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マンション管理士とは?独占業務はある?仕事内容を解説!

独学で資格取得 - 目指せ!マンション管理士 -
マンション管理士とは?仕事内容を解説

 マンション管理士は、あまりメジャーな資格ではないため、どんな仕事をするの?独占業務はあるの?など、よくわからない方も多いかと思います。

 そこで、このページでは、マンション管理士の仕事内容や独占業務について、ご紹介したいと思いますので、参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。マンション管理士のほか、宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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マンション管理士とは?

 それでは、マンション管理士とはどんな資格なのか、その概要をご紹介していきたいと思います。

マンション管理のコンサルタント

 マンション管理士の資格は、平成12年に成立した「マンション管理適正化法」に基づき、管理業務主任者とともに誕生した国家資格です。

 マンション管理士は、マンションに関する高度な専門知識をもって、マンション管理組合や区分所有者からの相談を受け、管理組合の運営や管理規約の改正、大規模修繕工事などマンションの管理に関する様々な問題について、指導やアドバイスを行うことを業務としており、ひとことで言えば、マンション管理のコンサルタントといえます。

 現在、国内のマンションの戸数は着実に増え続けており、築30年を超えるマンションも増加してきているなかで、マンションの老朽化対策や、旧耐震基準で建設されたマンションの耐震改修工事など、大きな課題が顕在化しつつあります。

 また、居住者の高齢化に伴い、管理組合の運営に支障をきたす事例も増えてきています。

 このようなマンションを取り巻く困難な状況のなかで、大規模修繕工事の適切な実施や管理組合の円滑な運営など、マンション管理の専門家であるマンション管理士の必要性や期待が年々高まってきています。

名称独占資格

 マンション管理士は、「名称独占資格」と呼ばれています。

 名称独占資格というのは、つまり、マンション管理士試験に合格し、資格登録した者以外は、「マンション管理士」又はこれに紛らわしい名称を名乗ることができない、という意味です。

独占業務がない

 「名称独占資格」と対比されるのが、「業務独占資格」です。

 例えば、宅建士には、不動産取引の重要事項説明など3つの独占業務がありますし、管理業務主任者には管理受託契約に関する重要事項説明などの4つの独占業務があります。

 一方、マンション管理士には、このような独占業務がありません。ですので、マンション管理士は、業務独占資格ではなく、名称独占資格ということになるわけです。

 また、宅建士や管理業務主任者と違って、業者への設置義務もありません

 しかし、マンション管理士の資格を有することにより、マンション管理会社においてアドバイザーとして信頼度が上がることが期待できますし、コンサルタントとして独立開業することも可能な資格です。

マンション管理士になるには

 マンション管理士になるためには、まず、1年に1回実施されるマンション管理士試験に合格する必要があります。

 そして、国土交通大臣の登録を受けると、マンション管理士登録証が交付されます。

 なお、マンション管理士の登録を受けるに当たっては、宅建士や管理業務主任者とは違って、実務経験や登録実務講習などは必要とされていません。

マンション管理士とは
  • マンション管理のコンサルタント
  • 「名称独占資格」で、独占業務はなく、業者への設置義務もない
  • アドバイザーとして信頼度が上がることや、コンサルタントとして独立開業が可能な資格
  • マンション管理士試験に合格し、国土交通大臣の登録を受けることで、マンション管理士になることができる

マンション管理士に独占業務ができた?

 上記で、マンション管理士には「独占業務がない」と記載しましたが、独占業務ができるのではないか?と噂になったことがあります。

管理計画認定制度が創設された

 『マンションの管理の適正化の推進に関する法律』を改正する法律が令和2年6月24日に公布され、令和4年4月1日に施行されました。

 この改正法において、「マンション管理適正化推進計画制度」及び「管理計画認定制度」が創設されました。

 この制度は、マンション管理適正化推進計画というものを地方公共団体が作成した地域において、マンション管理組合が地方公共団体に対し、当該マンションの管理計画の認定を申請し、一定の基準を満たす場合は、適切な管理計画を有するマンションとして、地方公共団体から認定を受けることができる制度です。

[参考]改正マンション法関連情報(国交省公式サイト)

管理計画の事前確認をマンション管理士が行う

 この認定申請は、(公財)マンション管理センターが提供する「管理計画認定手続支援サービス」を通じて、専門家の事前確認を受けたうえで申請することになっています。

※ このサービスを利用せず、直接、地方公共団体に申請することも可能です。

 この事前確認を行う専門家というのが、”マンション管理士”です。

※ ただし、マンション管理士なら誰でもできるわけではなく、事前確認講習を修了する必要があります。

 マンション管理士が管理計画の認定基準への適合状況を事前確認し、認定基準を満たしていると考えられるものには、マンション管理センターが事前確認適合証を発行し、この適合証を添付して、地方公共団体に申請するという流れです。

 ですので、管理計画の事前確認を行うことができるのは、マンション管理士のみ、ということになります。

やはり独占業務とは言えない。。

 果たしてこれが、マンション管理士の独占業務と言えるのか?というのは、ちょっと疑問ですね。。

 この事前確認というのは、法律に明記された業務ではありません。地方公共団体の事務負担を軽減するための方法として、「国交省のガイドライン」に定められているに過ぎません。

