2024年4月21日記(フルハーネス安全帯)
 2019年2月に「安全帯の規格」から「墜落制止用器具の規格」に変
わり、旧規格の「安全帯の規格」適合品の使用期限が2022年1月1日だ
ったことから、新規格「墜落制止用器具の規格」適合品に買い替えた
物を更新する頃と思います。
 フルハーネス安全帯「墜落制止用器具)の耐用年数について質問を
受けました。耐用年数に関する規定はありません。日本安全帯研究会
では、ベルト部は3年、ランヤード部は2年を推奨しています。
 事故例を調べてみると、東京労働局で紹介されたのは、平成21年の
事故ですが、5年経過した巻取式の安全帯のストラップが切れた(寿
命と考えられる)事故がありました。
 耐用年数については、使用時間や直射日光下での使用など環境と、
使い方(回し掛け)などで大きく変わりますので、個人に判断を任せ
ず、事業所で交換頻度を定める必要があります。また、糸のほつれや
焼け焦げ、擦れなどは個人で修理すると強度の基準を保てないので修
理せずに交換してください。
 取換基準については、下記のサイトなどを参考にしてください。
 (藤井電工)
 https://www.fujii-denko.co.jp/fall-prevention/replacement/
 私の場合、現場指導をするときに装着しますが、使用頻度は月に1
回程度で少ないのですが、更新することにしました。
 私が選んだのは、タニザワの“最軽量フルハーネスタフライト”で
す。昨年末に発売されたフルハーネスは“超高分子量ポリエチレン繊
維「ダイニーマ」”を使用したもので、重量が従来製品より44%軽い
ということで選びました(ST♯522KA)。巻取式ランヤードも小型化
され、従来製品より30%軽くなっています。
 フルハーネスやランヤードにはいろいろな種類があります。たとえ
ば、腿ベルトの止め方によってV型・水平型がありますし、胴ベルト
の有無や、バックルの種類、ランヤードについては、伸縮タイプ、巻
取タイプ、ロープタイプがありますし、規格も一種と二種(二種は足
元に掛けることが可能であるが、落下距離が長くなる)があります。
メーカーのホームページで特長などをよく検討して選んでください。

                       
ご安全に!

2024年4月13日記(埋もれる労災)
 4月10日、NHKのクローズアップ現代は「埋もれる労災」でした。
 荷物の仕分け作業で手首を痛めるなどの労災があっても、加齢によ
る場合もあり、労災として認められない事例などが紹介されました。
企業では60歳定年、65歳定年などが多いのでしょうが、70歳を超えて
就労している方も多くあります。骨がもろくなり、痛めることも増え
てくる年代ですが、加齢による傷病なのか、労働が原因の傷病なのか
は判断が難しくなります。
(4/10日のクローズアップ現代はNHK+で4/17日まで視聴可能です)
 老後の生活不安があり、少しでも蓄えを増やそうとして働きたいと
考える労働者と、労働力不足で継続雇用を続ける企業があり、このよ
うな問題は今後増え続けると考えられます。
 高年齢労働者は“使い捨て労働者”ではありません。経験を活かし
ながら、長く戦力になるように考えなければなりません。
 高齢労働者は体力の衰えや骨粗鬆症などもあり、若い世代と同じよ
うに仕事を継続することには無理があります。そのために作業管理が
必要となります。
 たとえば、年少者労働基準規則では年齢に応じて重量物の取り扱い
業務の制限があります。
 16歳未満(男) 断続作業:15Kg、継続作業10Kg
 16歳未満(女) 断続作業:12Kg、継続作業8Kg
 16歳以上18歳未満(男)断続作業:30Kg、継続作業20Kg
 16歳以上18歳未満(女)断続作業:25Kg、継続作業15Kg
 このように18歳未満であれば重量制限がありますので、高齢者に対
しても重量制限や高所作業等の制限を設けることも必要だと考えます
ただ、個人差もありますので、高齢労働者との面談等で健康状態を確
認しながら作業内容を調整するなど、高齢労働者に優しい職場創りを
お願いします。

                       
ご安全に!

2024年4月6日記(サッカー練習試合中に落雷)
 4月3日、宮崎市のサッカーグランドに落雷があり、熊本県の高校生
18人が搬送される事故がありました。そのうち1名は意識不明の状態
が続いているということです。
 大会関係者は天候が崩れることは予想していましたが、雷注意報は
確認していなかったようです。事故発生の直前は小雨程度で雷鳴もな
かったので予定通り開始して落雷事故が発生しました。
 落雷で思い出すのは1996年の土佐高校サッカー落雷事故です。被害
にあった高校生は、両手両足に障害が残る重傷でした。この事故は裁
判になり、学校側の予見可能性を認め、回避義務を怠ったという判決
となりました。(判決は2008年)
 今回は雷鳴もなく、雨も小降りだったため、落雷の可能性を感じな
かったかもしれませんが、1996年の事故から30年近くたっており、当
時とは比べ物にならないほど気象情報を入手することができるため、
学校関係者の責任は大きいと感じます。
 雷注意報は頻繁に発報されています。そのたびにサッカーなどの競
技を中止するのはいろいろ問題があるでしょうが、気象庁のナウキャ
ストなどリアルタイムで雲の動きをチェックすることもできます。


2024年4月6日記(エスカレーター)
 先週、エスカレーターの非常停止ボタンについて記載してから、エ
スカレーターを利用する都度、非常停止ボタンを確認しました。
 工場などにある機械は赤色のキノコ状の形(突出した形状)をした
非常停止ボタンが付いていますが、エスカレーターの非常停止ボタン
は赤色でしたが、埋頭型のものばかりでした。エスカレーターが急に
止まると利用客がケガをする可能性があるため、誤操作を防ぐためだ
と思います。すぐに非常停止ボタンが押せる状態とはいえませんが、
エスカレーターの動く速度と急停止によって多くの乗客が転倒するこ
とを考えれば、埋頭型でもよいと考えます。しかし、非常停止ボタン
の場所を知らせる表示が小さく、意識して見ないと気が付かないでし
ょう(エスカレーターに乗るときには、踏み面の動きに視線が集中し
てしまい、降りる時には、進行方向に視線がいくので、気が付きにく
い)。

