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アルミニウムフリー・ベーキングパウダー 使用感覚書 | 記事登録日:2012/03/30 |
最終更新日:2012/09/25 | |
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私はこれまで長いこと、何の疑問も持たずラムフォードと言うブランドのベーキングパウダーを使ってきましたが、 ずっと不満だったクッキーに出る茶色の斑点の原因が、ベーキングパウダーに使用されているコーンスターチの質によることが判明。 ラムフォードは斑点が出やすい商品としても有名だったことをはじめて知りました。 そこで、半ばムキになって「アルミ不使用」のベーキングパウダーを買い集め、クッキー生地の焼き比べ実験♪ 今回はそれぞれの商品情報と焼き比べの結果をまとめてみます。 |
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ラムフォード | ロイヤル | 明治屋 | 日清 | アイコク | 富澤商店 | パイオニア企画 |
アリサン(有) | (株)鈴商 | (株)明治屋 | 日清フーズ(株) | (株)アイコク | (株)富澤商店 | (株)パイオニア企画 |
アメリカ | スペイン | (記載なし) | (記載なし) | 大宮食糧工業(株) | 大宮食糧工業(株) | 大宮食糧工業(株) |
114g | 113g | 100g | 40g | 100g | 100g | 100g |
262円 | 249円 | 189円 | 152円 | 225円 | 262円 | 315円 |
楽天市場 572310.com |
カルディ コーヒーファーム |
明治屋 高島屋難波店 |
近所の スーパー |
JHCなんば店 | 富澤商店 高島屋難波店 |
東急ハンズ |
上段より:商品名称/販売元または輸入元/製造元または原産国/製品重量/購入価格※/購入店舗 | ||||||
※購入価格については定価ではなく、筆者が購入した際の価格を表記しました |
ラムフォード | ||
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ラムフォード ベーキングパウダー |
計量スプーンで取り出すときに すりきりにしやすいよう工夫されたフタ 缶の上下は金属ですが 周りの赤い部分は厚紙です 分類がスチールになっているので 金属コーティングがしてあるのかも? フタもプラスチックの簡易なものなので 湿気には弱いかもしれません |
輸入元のアリサン(有)というのは オーガニック食品の輸入販売に 力を入れている会社らしいです ということで、原材料の品質的には 信頼の置けるブランドと解釈できそうですが 見た目も気になる製菓用にはイマイチ・・・ (クリックで拡大します) |
アルミニウムフリー・ベーキングパウダーの代表格、ラムフォード。 私は最近まで、「アルミ不使用の商品はラムフォードしか無い」と思っていたくらいです。 入手しやすく、パッケージも使いやすい商品で気に入っていたのですが、下写真の通り、クッキー生地を焼くと茶色の斑点が大量に出ることがわかりました。 ネット上で検索したところ、マフィンを焼いた際にも茶色の斑点が出ることがあるようです。 我が家でホットケーキに使用した際には気付かなかったので、この斑点は一定量以上の油脂と共に加熱された際に現れるものではないかと推測しています。 (茶色の斑点はある程度の焼き色をつけたときに現れるもので、例えばクッキー生地を焼き色が付かないように低温で焼き上げた場合には出ないこともあります) 取り扱い店舗の説明によると、この斑点は「製品に含まれるコーンスターチの質により現れるもの」とのことで、同じブランドでもコーンスターチのロットが違えば斑点が出ないこともあるようです。 → ポイント&雑感 「コーンスターチの質」?? |
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ラムフォードは 膨らみすぎず 角がくっきり出るのがお気に入りでした |
ただ、表面を見ると 生地肌がこまめに凸凹しているのが わかります |
表面の全体に散らばる 茶色の斑点 大きさはバニラビーンズくらいですが こんなにたくさんは入れてません |
トースターで1分追い焼きして 少し焦がしてみると 茶色の斑点がよりくっきり現れました かなりみっともないです・・・ |
ロイヤル | ||
