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コンパウンドマーガリン・バター代替品 使用感覚書 記事登録日:2012/03/07
最終更新日:2012/05/25
 
これまでもバターが品薄になることは何度かありましたが、2011年の年末は本当に手に入らなくて苦労しました。
価格も上昇気味で、未だに購入個数に制限が設けられるなど、2012年3月現在でもまだ、思うように買えない状態が続いています。
普段からマーガリンよりもバター派の私ではありますが、最近のクッキー生地作りにはコンパウンドマーガリンを使っています。
コンパウンドマーガリンについての総括としては「意外に悪くない」というのが率直な感想です、が、
ヘクセンハウス作りには作業性や出来上がったクッキーパーツの強度など、マーガリンだからといって妥協できないポイントもいくつかあります。
ここではコンパウンドマーガリンに代表される、バター代替商品の使用感と気付きを個人的な覚書の意味も含めてまとめてみようと思います。


 こちらのページで話題にしている「使用感」については下記のポイント&雑感をご覧ください。

パンテオンセレクトCP バターブレンド50 プレミアムフレッシュ 50 インペリアル 無塩マーガリン プロスパーCPプレミアム
ミヨシ油脂 マリンフード リボン食品 リボン食品 月島食品工業
500g 450g 500g 450g 500g
62% 50% 46.7% 60%(?) 57.0%
なし 乳化剤、香料、着色料 なし 乳化剤、保存料、香料、酸化防止剤、着色料 酸化防止剤、香料
620円 約700円(正確な価格は忘失) 661円 680円 832円
富澤商店 高島屋難波店 食材センターODA 富澤商店 高島屋難波店 JHCなんば店 ホームメイドショップKIKUYA
 
       
よつ葉 デイリースプレッド        
よつ葉乳業        
450g        
77%        
なし        
735円        
JHCなんば店        
 
 上段より:商品名称/製造販売元/製品重量/バター又は乳脂肪分の配合率/酸化防止剤・乳化剤・保存料・着色料・香料等の添加物/購入価格※/購入店舗
※購入価格については定価ではなく、筆者が購入した際の価格を表記しました


上記の製品は、私が個人的に作業性が良いと判断した順番に並んでいます。

パンテオンセレクトCP
 
いろんな面でオススメなのはこの商品。
コンパウンドマーガリンの中ではダントツ62%の乳脂肪分を含む、私が試した中では最もバターに近い商品です。
その上、酸化防止剤・乳化剤・保存料・着色料・香料等添加物。
製品重量が500gというのもポイント。(バターは450gでの販売が一般的)

バターブレンド50よりも多少生地の緩みが早かった気がしますが、一番生地ではバターと同様の作業性の良さでした。
バターの配合率が高く、無添加でコストパフォーマンス的にも◎、ということで、私自身も次に買うならこれかな、と思っています。

楽天では700円弱で取り扱うお店もありますので、送料等の問題が解決すればかなりお買い得な商品です。

ミヨシ油脂
パンテオンセレクトCP





バターブレンド50
 
私が一番初めに使ったコンパウンドマーガリンがこちらの商品でした。
クッキー生地を作るうえではバターと同様に作業できましたし、硬く締まった生地が出来上がるのでパーツの切り出しも簡単・綺麗に出来て、マーガリンに対する評価が大きく変わった商品です。

マイナスポイントは、他商品では控えられている添加物が配合されている点。
香料も添加されていますが、他商品に比べて臭いがきついということはなかったと思います。

ネット通販での取り扱いは少ないようでアマゾンで販売されているこちらの商品しか見つかりませんでした。
基本的には業務用の商品のようです。
こちらではお値段が850円となっていますが、これだと本物のバターよりもお高くついてしまいますね。
私が購入した金額はもっと安かったので実店舗で購入可能であればもっとお得感を感じられる商品です。

 
マリンフード
バターブレンド50





プレミアムフレッシュ 50
 
乳脂肪分が約50%も配合されているのに値段もお手頃で無添加を謳っているこの商品はとても魅力的です。
しかし、実際に使ってみると熱に弱いのか、打ち粉をよく吸う上に生地ダレを起こしやすいため、ヘクセンハウス作りには使えませんでした。

単純な型抜きクッキーでも、生地を伸ばす際には相当量の打ち粉を使わないとマットに張り付いてしまうし、生地一枚分を抜き終わる前に生地ダレを起こすなど(型抜きした生地がマットにくっついてしまう)、とても使い難かったです。