 
2024年4月6日記(クリエイトシンプル CREATE-SIMPLE)
 
化学物質管理で化学物質のリスクアセスメントを行っている人の多
くはクリエイトシンプルを使っていると思います。
 先月よりバージョンがアップし、3.0になり、4月4日に3.0.2に更新
されました。すでに前のバージョンで実施したものについて、改めて
最新バージョンでやり直す必要はありませんが、今後新たに取り扱う
化学物質や、定期的にリスクアセスメントする場合は次回から最新の
バージョンでリスクアセスメントを実施してください(不定期にバー
ジョンは更新されるのでご注意ください)。


2024年4月6日記(津波フラッグを知っていますか)
 3日に台湾東部で大きな地震が発生し、津波注意報が発報されまし
た。沖縄ではすでに海水浴が始まっており、ビーチでは避難を呼びか
けるなどの対応がありました。その対応として“津波フラッグ”が使
用されましたが、皆さんは“津波フラッグ”をご存じでしょうか?
 
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami_bosai/tsunami_bosai_p2.html
 赤と白の格子模様の旗です。私は知りませんでした。もし、見ても
「あれはどこの国の国旗だろう?」としか感じないでしょう。
 デザインを変えるべきだと思うのは私だけでしょうか。

              
          ご安全に!

2024年3月30日記(水戸駅 エスカレーター事故)
 
3月26日午後9時頃、JR水戸駅のエスカレーターで72歳の男性がエス
カレーターに巻き込まれて死亡する事故が発生しました。手すりのベ
ルトが下方に引き込まれる場所に上着が引っかかり巻き込まれ、上着
で圧迫状態になったことが死亡原因と思われます。
 報道を見ると助けられたはずだったことが残念です。最初に通行人
が発見して、駅員に通報しました。駅員が到着した際には意識があっ
たということですが、対応できないため、応援を求めに戻り、再び現
場に行ったときにはエスカレーターは止まっていました(エスカレー
ターのモーターに負荷がかかって停止したと考えられる)。
 もし、最初に発見した人がエスカレーターを止めていたら。
 もし、最初に駆け付けた駅員がエスカレーターを止めていたら。
 男性の命は助かったのではないでしょうか。
 非常停止装置は男性が倒れたところのすぐ近くにありました。
 この事故で、多くの方がエスカレーターの非常停止ボタンに関心を
持っていただきたいと思います。エスカレーターに乗る時に、非常停
止ボタンの位置、エスカレーターを降りる時に非常停止ボタンの位置
を探してみてください(エスカレーターの昇降の途中に設けられてい
る場合もあります)。もし、異常(巻き込まれる事故等)を発見した
ら迷わず非常停止ボタンを押してください(できれば、周囲に停止さ
せることを叫んでください)。


2024年3月30日記(ドラマ 万博の太陽)
 3月24日テレビ朝日開局65周年記念ドラマ“万博の太陽”の放映が
ありました。
 https://www.tv-asahi.co.jp/banpakunotaiyo/
 ドラマの舞台は1970年の大阪万博ですが、パビリオンはサンヨー館
でした。懐かしい“人間洗濯機”が再現されていました。以前、三洋
電機で働いていた私にとってはすごくうれしい。人間洗濯機に近い物
は現在では介護の現場で利用されています。
 1970年の万博で紹介されたものの中には現在当たり前に使われてい
る携帯電話もあります。日本館に模型展示されたリニアモーターカー
は着工しており、2027年に営業運転が始まるようです。このように万
博で展示されたものが次々と実用化していることは素晴らしいことで
す。2025年万博では空飛ぶ車が注目されているようですが、未来では
車が空を飛ぶのが当たり前になっているのでしょうか。空中での衝突
事故やプロペラの風切り音の騒音問題など、不安要素ばかりを感じま
す。
 ・センシング技術により通常の接触は防ぐことができても、突風な
  ど予想が困難なものがあるため、安全の確保は困難だと考える。

2024年3月30日記(ノイズキャンセリングヘッドホン)
 1ヶ月前、ノイズキャンセリングヘッドホンを購入した話をしまし
た。先日、ジェット機に乗る機会がありましたので、ヘッドホンを試
してみました。とても快適でした。通常時の騒音とは全くことなり、
飛行機の中とは思えないような静かな環境でクラッシック音楽を楽し
むことができました。

                       
ご安全に!

2024年3月23日記(労災隠し)
 今週、大阪と愛知で労災隠しによる書類送検がありました。
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/202403191500.pdf
 https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/001760892.pdf
 労災隠しについては、この安全週記で何度も取り上げていますが一
向に無くならないようです。
 労災隠しには6つあるようです。
 ①休業災害が発生が発生しても報告しなかった
  ・治療費等の請求はしているが、死傷病報告を出していない
  ・被災者が派遣社員だったので報告は不要だと考えた
  ・単に忘れていた。
 ②労災の報告が必要だということを知らなかった
 ③被災労働者等関係者に口止めをして報告しなかった
 ④実際と異なる災害状況を報告した
  ・元請け会社に迷惑をかけないように別の場所の被災と偽る
  ・無資格での作業時の被災だったため、他の状況にすり替える
 ⑤私傷病として健康保険証で治療した
  ・治療費は会社が負担するからと被災者を納得させた
  ・労災保険に加入していないためにごまかす
 ⑥ケガのために休んだが有給休暇の使用により不休業災害とした

