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マンション管理士試験の難易度は?合格率や偏差値・必要な勉強時間で徹底比較!

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マンション管理士試験の難易度【合格率や偏差値・必要な勉強時間で徹底比較!】

更新日:2023年1月5日

マンション管理士試験の難易度・合格率

 マンション管理士の資格は、宅建士、管理業務主任者と並んで、不動産業3大資格と呼ばれることがあり、さらに最近では、賃貸不動産経営管理士の人気も高まり、4大資格になりつつありますね。

 このような不動産業における資格の中で、マンション管理士はどれぐらい難しいの?どの資格が取得しやすいの?など悩んでらっしゃる方も多いかと思います。

 そこで、このページでは、マンション管理士試験の難易度について、合格率や偏差値、必要な勉強時間を使って、不動産業4大資格で比較しながらご紹介していきたいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。マンション管理士のほか、宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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マンション管理士試験の難易度

 それでは、マンション管理士試験の難易度を測る指標として、まずは合格率から確認しておきたいと思います。

合格率は9%程度で推移

マンション管理士試験の合格率の推移グラフ

 マンション管理士試験の合格率は、下表のとおり、おおむね9%程度で推移しています。

 ここ数年、緩やかに上昇傾向にあり、直近の2022年度で見ると、受験者数 12,209人のうち1,402人が合格しており、合格率は11.5%となっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成25年
(2013年)
15,383 1,265 8.2%
平成26年
(2014年)
14,937 1,260 8.4%
平成27年
(2015年)
14,092 1,158 8.2%
平成28年
(2016年)
13,737 1,101 8.0%
平成29年
(2017年)
13,037 1,168 9.0%
平成30年
(2018年)
12,389 975 7.9%
令和1年
(2019年)
12,021 991 8.2%
令和2年
(2020年)
12,198 1,045 8.6%
令和3年
(2021年)
12,520 1,238 9.9%
令和4年
(2022年)
12,209 1,402 11.5%
出典:公益財団法人 マンション管理センター

合格率を比較!宅建や管理業務主任者よりも難しい

 マンション管理士試験の合格率は、不動産業関連の他の資格試験と比べると、以下のような位置づけになります。

資格名 合格率
マンション管理士 約 9%
宅建士 約 15%
管理業務主任者 約 20%
賃貸不動産経営管理士 約 30%

 この表のとおり、不動産業関連4大資格の中では、マンション管理士の合格率が約9%で、次が宅建士の15%、続いて管理業務主任者の20%、そして、賃貸不動産経営管理士の30%という順になっています。

 このように比較すると、宅建士や管理業務主任者に比べると、マンション管理士はかなり難易度が高い資格と言えそうですね。

 合格率9%ということは、100人受験すると、91人は落ちる試験だということになります。

 そう考えると、ほとんどの人は落ちる試験といえそうですね。。ということで、マンション管理士試験は、国家資格の中では難易度が高く(合格率が低く)十分な受験対策が必要と言えます。

 ただし、試験問題は、記述式問題はなく、50問すべてがマークシート方式ですので、受験対策は比較的しやすいと思います。

合格には7割の正答率が必要

 なお、マンション管理士試験の過去10年間の合格点は、下表のとおり、50点満点中35点〜40点となっており少し幅があります。

年度 合格率 合格点
平成23年
(2011年)
9.3% 36点
平成24年
(2012年)
9.1% 34点
平成25年
(2013年)
8.2% 38点
平成26年
(2014年)
8.4% 36点
平成27年
(2015年)
8.2% 38点
平成28年
(2016年)
8.0% 35点
平成29年
(2017年)
9.0% 36点
平成30年
(2018年)
7.9% 38点
令和1年
(2019年)
8.2% 37点
令和2年
(2020年)
8.6% 36点
令和3年
(2021年)
9.9% 38点
令和4年
(2022年)
11.5% 40点

 これは、マンション管理士試験は、何点取れば合格するといった絶対評価方式ではなく、相対評価方式が採用されているからです。

 合否の判定基準は公表されていませんが、おおむね8%程度の合格率になるように合格ラインが決められていると考えられています。

 多くの国家試験は、マンション管理士試験と同様に相対評価方式が採用されていますので、マンション管理士試験が特別なわけではありません。

 ちなみに、絶対評価方式が採用されている試験として有名なのは、行政書士試験ですね。

 いずれにしても、マンション管理士試験では、おおむね7割前後の正答率合格ラインとなっていますので、そのあたりを目処に想定しておけばよいかと思います。

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マンション管理士が難しい理由

 では、なぜマンション管理士試験はこんなに難しいのでしょうか。その理由として、次のような点が考えられます。

マンション管理士が難しい理由
  • 受験資格がなく、誰でも受験できるから
  • 士業として独立できるから
  • そもそも試験問題が難しいから
  • 難しさは見せかけで、実は行政書士よりも易しい?

