石川虚舟
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石川虚舟《虚無恬淡》
2012
 

ハイデガーの秘密
 
太極(Urstreit)
 
中間(Mitte)
 
公(Offene)
 
動/静(Bewegung/Ruhe)
 
反転運動(Gegenwendige)
 
熟(sich zeitigen)
 
物(Ding)
 
玄/根源(Ursprung)
 
石川虚舟の造形作品
 
デュシャンと『荘子』
 
 
 

石川虚舟 《虚無恬淡》 2012
本体(凝灰岩)、台座部分(欅、238×205×90)
 
【石川虚舟註】ハイデガーの用語「Lichtung」は、『荘子』の「虚無恬惔」に合致するが、 漢字としては「明」をあてる説がある。
cf. Chung-yuan Chang, REFLECTIONS, in ERINNERUNG AN MARTIN HEIDEGGER, NESKE, 1977, S.68
 
⇒ ハイデガーと『老子』   ⇒ ハイデガーと芭蕉
⇒ ハイデガーと九鬼周造
⇒ ヘルダーリンの忘我       ⇒ 静座石
 
 
 
 
虚無恬惔、乃合天徳   ⇒  ENGLISH /   (現代文) 
虚無恬惔にして、乃ち天徳に合す。
『荘子』刻意篇(第十五)
 
虚静恬淡、寂漠無為
夫れ虚静恬淡、寂漠無為は、
天地の平にして
道徳の至(質)なり。
・・・
無為なれば則ち兪兪(愉愉)、
兪兪なれば憂患も処ること能わず、
年寿も長し。
『荘子』天道篇(第十三)
金谷治『荘子』第二冊[外篇]、岩波文庫、p.147-148
 
金谷治『荘子』第二冊[外篇]、岩波文庫、p.223

思索は、 己を放棄にすることによって、 存在の真理についての語らいを、 存在によって語りかけられようにする。 思索がこの放棄を遂行するのである。
Martin Heidegger, ÜBER DEN HUMANISUMUS, 1949, S.5
cf. 渡邊二郎訳/マルティン・ハイデガー
『「ヒューマニズム」について』(ちくま学芸文庫)、p.18
 
人間は、存在によって語りかけられることによってのみ、 自らの本質のうちで生き生きとあり続ける。・・・ 存在の「明るみ」(Lichtung)に身を置くことを、 私は、人間のEk-sistenz と呼ぶ。
Martin Heidegger, op. cit., S.15
cf. 渡邊二郎訳/マルティン・ハイデガー、前掲書、p.40