 労災を隠したい心理はよくわかります。例えば、下請けや孫請けで
従事した場合、労災発生により元請け会社に労働基準監督署が調査に
きて元請け会社に迷惑をかけ、次の業務請負に支障が生じる(注文を
もらえなくなる)ために、出さなかったり、違う場所での災害にすり
替えたりするのでしょう。また、法違反の機械が使用停止命令を受け
ている期間に無断で使用して災害を発生させたものもあるでしょう。
 被災した労働者は自分のミスで災害を発生させたことから、事業者
の言いなりになって、別の場所で発生した災害と嘘を書くこともある
でしょう。
 以前、調査に行った会社では労働者の災害に対して民間の保険会社
と契約していることがありました。労災保険では治療費しか出ないか
ら慰謝料に相当する保険を掛けているのかと思ったが、よく状況を確
認すると、労災保険を掛けるのが嫌だったから民間の保険会社と契約
して労災の手続きを一切していないということがありました。
 また、私がサラリーマン時代には、災害にあった労働者が「全て私
のミスが原因ですから、私自身で責任を取ります。健康保険証も使わ
ずに自費で治療する」という人がいました。
 ⑥の場合は難しいと思います。たとえば、災害発生の前に有給休暇
の申請をして、労働災害で足を骨折して仕事はできない状態であった
が、旅行の予約をしているので、松葉杖をついて観光に出かけた場合
は、有給休暇を申請しており、休業していません。この場合、私には
判断できませんので、労働基準監督署に相談して指示を受けてくださ
い。 

                      
 ご安全に!

2024年3月16日記(個人サンプラーを用いた個人ばく露測定)
 化学物質管理の規制強化になり、化学物質のリスクアセスメントも
ほぼ終了したのではないでしょうか。
 従来の作業環境測定はAB測定といって、職場の作業環境を評価す
るものです。作業環境測定は職場の環境を具体的に把握するために重
要ですが、作業者の健康管理のための測定ですから、作業者が実際に
ばく露する量を評価する方が効果があると考えられます。個々の作業
者にサンプラーを付けて評価測定する方が正しく評価できると考えら
れます。厚生労働省は「個人ばく露測定定着促進補助金」の募集を開
始します。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38665.html
 各事業場では年度初めの安全衛生計画を作成している時期だと考え
ます。従来から作業環境測定を行い、管理区分は1で問題ない状態だ
ったとしても、個人ばく露測定をすると、評価値が上昇する可能性も
ありますので、この機会に是非検討していただきたいと考えます。


2024年3月16日記(網戸の紐で女児が死亡)
 
(ニュース記事引用)
 網戸を動かすひもに首が絡まり、6歳の女児が死亡したのは製品の
欠陥が原因として、兵庫県に住む両親らが建材大手「YKK AP」
とリフォーム業者に計約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判
決が14日、大阪高裁であった。黒野功久裁判長は「使用上の適切な警
告がなかった」として欠陥を認め、計約5800万円の支払いを命じた。
判決によると、製品は窓枠のそばに垂れ下がっている輪状のひも(約
175cm)を引くと、上部にある網戸が引き下ろせる構造だった。女
児は令和元年11月、リフォームした自宅に設置されたひもが首に引っ
かかり死亡した。
黒野裁判長は、窓のブラインドなどのひもを巡る事故が多発し、消費
者庁が平成28年に注意喚起していたと言及。今回の製品にはひもを幼
い子どもの手が届かない高さに留めるクリップが付属しており「設計
上の欠陥はない」とする一方、「取扱説明書が同梱されず、警告表示
もなかった」と指摘した。リフォーム業者も危険を説明する注意義務
を怠ったと判断した。(引用終わり)
 製品を上下するには紐が輪になっている方が操作しやすいと思いま
す。しかし、輪にするとこのような事故につながる。クリップで手の
届かないところに固定していれば事故は防げるけど、固定を忘れてし
まうこともある。紐に体重がかかる状態になれば紐が切れればいいの
だけど、その都度修理しなければならないものであれば商品にはなら
ない。
 この事故以外にも幼い子供がフェンスを登ってベランダから落ちる
事故なども発生しています。親が生活環境の中に潜む危険を感じる能
力が必要だと感じます。

                       
ご安全に!

2024年3月9日記(2016年明治神宮外苑のオブジェ火災)
 ニュース引用
 東京・明治神宮外苑のイベント会場で2016年11月、木製オブジェが
燃えて男児(当時5歳)が死亡した火災で、過失致死傷罪に問われた
日本工業大の元学生2人=いずれも当時未成年、現在は26歳=に対し、
東京簡裁は5日、いずれも求刑通り罰金50万円の有罪判決を言い渡し
た。弁護側の「火災の発生は予見できなかった」とする無罪主張を退
けた。
 起訴状によると、両被告は16年11月6日、大学の仲間らと木くずで
装飾した木製ジャングルジムのオブジェ(高さ最大約2.7m、幅最大
約3.8m)を展示。監視役を任された両被告は午後5時ごろ、点灯した
投光器をオブジェ内部に放置して火災を発生させ、中で遊んでいた男
児を焼死させて父親にも重度のやけどを負わせたとされる。
 検察側は公判で、両被告が高熱を発する投光器に木くずが接触する
可能性を認識していたとし、火災は予見できたと主張した。弁護側は
「事前に誰からも投光器の危険性を指摘されておらず、当日も投光器
からはほのかな暖かさを感じただけだった」と反論していた。
 両被告は19年8月に重過失致死傷罪(5年以下の懲役・禁錮または
100万円以下の罰金)で在宅起訴され、東京地裁が21年7月、禁錮10月
執行猶予3年の判決を言い渡した。しかし、東京高裁は22年9月、「過
失は重大とは言えない」として過失致死傷罪(50万円以下の罰金)の
成立にとどまるとし、簡裁に審理を移送していた。(引用終わり)
 あの事故から7年過ぎました。現在では白熱電球を使った投光器は
見かけなくなり、LEDタイプの投光器に変わりつつあります。同様の
事故はなくなるとも思えますが、カンナで削り出したような非常に薄
いものはLEDでも起こりうると思います。また、摩擦熱でも燃える可
能性を否定できません。