香料については無添加となっていますが、非常ににおいが強かったのも印象的でした。
ちょっと手に付いただけですごくバター臭くなります(もちろん、洗えば取れますが)。

焼きあがったクッキーは特にもろいと言うことはなく、他のコンパウンドマーガリンと同様の仕上がりにはなりましたが、個人的に二度目の購入は無いと思っています。

リボン食品
プレミアムフレッシュ 50





私が言うところの「生地ダレ」とはこういう感じです
形で抜いた後、マットから離れず
スケッパーでそぎ取ろうとすると
生地が歪んでしまう

冷蔵庫で冷やすことで少しはましになりますが
ダレを起こすのが速い生地は
細かい作業に時間がかかるヘクセンハウス作りには向きません


インペリアル 無塩マーガリン
 
こちらの商品はJHCなんば店の店頭で購入したもの。
商品説明では「バター60%・マーガリン40%のコンパウンドマーガリン。」と書いてあったため、信用して購入したのですが・・・。
使用感はバターには程遠いものでした。

冷蔵庫から出したての時点でも、指で押すとへこむくらいの柔らかさです。
クッキー生地に使用すると生地温度が上がるとすぐに油脂が溶け出します。
小さめの型抜きクッキーが何とか成形できる程度、細かい細工のある型抜きやヘクセンハウスには向きません。

店側の表示ではバターの配合が多いような書き方でしたが、パッケージの原材料名を見てみると、トップに「食用植物油脂」が記載されていることから、バターではない油脂が成分上一番多いと解釈すべきではないかと、私は考えます。
香料まで添加されていますが、バターらしい香りはほとんどありません。

実際のバターの配合量がいかほどか、ということは置いておいても、使用してみた感想としては、(コンパウンドマーガリンではなく)普通のマーガリンと同様の用い方をする方が無難だと思いました。

どうも私はこの会社の製品とは相性が悪いようです。
リボン食品さんは商品ラインが幅広くお手頃価格のものが多いだけに、残念。

リボン食品
インペリアル 無塩マーガリン


こちらのマーガリンの生地ダレがひどいので
本物のバターと混ぜて
それぞれ1/2ずつ使用し
クッキー生地を作ってみました

こちらのマーガリンのみの時よりは
多少は扱いやすい生地になりましたが
むしろバターを殺してしまっている感じで
もったいない仕上がりになりました・・・

この手のマーガリンで購入に失敗した場合は
スポンジ生地やパン生地など
普段からマーガリンで代用可能な
製菓用途に用いる方が無難です


インペリアルのパッケージ表示

JAS法により「原材料名」は
配合割合や使用量の多い順に
記載されることになっています

並び順から見ると
乳脂肪以外の加工油脂の方が
配合割合が高そうに見えますが・・・

バターのみを練った状態
(粉砂糖を入れる前です)
いわゆる「ポマード状」のバターですが
まったくツヤがないのが
お分かりいただけるでしょうか?

これは原材料名にある
脱脂粉乳のせいではないかと
思っています

室温ではバターより硬めですが、
冷蔵庫ではむしろ柔らかいという
個人的には最低評価の油脂です


プロスパーCPプレミアム
 
先日、楽天市場のホームメイドショップKIKUYAさんでお買い物をするついで(?)に、こちらのコンパウンドマーガリンをお試し購入してみました。
「乳脂肪分57%・バターの風味豊かなハイコンパウンドタイプ」との触れ込みで、期待大。
実際に届いた商品も冷蔵状態ではバターのような硬さがあり使いやすそうな雰囲気だったのですが・・・。

結論から言うと、ダメですねぇ。
溶けるのが速いです。

型抜きクッキー生地を作ってみましたが、生地を作る時点でバターとは明らかに違う作業性で、だましだましなんとかまとめてはみたものの、出来上がった生地は一番生地でもまともに型抜きできない状態で、いかにしてクッキーに仕上げるか途方にくれるほどでした。

出来上がったクッキーの味も、食べるたびにがっかり感が口の中に広がるような、なんとも「頼りない味」。
マーガリンで作ったお菓子は「バターに比べあっさりしている」という表現をされることがありますが、この商品で作ったクッキーは「あっさりしている」とか「物足りない」を通り越している印象です。

ホームベーカリーでの製パンには問題なく使えているので、残りはそちらで消費することにします。

月島食品工業
プロスパーCPプレミアム


バターの配合率は高いようですが
さしてその効果は期待できず・・・

コンパウンドマーガリンの中では
832円とお値段高め

本物のバターと比べても
少々お高めになります

購入制限のかかっている時期ならともかく
普段はわざわざ選択する必要ない???


