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社会保険労務士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』               平成18年1月号

 

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パートタイマーの解雇予告手当は?

 ある会社では週3日勤務の時給制のパートタイマーを雇用していましたが、業績が悪化したため解雇せざるを得ない状況となってしまいました。パートタイマーには退職金制度を

適用していないので、退職金の代わりに解雇予告手当を支払うことを考えています。週3日勤務の場合でも解雇予告手当は30日分支払わないといけないのでしょうか。

◆解雇予告手当とは

 使用者が労働者を解雇する場合には、労働基準法第20条により、30日前までに解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。

 《平均賃金の原則》

 算定すべき事由が発生した日以前
3
カ月間に支払った賃金の総額 

       その期間の総日数

 

 ただし、日給制や時給制の場合、所定労働日数が少ないので、この算定方法で計算すると、平均賃金の額が低くなってしまう場合がありますので、この額が最低保障額に満たない

場合は最低保障額を平均賃金とすることにしています。

 

◆最低保障額とは

 賃金が労働した日もしくは時間によって算定され、または出来高制その他の請負制によって定められている場合には、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の

100分の60とされています。

 

×60

《最低保障額》

賃金の総額

   その期間に労働した日数   

◆具体的な例では

 時間給を900円、直前3カ月間の総日数を90日、勤務日数を39日、直前3カ月間に支払われた賃金総額を175,500円だった場合を考えてみましょう。

原則的な算定方法で計算した平均賃金額は、

175,500円÷90日=1,950

最低保障額は

175,500円÷39日×60%=2,700

となります。

最低保障額のほうが高いため、この場合の平均賃金は2,700円となります。

 このケースでは、少なくとも81,000円(2,700円×30日分)の解雇予告手当を支払わなければならないということになります。解雇予告手当は、税法上は退職手当として取扱われます。 

 

子育てのための時短勤務は

いつまで?

育児・介護休業法では、事業主は3歳未満の子を養育する労働者に対して勤務時間の短縮等の措置を講じなければならないと規定しています。先日、こんな質問を受けました。

「当社社員で育児休業中のAさんは、子どもが1歳を迎えるのを機に保育園に預けて職場復帰する予定ですが、当社には復帰後の社員の子育て支援の制度がありません。

本人は小学校入学までは、短時間勤務を続けたいと考えているのですが、当社としてはいつまで認めればよいのでしょうか。」

 みなさんならどう対処しますか?

 

◆勤務時間等の短縮の措置とは

 会社は3歳未満の子を養育する労働者について次の勤務時間短縮等措置のうち、最低1つは実施しなければなりません。

@短時間勤務制度

Aフレックスタイム制

B始業・終業時間の繰上げ・繰下げ

C所定外労働をさせない制度(育児のみ)

D託児施設の設置運営

会社が短時間勤務制度を導入・実施していれば、社員は子育てのための短時間勤務を請求することができます。

3歳未満の子どもがいるのに時短などの制度を導入していない場合は、行政指導される可能性があります。また、社員から不利益取扱いを理由に慰謝料、損害賠償を請求される

場合もありえます。

 

◆子どもが3歳以上になると

子どもが3歳以上になると法的な拘束力はなくなります。育児・介護休業法は3歳以上の子どもを持つ社員への支援については「措置を講ずるように努めなければならない」と

定めているのみで、罰則規定はありません。しかし、法の定める最低限の労働条件をクリアすることと労使共に納得できる労務管理を行うことは別の問題です。社員とのトラブルが

顕在化する前に、会社として何かしらの手をうつべきでしょう。

 

1月の税務と労務の手続

[提出先・納付先]

10

    源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

    雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

    労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

20

    特例による源泉徴収税額の納付<前年7月〜12月分>[郵便局または銀行]

  

31日

    法定調書<源泉徴収票・報酬等支払調書・配当剰余金調書・同合計表>の提出[税務署]

    給与支払報告書の提出<11日現在のもの>[市区町村]

    固定資産税の償却資産に関する申告[市区町村]

    個人の道府県民税・市町村民税の納付<第4期分>[郵便局または銀行]

    労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、10月〜12月分>[労働基準監督署]

    健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

    日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[社会保険事務所]

    労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

 

本年最初の給料の支払を受ける日の前日まで

    給与所得者の扶養控除等申告書の提出[給与の支払者]

    本年分所得税源泉徴収簿の書換え[給与の支払者]




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                                       所長  特定社会保険労務士 田村 幾男


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