 
2024年3月9日記(この脚立おすすめです)
 
6日にインテックス大阪で“大阪機械加工システム展”を見てきま
した。ピカコーポレーションのブースで見つけた“スタッピー”とい
う脚立は優れた商品です。脚立の脚の長さを変えることができる脚立
以前からありますが、しゃがんで長さを調節する必要がありますし、
ちょうどいい長さに調節するのが難しい面もありましたが、この脚立
は直立した姿勢で、ワンタッチで4本の脚を同時に調整できます。
https://www.pica-corp.jp/products-02/

                       
ご安全に!

2024年3月2日記(オートショックAED)
 新しいAED(自動体外式除細動器)があることを知りました。
 日本で普及しているAEDの多くは、電気ショックが必要と判断され
た場合に救助者が電気ショックボタンを押す必要があるセミオートAE
Dですが、救命行為に不慣れな救助者の場合、ショックボタンを押す
ことを躊躇して適切なタイミングで電気ショックが実施されないケー
スがあり、また、心肺蘇生を行った救助者には、強いストレス症状な
どがみられたとの報告もあるということです。
 オートショックAEDは、傷病者の心電図解析をして電気ショックが
必要と判断された場合には、自動で電気ショックが実施されるため、
傷病者への処置が遅れるリスクの低減や、救助者の不安・ストレスの
軽減が期待できるということで、多くの国でオートショックAEDが浸
透しています。
 参考 https://inoti-aed.com/auto-shock-aed/
 調べてみると、日本で、一般市民がAEDの使用を認められたのは20
04年でした。私が企業に居た時に、導入され、職場から緊急事態発生
(急病人発生)の連絡があった場合には、AEDを持って現場に走るこ
ともありました。幸い、使用することはなかったです。
 私の家の近くでは50メートル離れたところに保育所があり、そこに
設置されています。夜間や休日にはさらに100メートルほど行くと長
尾消防出張所があります。万が一の場合には数分でAEDを確保するこ
とができます。
 皆さんの事業所には設置されているでしょうか。設置できていない
場合にはどこに行けば借りることができるか調べておきましょう。
 ある会社に訪問して、電気取扱いの特別教育を実施した際に、受講
者に対して、「AEDの設置場所を知っていますか」と聞いた時、誰も
知らなかったことがあり、その会社に対して、社員全員に設置場所の
周知をお願いしたことがありました。
 事業所には設置していても、建設業など現場にAEDを設置すること
は難しいかもしれませんが、万が一の場合に備えて、現場の近くにあ
るAEDの場所は調べておくようにしてください。

                      
 ご安全に!

2024年2月24日記(騒音障害防止教育)
 令和5年に騒音障害防止ガイドラインが改訂されました。
 https://www.mhlw.go.jp/content/001195349.pdf
 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei02_00004.html
 現在、ある企業から新規入職者に対する騒音障害防止教育の依頼を
いただいています。この騒音障害防止教育は非常に重要だと考えてい
ます。それは、WHO(世界保健機関)が世界の若者の半数が難聴の
リスクにさらされており、80dBを1週間に40時間までを目安と警告を
発しています。1週間の労働時間は40時間なので、職場の騒音を80dB
に抑えることで難聴のリスクを回避できると考えるかもしれませんが
仕事以外の通勤電車内の騒音や、ヘッドホン・イヤホンを使っている
時間も、私生活においてスポーツ観戦やライブ、カラオケなど全てが
対象となりますので、職場の騒音だけコントロールしても不十分なの
です。騒音の大きな職場では仕事中と仕事以外の二重のリスクがある
と考えなければなりません。厚生労働省の騒音障害防止ガイドライン
では等価騒音レベルを85dB未満としています(等価騒音レベルとは、
一定の時間内のエネルギーの平均値)。
 難聴には騒音性の難聴と加齢による難聴があり、騒音にばく露され
ていなくても多くの方が加齢による難聴になります。その上、職場で
騒音にさらされると難聴になる年齢が早くなります。
 人生を楽しむためには、聴力は非常に重要です。若い時から騒音障
害防止の正しい知識を持つことが重要です。

 
2024年2月24日記(ノイズキャンセリングヘッドホン)
 私は現在62歳です。難聴の自覚症状はありませんが、よく考えると
家でテレビを見る時のボリュームが大きくなったような気がします。
 騒音障害防止教育を行うこともあり、自衛する手段として、ノイズ
キャンセリングヘッドホンを購入しました。
 ※ノイズキャンセリングヘッドホンとは、周辺の騒音を検知し、そ
  の騒音と逆位相の音を出すことにより、音を音で打ち消すもの。
 電車の中で試してみましたが、ノイズキャンセリングを起動すると
電車内の騒音がほとんど打ち消され静寂感を感じます。また、完全に
外部の音をシャットアウトするのではなく、人の声の周波数帯はカッ
トしないので「次は〇〇駅・・・」のアナウンスは普通に聞き取るこ
とができます。
 音楽を聴くときには、周囲の騒音が高ければ、周囲の騒音より大き
な音で楽しむことになり、耳に大きな負担をかけてしまいますが、ノ
イズキャンセリングヘッドホンであれば、周囲の騒音が打ち消される
ため、小さな音でも十分音楽を楽しくことができます。
 音楽を聴かないときもこのヘッドホンを使用していれば、騒音にさ
らされることを防ぐことができます。

 ※私が購入したノイズキャンセリングヘッドホン
  https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM4/


2024年2月24日記(pH「ペーハー」「ピーエイチ」)
 水素イオン指数を「pH」で表します。このpHを「ペーハー」と
読んでいましたが、現在は違うことを最近知りました。2012年の教科
書から「ピーエイチ」に統一されました。若い世代の方にはペーハー
が通じない可能性がありますので、注意が必要です。
 このようなことは他にもあるでしょう。たとえば{JIS」これは
日本工業規格でしたが、2019年から日本産業規格と変わりました。

                      
 ご安全に!

