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社会保険労務士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』               平成19年4月号





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介護休業はどのぐらい,取得されている?

 

認知度低く取得者はわずか1.5

働きながら家族の介護をしている人のうち、介護休業の取得経験者がわずか1.5%にとどまっていることが、労働政策研究・研修機構の調査でわかりました。介護休業は育児休業よりも認知度が低く、制度自体の内容が理解しづらいことが取得率の低さにつながっているようです。

 

◆介護休業制度の概要

1.介護休業対象者は、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。

2.日々雇い入れられる者は除かれます。

3.期間を定めて雇用される者は、申出時点において、次のいずれにも該当すれば介護休業をすることができます。

・同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。

・介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(93日を経過する日から1年を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかである者を除く)。

4・労使協定で定められた一定の条件に該当する対象除外労働者は介護休業をすることはできません。

 

介護休業をしなかった理由(複数回答)

・家族の助け、外部サービスで介護に対処できた…78

      休日、休暇制度などを活用して対処できた

69.2

・職場に介護休業制度がなかった…57.5

・職場に介護のことを相談する部署がなかった…49.6

・職場で取得した人がいなかったので情報がなかった…38.6

      休業を取得すると収入が減ると思った

29.3

・介護休業制度の内容が使いづらかった

16.4

 

4人に1人が離職や転職

家族の介護を始めた当時働いていた4人に1人が、介護をきっかけに離職や転職を経験しているそうです。職場に介護休業制度や介護について相談する部署がないため、休みを取れないケースが目立ちます。

介護休業は、育児・介護休業法で通算93日を上限に複数回の取得が可能とされており、会社は介護休業制度がなくても原則的に休業の申出を拒むことはできません。しかし、同法に基づいて制度を設けている企業はまだまだ少なく、「休みを取りづらい」との社員の声が多い状況となっています。

 

 

国民年金のカード払いが可能になる

 

公金のカード払いは初の試み

厚生労働省は、2008年初めをめどに、クレジットカードで国民年金の保険料を払えるようにする方針です。カードで払えばポイントをためることができるなど、若者を中心に低迷する納付率の向上に役立つとみられ、今通常国会に提出する国民年金法改正案に盛り込まれるようです。

カード決済だとカード会社がいったん保険料を立て替えるので、国からみれば納付者の口座の残高が足りなくても、回収リスクを負わずに済むというメリットもあります。

公金のカード払いは初めての試みであり、今後は地方税や水道料金などのカード払いにも広がる可能性があります。

 

◆納付手段を増やして納付率改善へ

2005年度の国民年金保険料の納付率は67.1%で、対象者の3分の1が払っていません。政府は、2006年度については74.5%を目標に掲げていましたが、目標達成は難しい状況にあります。

厚生労働省は、納付率改善のため利便性の向上を目指し、2004年2月にコンビニエンスストアでの納付、2004年4月に携帯電話やパソコンを通じたインターネットでの納付を認めてきました。2005年度の利用状況はコンビニが589万件、インターネットは14万件でした。カード決済は納付手段を増やすための第三弾となります。

 

今後の普及が課題

厚生労働省は、集めた保険料の一部をカード会社への手数料支払いに充てます。2007年度は広報、システム開発など準備費を含め1億2,000万円の経費を見込んでいます。

これまで、公金のカード払いは、カード会社への手数料支払いという財政負担が障害で普及が進んでいませんでした。政府が2006年3月に作成した規制改革の3カ年計画では、国税のカード決済の検討を打ち出しましたが、国税庁は財政負担を理由に否定的です。自治体で始まったカード払いも、まだ神奈川県藤沢市の軽自動車税など一部にとどまっています。今後の普及が課題だといえます。

 

整理解雇の際に必要な「4要件」とは?

 

◆整理解雇にも「解雇権濫用法理」が適用

企業の経営事情等により、労働者を解雇することを「整理解雇」といいます。現在、景気回復の兆しがみえ、大企業等の設備投資が増加し、リストラも一段落したといえますが、整理解雇は、決して終わった問題ではありません。

企業としては、解雇については非常に慎重な対応が必要となります。普通解雇と同様、整理解雇についても解雇権濫用の法理が適用され、解雇権の濫用になるときは、その整理解雇は無効になります。

整理解雇の場合、解雇権濫用になるか否かの基準として、以下の4つの要件が判例上確立されています。

(1)人員整理による解雇の必要性があること

(2)従業員の解雇を回避する努力をしたこと

(3)被解雇者の選定が合理的であること

(4)解雇手続が適法であること

 

◆整理解雇の4要件の内容

(1)人員整理による解雇の必要性があること

企業が倒産必至の状況にあること、経営危機から人員削減措置が要請されること、企業の合理的運営上の必要性があることなどが必要とされます。

(2)従業員の解雇を回避する努力をしたこと

労働時間の短縮、時間外労働の削減、新規採用の停止、役員報酬のカット、昇給・賞与の停止、希望退職者募集、一時帰休、配置転換・出向などの解雇回避努力が求められます。

(3)被解雇者の選定が合理的であること

選定は、客観的で合理的な基準に基づく必要があります。勤務成績、能力等の労働力評価、勤続年数等企業貢献度、労働者の再就職の可能性、解雇による経済的打撃の大小などといった基準をある程度設けて、個別に判断することになります。

(4)解雇手続が適法であること

労動組合または労働者に対して、人員削減の必要性とその内容(時期・規模・方法等)について納得を得るための説明を行い、誠意をもって協議すべき義務があります。

 

以上、4つの要件が必要であり、これらの要件の1つでも欠けるときは、解雇権の濫用として、当該整理解雇が無効とされます。

 

定年年齢を引上げるともらえる奨励金

 

◆「定年引上げ等奨励金」とは

昨年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、多くの企業で再雇用制度等の導入が行われましたが、国はその先をみており、65歳以上、さらには70歳まで働ける制度の普及を進め、最終的にはいくつになっても働ける社会の実現を目指しているようです。

この政策を推進するため、平成19年度より「定年引上げ等奨励金」制度(平成19年度の予算が国会で成立後、政令の改正を根拠として施行、一部変更となる場合あり)が創設されることとなりました。

この奨励金は、以下の2種類で構成されています。

 

中小企業定年引上げ等奨励金

事業主(常用被保険者数300人以下)が就業規則等により定年引上げ等(65歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止)を実施した際に、その経費として一定額を1回に限り支給します。

また、70歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止を実施した場合には、1回に限り上乗せして支給されます。

65歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止>

(企業規模ごとの受給額)

1〜9人:40万円

1099人:60万円

100300人:80万円

70歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止(上乗せ額)>

(企業規模ごとの受給額)

1〜9人:40万円

1099人:60万円

100300人:80万円

 

雇用環境整備助成金

 事業主(常用被保険者数300人以下)が、定年引上げ等を実施後1年以内に、55歳以上の常用被保険者に対して研修等を行う場合、その研修等に要した経費の2分の1を当該事業主に支給します。

 支給対象となる研修等とは、以下の条件にいずれも該当することが必要です。

1.キャリア・カウンセリングや定年退職等に伴う意識改革など、事業主の雇用する常用被保険者の雇用機会の確保等、職業生活の充実に資するものであること

2.実施時間が合計で7時間以上(複数組み合わせ可能)であるもの

3.法令違反や反社会性を助長する内容等でないもの

4.計画について、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の理事長の認定を受けたものであること


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                                       所長  特定社会保険労務士 田村 幾男


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