう」で
は誰も入居しないでしょう。信頼回復は困難でしょう。
 レオパレス所有の建物は3万9千棟もあるということです。膨大な量を全
て調査できたのだろうか。疑問も感じます。

2019年2月9日記(ガス抜き中に爆発)
 2月2日、福岡市のマンション内でカセットコンロのガスボンベ約20本の
ガス抜きをして、爆発する事故がありました。
 昨年12月に札幌で住宅仲介業者の爆発事故が連日報道され、1カ月しか
経っていないにも関わらず同様の事故が発生しました。
 事故の報道は傍観するのではなく、学んでいただきたいと思います。

                        ご安全に!


2019年2月2日記(なぜ:原因究明)
 客先様からの依頼をいただき、現場の巡視指導をすることがあります。
現場の問題点などを指摘させていただき、改善をお願いし、改善結果を確
認するのですが、先日伺った会社には関心した点がありました。
 たとえば、安全カバーのアクリル板にひび割れや欠けがあった場合、指
摘をして、客先が修理するのですが、その会社は「なぜ割れたのか」「な
ぜ報告が上がらないのか」「なぜ放置されているのか」という、発生の原
因~指摘されるまで放置された原因を報告いただいて修理していただきま
した。当たり前のことかもしれませんが、異常状態を修理することは重要
ですが、それが再発することも多々あります。しかし、なぜそれが発生し
たのかなどを検証すると管理面の不備、指揮命令系統の不備、判断基準の
不備、安全意識の欠如などが明らかになり、再発が少なくなります。
 「原因の究明」は事故があった時だけではなく、事故などがなくても、
異常が発生した原因の追究が重要です。
 逆に対応が悪い会社の例を紹介します。私が総務部長と現場を巡視をし
て注意表示板が外れているのを見つけて指摘しました。総務部長はすぐに
両面テープを持ってきて目の前で貼り付け「修理しました」と報告してく
れました。この対応は「対応が早くて良い」とも言えますが、これでは必
ず再発するでしょう。異常を見つけたら現場を管理するリーダーや職長な
どに現場を確認させて、なぜ発生したか、なぜ放置されているかを考えさ
せ問題点を整理して部下に指導させ、指導結果を確認させなければなりま
せん。

2019年2月2日記(恵方巻)
 私の家では節分に恵方巻を買って、恵方を向いて食べるというイベント
はありません。子供の頃には無かったものですから都市伝説みたいなもの
と思っています。
 さて、恵方巻では大量廃棄問題、従業員へのノルマ問題などが毎年問題
になっています。大量廃棄問題では廃棄される恵方巻は10億円とも報道が
ありました。今年は農林水産省が需要に見合う製造・販売をするように指
導が行われました。今年はどうなるでしょうか。
 また従業員・アルバイトに対する販売ノルマはパワハラと考えられる場
合があります。家族の人数分程度であれば売り上げに協力という名目で良
いでしょうが、一人で生活している人に数十本というのは問題です。無給
で営業活動をさせているようなものです。
 恵方巻にも良い点があります。それは「切らない点」です。もし、あれ
だけ大量の恵方巻を海苔巻のように切っていたら腱鞘炎になる人が増える
でしょう。

2019年2月2日(都営浅草線の線路破断)
 2月1日の午前7時頃、都営地下鉄浅草線の三田駅と泉岳寺駅の間で線路
が破断して通勤通学の足を奪いました。なぜ線路が破断したのでしょう。
今は気温が下がり、収縮はあるのですが、地下鉄のような場所では温度変
化も少なく、低温で破断したとは考えにくいと思います。
 昔は線路のレールはボルト止めで連結していましたが、ボルト止めでは
どうしてもわずかな段差ができてしまい、ガタコンガタコンと音が鳴るも
のですが、最近はテルミット溶接など、レールとレールを溶接でつなげて
表面をグラインダーで研磨するので、段差がなくなり、以前のような音が
少なくなりました。そのテルミット溶接で“巣”ができて振動と低温が原
因だと推測します。
                ご安全に!

