2 業操

 操業の最初のうちは炉内に湿気が有るのと温度が十分に上がっていないので、燃料の炭だけを投入しながら風車で空気を送り込みます。炉の温度が十分上昇して還元反応を起こす事が出来る様になると、燃料の炭の他に砂鉄を少しづつ混ぜて投入して行きます。炎の色は最初のうちは薄い赤紫色ですが、砂鉄を投入して、炉の中で還元反応が始まると輝く様な黄色い色になり、炎の先きからは花と呼ばれる火花がちらちらと立ち始めます。

 ある程度砂鉄を炉内に挿入してゆくと、炉の底には銑とその上にはノロが溜まって来ます。ノロは不純物や還元しきれなかった酸化鉄を含んでいます。ノロ抜きは羽口の覗き穴からノロが見え始めて、羽口を塞ぐ前に抜きます。出来た銑を流し出さない様にノロだけを抜いてノロの面を下げて、安定した操業を続けられるようにします。以後、ノロ抜きは操業中30分から1時間おきぐらいに、何回か繰りかえして行います。

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