2024年2月17日記(エイジフレンドリー補助金)
 令和6年度エイジフレンドリー補助金事業者の公募が始まります。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31599.html
 エイジフレンドリ―補助金が令和6年度も実施されるようです。
 令和5年度では条件を満たすと半額の補助が受けられる制度でした。
 令和6年度の活動計画の中に組み込んではいかがでしょうか。
 以下のような設備等が半額で導入できるものです。
 令和5年の内容は下記をご確認ください
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html

【⾝体機能の低下を補う設備・装置の導⼊例】
◇ 通路の段差の解消(スロープの設置等)
◇ 階段に⼿すりの設置
◇ 床や通路の滑り防⽌対策(防滑素材の採⽤、防滑靴の⽀給)
◇ 暗い作業場所の照度の改善
◇ 危険箇所への安全標識や警告灯等の設置
◇ ⾼齢者に聞きとりやすい中低⾳域の警報⾳に交換
◇ 作業時の有効視野を考慮して警告・注意機器の配置の改善
◇ 業務⽤の⾞両への⾃動ブレーキ⼜は踏み間違い防⽌装置の導⼊
◇ 熱中症リスクの⾼い作業がある事業場での涼しい休憩場所の整備
◇ 体温を下げるための機能のある服などの⽀給
◇ 不⾃然な作業姿勢を改善するための作業台等の設置
◇ 重量物搬送機器・リフトの導⼊
◇ 重筋作業を補助するパワーアシストスーツ等の導⼊
【健康や体⼒の状況の把握等】
◇ 安全で健康に働くための体⼒チェックの実施
◇ 健康診断や⻭科健診、体⼒チェック等に基づいた運動指導、栄養
 指導、保健指導等の実施

                      
 ご安全に!

2024年2月10日記(電車が接近しているときに遮断器が上がる)
 今週も踏切に関する話題です。(ニュース記事引用)
 2月6日午前6時半ごろ、大阪市西成区橘3の南海電鉄高野線踏切で、
岸里玉出発汐見橋行き各駅停車と乗用車が接触する事故があった。け
が人はなかった。電車の通過前に何らかの原因で遮断機が上がったた
め、車が進入したとみられる。
 南海や大阪府警西成署によると、現場は西天下茶屋駅から南約50m
の踏切。同駅に停車するため減速中だった電車の運転士が、遮断機が
上がっていることに気付いて非常ブレーキをかけ警笛を鳴らしたが、
間に合わなかったという。
 南海電鉄が原因を調べた結果、現場から600m余り離れたところで5
日夜行われた線路の枕木を交換する工事でミスがあり、電車の振動な
どによって踏切の装置に誤った信号が送られていたことが分かったと
いうことです。(引用終わり
(関連動画)
https://www.fnn.jp/articles/-/653749
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240206/k10014348971000.html
 踏切の前で停止し、左右を確認してから発進しなければなりません
が、乗用車の運転手は、踏切が上がったので、そのまま発進したよう
です。すぐに気が付いたようですが、乗用車の前部分が接触してしま
いました。
 記事の中には「誤った信号が送られた」とありますが、違う信号で
遮断機が上がる信号ではフェールセーフができていないようです。
 踏切の前で停止して安全を確認してから走行しなければなりません
が、安全の確認ができないところもあります。たとえば、踏切の場所
から50mほどしか見えず(線路がカーブしているため、建物の影にな
って少し離れた場所の電車は見えません)、また、2車線の道路では
横に大型トラックがいると見えない状態になります。教習所では窓を
開けて確認すると指導していますが、窓を開けても、数秒後に通過す
る電車の音は聞こえないでしょう。
 踏切での事故は頻発しています。高齢者が転倒して動けなくなった
り、自動車が動けなくなったりさまざまです。これらの事故を無くす
ために、私が改善を提案するとすれば、「踏切通過時の最高速度を決
める」です。鉄道の全てを高架にすれば事故は無くなるが、それは現
実的ではありません。しかし、制動距離を30メートルとして設定した
速度で踏切を通過するのであれば事故は激減するでしょう。

 
2024年2月10日記(ガイシ(電線や電柱で使用する絶縁物)が緑色) 
 ガイシとは、電線と電柱や鉄塔などの支持物との間に使用される絶
縁物です。1個だけ付ける場合や10個ぐらい付ける場合もあります。
 一般的な色は白色です。しかし、先日、富山駅で見たのは緑色のガ
イシです。ガイシを意識して見ることは少ないのですが、初めて見た
ものなので、地元の電気関係の方に尋ねると、「緑色のガイシは、塩
害防止や汚れ防止のために緑色のグリスを塗っている」と教えていた
だきました。

                       
ご安全に!