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ロイヤル ベーキングパウダー 成分にミョウバンと記載されていないことから アルミフリーBPの部類に入るはずですが パッケージには特別そのような記載はありません |
開封前はプルトップ式の密封缶 こちらの小サイズは缶の直径が5cmで わりと幅広なので計量スプーンの すり切りなどもしやすいです ただ、付属のフタはプラスチックの かぶせるタイプのものですので 開封後の密封力は弱そう |
使用されているコーンスターチは 遺伝子組み換え不分別 「不分別」は「遺伝子組み換え作物を 使用しているかどうかわからないもの」 を指しています (クリックで拡大します) |
次に試してみたのは「ロイヤル」。 こちらの商品がアルミフリーであることは、一部では良く知られていたようです。 一時は解決をあきらめていた「茶色の斑点問題」ですが、ロイヤルを使ってみたところ、一発解決!シミはまったく出ませんでした!!! 本当にベーキングパウダーが原因だったんだぁ、と感動した次第です。 ロイヤルのベーキングパウダーはラムフォードに比べ若干膨張力が強い気がしました。 生地の角が膨らんで、焼きあがりは若干丸みを帯びます。 また、他のベーキングパウダーに比べ、焼き色がつきにくい気もします。 焼き色については、ベーキングパウダーの違いだけで変わるものか?という気もしなくもないですが・・・。 ただ、下のクッキーは明治屋のベーキングパウダーを使用したものと同日に同じ条件で焼き上げたもので、明らかに焼き色のつき方が薄いのがお分かりいただけると思います。 |
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ラムフォードに比べ角が丸いです また、その他のベーキングパウダーに比べ 焼き色がつきにくい気がしました |
ラムフォードに比べると 凸凹が大きめです |
黒い点々はバニラビーンズ 問題の茶色の斑点は まったく出ていません!! |
同じく1分間トースターで追い焼き その後も茶色の斑点は まったく出ませんでした |
明治屋 | ||
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明治屋 ベーキングパウダー こちらの製品も 成分にミョウバンと記載されていないことから アルミフリーBPの部類に入るはずですが パッケージには特別そのような記載はありません |
押し込み式の金属フタ 口は直径約3.7cmでやや狭いのですが 缶自体の直径が5cmあるので 大さじでも意外に中身は取り出しやすいです |
明治屋のBPパッケージには BPの役割説明や保存方法などが 丁寧に書かれています (クリックで拡大します) |
自社ブランドも持つ食料品店の老舗「明治屋」のベーキングパウダー。 こちらも、一部に長年のファンを持つ定番商品のようです。 人気の理由は、他に類を見ないフンワリした焼き上がり。 商品に付けられたレビューからは、特に蒸しパンのような柔らかいふくらみを求める用途で評価が高いことがわかります。 今回はクッキー生地への使用でしたが、他のベーキングパウダーに比べ、カット面が柔らかく焼き上がり全体が膨らんでいるのがお分かりいただけると思います。 ちなみに、食感には差を確認出来るほどの違いはなく、普通にサクサクした焼き上がりになりました。 (特に今回は2mm厚で焼いていますので、差がわかりにくいのかもしれません) 型抜きクッキーを作る際、膨らみのある柔らかい仕上がりは見た目に優しくスイーツらしい印象にはなりますが、ヘクセンハウス作りにおいては膨らむことでパーツの寸法に誤差が出やすくなるようにも思います。 |
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全体の中で一番ふんわりした感じに 焼きあがりました 横伸びはあまり無いですが 縦に膨らんでいます |
上二つのBPと違い 全体がぼわーんと膨らんでいるのが わかります |
画面に見えるシミと粒は バニラビーンズによるもので 明治屋の製品も斑点は出ていません |
焼き進めても斑点は出ませんが 若干生地に「裂け」が出来ることは このベーキングパウダーの 特徴なのかもしれません |
日清 | ||
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日清 ベーキングパウダー こちらの製品も 成分にミョウバンと記載されていないことから アルミフリーBPの部類に入るはずですが パッケージには特別そのような記載はありません |
