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社会保険労務士・行政書士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』               平成19年6月号

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ますます増える?

「労働審判」の申立て

 

申立件数が1,000件を突破

新聞報道などによれば、会社と労働者間の紛争を迅速に解決するために昨年4月から開始された「労働審判制度」について、今年2月末までの全国の地裁への申立件数が1,000件を超えたことが、最高裁判所の集計でわかりました。

そのうち約7割で審理を終え、平均審理期間は「73日」と当初目標の「3カ月以内」をクリアしており、早期救済という制度の趣旨にかなう結果となりました。

 

労働審判制度の流れ

職業裁判官である労働審判官1名と、労使の代表である審判員2名で構成される労働審判委員会が、まず民事訴訟の和解に相当する調停を試みます。調停が不成立の場合、労働審判委員会による公的な審判で解決を図ります。

最高裁判所によると、2月末までの申立件数は1,055件です。2月末までに終了した778件のうち、538件は調停で解決し、審判に至らず決着しているケースが多いことがわかりました。

 

最も多い申立理由は?

審理が終わった778件の申立理由は、以下のようになっています。

・解雇無効などの「地位確認」……393件(約51%)

・「賃金など」……187件(約24%)

・「退職金」……63件(約8%)

 

審理期間はどのぐらい?

審理が終わった778件のうち、757件は「3回以内」に審理を終了しており、4回に達したのは21件だけでした。

申立てから終了までの審理期間は1カ月以内が42件(約5%)、2カ月以内が243件(約31%)、3カ月以内が277件(約36%)で、約7割は3カ月以内に終了しています。平均審理期間は「73.7日」で、制度創設時に目標とされていた「3回以内で3カ月程度の決着」をおおむねクリアしています。

地裁別にみると、最も申立てが多かったのは東京(309件)で、以下は大阪(98件)、横浜(92件)、名古屋(64件)の順でした。

 

普及・定着するか?

「短時間勤務正社員制度」

 

「短時間勤務正社員制度」の目的

短時間勤務正社員制度は、フルタイム勤務一辺倒の働き方ではなく、自己のライフスタイルに応じて多様な働き方を実現させるとともに、これまで育児や介護をはじめとして様々な制約によって就業を継続できなかった人や就業の機会を得られなかった人たちの就業の継続を可能にするための制度です。

労働者が育児や介護・自己啓発などの必要性に応じて、正社員のまま仕事を継続することができるため、「多様就業型ワークシェアリング」の代表的制度として、今後定着が期待されている制度です。

 

◆2つのタイプがある「短時間勤務正社員」

短時間勤務正社員とは、フルタイム正社員より1週間の所定労働時間が短い社員のことをいいます。タイプは2種類あり、フルタイム正社員が短時間・短日勤務を一定期間行う場合と、正社員の所定労働時間を恒常的に短くする場合に分かれます。

前者のメリットとしては、従業員が育児や介護、社会活動など必要性に応じて時間をとることができ、有能な人材の確保が容易であること、後者のメリットとしては、仕事と家庭のバランスを図りやすく、健康面や体力面での配慮が可能になることとされています。

どちらにしても、企業が人事・労務管理を見直す機会となり、企業運営の効率性を高めるきっかけにもなります。

 

制度導入にあたっての注意点

制度を導入する際には、導入のメリットを確認した後、実際に現場の管理職や従業員の声を拾い上げるための調査を実施する必要があります。その留意点としては、以下のことが考えられます。

1.「企業のコスト削減等のための労働時間短縮制度」との誤解を招かないよう、労働者側のメリットも周知すること

2.各識層のニーズを偏りなく把握すること

3.意見を述べた個人の特定ができないように、調査票は無記名にするなどの配慮が必要ではあるが、所属部署・業務内容等は回答してもらうこと

 

 

◆可能な部署からの導入も

制度を全社的に導入できることが望ましいでしょうが、可能な部署から実施し、徐々に拡大していく方法もあります。いずれにしても、制度の円滑な導入を進めるためには、労使それぞれの立場からの意見が反映できるように、社内での十分な検討が必要になります。

 

派遣労働者の労災事故が

増加している!

 

◆労災事故の内容

派遣労働者の労働災害事故が急増していることが、東京都内の派遣業者を対象とした東京労働局による調査で明らかになりました。前年に比べ5割近くも増加しています。

2006年の同局管轄の死亡災害は99人(前年比15人増)で、怪我は10,078人(同169人増)でした。このうち、派遣労働者の死亡災害は2人(前年ゼロ)、怪我は401人(同268人)で49.6%増となりました。

死亡した2件の労災は、造園事業に派遣され、マンションの樹木の剪定作業中にはしごからコンクリートの路上に落下したケースと、事務職の派遣で、外階段を移動中に突風を受けて転落したケースでした。

怪我では、機械に挟まれたり、転落したりしたケースなどが多く、また腰痛やプレス作業中に左手をはさまれるといった、経験と安全教育不足からくる事故が目立っているようです。

 

◆今後の対応策

東京労働局では、今後、派遣社員に対する安全教育を図るよう企業に呼びかける予定だそうです。派遣労働者の労働組合「派遣ユニオン」は、「派遣業者が安全衛生教育を何とかしない限り被災は増え続けるであろう」と見ています。

景気の回復や労働者の高齢化により、企業の労働環境が改善されつつあるといわれる昨今ではありますが、派遣労働者は、ノウハウや経験不足から労働集約的な仕事しか任されないことが多く、また、正社員と比べても企業が教育に費やす費用は明らかに少ないとみられています。

正社員雇用が増加している現在の日本の雇用情勢。今後、派遣労働者はどういった位置付けになっていくのかまだまだ未知だといえるでしょう。

 

運行管理者に対する規制が

強化されます

 

◆悪質行為の取締まり基準強化 

国土交通省は、飲酒運転などの問題が相次いでいることから、タクシーやバス会社などの運行管理者が、運転手の悪質な行為を容認した場合などについて、管理者資格を直ちに取り消すことができるよう、資格返納命令の発令基準を今年の7月から改正するそうです。

これまでは、違反行為を繰り返し、運転手への監督や指導が不十分と判断された場合などに限って資格返納命令を出していたものを、より強化していきます。

 

◆返納命令が出せるケース

以下のような場合、直ちに資格の返納命令が出せるようになります。

1.管理者が運転手に飲酒運転、無免許、薬物使用などの悪質行為をさせたり、容認したりした場合

2.管理者自身が事業用車両で飲酒運転などを行った場合

3.管理者が運転手への点呼をまったくしていなかった場合

4.安全確保に関する違反行為を隠ぺいしていた場合

 

貸し切りバスに対する安全対策

また、今年2月に大阪府吹田市でスキー客ら27人が死傷したバス事故を受け、貸し切りバスへの安全対策も実施します。

目的地での運転手の睡眠施設の確保を義務化し、運輸局の監査などで確認できるように、バス事業者が作成する運行指示書に施設名を記入させる方針で、今年の夏ごろに省令を改正する方針です。

また、警察庁は、今通常国会に飲酒運転の罰則引上げなどを盛り込んだ道路交通法改正案を提出しています。

 



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