理由@:受験資格がなく、誰でも受験できるから

 まずは、「受験資格がない」という点です。国家資格の中には、実務経験や学歴などが必要とされる試験もありますが、マンション管理士にはこのような受験資格が一切なく、誰でも受験できるようになっています。

 このため、何の実務経験もなく、ほとんど勉強もせずに受験する人も一定数存在しますので、結果的に合格率が低くなり、難易度が高く見える、という考え方です。

 また、管理業務主任者を受験する人が、ついでにマンション管理士も受験しておくというケースも多くありそうですよね。

理由A:士業として独立できるから

 また、マンション管理士は、士業として独立できる資格ですので、一定レベルの難易度を確保しておく必要があるということもあります。

 レベルの低い人を合格させて、独立して業務を行わせるわけにはいかないということですね。また、人数が増えすぎても困る、ということもありそうです。

 宅建よりも難関資格に位置付けるために、合格率を低く設定しているというようなことも言われています。

理由B:そもそも試験問題が難しいから

 マンション管理士の試験範囲は、管理業務主任者の試験範囲とほとんど重複していますが、合格率には大きな差があります。

 これには、上述のように、士業として独立できる資格であるから、という理由とともに、そもそも難関資格に相応しいレベルの試験問題が出題されるから、という理由もあります。

 特に、違いが大きいのが「区分所有法」ですね。管理業務主任者では7問しか出題されないのに対し、マンション管理士では12問も出題されます。それだけマンション管理士試験では、区分所有法が重視されており、しっかりと理解できていないと解答できない問題が出題されます。

 このため、中途半端な勉強しかできていない人は、なかなか合格点に到達できず、試験に落ちてしまう、ということになります。

理由C:難しさは見せかけで、実は行政書士よりも易しい?

 とはいえ、私自身の体感としては、マンション管理士試験が合格率10%を切るような難関試験だとは思えません。

 私はこれまでに、宅建、管理業務主任者、マンション管理士、行政書士、土地家屋調査士、司法書士などの資格試験に合格してきました。

 合格率だけを見れば、マンション管理士の9%というのは、行政書士試験の合格率10%よりも難易度が高いということになります。

 果たして本当に、行政書士よりも難しい試験なのでしょうか?

 これって、違いますよね。。。

 行政書士は、独立開業を目指して本気で勉強する人が大勢います。そういうガチで勉強する人たちの中で、上位10%の人がようやく合格できるわけです。

 しかし、マンション管理士になるために、そこまで本気で勉強するような人は、それほど多くないのではないでしょうか。

 ですから、マンション管理士の合格率9%という難易度は、ただの見せかけで、実質的な難易度は、宅建や管理業務主任者より少し高いぐらいであって、行政書士よりも易しい、と考えるのが妥当だと感じます。

マンション管理士の偏差値を比較は?難易度ランキング

マンション管理士の偏差値グラフ

 マンション管理士試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。

マンション管理士試験の偏差値は61

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 しかし、「資格難易度ランキング」というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、推定の偏差値を独自に算出するといったことがなされています。

 ここに掲載されている偏差値によると、マンション管理士試験の偏差値は、「61」とされています。

 偏差値60以上は、「難関資格」とされますので、マンション管理士は、まさに難関資格ということになりますね。

偏差値を不動産系資格で比較

 次は、不動産系資格の偏差値と比較してみたいと思います。

 「資格難易度ランキング」に掲載されている偏差値によると、不動産業4大資格の偏差値は以下のようになっています。

資格名 偏差値
マンション管理士 61
宅建士 57
管理業務主任者 55
賃貸不動産経営管理士 41
出典:資格難易度ランキング

 このように、合格率から見た難易度の順序と同様に、マンション管理士が最も偏差値がたかく、次いで宅建士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士の順になっています。

 ちなみに、上記の表には載せていませんが、この偏差値ランキングによると、難関資格として有名な行政書士や社労士は65とされていますので、マンション管理士は、行政書士や社労士よりは、やや易しいですが、そういった難関資格に近い難易度といえますね。

難易度と勉強時間には相関関係がある?