2024年2月3日記(踏切の非常ボタンを押しても列車は停止しない)
 (新聞記事引用)
 JR東海によりますと、1月24日、大雪の影響で、岐阜県大垣市にあ
るJR東海道線の踏切内で乗用車が立往生しました。大雪対応のため現
場にいた係員が非常ボタンを押しましたが、およそ2分後、列車が停
止せず、時速およそ95キロで通過したということです。乗用車が止ま
った場所は線路の手前で、列車とは衝突しておらず、けが人はいませ
んでした。列車の運転士は作業のメモを確認していて、停止信号に気
付くのが遅れたということです。運転士は発覚をおそれ、会社には報
告していませんでした。(引用終わり)
 踏切には非常ボタンがあります。この非常ボタンを押すと、信号が
列車の運転席に通知され、ブレーキをかけるものだと思っていました
が、踏切手前の停止信号が点灯するだけのようです。
 これは考えると非常に怖いと感じます。列車が踏切に接近してから
非常ボタンを押した場合にはブレーキが間に合わない可能性がありま
すが、今回は2分後に通過したということなので、踏切の約3km手前で
非常ボタンを押しているにも関わらず列車は止まらなかったというこ
とになります。今回の件は、乗用車が立ち往生したけど、線路の手前
だったらから衝突しなかったのですが、もし、線路の上だったら悲惨
な事故になったでしょう。
 ところで、非常ボタンが有効に働く信頼性はどうなのでしょう。産
業の場では機械設備の使用前点検で、安全装置は有効か、非常停止ボ
タンは機能しているかを必ず確認しますが、JRは膨大な数の踏切を有
しているので、始発列車の前に全ての非常ボタンの点検をするのは不
可能だと思います。点検できていない非常ボタンは信頼性が低い。そ
の上、今回のような見落としなどヒューマンエラーもありますので、
非常ボタンを押しても列車が止まらない可能性は高いといえます。


2024年2月3日記(プレス機の事故 書類送検事例) 
 プレス機の書類送検事例を2件紹介します。
 ・プレス機械の金型調整作業時に、労働者に対する危険防止措置を
  講じなかった疑い 
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/202401311500-2.pdf
 ・プレス機械作業主任者に法令で定める職務を行わせなかった疑い
 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/202401301600-2.pdf
 この安全週記でもプレス機の書類送検事例は何度も紹介しています
が、同じような事故が何度も発生しているのです。
 以前、ある大きな会社でプレス機械を20数台有する会社の指導に行
った時「安全ブロック(安全支柱)」はどこに保管していますか」と
プレス機械作業主任者に聞くと「安全ブロック?ないです」と言われ
「金型交換の時に上型を支えるために必ず使用するものですよ」と言
ったのですが「使っていない」と言われ、では「プレス機の金型交換
等の特別教育は実施していますか」と聞くと「特別教育必要ですか」
と逆に質問されたので驚きました。
 プレス機の操作には、技能講習や特別教育は義務付けられていませ
ん。それは、光線式安全装置、安全囲い、両手操作式、手引き式など
の安全対策が義務付けられているため、基本的なことを守ってさえい
れば事故は防げるからでしょう。しかし、光線式安全装置のカギを挿
しっぱなしにして、安全装置を無効にすれば事故が発生するのは当然
です。
 プレス機を有する会社では作業主任者に対して職務を実行している
か確認してください。なお、プレス機が5台未満の場合は作業主任者
の選任は義務つけられていませんが、カギの管理ができているか確認
をお願いします。 

                       
ご安全に!

2024年1月27日記(電源タップ)
 コンピュータ周辺機器メーカーの「エレコム」は、×公式アカウント
にて「電源タップは3~5年を目安に取り換えを」と呼び掛けています。
「電源タップは消耗品です。定期的に点検していただき、異常が見られ
る場合は新しいものにお取り替えください。また、事故防止のために
3~5年を目安にお取り替えいただくことをおすすめします。以下のよう
な症状はお取り替えのサインです。
 ・電源プラグや電源コードが熱くなる 
 ・電源プラグや電源コードに傷がある
 ・電源プラグや電源コードに触れると通電したりしなかったりする
 ・ボディに傷がある 
 ・差込口がゆるい 
 ・電源タップ内部に異物が入ってしまった
 たくさんの電化製品を同時に使用するために欠かせない電源タップ。
一度購入したものをずっと使い続けている方も多いと思いますが、実は
「消耗品」であることをご存じでしたでしょうか?
     (エレコム X公式アカウントからの引用終わり)
 また、サンワサプライでも同じような記載があります。
 https://www.sanwa.co.jp/product/oatap/howto/tap-check/index.html
 電源タップ(卓上コンセントなどと呼ばれている)は非常に便利な物
なのでどこの会社でも家庭でも使用していると思います。
 特に、最初のチェック項目である「電源プラグや電源コードが熱くな
る」は火災の危険性がとても高いものです。理由として、一つは半断線
(素線の一部が切れている)です。このまま使用を続けると、素線の破
断が増えて、過電流が流れ、加熱状態になり、火災につながります。二
つ目は、消費電力が高い場合があります(タコ足配線とも呼びます)。
電源タップには必ず定格電流があります。タコ足配線を防ぐために接続
するプラグの数に気を付けていても、何度も枝分かれするように接続を
増やすと、それら全部の電流を合算して考えなければなりません。三つ
目は、ケーブルを束ねたり巻いている場合です。ケーブルを電流が流れ
ると熱が発生します。通常ならば空気に触れて冷えるのですが、束ねた
場合は熱が放熱されず、温度が上昇します。
 企業の巡視をすると、床に電源タップのケーブルを這わせて、その上
にガムテープを貼って(引っかかりを防止するため)いるものを見かけ
ます。その上を歩いたり、台車が通ったりしていたら、すぐに半断線の
状態になるでしょう。同じく、カーペットの下にケーブルを隠すように
しているところもあります。
 また、抜いたり、挿したりを繰り返す場合にもケーブルに負荷がかか
って断線しやすくなりますので、早めに交換する必要があります。
 電源タップのケーブルはゴムやビニルで絶縁されており、中の電線が
見えないものなので、傷がついている場合、表面だけでなく、中の電線
が切れていることもあります。気になる状態があれば早めに交換してく
ださい。

                       ご安全に!