2019年1月26日記(墜落制止用器具の規格)
 厚生労働省は25日、「安全帯の規格」を改正した新規格「墜落制止用器
具の規格」を告示しました。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03290.html
 2月1日から政令・省令の改正が施行されます。今回新しい規格が告示さ
れましたが、2022年1月1日までは従来の安全帯の規格は使用可能となりま
す。しかし、柱上作業などで使用されているU字吊り胴ベルト型は墜落制
止用器具には該当しないため、U字吊りで作業する場合でもフルハーネス
と合わせて使用しなければなりません。
 従来の安全帯は2022年1月1日までは法令上使用可能なのですが、速やか
に新規格の墜落制止用器具に変えていただきたいと思います。
 新たに購入する場合の注意点
 ①85㎏用と100㎏用があります。この重量は体重ではなく、フルハーネ
  ス・作業着・安全靴等の装備を含めた重量なのでご注意ください。
 ②ランヤードにショックアブソーバが付いていますが、これがコネクタ
  側に付いている場合とフック側に付いている場合があります。フック
  側に付いている場合は「回し掛け」ができませんのでご注意ください
 ③高所で6.75mより低い場所での使用については巻取り式が望ましい
  (ストッパーにより落下距離が短くなります)
 ④ランヤードには第一種と第二種があります。二種は足元にフックを掛
  けて使用できますが、一種はD環よりも上の位置にフックを掛けなけ
  ればなりませんのでご注意ください。 
 ⑤安全ブロックを使用する場合は連結ベルトを合わせて購入してくださ
  い。(安全ブロックのフックをD環に接続することが困難なため)
 ⑥水平移動することがある場合は、二丁掛け(フックの二つあるもの)
  を使用してください。
 ⑦フルハーネスとランヤードは同じメーカーのものにしてください。
 ⑧ベルトの長さの調節に時間がかかるため、個人用に準備することが望
  ましい。(身長差の調整は時間がかかります)
 ⑨身に付けて作業するため、軽量の物が望ましい。
 ⑩一種と二種の両方を購入する場合は、誰が何を使用しているか一目で
  判るように色違いの物を購入してください。
 なお、フルハーネスを装着して作業させる場合には特別教育が義務付け
られています。弊社では出張講習型のフルハーネス特別教育を実施してい
ます。お気軽にご相談ください
           ご安全に!

2019年1月19日記(ヒゲ)
 大阪市交通局(現大阪メトロ)内規でひげを生やすことを禁じ、従わな
かった職員にマイナスの人事評価を下したのは、個人の自由を損害し憲法
違反だとして、50代の男性運転士2人が市に計約450万円の支払いなどを求
めた訴訟の判決が16日、大阪地裁でありました。内藤裕之裁判長は、ひげ
を生やしていることを理由に人事考課で減点するのは「裁量権の逸脱で違
法」と述べ、計44万円の支払いを命じたと報道がありました。
 定められた職務を遂行しても、組織のルールを守らない人の評価を下げ
るのは正当だと私も思います。「仕事さえやっていればルールを無視して
も良い」というのでは「ルール無視の社風」につながってしまいます。
 大阪市は控訴する方向なのでどうなるか注目したいと思います。
 さて、ヒゲを禁止しなければならない作業はあります。それは防じんマ
スクや防毒マスクを使用する作業です。ヒゲを伸ばした状態で防じんマス
ク等をしても効果がありません。ヒゲがあるとマスクが顔面に密着しない
ため隙間ができてその隙間から有害物が侵入してきます。ミクロン単位の
粉じんを捕集するフィルターに比べるとヒゲによる隙間はとても大きく、
防じんマスクの防護力は極端に落ちます。ヒゲの量によっては防護率がゼ
ロという可能性もあります。そのため、防じんマスク等の着用が必要な作
業ではヒゲは禁止しなければなりません。
 どうしてもヒゲを伸ばしたい人は職場を移動してもらうしかないでしょ
う。
 どうしても労働者の意思を尊重してヒゲを認めてあげたいという場合は
防護性能の高い呼吸用保護具を使うしかありません。プレッシャデマンド
型の送気マスクはマスクの中を常に気圧が高い状態を維持できます。マス
クの中の気圧が高いということは、ヒゲなどの隙間があってもその隙間か
ら空気が噴き出るので、有害物の侵入を防ぐことができます。
 今回の問題は、会社からの一方的に強制されたルールにように感じられ
ます。ルールは会社側と労働者側が話し合い、双方が納得しなければなり
ません。ただ、「ルールだからヒゲを剃れ」というだけでは守れません。
ヒゲを剃る必要性を納得させないからこのような問題になるのでしょう。
上司と部下のコミュニケーションの積み重ねが重要だと感じます。

                        ご安全に!


