1.どのようにして治療をすすめていくのか


調節痙攣(仮性近視)なのか、

近視なのかを判別することが重要です







調節痙攣(仮性近視)も、近視も焦点の合う位置が網膜から前の方に離れてしまった状態です。この状態を
屈折異常と言います。


そのためには、オートレフ、あるいはスキアスコープをもちいて、眼球内での焦点の合う位置を調べてみます(スキアスコープの方がより調節の関与が少なく正確に測定できます)。
そのことで、屈折異常の程度がわかります。



その結果、焦点の合う位置が、網膜面から大きく離れている場合には、近視になっている可能性が強く、その場合は視力回復する可能性の少ないことを説明させていただきます

視力検査は自覚検査のため、ある程度近視の程度はわかりますが、屈折異常、すなわち、近視以外の要因も関与してくるために、あくまで屈折異常の程度で判断いたします。



治療は・・・・・

上の図のように過剰に緊張し、弛緩しなくなったピント合わせの筋肉ゆるめることです


1.緊張を緩める点眼を使っていただきます

                                      

2.望遠訓練をしていただきます

毎日20分くらい




3.調節緊張を起こさないような日常生活の改善


机といすは体に合ったものを使う。

正しい姿勢での勉強、照明は陰にならないように

鉛筆も濃い鉛筆を使う

テレビの画面は直接室内灯が当たらないようにする

テレビゲームは時間を決めて
(2−3日に一回にするかする曜日を決める、30分に知度は休憩、、遠くのものを見る)

昼の間は外で遊ぶように

睡眠時間の長い目に



治療の経過は・・・・・

まず、2週間してから来院していただきます。その時の屈折異常の改善の程度をみます。治療前と治療後の屈折異常の程度を比べます(視力はあくまで参考にして、屈折異常の改善の程度をみます)

改善傾向があれば、治療を継続していきます

改善傾向が全くない場合は、やはり、近視であり、すでに眼球の形状の変化が起こっていると思われ、これ以上、治療を継続しても視力の回復する可能性は少ないと思われます。

あまり、視力の回復する可能性の少ない状態で、治療を続けることは、
「がんばっているのに見えてこない」
「親の期待にこたえれない」
など、子供さんの心労が重なります。
また、学校で不自由になってる状態をあまり続けることも良くないことと思います。
視力回復の可能性のないと判断した場合には、すぐに治療を中止します。

メガネが必要でなければ、その時点で治療を中止、
メガネが必要であれば、眼鏡を処方します  (一般的に眼鏡が必要な視力は以下のとおりです)



2.治療目標

もちろん、眼鏡をかけなくてもよいくらいの視力に上げることを目標とします。

一般的に眼鏡をかけなくてもよい視力は、年齢・学年により異なってきますが、一般的には以下のとおりと言われています


両眼視力

 

0.7以上
席が一番後ろでも黒板の字が見えるでしょう
0.40.6
席を前にしてもらう必要があります。必要に応じてメガネが必要でしょう。目を細めて見だしたら早いうちにメガネが必要でしょう
0.3以下
めがねは必須です





3.いつまで通院していただくか

屈折異常が改善している間は、治療は継続していきます。

視力が上がっていなくても、屈折異常が改善してくれば視力は後から上がってきます。あくまで、屈折異常の改善の具合を重視します。


屈折異常が改善し、さらに安定して、さらに視力も十分に上がってくれば終了です。


最初の2週間の段階で、屈折異常が改善傾向がなければ、仮性近視ではなく、すでに近視になっていると思われますので終了いたします

また、屈折異常がよくなってきていても、途中、屈折異常に改善傾向がなくなり、安定してきた段階で、やはり、仮性近視ではなく、すでに近視になっていると思われますので終了いたします


さらに、眼鏡が必要な方は、眼鏡処方箋を交付して終了いたします




近視・遠視・乱視についての最近の話題はこちら(松本眼科のブログより)



以下は 仮性近視(調節痙攣)の治療計画  

1.治療の進め方

2.治療目標

3.いつまで治療?

治療計画病名 一覧
白内障 緑内障 糖尿病性網膜症 加齢性黄斑変性症
麦粒腫、霰粒腫(ものもらい) 疲れ目 仮性近視(調節痙攣) 飛蚊症
アレルギー性結膜炎(花粉症)