マンション管理士試験の難易度と合格に必要な勉強時間の相関グラフ

 次は、マンション管理士試験の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」から比較していきたいと思います。

合格に必要な勉強時間は500時間

 まずは、マンション管理士試験についてですが、マンション管理士試験に合格するためには、一般的に500時間の勉強時間が必要と言われています。

勉強時間を不動産系資格で比較

 では次は、不動産系資格で、合格に必要な勉強時間を比較してみたいと思います。

 マンション管理士試験を含め、資格試験の難易度は、試験に合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります。

資格名 合格率 必要な勉強時間
マンション管理士 約 9% 500時間
宅建士 約 15% 300時間
管理業務主任者 約 20% 300時間
賃貸不動産経営管理士 約 40% 100時間

 このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

 社会人が働きながら勉強することを考えると、500時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないかと思います。

 そこで、1日に2時間を確保するとすれば、500時間÷2時間=250日⇒8ヶ月強という計算になります。毎日確実に2時間を確保するというのはなかなか難しいですので、少し余裕を持たせて9ヶ月ぐらいを想定しておくのがよいのではないでしょうか。

マンション管理士試験の難易度を下げる方法

 このように、マンション管理士試験は難易度の高い試験ですが、その難易度を下げる方法がいくつかあります。

方法@:宅建の合格者には有利

 不動産業の関連資格に関しては、宅建の資格をまず最初に取得される方も多いかと思います。

 私の経験上、宅建の知識がある方にとっては、マンション管理士試験は、初学者の半分ぐらい(250時間)の勉強時間があれば、合格できるのではないかと思います。

 マンション管理士の試験範囲は、以下のとおり、宅建試験と重複する科目「区分所有法」12問、「民法、その他法令」6問があり、全体50問のうち、18問が既に学習済みという状態になります。

マンション管理士の試験科目(50問/四肢択一マークシート)

(1)マンションの管理に関する法令及び実務に関すること

主な科目

区分所有法  12問
マンション標準管理規約  8問
民法、その他法令  6問

(2)管理組合の運営の円滑化に関すること

主な科目

管理実務

2問 
 会計 2問

(3)マンションの建物及び附属施設の構造及び設備に関すること

主な科目

建築、設備

15問

(4)マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

主な科目

マンション管理適正化法

5問

 ですので、私の場合は、約200時間の勉強時間(約4ヶ月)で、合格することができました。

 私は、宅建の受験勉強については、一般的に必要と言われている勉強時間と同様に約300時間の勉強をしましたので、私が特別に頭がいいとかいうわけではありません。

 ですので、合格率9%とはいえ、宅建の合格者にとっては、もっと易しいイメージを持っても大丈夫だと思います。

方法A:5問免除を受ければさらに有利に

 マンション管理士試験は、管理業務主任者試験と試験科目がほぼ重複していることもあり、同じ年にダブル受験する人も多くいらっしゃいます。

 どちらか一方の試験に合格すれば、もう一方の試験の一部免除(「マンション管理の適正化の推進に関する法律」に関する問題5問の免除)を受けることができるというメリットもあります。

 試験日も、1週間しか違いがありません。11月の最終日曜日(第4又は第5日曜)マンション管理士試験があり、12月の第1日曜日管理業務主任者試験が実施されます。

 ですので、W受験をしてみて、いずれか一方に受かれば、翌年にもう一方の受験が5問免除で有利になりますので、W受験を目指してみるのも一つの方法ですね。

 ちなみに私の場合は、宅建に合格したあと、管理業務主任者試験だけを先に受験し、その翌年に、マンション管理士試験を5問免除で受験しました。

マンション管理士は独学でも合格可能?

 私は、マンション管理士試験には通信講座を使って勉強しました。

 しかしそれは、「独学」の勉強方法自体を否定したわけではなく、私自身に怠け癖がついてしまい、机に向かって勉強することができなくなってしまったからです。

 このため、ソファーに横たわったり、ベッドに寝転んだりしながら、スマホを使って勉強できる「スタディング」という通信講座を選びました。

 しかし、独学であれ通信講座であれ、勉強する手段が異なるだけで、勉強する内容に違いはありません。

 ですので、マンション管理士試験も合格率が低いとはいえ、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、短期合格も十分に可能な資格だと思っています。

 独学におすすめのテキスト等については、マンション管理士のおすすめテキスト・過去問のページでご紹介していますので、そちらを参考にしてください。

マンション管理士の難易度まとめ

 以上のとおり、マンション管理士の難易度について見てきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

マンション管理士の難易度まとめ
  • 合格率は約9%(不動産関連4大資格の中で最難関)
  • 合格点(合格ライン)は約7割の正答が必要
  • 偏差値は61で難関資格に位置付けられる
  • 合格するには500時間の勉強時間が必要
  • ただし、宅建の合格者は半分ぐらいの勉強時間で大丈夫
  • 管理業務主任者に先に合格すればさらに有利に
  • 独学でも合格可能

 マンション管理士試験は、難易度の高い難関資格ですが、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、しっかりと計画を立てて、とにかく最後までやり切ることができれば、誰でも合格することができる資格です。

 是非、マンション管理士試験の合格を目指して、頑張ってください!


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