ジャッキー・チェン映画

ジャッキー・チェン フィルモグラフィ 出演映画1980年代後半

「奇蹟/ミラクル」のような素晴らしいリメイク感動作品や「サンダーアーム/龍兄虎弟」のような常に新しいアクションを見せてくれる作品、ヒット作の続編、サモ・ハンやユン・ピョウとの共演など、アクションの切れも作品の質も乗りに乗ってるジャッキー監督の意欲的な時期だと思う。

奇蹟/ミラクル

奇蹟/Miracles:Mr.Canton and Lady Rose/1989年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1989年8月12日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/出演:ジャッキー・チェン 脚本:エドワード・タン 編集:チョン・イウチョン 美術:エディー・マ 製作:レナード・ホー
出演:アニタ・ムイ/グロリア・イップ/グァ・アーレイ/ウー・マ/トン・ピョウ/リチャード・ウン/ビリー・ロウ/ロー・リエ/コー・シュンハン/リッキー・ホイ/ユン・ピョウ

あらすじ:中国本土より夢を追い求めて香港にやってきたコウ(ジャッキー)。職を探すが詐欺に遭ったり荷物を盗まれたり・・・。途方に暮れている時、コウに希望を与えたのはバラ夫人(グァ・アーレイ)の売る1本のバラだった。そして偶然にもギャングの抗争に巻き込まれたコウは、成り行きからボスのパクを助けようとし、最後を看取る。成り行きと部下の勘違いから、コウは無理やりギャングのボスに祭り上げられることに・・・。常に危険を伴うギャングのボスを救うのは、いつもバラ夫人の売る1本の幸運のバラだった。しかしバラ夫人は・・・。

解説:フランク・キャプラの「一日だけの淑女」「ポケット一杯の幸福」のリメイク作品。香港で数々の賞を受賞しているこの映画はジャッキー自身最も気にいっている作品。アクションだけでなく、しっかりしたストーリーを持ち、役者の演技も最高。とくにウー・マの表情が格別。ジャッキーと故アニタ・ムイとの初共演作品になり、彼女の歌も堪能できる。彼女が豪華ホテル内を見て回りながら歩くシーンがあるが、1カットで撮ったカメラワークが素晴らしいと思う。アクションでは帽子を使った小技がかっこよく印象的。6400万HKドルの製作費と9ヶ月もの月日をかけて製作されたゴールデン・ハーベスト社設立20周年記念作品。この映画には根っからの「悪」はいない。気持ちの良い涙が流せる映画です。私は何度見ても必ず泣けます。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)/電影金像奨最優秀編集賞(チャン・ユーチュン)/電影金像奨最優秀美術監督賞(エディー・マ)

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ポリス・ストーリー2 九龍の眼/クーロンズ・アイ

警察故事續集/Police Story U/1988年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1988年8月13日東宝東和配給

製作:レイモンド・チョウ/レナード・ホー/エドワード・タン 監督/主演/スタント・コーディネーター:ジャッキー・チェン 脚本:エドワード・タン 撮影:チョウ・イウゾウ/リー・ヤウトン 音楽:マイケル・ライ
出演:マギー・チャン/エミリー・チュウ/チュー・ヤン/トン・ピョウ/ラム・クォックハン

解説:ポリス・ストーリーの続編。前作には及ばずとも、命懸けの素晴らしい格闘とスタントは健在。敵は爆弾犯なので香港ならではの派手な爆破シーンが印象的。前作の敵役が刑務所から釈放されて関わってくるなど、前作とのつながりを感じるが、扱いは完全に脇。また、捜査のために特殊能力を持つ部下を数名従えるなど、ストーリーに変化をつけているが、それが逆にストーリーの大筋を分散させて勿体ない気がする。マギー・チャンやトン・ピョウが前作に引き続き共演。マギー・チャンはラスト撮影中に頭部に怪我を負う。キック・スタイルの“アパアパ”とのラスト・バウトも印象に残る。走るバスの屋根からビルの窓ガラスに飛び込むシーンでは、予定していた窓の隣の本物のガラス窓に突っ込んでしまったとか。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)

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サイクロンZ

飛龍猛將/Dragons Forever/Cyclone Z/Three Brothers/1987年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1988年4月23日東宝東和配給

