モダンバンブーロッドビルディング




 今まで、ハンドメイドのバンブーロッドは、竹の1片を断面に角度の付いた 金属の2本の角材、「プレーニングフォーム」に挿んでテーパーを設定し、カ ンナで1面ずつ削る方法が一般に用いられてきました。  しかし、スウエルバット、五角形や四角形のロッド製作に各々のプレーニン グフォームが必要で、ロッドの中空等の加工も別の用具が必要でした、また金 属のプレーニングフォームとカンナの刃が接触する為、消耗等も有りました。    これから御紹介する「モダンバンブーロッドビルディング」は竹の1片をテ ーパーを設定したガイドレールの上でV型の刃のカンナを使って2面同時に削 っていく方式です。竹の位置からプレーニングフォームを凹の方式とすると凸 の方式と言えるでしょう。ちょうど180度回転させた様な方式です。  私は、この方法を「テーパーモノレール方式」と呼んでいます。  この方法は、V型の刃の角度を変える事により五角形、四角形のロッド製作 も可能でテーパー設定も自由なのでスウエルバットにも対応します。刃が竹以 外に接触しないので消耗も少ないし、またモノレールの長さは延長していける ので、ワンピースの長尺ロッドの製作も容易です。  「テーパーモノレール方式」は「ベベラー(竹を削る動力機械)」をカンナ と言う人力の道具に置き換えた方式です。「パーソナル(個人用)ベベラー」 とも言えるでしょう。  和竿にも竹を集合させる製法が有ります、それはV刃で竹を削る方法で、テ ーパーの設定はトップを多く削り、バットは少し削る、と言う文字通り職人芸 の世界です。  「テーパーモノレール方式」の利点は想定したテーパーを作成していくプロ セスの容易さと自由さに有ります。例えば従来の方式ではカンナの刃が金属面 に接触するまで出なかった切削面の水平や断面の各頂点の角度関係が「テーパ ーモノレール方式」ではカンナの刃が竹の表面を平らに、ならした以後は水平 と角度の関係が維持されます。また、プロセス途中でテーパー変更等も可能で す。バンブーロッドメーキングと言うよりバンブーロッドビルディングの方が 何となく、この方式には表現的には似合っている気がします。  「テーパーモノレール方式」が実際には個人用として、あまり利用されてこ なかったのは従来の方式と比べてテーパーの製作が自由過ぎて、その制御の対 応の方に原因があったのかも知れません。  もちろん、現代の技術であればモノレールのテーパーを削り出す事もダイレ クトに竹をテーパーに削り出すベベラーも可能です。また「V刃カンナ」を使 って人力で竹を削る方法も有りました。(トム・モーガン氏のハンドミル)し かし今まで、テーパーの設定についての詳細は発表されてきませんでした。  そこでテーパーの設定を初め「テーパーモノレール方式」のバンブーロッド ビルディングを紹介させてもらおうと思いました。  「テーパーモノレール方式」の原理は『モノレールの高い部分は竹が細く削 れ、低い部分は太く削れる』と言うもので、製法も簡単でスピーディーです。 誰でもバンブーロッド製作を楽しんで頂ける様になったらと思っています。  「モダン」と言うタイトルはカスタムナイフメーカーR・W・ラヴレス氏の 「ストックリムーバル」法(ナイフを鋼材から削り出した後、焼き入れする方 法)をそれまでの鍛造法に対して「モダンナイフ」と呼んだ事に習いました。
「MBBS補完計画」

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