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社会保険労務士田村事務所 事務所便り 『のぞみ』 平成17年2月号
求職活動支援書
昨年12月1日より、高年齢者雇用安定法が改正され、事業主による高年齢者等(45歳以上65歳未満)に対する
再就職援助の措置が変わりました。
高年齢者雇用安定法により、事業主は、事業主都合の解雇等により離職することが予定されている高年齢者等が
希望するときは、在職中のなるべく早い時期から高年齢者等が主体的に求職活動を行えるよう、自主的に職務経歴書を
作成するための参考となる情報を記載した書面(求職活動支援書)を作成し、交付しなければならなくなっています。
求職活動支援書に盛り込むべき内容は、次のとおりです。
@ 離職予定者の氏名、年齢および性別
A 離職予定者が離職することとなる日
B 離職予定者の職務の経歴
C 離職予定者が有する資格、免許および受講した講習
D 離職予定者が有する技能、知識その他の職業能力に関する事項
E 職務の経歴等を明らかにする書面を作成するに当たって参考となる事項その他の再就職に関する事項
F 事業主が講ずる再就職援助の措置
実際に、求職活動支援書を作成する流れは、次のとおりです。
@ 解雇等の事業主都合による離職予定者の発生
A 労働組合等からの意見聴取
B 求職活動支援書作成対象者の把握
C 離職予定者本人から具体的な希望の聴取
D離職予定者本人に対する求職活動支援書の交付
ADRって何?
私人間の紛争を安く、早く解決する方法として、ADRが注目されています。ADRとは、裁判外紛争処理制度の英文名
の略称です。
ADRには、一般的な紛争処理制度と特殊な紛争処理制度があります。一般的な制度には、示談(裁判外の和解)・仲裁・
支払督促・調停があります。分野別には、日弁連交通事故相談センター・国民生活センター・医薬品PLセンター・その他
各種があります。
ここでは、一般的な制度について、それぞれ簡単にみていきましょう。
@ 和解
私人間の紛争を当事者がお互いに歩み寄って争いを止めることを約束する契約です。和解には、裁判外で行うものと、
裁判上で行うものがあります。裁判外の和解を、特に示談といっています。なお、示談は、一定の様式と内容を備えた示談書を
作成して公正証書にしておけば、裁判所に訴えて判決を得なくても、強制執行が可能になります。
A 仲裁
当事者が裁判所の判断を避け、これに代えて、紛争の解決を第三者(仲裁人)の判断に委ね、その判断(仲裁判断)に
従うという合意(仲裁合意)に基づいて紛争を解決する手段です。
仲裁人は、当事者が自由に選ぶことができます。仲裁人は、弁護士でなくても構いません。仲裁人をみつけ、仲裁判断に
当事者が従う旨の合意を取り付けると、仲裁が始まります。仲裁判断は、確定判決と同一の効力があるので、強制執行も
可能です。
B 支払督促
金銭その他の代替物、または有価証券の一定数量の給付を目的とする請求について、裁判所書記官が、債権者の申立て
により債務者の言い分を聞かず、さらに証拠調べもせずにその給付を命ずる旨の処分です。
C 民事調停
調停委員が、債権者と債務者等の当事者の話合いを斡旋し、お互い譲り合って良識のある解決方向へと導く手続きです。
今後、私人間の紛争が急増することが予想されています。裁判外の紛争解決の手法についても、関心を持たざるを得なく
なっています。
労働組合法が改正
本年1月1日より改正労働組合法が施行されました。労働組合法では労働者が団結して自由に労働組合を作り、使用者と
交渉することを労働者の正当な権利として保護しています。これに反するような使用者の行為は、不当労働行為として禁止
されています。
労働者と使用者間で紛争が生じた場合、どうしても労働者側の立場が弱くなります。そこで、労働組合法では労使紛争処理
システムとして労働委員会を設け、労使紛争の調整と不当労働行為の救済を図る専門機関としての機能を持たせています。
しかし、労働委員会での審査手続に関しては、審査・進行の停滞や命令の実効性不足が問題として指摘されており、今回の
改正はその改善が目的となっています。
◆審査手続の整備
労働委員会は審査開始前に、当事者双方の意見を聴いて審査計画を策定し、その審査計画に基づいて審査を行うよう、
努力義務が定められました。
また、労働委員会は審査の期間の目標を定めるとともに、目標達成状況その他の審査の実施状況を公表することとされ
ました。
これは、裁判所における訴訟手続においても、原則2年以内という審理計画の導入等の改革が進められており、この流れに
沿うものといえます。
◆和解による解決の強化
労働委員会は、審査の途中においていつでも、当事者に和解を勧めることができるとされました。
また、その和解に金銭の一定額の支払等を内容とする合意が含まれる場合には、当事者双方の申立てにより、その合意に
ついて和解調書を作成することができることとされ、その和解調書には、強制執行に関して債務名義としての効力が付与されました。
改正前より和解による解決が重視されてきましたが、今回の改正で、法律上の根拠が明確にされたことになります。
◆罰金および過料の上限額の引き上げ
証拠調べ等の権限が強化されたことに伴って、出頭拒否・陳述拒否・物件提出拒否について30万円以下の過料が新たに加わり、
虚偽報告が30万円以下の罰金(改正前3万円)、守秘義務違反が1年以下の懲役または30万円以下の罰金(改正前3万円)など、
罰金お7よび過料の上限額が大幅に引き上げられました。
プライバシーマーク・認定申請増える
個人情報の漏洩問題について新聞等でも目にすることが多くなり、各企業の個人情報保護対策が問われています。
平成17年4月1日より「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)が施行され、5,000件以上の個人情報を事業の
ために使用している会社を対象に、違反した場合には“6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金”という罰則規定があります。
そのため「プライバシーマーク制度」が注目されています。
◆プライバシーマーク制度とは
事業者からの申請に基づき、個人情報保護に関するJISに適合し、個人情報の取扱いを適切に行うための体制を整備して
いるか否かについて、第三者機関である財団法人日本情報処理開発協会が審査し、適合している者についてはその旨を認定
するとともに、その証としてプライバシーマークと称するロゴの使用を許諾する制度です。
◆認定数の推移
この制度は平成10年4月から開始し、平成16年11月22日現在で新規認定の累計が1,000社を突破しました。
平成14年度までは緩やかな増加でしたが、平成15年5月に「個人情報保護法案」が成立したことに伴い、平成15年度には
前年を大きく上回る伸びを見せ、現在も引き続きその傾向は変わりません。
認定事業者の業種別では、アウトソーサーとしての情報処理サービス業や印刷業が多くを占め、両者を合わせて6割以上と
なっていて、続いて労働者派遣業、マーケティングリサーチ業、学習塾などとなっています。
◆申請から認定の流れ
申請書類の作成→申請(受取→受理→審査)→現地調査→認定可否の決定と通知という流れで審査が行われ、認定された
場合には、このあと使用契約、認定の公表と続きます。
また、認定の有効期間は2年間で、その後は更新手続が必要となります。
審査のための料金として、中規模の会社の場合、新規申請時で60万円(2年間のマーク使用料の10万円を含む)、更新時で
45万円、その他に現地調査が延長した場合、再調査が必要な場合には追加で請求されることもあります。
現在は申請数が大幅に増加しており、申請から認定可否の決定まで8カ月程度かかるということです。
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