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『たたら』って何だと思いますか?

『たたら』とは昔の製鉄方法のことなんです。厳密に言えば「たたら」とは江戸時代の「高殿たたら」の事で、当時としては巨大な(15〜18メートル四方)高殿の建屋内に、製鉄炉の乾燥と保温を目的とした大規模な地下構造を持った製鉄施設の事をさしますが、ここでは砂鉄から鉄を作る作業全体をさして「たたら」と呼ぶことにします。

今でも島根県内で江戸時代さながらの方法で、「たたら」をやっている所もありますし、極一部の限られた刀鍛冶や研究者が、小規模の「たたら」をやっています。

江戸時代の「高殿たたら」は、技術的にも完成されていて、驚異的な品質の鋼が生産されていました。しかし日本刀の世界では、地鉄が最も個性的で変化に富み美しかったのは鎌倉時代で、それ以降徐々に日本刀の地鉄の面白みは無くなって来ました。おそらく製鉄技術が発達して、地鉄がきれいに精錬されすぎたのが原因でしょう。

そこで一部のこだわり派の(単にマニアックな?)刀鍛冶は、自分の使う鋼を自分の「たたら」で作ろうと考えた訳です。ここでは刀鍛冶の私が実際に行った「たたら」の失敗談や成功した話、現在私のやっている「たたら」の事、それに刀鍛冶の仕事から離れて、中学生程度でもできる簡単な「たたら」実験の方法なども掲載して行きます。

目次

製鉄の基礎知識          (97.7.31掲載)

「たたら」の歴史と日本刀     (97.7.28掲載)

純平鍛刀所のたたらが出来るまで  (97.7.22更新)

純平鍛刀場のたたら       (06.01.06更新)

『たたら』をやってみよう。入門編1(03.06.10掲載)

『たたら』をやってみよう。入門編2(03.06.10掲載)

『たたら』をやってみよう。入門編3(03.06.10掲載)

『たたら』をやってみよう。入門編4(03.06.10掲載)

『たたら』をやってみよう。入門編5(03.06.10掲載)

『たたら』をやってみよう。中級編1(97.10.13掲載)

『たたら』をやってみよう。中級編2 (98.1.1掲載)

『たたら』をやってみよう。上級編    (工事中)

おまけ

 良くご存知だと思いますが、宮崎駿監督の映画「もののけ姫」に「たたら」の話しが出てきます。まだ見ていない人は一度ご覧になられると面白いですよ。でもこの映画は面白いというよりは、考えさせられてしまう重い内容の映画です。人間が生きる事に付いての矛盾が鋭く描かれていると共に、今まであまり知られていなかった「たたら」に付いてもうまく表現してあります。実は私、昔から宮崎駿監督のファンなのです。宮崎監督がこの様な映画を作られた事を、私個人的にとても嬉しく思っています。