解説:サモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウのBIG3が主演した第3作。そして今のところ最後の共演作。この映画の完成後、3人は別々の道を歩む事になる。3人と同じ元七小福のユン・ワーが悪役で出演。スパルタンXで名勝負を繰り広げたベニー・ユキーデが2度目の対決。ジャッキーは珍しく知的な弁護士役で、船内での格闘ではカウンター・テーブルを使ってくるりと体を回転させるなどの新しいアクションが見れる。BIG3の三つ巴戦を見れる唯一の映画。サモ・ハンのホロリとさせる場面もある(私だけ?)。ちなみにベニー・ユキーデ戦での最後のとどめの蹴りはジャッキー本人ではない。スタントマンを使わないことを売りにしているジャッキーだが、ジャッキー以外の監督による作品では、ジャッキーの都合や監督の意向により、稀にスタントダブルを使うことがあるようだ。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(サモ・ハン・キンポー・スタントマン・チーム)

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プロジェクトA2/史上最大の標的

A計劃續集/Project A U/1987年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1987年7月25日東宝東和配給

監督/武術指導/出演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 製作/脚本:エドワード・タン 音楽:マイケル・ライ
出演:マギー・チャン/デヴィッド・ラム/ロザムンド・クアン/カリーナ・ラウ/マース/トン・ピョウ/タイ・ポー/レジーナ・ケント/チャーリー・チャン/リッキー・ホイ/イザベラ・ウォン

あらすじ:海賊討伐で成果を挙げたドラゴン(ジャッキー)は、悪の巣窟となった西区の新任署長に任命される。しかし悪に牛耳られた西区の署内は腐敗しきっていた。西区そして署内を立て直すために奮闘し、地元の悪玉ボスを捕らえるドラゴンだったが、前署長のチュン(デヴィッド・ラム)はそれを快く思わなかった。そんな時、ドラゴンは保安司令令嬢の誕生パーティーで革命派グループの計画に巻き込まれ、濡れ衣を着せられる破目に。一方、清朝政府からは、革命派を壊滅させるための特使が派遣されていた。

解説:香港政府全面協力により全島が植民地時代のセットに成り変わった。キャスティングの変更、サモ・ハンやユン・ピョウが共演していないなど、続編だが前作のイメージはあまり無い。しかし共演女優陣は豪華。相変わらずアクションも素晴らしい。前作は時計塔からのダイブなど大掛かりな“見せ場”アクションのイメージだがこの映画は“小気味良い”小技の連続といった感じ。映画のイメージから邦題の「史上最大の標的」はいただけない。革命家・清朝側・英国植民地政策側・海賊と多彩な出演者の絡み合いが印象的でコメディ要素も多い。個人的には中盤のチャーリー・チャンらとの格闘シーンが気に入っている。ラストの壁が倒れてくるスタントはキートンの蒸気船へのオマージュ。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/電影金像奨最優秀編集候補(チャン・ユーチュン)

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クラッシュ・エンジェルス 失われたダイヤモンド

〈才丑〉計雜牌軍/Noughty Boys/1986年/香港/ゴールデン・ハーベスト/日本劇場未公開

解説:ジャッキー初プロデュース作品。ジャッキー映画にお馴染みのマース主演。カリーナ・ラウ初主演作品。

サンダーアーム/龍兄虎弟

龍兄虎弟/Armour of God/1986年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1986年8月16日東宝東和配給

解説:ジャッキーはこの映画でスピルバーグの「レイダース/失われたアーク」への敬意を表した。ポップ・シンガーのアラン・タム、七福星のロザムンド・クワン、スパルタンXのローラ・フォルネルが共演。ユーゴスラビアロケ中、木へ飛び移るシーンで頭部に穴が開くほどの重症を負う。その穴を隠すために冒頭では短髪だったジャッキーの髪型が仕方なく途中から長髪に変わる。格闘シーン、気球への落下、カーチェイスなど、かっこいいアクションが尽きない。愛車は三菱自動車の特別製。アラン・タムが歌う主題歌「暴風女神LORELEI」も個人的に好き。個人的にはこの映画のジャッキーはかっこよくて気に入っている。ガムの食べ方を真似た人も多いだろう。この映画は80年代香港興行成績第3位の座につく。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)

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映画タイトル下は概ね、原題/(別タイトル/英語タイトル)/製作年/製作国/製作会社/日本公開情報、その下に受賞歴・・・の順で記載

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