其の伍「テーパー設定装置」（中）

  Ｙ青年は樹脂製の「モノレール」にテーパーを切るのに「金属製のテーパー型
」で左右から樹脂製の「モノレール」を挟み、「金属製のテーパー型」から上に
出た部分をカンナで削り取る「カッテイングマシーン」を考えていた。僕とＭ氏
は、『其の弐「テーパー設定装置」』で書いた様に、「プレーニングモノレール
」に内蔵したい。と考えていた。Ｍ氏は当初から「モノレール」の下にネジを入
れて、、、とのアイデアを出していて、初めから「モノレール」の断面が細目の
テーパーで三角形に削っておき、その各設定ポイント（５インチなりの）を上下
させてテーパーを設定するアイデアも出していた。その頃、僕は色んな人にアイ
デアを求めていた。お客さんのグラフィックデザイナーのＴ．Ｙ氏に「ベジェ曲
線（コンピュータで描く、曲線）」をアナログで描く方法は無いか？」等と遅く
まで話し合った事も有った。
　
　が、僕はＹ青年の「それでは精度が出ない」との意見で「金属製のテーパー型
」製作機にイメージが固定されて、「プレーニングモノレール」に、内蔵した「
モノレール」の左右に、ネジで上下する「金属製のレール」の「テーパー設定装
置」と、「水平刃」で「モノレール」にテーパーを付け、その上に竹を乗せて「
Ｖ刃」で削ろうと考えていた。

　夜、Ｙ青年に「金属製のレール」の「テーパー設定装置」内蔵のアイデアを電
話すると、最初「構造が見えない？」との返事なので『「モノレール」の左右を
従来の様な「プレーニングフォーム」２台で樹脂製の「モノレール」を挟んで、
「プレーニングフォーム」の上に出た「モノレール」をカンナで削って、、、」
とのタトエ話で説明した。「それでは上下を調節するネジが倍必要で精度が出し
難い」と言う返事。そしてＹ青年は、それなら『「モノレール」の下にネジを入
れて、、、』とのアイデアを出した。これはＭ氏と話していたアイデアと基本的
に同じ。が、しかし、それを使ったＹ青年の「テーパー設定方法」は『天才的』
だった。が、やはり、「その精度は保証、出来ない」との事だった。

　僕は「モノレール」下のネジの数を増やして「力技」で精度を確保しよう。」
と言った。Ｙ青年は「それより設定ポイントの数だけ「モノレール」の固定箇所
を強化した方が精度に貢献する。」と言った。しかし、まだ「テーパー設定装置
」内蔵には乗り気で無かった。「モノレール」の固定箇所の数だけ部品の「カム
」を多数、造るのがメンドウだったのだろうか？しかし僕は「プレーニングモノ
レール弐型」の５インチごとの設定ポイントの数の「カム」の製作を頼んだ。
　
　そして、僕はお客さんで、樹脂関係の会社に勤めているＴ氏に「プレーニング
モノレール弐型」の樹脂製の部品を発注し、「ネジのＮニワ」でネジ類（当然、
「モノレール」上下調製機構用の部品も）調達し、「カム」が完成すると、１枚
の合板からサイズに切り出して有る２１ミリ厚板に、ＤＩＹ店で買った９ミリの
ドリルで穴を開け「設定ポイント」（５インチごと、「プレーニングモノレール
壱型」はネジで１０センチごとにカンナの滑走面の幅の狭い方が止められ、テー
パーのハンドカッテイングの目安と、「ダイアル式ハイトゲージ」の測定ポイン
トなっていた）やはり、何かと（設定間隔の基準やモノレールの曲がり方から）
便利なので「プレーニングモノレール弐型」では５インチ間隔に穴を開けて「モ
ノレール」の上下調製機構用「ネジ」を埋め込んだ。

　最後に「Ｖプレーナー弐号機」（Ｖ刃カンナ。僕はカッテにＶ−２号と呼んで
いる）の設計に取り掛かっていたＹ青年に頼み込んで「Ｖプレーナー初号機（僕
はカッテにＶ−１号と呼んでいる）」の水平刃を造って貰いたいと頼んだ、しか
し彼は、まだ「金属製のテーパー型によるカッテイングマシーン」に執着してい
るのか「Ｖプレーナー弐号機」は「水平刃」無しの「単能機」を製作したい。」
と言う。僕は「拡張性」を求め、「Ｖプレーナー弐号機」に交換式の「水平刃」
を採用したい。そのテスト用に「Ｖプレーナー初号機」用の水平刃を造って欲し
い」と強く要望した。

　Ｙ青年は、なぜか「単機能」にコダワル。「プレーニングモノレール壱型」の
「モノレール」を固定する「カム」のセンターの六角ネジとカムを締める六角ネ
ジのサイズは大小の２種類だった。Ｙ青年の理由は「締め付けトルクが異なるか
ら、、、」との事。「１種類のサイズで統一した方が便利。トルクは手で調整す
る」と僕、、、

　Ｙ青年は、シブシブ、「Ｖプレーナー弐号機の設計が遅れる」と言いながらも
「Ｖプレーナー初号機」用の「水平刃」を造ってくれた。

　強引に「水平刃」を造って貰ったのには、ワケが有った。もちろん、コレで「
モノレール」にテーパーを切るのだが、例の「テーパー設定法」を、早く試して
見たいと言う気持を押さえ切れなかったのだ、、、