2019年1月12日記(嘘 全日空飲酒)
 1月3日全日空グループのANAウイングスの機長の呼気からアルコール
が検出され、機長の交代等で大幅に遅れるトラブルがありました。航空各
社では昨年から何度も同じようなトラブルが発生しています。1月3日のト
ラブルについては当初乗務開始の12時間前までに缶ハイボールを2缶飲ん
だということでした。全日空の社内ルールでは12時間前までに2単位まで
(1単位はアルコール20グラム)としています。2単位の設定については、
8時間で分解できる量ということでした。缶ハイボール2缶で12時間までの
飲酒では基準内ということでした。
 しかし、その後の調査では、9時間前までビールなどを4杯飲んでおり、
一緒にいた副操縦士に口裏合わせを依頼していたことが判明しました。
 昨年から大きな問題になっているのになぜこのようなことが起こるので
しょうか、アルコールの分解については個人差もあるし、過去の経験から
大丈夫と判断したのでしょう。ちなみに、年齢とともに分解速度は遅くな
るのでご注意ください。
 機長は発覚時には嘘の証言をしてしまいました。「嘘の証言」というも
のが厄介です。職場で労働災害が発生した時など自分の保身のために嘘を
言うことがあり、原因究明の障害になることが多々あります。
 「人間はミスをする動物」であり、自分が不利にならないように「嘘を
言う動物」でもあります。
 事故や災害が発生した時、関係者の証言を取る時には十分ご注意くださ
い。

2019年1月12日記(労働者死傷病報告)
 1月8日から労働者死傷病報告(様式23号)が変わりました。変更点は被
災者が外国人である場合には、国籍・地域および在留資格を記入する必要
があります。
 変更の目的は、在留資格ごとの労働災害の発生状況を把握・分析し、特
定の在留資格において特徴的な労働災害があればその防止対策につなげる
ためです。
                  ご安全に!

2019年1月5日記(下町ロケット)
 2018年のドラマでは下町ロケットが一番面白かった。ドラマ後半では無
人トラクター、無人コンバインの開発がありました(クボタの全面協力)
 参考:クボタ 無人トラクター アグリロボトラクタ
 https://www.kubota.co.jp/new/2017/17-23j.html
 農業機械による労働災害死亡事故も多く、人手不足、腰痛等の問題もあ
りますが、技術の力で明るい兆しが見えてきたように思います。
 産業の現場でも無人フォークリフトが導入されています。
 自動車でも自動運転が実験段階となり、自動ブレーキなどはすでに市販
されています。2018年の交通事故死者数は3,532人と昨年より162人減少し
ています。自動ブレーキ等の運転支援システムが普及するとさらに減少す
るでしょう。

2019年1月5日記(2018年を振り返り)
 2018年にも多くの災害等が発生しました。これらを「対岸の火事」と考
えず、必要な教育等を行い、類似災害の発生を防止してください。
 (地震・台風等の自然災害を除く)
①12月17日 札幌でのガス爆発事故
 不動産会社の社員がDME(ジメチルエーテル)が含まれるスプレーを
大量に放出して爆発。社員は放出後は危険がないと思っていたらしい。
②あおり運転
 世の中には些細なことで怒りあおり運転をする人が居るようです。あお
り運転を誘発するような無理な車線変更や追い越しをせず、法定速度で、
早めに方向指示器操作し、十分な安全距離を保って運転してください。
③11月28日コーナン火災
 ボタン電池を無造作に廃棄すると火災の原因になります。捨てる時は、
電極にテープを貼るなど絶縁処理をしてください
④航空会社のアルコール問題
 飲酒後12時間経過してもアルコール反応が出る場合があります。車で業
務に出る前にアルコールチェックをしている会社も多いでしょうが、朝、
家を出る時は大丈夫なのでしょうか、飲酒運転は夜だけでなく、朝にもご
注意ください。
⑤10月21日台湾での脱線事故
 安全装置を無効にしたことなどが事故の原因となっています。産業の現
場でも安全装置を切らなければならない状況(修理等)があるかもしれま
せんが、安全装置を切った場合の安全対策を怠らないようにしてください。
⑥7月26日東京都多摩市のオフィスビル火災
 燃えやすいウレタンの近くで溶接や溶断をすると火災の危険があります。
可燃物の近くでは溶接や溶断をしないようにしてください。
⑦台風通過後の屋根の補修等
 地震や台風のあとで屋根等の修理を行う時は、足場を組んだり、高所作
業車や安全帯等で墜落を防止してください。多くの方が墜落死しています。
⑧6月18日高槻市のブロック塀崩壊
 地震でブロック塀が倒れ、死者がでましたが、耐震強度の無いものを放
置したことが原因です。地震はいつか発生します。物が倒れたりする事故
は自然災害ではなく、人災だと考えなければなりません。
⑨4月28日ドン・キホーテでスプレー缶が破裂
 店舗の入口に陳列していた殺虫剤は直射日光で加熱され破裂しました。
スプレー缶は温度の上昇する場所(窓際、車の中、ストーブ等の前)には
置かないようにしてください。
⑩1月27日洗濯機に閉じ込められ男児死亡
 本来の使用方法を守らないことも問題ですが、仮にそれが発生したとし
ても致命傷にならないような対策も考えなければなりません。
 以上10項目上げました。詳細は過去の安全週記をご確認ください。
 今年1年、皆様の安全をお祈りいたします。
       ご安全に!



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