純平鍛刀場のたたら

 「たたら」は製鉄に当たる段階で、私の所では主に銑(ずく=銑鉄)を生産しています。銑とは炭素を多く含み溶けやすく、鋳物の材料となる鉄のことです。近世の「たたら」製鉄では、銑を主に作る銑押(ずくおし)と、鋼を主に作るケラ押の2つの方法がありました。現在、「たたら」と言えば、玉鋼を生産する「ケラ押たたら」が有名ですが。江戸時代でも玉鋼より銑の方が遥かに多く作られていましたし、より古い時代では「銑押たたら」が殆どだったと考えられています。私の所でもより古い時代の鉄を再現する目的から、現在の所「銑押たたら」を採用しています。そしてこの頁では、今現在私の工房で行っている「たたら」の様子をご紹介いたします。

目次

1     製鉄炉と道具

2         操業

3         出銑

4         製品

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