1.どのようにして治療をすすめていくのか
アレルギー性結膜炎は、小さな子どもさんからご老人まで様々な年齢で発症する病気です。
また、コンタクトをつけていたり、角膜まで炎症を起こしていたり、まぶたの湿疹を合併していたり、鼻炎を合併していたり環境や、状態など様々です
そのために、治療もそれぞれの年齢・環境・状態にあった治療が必要になってきます。
●幼児・学生・・・幼児・学生はもしもお薬による副作用があっても訴えない、あるいは訴えてもすぐに理解できないことがありますので、原則、ステロイドの点眼は使用せず、抗アレルギー、抗ヒスタミンといった小さい子供様にも安心して使用できるものを使っていただきます。特にしみない点眼を選びます。
●春季カタル・・・ただし、角膜にまで炎症が及んでいるなど症状の強いものについては、低濃度のステロイドを併用することもあります。しかし、ステロイドは角膜に炎症が及び、視力低下を起こす場合を除き、強いステロイドは使用しません。
さらに炎症が強いときには、アレルギー性結膜炎の新薬である免疫抑制剤の点眼を併用いたします
●成人・・・症状の強い方、従来の抗アレルギー、抗ヒスタミンの点眼では症状が改善しないと判断される方には、やはりステロイドの点眼を併用いたします。
●眼瞼湿疹・・・まぶたにまで炎症が及んでいる場合・・・点眼では症状は改善しませんので、眼軟膏、および内服薬を併用していただきます
ステロイドの眼軟膏で短期間で治します。ただし、ステロイドの眼軟膏でも効果がない、あるいは一時的に治るがステロイドをやめるとすぐに悪化する場合はステロイドに依存せず治療法を変えていきます
(眼瞼湿疹のステロイドからの離脱の方法はこちら)
●コンタクトレンズを使用中の方・・・どうしても中止ができないときには、比較的コンタクトレンズの上から点眼しても影響のない点眼をお出しします。
ただし、コンタクトレンズの使用は症状を悪化させる原因になりますので、従来の点眼で改善がないときには、コンタクトの中止、およびワンデータイプのコンタクトの使用をおすすめいたします
2.治療目標
アレルギー性結膜炎のお薬による治療は、対症療法です。
かゆみ、目やに、充血、痛みや 子供の目をぱちぱちさせるなどの症状が改善することが目標です
また、花粉症の場合は、毎年症状が同じ時期に症状が継続しますので、予防を目的とした前投与を行うこともあります
(アレルギー性結膜炎の初期療法について書いたブログはこちら)
3.いつまで通院していただくか
処方したお薬で症状が改善すれば、また通院していただく必要はありません。
ただし、もしも、お薬でも症状が改善しなければ、症状が改善するまで通院していただきます。
アレルギー性結膜炎は過敏性のある体質が関係しますので、時期がくると再発することが多くあります。そのためには、何度か通院していただき、いろいろあるお薬の中で一番合う薬、一番合う治療法を見つけることが重要です。
また、ステロイドの点眼を使用中の方は、長期使用で眼圧が上がることがあり、定期的に眼圧検査を行っていきます。
知らない間に眼圧が上がり、視力が低下することもあります。
(ステロイドの点眼で眼圧が上がることについて書いたサイトはこちら)
アレルギー性結膜炎についての最近の話題はこちら(松本眼科のブログより)
以下は アレルギー性結膜炎の治療計画
治療計画病名 一覧 | |||
---|---|---|---|
白内障 | 緑内障 | 糖尿病性網膜症 | 加齢性黄斑変性症 |
麦粒腫、霰粒腫(ものもらい) | 疲れ目 | 仮性近視(調節痙攣) | 飛蚊症 |
アレルギー性結膜炎(花粉症) |