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かりゆしクリニック/トピックス/#24 血液検査の基準値(正常値)について


#24 血液検査の基準値(正常値)について

血液検査を受ける場合、次のことを知っておくと、検査結果の意味や治療の参考となるでしょう。 まず、「正常値」という表現は、検査数値が「いわゆる正常範囲内」であれば完全に 「異常がない」「病気でない」と誤解されるので、 現在はこれに代わり「基準値」という表現が使われます。

さて、日ごろ健康であれば、健康診断の際に受ける血液検査の結果はすべて基準範囲内 (上記理由で「正常」という表現は本項では使いません)であるはずと思っておられる方は 多いのではないでしょうか。実は、以下の1と2に述べますように、これは誤りです。

1

血液検査の基準値は、健康と考えられる多数の人々の検査結果を統計処理し、 その約95%(平均値±2標準偏差内)の人の検査結果が入る範囲として定められています。 逆に言えば、健康とみなされる人のうち、5%の人は基準範囲外の結果を示すことになります。 例えば、白血球数の成人の基準値は概ね4,000-9,500/μL程度とされていますが、 健常人であっても1-2%の割合で3,000/μL台の人がみられます。

2

健康な人が20項目の血液検査を受けた場合、全ての値が基準範囲内に入る人は 100人のうち何人かを考えてみましょう。 ただし、個々の検査は、お互いに関連しない独立した検査であるとします。

一つの検査が基準範囲内に入る確率は0.95ですから、全ての検査値が基準範囲に入る確率は 0.9520≒0.36、言い換えれば、約3人に2人は少なくとも1項目で基準範囲外の値を示すことになり、 すべての検査値が基準値以内となる人より、そうでない人の方が多いということになります。 実際の検査では各項目が関連しあっているものも多いので、この計算のように単純ではありませんが、 健康な人が血液検査を受けた場合、すべての項目が必ず基準値以内に入るわけではない ということは理解できると思います。 なお、個々の検査値結果の解釈については、その他の臨床的状況と合わせて判断することになりますので、 主治医から十分説明を受け納得することが必要です。

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