KIKUYAさんの商品説明では
原材料欄に
「発酵バター、クリーム、発酵乳、水」と
記載されていますが、
商品パッケージの原材料欄には
そのような記載はされていません


クッキー生地の仕上げ
「折りたたみ作業」
生地に入ってしまった空気を抜き、
少し粘りを出す作業ですが
生地がスパチュラにねっちりねっちりくっついて
逆に空気を含んでしまいました
この後冷蔵庫で一晩休ませましたが
こんな感じで最後までネバこい生地に・・・


 ちなみに、
100%バターを使った生地で同じ作業をすると
こんな感じです

粘ることなくきちんとまとまって
硬さのあるツヤのある生地に仕上がります




よつ葉 デイリースプレッド
 
こちらはコンパウンドマーガリンではなく、「ほぼバター」な製品です。
植物油脂等の混ぜ物はなく成分的にはバターと同様ですが、乳脂肪分がバターよりも低いため「バター」に分類されない油脂になるそうです。

「ほぼバター」ということで、こちらで代用できればそれに越したことはなかったのですが、結論から言うと型抜きクッキー作りには向きません。
非常に柔らかく、締まりのない、プレミアムフレッシュ50以上に打ち粉を吸うユルユルのクッキー生地が出来上がります。
それでもだましだましヘクセンハウスのパーツを作りましたが、焼きあがったクッキーは非常にもろく、少しの衝撃でバキバキ割れてしまいました。

バターケーキなどには良いかもしれませんが、型抜きクッキーやパイ生地作りには向かないと思います。

よつ葉乳業
よつ葉 デイリースプレッド




バターを室温に戻し
ポマード状に練っている間に
分離した水分がこんなに出てきました

水分を捨てずに
作業を続けたのが悪かったのか
出来上がった生地は
非常に扱いづらいものに・・・
作業中に割れました・・・
よつ葉DSで作ったクッキーは
とてももろいです









ポイント&雑感

  • 「使用感」について

    こちらのページで話題にしている「使用感」は、主にヘクセンハウスやアイシングデコレーション用の型抜きクッキーを作るのに向いているかどうかを中心に考えています。

    冒頭にも書いたとおり、バターが品薄で手に入らない状況では、マーガリンなどの代替油脂は強い味方。
    特にコンパウンドマーガリンと呼ばれるバターとマーガリンを混ぜた商品は、見た目・使用感・香り・味ともにバターと比べて遜色ない商品が多くあり、コストパフォーマンスの面からも大いに気になるところです。

    ただし、製菓にはバターの特性を生かしたレシピ、例えばバターの可塑性を利用した折込パイ生地作りなどマーガリンで代用することが難しいものも少なくありません。
    今回話題にしているクッキー生地作りもそうで、ある程度の作業であればマーガリンの使用も問題ないと思いますが、「クッキーから先の作業(ヘクセンハウスやアイシングクッキー作り)」に向いているかどうかは個々のマーガリンの品質に大きく左右されるところです。

    ヘクセンハウスに利用できるクッキー生地の条件としては、パーツを正確に切り出し、切り出した生地を歪むことなく天板に移動する必要があるため、①作業中にダレない、ある程度は(手や摩擦による)熱に強い生地であることが大切です。
    焼成時には②生地のダレや歪みが少なく切り抜いた形そのままに焼き上がり、焼き上げ後には③広面積のパーツについても強度があり、割れにくいこともポイントになります。
    また、型抜きクッキーでは④複雑な抜き型での成形に耐えうる締まった生地であることも重要で、以上の4点についてバターでの作業性に近いかどうかを考えてみました。


  • 「製菓用マーガリン」というものについて

    製菓用マーガリンは、「バターよりも扱いやすいように品質が改良された油脂」という位置づけもあるようで、場合によってはバターよりも高価な場合があります。

    「バターよりも扱いやすい」かどうかは、使用用途によると、私は考えます。
    室温管理されている製菓用アトリエや工場内の作業ならともかく、一般家庭で素人が行う作業環境では業務用用途の「扱いやすさ」を必ずしも同様には解釈出来ないと感じました。

    商品説明には「ケーキ屋さんにも人気のマーガリン」などと書かれている場合がありますが、購入の際こういう売り文句には注意が必要です。


  • 風味や味、食感等について

    私個人はどちらかと言うと「味音痴」な部類で、残念ながら細やかな違いを利き分ける繊細な感覚を持ち合わせていないようです。
    コンパウンドマーガリンの使用において本来一番肝心であろう「風味、味、食感」については「バターとの違いがわからない」と言うのが私の正直な感想です。

    というのは、プロスパーCPプレミアムを使ってみるまでの話です。
    マーガリンは「バターに比べてあっさりとした仕上がり」と表現されることがありますが、コンパウンドマーガリンにおける製菓も商品によっては、よく言えば「あっさり」、悪く言えば「物足りない」風味になることがあります。


  • クッキー生地以外への使用について

    コンパウンドマーガリンは製品によってはかなりバターに近い油脂であると感じましたが、個人的には折込パイ生地への使用はしないと思います。
    理由は失敗した時のリスクが大きいこと。
    クッキー生地は焼いてしまえば何とかクッキーの体を成しますが、パイはそうはいかないので。

    スポンジ生地等への少量の使用であれば、どの製品も問題なく使えそうです。

    バターケーキやシュー生地にも十分使えると思いますが、これらには成分的にバターと変わらないよつ葉のDSを使ってみようと思います。

    それ以外の転用については商品レビュー等も参考の上にして、それぞれの特徴を考えて試されることをおすすめします。





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