 実務上は、確かにマンション管理士にしかできない業務ですが、マンション管理士以外はしてはならない、といった法的な規制はどこにもありません

 ですので、あくまでも、実務上・運用上のサービスとして、マンション管理士がすることになっているというだけで、やはり士業としての独占業務と言うのは難しそうですね

マンション管理士の仕事内容

 それでは次は、マンション管理士の仕事内容についてご紹介していきます。

 マンション管理士は、マンション管理組合や区分所有者の立場に立って業務を行う資格者であり、その主な業務は、以下の3つに分類できます。

マンション管理組合の運営に関する助言・指導・援助

 マンション管理組合の多くは、一般住民で運営しているのが実態となっているため、専門知識を持たない管理組合に、会計処理の方法や、運営コストの削減といった組織の運営方法に対してアドバイスしたり、管理組合の理事会、総会への出席・助言、定期総会の議案書点検、管理会社との調整など、管理組合の運営全般をサポートします。

マンション管理組合における長期修繕計画・修繕積立金の規定の整備や大規模修繕の計画立案、見直しのコンサルティング

 マンションは、築30年を超えた時期から、大規模修繕などの保全が必要になるため、管理組合において老朽化対策を話し合うには専門家であるマンション管理士の支援が必要不可欠となります。

 このようなマンションの長期修繕計画・修繕積立金についての規定の整備や大規模修繕の計画立案、マンション管理規約の作成・見直しなどについてコンサルティングします。

マンション管理における住民間及び管理会社とのトラブル対応

 マンション内で起こる住民間のトラブル解決や、マンション管理会社に管理委託費として支払っている費用と業務内容が適切かどうかを精査し見直すことなど、マンション管理組合をサポートします。

「マンション管理士」の仕事内容を、宅建士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士と比較

 不動産業に関連する4大資格として、マンション管理士のほか、宅建士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士があります。

 これら4つの資格は密接に関連しているため、それぞれのどこがどう違うのか、わかりにくいかと思います。

 そこで、簡単に表で整理してみましたので、正確ではない表現もありますが、参考にしていただければと思います。

不動産業関連
4大資格
主な業務の内容
マンション管理士

分譲マンションの管理に関する指導、アドバイス、コンサルティング等の業務

<独占業務なし>

宅建士

不動産(土地・建物)の取引(売買・交換・貸借)の代理・媒介業務

<3つの独占業務>

・重要事項の説明

・重要事項説明書への記名

・契約書(37条書面)への記名

管理業務主任者

分譲マンションの管理業務

<4つの独占業務>

・管理受託契約に関する重要事項説明

・管理受託契約に関する重要事項説明書への記名

・管理受託契約書への記名

・管理事務に関する報告

賃貸不動産経営管理士

賃貸マンションの管理業務

<業務管理者としての業務>

以下の事務の管理・監督

@管理受託契約に関する重要事項説明と書面の交付

A管理受託契約書の交付

Bその他6項目

 以上のように、簡単に表にまとめてみましたが、違いがわかりにくいのは、「管理業務主任者」、「マンション管理士」、「賃貸不動産経営管理士」の3つの資格ではないでしょうか。

業務対象の違いがポイント

 まず、この3つの資格を区別する大きなポイントは、業務の対象が「分譲マンション」なのか「賃貸マンション」なのかというところです。

 「管理業務主任者」と「マンション管理士」は、「分譲マンション」を業務の対象とするのに対し、「賃貸不動産経営管理士」は、「賃貸マンション」を業務の対象としています。

 ちなみに、宅建士は、分譲マンションも賃貸マンションも、どちらも業務対象となります。

新築マンションを例に4つの資格の業務範囲を確認

 では、マンション(分譲・賃貸)を例にとって、4つの資格の業務範囲を確認してみたいと思います。

入居者の募集

 まず、新築マンションが建った場合、分譲マンションであれ賃貸マンションであれ、入居者の募集をする場面は、宅建士の業務範囲となります。

 分譲マンションであれば、「売買」という不動産取引の代理・媒介業務になりますし、賃貸マンションであれば、「賃貸」という不動産取引の代理・媒介業務になります。

マンションの管理

 次に、マンションを管理する場面(管理受託契約の締結)を考えた場合、分譲マンションの管理であれば、管理業務主任者の業務範囲になりますし、賃貸マンションの管理なら、賃貸不動産経営管理士の業務範囲となります。

マンション管理組合の運営など

 そして、分譲マンションの場合は、通常の管理事務に加えて、区分所有者全員で構成されたマンション管理組合の運営の問題や、大規模修繕や建替えなど区分所有者同士の合意形成を図りながら計画的に工事の施工を進めていかなければならないといった問題などが発生しますので、このような難しい問題を解決するためにマンション管理士が登場するというわけです。

マンションの転売や転居

 その後、さらに分譲マンションを転売したり、新たな入居者と契約を締結したりする際には、宅建士が再び登場するというような形で、これら4つの資格は密接に関連しているということが、おわかりいただけるかと思います。


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