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社会保険労務士・行政書士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』               平成19年8月号

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改正高年齢者雇用安定法施行から

1年、企業の状況は?

 

60歳以降の雇用確保実施企業は98

改正高年齢者雇用安定法の施行で60歳以降の雇用確保が事業主に義務付けられた2006年4月以降、約98%の企業で再雇用や定年の引上げなどの措置を講じていることが、労働政策研究・研修機構の調査でわかりました。

高齢者の雇用確保は、改正高年齢者雇用安定法に基づく措置です。定年が65歳未満の企業は年金の支給開始年齢の段階的引上げに合わせ1.定年の引上げ、2.再雇用制度や勤務延長制度など継続雇用制度の導入、3.定年廃止のいずれかを選ばなくてはなりません。

 

◆「元管理職」の処遇に悩む企業

この調査は、2006101日時点における制度の整備状況を各企業に聞いたものです。従業員300人以上の民間企業5,000に質問票を送付し、1,105社から回答を得たそうです。調査結果では、定年後の再雇用制度を導入している企業が91.3に上りました。勤務延長制度や定年の引上げなどを導入した企業と合わせると、98.4%の企業が、何らかの措置を講じていました。

継続雇用する対象者については、72.2%が「健康や働く意欲、勤務態度などで基準に適合する者」と条件付きで対象としており、「希望者全員」としている企業は24.6%にとどまりました。高年齢社員の処遇で困る点では「担当する仕事の確保が難しい」(39.6%)、「管理職経験者の扱いが難しい」(38.9%)、「継続雇用後の処遇の決定が難しい」(24.5%)、「高齢社員を活用するノウハウがない」(19.1%)などが上位を占めています。

 同機構は、「制度はできあがったが、今後は再雇用した人の活用方法や、現役社員との関係、勤務形態を整備していく必要がある」と指摘しています。 

 

「再雇用制度」

今後も利用拡大なるか?

 

改正高年齢者雇用安定法の内容

2006年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法は、従業員に65歳まで就労機会を提供(雇用確保措置を導入)することを企業に義務付ける法律です。

企業には、1.定年廃止、2.定年年齢の65歳への引上げ、3.定年を迎えた従業員の継続雇用の3つの選択肢があります。定年廃止や定年延長は全従業員が対象となり、賃金や労働時間などの処遇を下げにくい制度ですが、継続雇用は労使協定などで対象者を絞り込むことができます。中でも再雇用制度は、雇用契約を結び直すため処遇を柔軟に変更することができます。

 

主要企業では定年者の半数強を再雇用

日本経済新聞社の調べによると改正高年齢者雇用安定法が施行された2006年度に、主要企業が、定年退職者の5割強を再雇用(トヨタ自動車は56%、JFEスチールとJR東日本は約7割)したことがわかりました。

今年度も再雇用制度の活用は拡大する見通しであり、団塊世代の大量定年や少子化で労働力不足が懸念される中、企業は労働力の確保に様々な対策を講じる必要がありそうです。

 

企業側は「コスト削減」、従業員側は「収入維持」

再雇用後の賃金は定年時の半分程度というケースも多く、企業側は人件費を抑えつつ労働力を確保したいと考えています。

また、従業員側にとっては年金と合わせればそれなりの収入を維持することができるため、活発な制度利用につながっていると思われます。

 

ニート62万人、フリーター187万人 

 

「青少年白書」の結果から

内閣府がまとめた2007年版の「青少年の現状と施策」(青少年白書)によると、就職しても長続きせず、3年以内に離職した率(2003年3月の新卒者)は、中卒で70.4%、高卒で49.3%、大卒で35.7%となり、中、高、大の順に「七五三現象」として定着しつつあるようです。また、学校に行かず、仕事も職業訓練もしない「ニート」が、2006年平均で62万人、「フリーター」が187万人に上るなど依然高水準が続いています。

白書では、「若者に、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力を育てる必要がある」などとして、職業訓練や望ましい職業観を身に付ける「キャリア教育」の必要性を強調しています。

 

 

◆ニートの多くがいじめや不登校を経験

ニートのうち約5割が、学校でのいじめ被害や引きこもりの経験があり、約4割は不登校を体験していることが、約400人のニートを対象にした厚生労働省の調査でわかりました。

また、約8割は「仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる」と回答しており、専門家は「対人関係の苦手意識が不登校やいじめの体験で増幅され、それが就労の困難にもつながっている」と分析しています。

83%が「ニート状態後ろめたい」

就労していないニート状態の期間については、「1年以下」が41%と最多で、「5年超」については12%に上っています。また、連続1カ月以上働いた経験がある人は79%。仕事をしていないことについて83%が「後ろめたい」と感じていますが、同時に80%が「仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる」としています。「人と話すのが不得意」な人も64%に上りました。

 

「高年齢者等共同就業機会創出助成金」とは

 

◆制度の概要

高年齢者等共同就業機会創出助成金は、45歳以上の高年齢者等3人以上がその職業経験を活かし、共同して創業(法人を設立)し、高年齢者等を雇用保険被保険者として雇い入れて継続的な雇用・就業の機会の場を創設・運営する場合に、当該事業の開始に要した一定範囲の費用について助成する制度です。

 

◆受給の対象となる事業主は?

受給の対象となるのは、次の要件を満たす事業主です。

1.雇用保険の適用事業主であること

2.3人以上の高齢創業者の出資により新たに設立された法人の事業主であること

3.上記の高齢創業者のうち、いずれかの者が法人の代表者であること

4.法人の設立登記の日から高年齢者等共同就業機会創出事業計画書を提出する日まで、高齢創業者の議決権(委任によるものを除く)の合計が総社員または総株主の議決権等の過半数を占めていること

5.法人の設立登記の日以降最初の事業年度末における自己資本比率(自己資本を総資本で割り100を乗じた比率)が50%未満である事業主であること

6.支給申請日までに、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律68号)2条2項に規定する高年齢者等を、雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者および日雇労働被保険者を除く)として1人以上雇い入れ、かつ、その後も継続して雇い入れていること

7.事業実施に必要な許認可を受ける等、法令を遵守し適切に運営する事業主であること

 

◆受給できる額は?

支給対象経費(人件費その他対象とならない経費がある)の合計額に対して、当該法人の主たる事業所が所在する都道府県における有効求人倍率に応じた支給割合(有効求人倍率が全国平均未満の地域は3分の2、全国平均以上の地域は2分の1)を乗じて得た額(1,000円未満切り捨て)で、500万円を限度として支給されます。

手続き等の詳細については、各地の雇用開発協会にお問い合わせください。

 

8月の税務と労務の手続

[提出先・納付先]

 

10

     源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

     雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

     労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

31

     個人事業税の納付<第1期分>

[郵便局または銀行]

     個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

     労働保険料の納付<延納第2期分>

[郵便局または銀行]

     健保・厚年保険料の納付

[郵便局または銀行]

     日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[社会保険事務所]

     労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

 

■当事務所より一言

 

    いよいよ8月ですね。猛暑の月。  皆さん、暑さに負けず、体力増強。  海に、山に、気分転換。

 

  そして、お仕事へ新鮮な気持ちで。 青い海、高い山・空が皆さんを待っていますよ。

 

 

      社会保険労務士田村事務所     特定社会保険労務士    田   村   幾   男

社会保険労務士田村事務所
               
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                                       所長  特定社会保険労務士 田村 幾男


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