2024年1月20日記(ドアは内開き? 外開き)
 
ネットを見ていたら
 「日本の玄関や出入口のドアはなぜ外開きなの?」という記事が気
になりました。欧米では内開きが一般的ということです。
  ※外開きとは、家の中から外側に向かって開く
 欧米のドアが内開きなのは、防犯上の理由だということです。たと
えば、不審者が玄関を開けようとしたときに、ドアを引いて侵入を防
ぐより、ドアを押した方が体重をかけて押すことができるので、はる
かに強力です。防犯を考える場合には、内開きの方が有効ですが、日
本では靴を脱ぐスペースが必要となります。靴がたくさんあればドア
を開けにくいので、内開きにすると狭い日本の住宅には適していない
ようです。
 防犯の観点から考えると、内開きの方がよさそうですが、日本では
地震が多く、避難をする場合、建物が歪んで、ドアが開けられないと
いうことも考えられます。その時にドアを引くより、体重をかけて押
した方がよいでしょう。そのため、日本では外開きが適しているとい
えます。
 しかし、ホテルの部屋では廊下にたくさんのドアがあるため、避難
時に一斉にドアを開けると廊下を避難する場合に支障があります。会
社の事務所などでは外開きにすると外を歩行している人に接触する可
能性もありますので、内開きが適しているように思います。
 トイレの個室のドアはどうでしょうか。中で人が倒れた場合には、
ドアを押して開けられない場合があるので、外開きが適しているでし
ょう。
 ちなみに、雪国では玄関を外開きにすると、雪が積もった時にドア
を開けられないことがあるので、内開きが多いそうです。
 結局、内開きには長所と短所があり、外開きにも長所と短所がある
ので、引き戸(スライドドア)が一番よさそうに思います。


2024年1月20日記(瞬間接着剤の危険)
 
多くの方はご存じと思いますが、布製の手袋(軍手含む)を着用し
て瞬間接着剤を塗布するのは危険です。それは、化学反応で発熱する
からです。手袋に大量に付くと発熱して手を火傷する可能性がありま
す。
 手袋は危険だからといって素手で作業すると手指に付くことがあり
ます。瞬間接着剤ですから瞬く間に硬化します。これを無理に外そう
とすると、皮膚を傷めます(皮がめくれることもある)。手指に付着
したときにティッシュなどを使うと皮膚に張り付いて発熱するため、
安易に拭き取らないでください。
 手指についてしまった場合は、お湯にしばらく漬けて皮膚をふやか
すと剥がれます。また、メーカーでは“剥がし剤”を売っているので
それらを使ってください。特に気にならなければそのままにしておく
と自然に剥がれます。
 瞬間接着剤の種類としてはジェルタイプや液体タイプがあります。
液体タイプを使う際には、飛び散ることもありますので、目を守るた
めに保護めがねを着用してください。ジェルタイプでは飛び散る可能
性は低いものの、やはり万が一を考えて保護めがねが望ましいと思い
ます。
 作業で瞬間接着剤を使用する場合には、危険性および有害性と、緊
急時(皮膚への付着等)の措置について安全衛生教育を必ず実施して
ください。

                       
ご安全に!

2024年1月13日記(羽田空港衝突事故の原因)
 なぜ、着陸前のC滑走路に海上保安庁の航空機が進入したのか?
事故調査委員会の発表を待たなければならないでしょう。NHKのク
ローズアップ現代を見ると、過去10年間で誤侵入が23件もあったと聞
き驚きました。それらは無事に回避できましたが、今回の誤侵入は回
避できませんでした。
 過去の誤侵入については対策が進められてきましたが、人間の信頼
性に頼る対策では完全に防ぐことはできません。今回のように意思疎
通ができていなかった。誤侵入を警告する表示はあったが見落とされ
てしまいました。
 羽田空港では1分間に1.5回も離発着があるということです。滑走
路はABCDと4つあるとはいえ、管制塔は忙して間違いが起こる可能性
は高いと感じます。さらに事故があったC滑走路は着陸と離陸が混在
しています。
 2025年には大阪で万博博覧会が開催されます。関西国際空港の滑走
路は2本、伊丹空港の滑走路も2本(ただしそのうち1本は小型ジェッ
ト・プロペラ機専用)となっています。原因を究明し、対策が急がさ
れます。


2024年1月13日記(羽田空港衝突事故の消火)
 羽田空港の火災では、翼の一部を除いて全焼してしまいました。消
防隊は早くから消火活動をしていましたが、あれほど早く燃えてしま
うとは思いませんでした。消防隊は航空機が爆発する危険があるため
内部に入って消火することはできませんでした。
 この火災を見た時に、ヤマトプロテックのカリウムで消火する
K/SMOKEを使うべきだと思いました。
 K/SMOKEは300度を超えるとカリウムガスが発生し、消火する
ものです。 
 
https://www.yamatoprotec.co.jp/products/syokasetsubi/KSM-PANEL/60525/
 K/SMOKEはパネルにもシートにもなり、とても薄くあらゆる
形状に加工できます。水も泡も使わない消火設備とも言えます。大量
の二酸化炭素ボンベも不要です。

                       ご安全に!