こちらの商品は5g×8袋の 小分けパックになっているので 湿気をあまり気にせず保存できるのが便利 ただし、その分単価が高くなるので ヘビーユーザーには向きませんね |
原材料名には やたら長い名前の化学物質(?)がテンコ盛り 一つ一つの役割はよくわかりませんが なんだか躊躇してしまいます・・・ (クリックで拡大します) |
大手メーカーの市販品はミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)入りのベーキングパウダーが主流だと思っていましたが、実は日清のものには原材料に「ミョウバン」の記載がありません。 ということで、非常に入手しやすいこちらの製品も「アルミフリー」の部類に入ると思われます。 (ただし、原料に多様な化学物質(?)が記載されているため、全てが安心安全なものかはわからないですね・・・) この商品の原材料表示には「コーンスターチ」の記載がなく「加工でん粉」となっています。 「斑点」は原料のコーンスターチが由来、との説があったので、斑点は現れないかも?と期待していましたが、残念ながら下のような結果になりました。 焼き色が薄い状態ではあまり目立ちませんが、焦げ目が付いてくるとかなりはっきり浮き上がります。 |
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この写真で確認出来る斑点は バニラビーンズではなく すべてBPが由来のものです 斑点は焼き色がつきやすい生地周辺 (クッキーのフチ部分) に多く出ています |
ふくらみはわりと穏やかな感じ 「ふんわりふくらむ」の売り文句通り 焼き上がりはフンワリ目です |
こちらは中心近くの拡大写真なので バニラビーンズの粒と 見分けがつきにくいですが 少し斑点が出ています |
焼き進めると斑点が濃く現れました この斑点は少し気になる量です |
アイコク | ||
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アイコク ベーキングパウダー |
押し込み式の金属フタ 口は直径約4cmでやや狭く 缶自体も細身なので 計量スプーンを使っての作業は やややり辛いものがあります |
製造しているのは大宮食糧工業 実は次に書いた富澤商店や パイオニア企画のものと 同じ会社の製品です (クリックで拡大します) |
こちらは業務用ベーキングパウダーの老舗、(株)アイコクの製品。 「アイコク・ベーキングパウダー」というのは戦前(昭和7年)から作られている歴史あるブランド品です。 アルミ不使用製品は写真の通り緑色のラインですが、昔からあるのは赤いラインの入った缶で、こちらはご覧になればピンと来る方も多いのでは? このベーキングパウダーを作っているのは大宮糧食工業(株)と言う会社で、(株)アイコクはこの大宮糧食工業が製造する製品の販売を引き受ける「販売会社」です。 アイコクの製品は業務用が中心のようで、「ベーキングパウダー」だけでも焼き物用・蒸し物用・洋菓子・和菓子etc・・・と、ものすごい種類があります。 → AIKOKU 取扱商品 ベーキングパウダー 今回はアルミフリーの製品を試してみましたが、手にはいるなら是非「サブレ用」というのを試してみたいものです。 |
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ベーキングパウダーの 老舗の製品ということで 非常に期待していたのですが・・・ 斑点が出ました |
焼き上がりのふくらみは ふんわりしすぎることもなく 均一に持ち上がっている方だと思います |
黒っぽいの斑点はバニラビーンズ それ以外の茶色の斑点は ベーキングパウダーによるシミです |
焼き進めると かなりひどい斑点になりました |
富澤商店・パイオニア企画 | ||
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富澤商店 ベーキングパウダー と パイオニア企画 ベーキングパウダー |
どちらもアイコク製品と同様の仕様です |
購入後に気付いたことですが 成分比率がまったく一緒で 製造が大宮食糧工業になっていることから この二つの中身は同じものと 判断しました (それぞれクリックで拡大します) |