2024年1月6日記(安全 あ・い・う・え・お)
 「安全あいうえお」を考えてみました。もし、気に入っていただけ
れば自由にお使いください。
(あ)アイデア
  危険な作業もちょっと工夫すれば、対策できることがあります。
  「危ないなぁ気を付けよう」ではなく、創意工夫で安全対策しま
  しょう。
(い)いつもと違う?
  作業前の安全点検は災害防止の基本です。何か作業を行う前には
  異常がないか確認と点検をしましょう。
(う)打合せは十分に
  作業は一人で行うものだけではありません。意思疎通の欠如から
  災害につながる可能性はとても高いです。お互いの行動を確認し
  てから作業にかかりましょう。
(え)エラーを予測
  作業の前にどんな危険があるか、あらかじめ予測することが危険
  を回避するために重要です。作業の前に自問自答(接触の危険は
  ないか? など)して危険を回避しましょう。
(お)落ち着いて作業に集中
  ミスが発生しやすいのは、急いでいるとき、焦っているとき、慌
  てているときなど冷静でない場合です。作業の前に大きく息を吸
  って作業に集中しましょう。


2024年1月6日記(能登大地震)
 1月1日16時過ぎ、私は、ゆっくりゆっくりした揺れを感じました。
“地震だ!”それは長周期地震動のような感じでした。この震源は遠
いところだ、遠方の地震でこれだけ揺れるのはただごとではないなと
思い、テレビをつけると、能登で震度7の大きな地震でした。
 1年でもっとも幸せな時間を過ごす元旦の日にこのような災害が発
生するとは考えてもみませんでした。
 ことわざに“1年の計は元旦にあり”とありますが、被害にあった
方々には、計画の立てようのない事態になりました。寒い中ではあり
ますが、復興に向けて進んでいただきたいと思います。
 寒さといえば、皆さんが使用するの暖房器具はエアコンとコタツな
ど電気だけに頼る状態ではありませんか?ライフラインが寸断される
ことを想定して、石油ストーブやカイロなど電気を使用しない暖房に
ついても準備しておく必要があると感じます。


2024年1月6日記(1月2日羽田空港事故)
 これは何か判りますか?
 Alpa(アルファ)、Bravo(ブラヴォ)、Charlie(チャーリー)
 Delta(デルタ)、Echo(エコー)、Foxtrot(フォクスロット)
 Golf(ゴルフ)、Hotel(ホテル)、India(インディア)
 Juliett(ジュリエット)、Kilo(キロ)、Lima(リマ)、Mike(マイク) 
 これらは管制塔で使うアルファベット(ABCDEFGHIJKLM)の読み方
です。言葉で指示するため、間違いを防ぐために読み方を統一された
ものです。空の上や地上で間違いがあれば大事故になります。
 1月2日の羽田空港の事故では、海上保安庁の航空機が滑走路手前の
停止位置を間違え滑走路まで進入したことが原因ではないかと考えら
れています。
 管制官の指示(停止位置まで走行)に対して、海保機は復唱(停止
位置に向かいます)して確認したにもかかわらず滑走路に進入しまし
た。
 この場合、「管制官が指示をした。海保機は指示を確認した。」で
終わらずに、停止位置で止まったかどうか確認すれば防げたはずなの
です。管制官が海保機に指示したあとも状況を見ていたら「海保機止
まりなさい!」と緊急指示ができて事故を防ぐチャンスがあったのに
とても残念です。
 産業の場では、職長が指示をしたのちも、作業者の行動を見て、指
示通りにできているか確認することは当然のことだと思います。
 もっとも、管制官にとっては地上走行する航空機よりも、着陸寸前
の航空機の状況に集中するので難しいとは思います。まして、日本の
空港の中で一番離着陸が多い空港なので、目の行き届かないところが
あるのだと感じます。また、前の航空機が離陸してから、離陸準備に
入ればいいのですが、離着陸便が多いことから、前の航空機が離陸す
る前から、滑走路の手前まで進むようになったのでしょう。この事故
の背景には、羽田空港の過密スケジュールがあったことは間違いない
でしょう。
 なお、不幸な事故でしたが、乗客・乗員379人全員が無事に避難で
きたことは幸いでした。非常口は8カ所あるのですが、火災のため5カ
所は炎が迫っているため使用できず、3カ所しか使えない状況であっ
たにもかかわらず全員避難できました。客室乗務員の日頃の訓練の成
果だと思います。客室乗務員はサービス業務と保安業務の二刀流であ
ることを改めて感じました。


2024年1月6日記(映画 「ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)」)
 年末に映画「ゴジラ-1.0」を見ました。とても面白かった。
 主役がNHK朝ドラ(らんまん)で共演した二人(神木隆之介 - 浜辺
美波)だったので、ちょっと見たいなと思っただけで映画館に行きま
したけど、いい映画でした。
 このあとは、映画のネタバレがありますので、これから見ようと思
う方は読まない方がいいと思います。
 ゴジラと人間との戦いになるのですが、時代は第二次世界大戦頃な
ので、現代ほどの武器はありません。どうやって対決するのかと思い
ながら見ていると、ゴジラを一気に海中に1500メートル沈めて、次に
一気に地上まで引き上げる作戦です。これは人間で言うと潜水病(減
圧症)です。人間では300メートル潜ったという記録があるようです
が、それ以上潜ると人間の身体は水圧でつぶされるでしょう。
 潜水作業では、深海から海上に上がる際に、血液に溶け込んだ窒素
が減圧により大きく膨らむ潜水病(減圧症)になります。
 また、ゴジラを深海に沈める方法ではフロンガスの泡で沈めるとい
うものです。これを見て私は、2015年の労働災害を思い出しました。
東京にある下水処理場で男性が水槽に転落する事故がありました。こ
の水槽は反応槽であり、微生物によって分解するために常に曝気(ば
っき)をしています。その水槽に誤って人間が入ると浮き上がること
ができません(空気を送り込んでいるため、空気を大量に含んだ水の
比重が軽くなり、人間は沈む)。
 さて、ゴジラを深海1500メートル沈めて、一気に浮上させる作戦で
どうなったか興味を持たれたら映画館でご覧ください。私はもう一回
見たいと思っています。

                       
ご安全に!

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