写真上段は富澤商店の商品、写真下段はパイオニア企画が販売するもので、東急ハンズやデパート系のスーパー(阪急ストアなど)で取り扱われている商品です。 購入後、このページを構成するうちに気付いたことですが、どちらも大宮食糧工業の製品で原材料の成分比率がまったく同じ表示であることから、この二つの中身は同じものだと思われます。 富澤商店のネットストアでは、このベーキングパウダーはアイコクの製品として取り扱われていますが、商品パッケージにはアイコクの文字はありません。 ただ、大宮食糧工業=アイコクなので結局は同じことだとは思うのですが、上に挙げた「アイコクの」アルミフリーベーキングパウダーとは成分が違います。 斑点についてネットで検索中に「ラムフォードは茶色の斑点が出るが、富澤商店のは出ない」という情報があったので期待していましたが、今回の焼き比べでは比較的少ないながらも斑点が現れる結果となりました。 この件については、やはりベーキングパウダーのブランドが問題なのではなく、使用された素材の質の問題なのかもしれません。 |
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焼き色が薄いうちは 茶色の斑点も 比較的目立たない焼き上がりでした |
アイコク製品同様 膨らみすぎることはないが 均一な焼き上がりで BPとしての質は良いと思います |
バニラビーンズとの区別がつきにくいですが 半分以上はBPによるシミです |
焼き進むとより目立つシミになりました ただ、シミが出た中では 少ない方でした |
ベーキングパウダー各製品 焼き上がり比較と成分一覧表 | ||||||
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おそらく 左に同じ |
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ラムフォード | ロイヤル | 明治屋 | 日清 | アイコク | 富澤商店 | パイオニア企画 |
第一リン酸カルシウム 42% | ピロリン酸二水素二ナトリウム 36.5% | リン酸二水素ナトリウム(無水)40% | 加工でん粉 30% | 炭酸水素ナトリウム 30% | コーンスターチ 44.5% | コーンスターチ 44.5% |
炭酸水素ナトリウム 32% | コーンスターチ 36.1% | 炭酸水素ナトリウム 28% | 炭酸水素ナトリウム 25% | 第一リン酸カルシウム 30% | 第一リン酸カルシウム 31.5% | 第一リン酸カルシウム 31.5% |
コーンスターチ 26% | 炭酸水素ナトリウム 27.4% | L-酒石酸水素カリウム 3% | グルコノデルタラクトン 14% | グルコノデルタラクトン 15% | 炭酸水素ナトリウム 24.0% | 炭酸水素ナトリウム 24.0% |
コーンスターチ 29% | リン酸二水素カルシウム 12.4% | ステアリン酸カルシウム 1% | ||||
リン酸二水素ナトリウム(無水)11% | コーンスターチ 24% | |||||
L-酒石酸水素カリウム 6% | ||||||
リン酸一水素カルシウム 1.6% | ||||||
原材料のコーンスターチ又は加工でん粉について、ラムフォード・パイオニアは「遺伝子組換えでない」 | ||||||
ロイヤルは「遺伝子組換不分別」 | ||||||
明治屋・日清・富澤商店は表記なし |
焼き比べに使用した生地、焼き上げ条件と道具について | |||
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生地はヘクセンハウスを作るために 少し練りこんだクッキー生地を使用 現在レシピを準備中です |
焼き比べに使用したクッキー生地は 2mm厚に伸ばしてあります クッキー生地を均一な厚みにするには ケーキバールやカットルーラーと 呼ばれる道具を利用するのが便利ですが 専門の道具は結構お値段が張るので 私はアルミのフラットバーを カットして使っています ただ、金属製のものは麺棒がすべるので 耐久性と衛生面では劣りますが 工作用の角材を使用する手もあります |
今回使用したちょっと変わった型は 「アーネスト」のデコ弁グッズ 「デコラ」 ハムやチーズをレース状に抜いて ちょっとオトナなデコ弁を作る道具ですが こちらを利用すると 凝った(ように見える)クッキーを 簡単に作ることが出来ます いずれもっと詳しいレビューを 書きたいと思っていますが、 かーなりオススメ!! |
焼き上げは デロンギのコンベクションオーブン 下段に網を上向き置き その上に付属のピザストーンを置き 天板代わりに銅板を敷いています 更にシルパンに生地を乗せて焼成 160度でまず6分、後反転して6分 合計12分 うっすら茶色い 香ばしい焼き上がりを目標にしています |
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