ジャッキー・チェン映画

ジャッキー・チェン フィルモグラフィ 出演映画1980年代前半

新しいジャッキー・チェンの誕生。これまでのカンフー映画を脱皮し、新ジャンルのアクション映画を作っていく。型どおりのアクションではなく、リズミカルでありながら体当たり感を併せ持ち、現代的な要素を盛り込んだ新しい香港アクションを切り開く。また、アメリカへも果敢に挑んだ時期。

ポリス・ストーリー/香港国際警察

警察故事/Police Story/1985年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1985年12月14日東宝東和配給

製作総指揮:レイモンド・チョウ 製作:レナード・ホー/ウィリー・チェン 監督/脚本/原案/主演:ジャッキー・チェン 脚本:エドワード・タン 撮影:チョン・イウジョウ 美術:オリヴァー・ウォン 音楽:マイケル・ライ
出演:マギー・チャン/ブリジット・リン/トン・ピョウ/チュア・ユエン/ベン・ラム/マース/フォン・ハクオン

解説:ジャッキー自身最も気に入っているアクション映画の最高傑作。冒頭の銃撃戦から、バラックを下りながらの豪快なカーチェイス、傘を使ったバスでのスタント、ショッピングモールでの電飾を利用して70フィートのダイブなど、しびれるアクションが満載。これらのアクションによりジャッキーは両手に大やけどを負い、4人が切り傷や骨折を負った。この映画で共演したマギー・チャンとは親友となり、トン・ピョウとも初共演、2人はその後も度々共演する事になる。この映画はその後のハリウッド映画のアクションにも多大な影響を与えた。DVDのデジタル・リマスター版では、ラストのカット編集が変わっているのが残念。オリジナルのほうが良かった。

受賞:香港電影金像奨最優秀映画賞/香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)/香港電影金像奨最優秀監督賞(ジャッキー・チェン)/香港電影金像奨最優秀女優賞(ブリジット・リン)/電影金像奨最優秀撮影賞(チャン・ユーチョー)/電影金像奨最優秀編集賞(チャン・ユーチュン)

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ファースト・ミッション

龍的心/Heart of Dragon/First Mission/1985年/ボーホー・フィルム/1985年9月14日松竹富士配給

解説:これまでのスタイルとは違い、非常にドラマ性を重視した感動作品。兄弟間の関係を描いたこの映画は、欧米ではマーシャル・アーツ版レインマンと呼ばれた。興行成績は良くなかったが、非常に良質な内容の映画である。私は涙無しには見れない。この感動作がDVD化されていないのが残念。もしかすると日本ではサモ・ハン演じる知的障害者役が問題なのか・・・?もしそうなら非常に残念だ。

受賞:香港電影ベスト・ソング賞/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)/香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(サモ・ハン・キンポー・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨ベスト・ミュージック候補(ラム・マンイー)

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プロテクター

成龍猛探/The Protector/1985年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1985年6月15日東宝東和配給

監督/脚本:ジェームス・グリッケンハウス 製作総指揮:レイモンド・チョウ 製作:デヴィッド・チャン 音楽:ケン・ソー スタントコーディネーター:ビリー・ライ/スタンリー・チョー
出演:ジャッキー・チェン/ダニー・アイエロ/ムーン・リー/ロイ・チャオ/ビル・ウォレイス/サリー・イップ/リー・ホイサン/ロン・バス/ソーン・エリス

解説:ハリウッド進出第2弾だが監督との不仲から、またもや失敗に終わる。ジャッキーはジェームズ・グリッケンハウス監督のアメリカ版から不要な部分のカット、格闘シーンの撮り直しなどの編集を加えて香港版を作った。この映画から後のポリス・ストーリーのヒントを得る。

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新・ポリス・ストーリー

神勇雙嚮炮/Pom Pom/1985年/香港/ゴールデン・ハーベスト/日本劇場未公開

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七福星

夏日福星/Twinkle,Twinkle,Lucky Stars/My Lucky StarsU/1985年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1987年12月12日東映配給

監督/出演/武術指導:サモ・ハン・キンポー 脚本:バリー・ウォン 撮影:アーサー・ウォン/ジョニー・クウ 製作:レナード・ホー/エリック・ツァン
出演:ジャッキー・チェン/リチャード・ウン/エリック・ツァン/シベール・フー/ユン・ピョウ/アンディ・ラウ/倉田保昭/ロザムンド・クワン/フォン・ツイ・フェン/ミシェル・ヨー

解説:大福星の直後に作られた映画。サモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウのBIG3が共演。ストーリーは弱いがアクションや共演者に見どころがある。今や大女優・大俳優となったロザムンド・クワンやアンディ・ラウ、倉田保昭らが共演。ミシェル・ヨーも顔を見せる。また、この作品で昔のライバル意識が頭をよぎり、サモ・ハンとの衝突が生じることとなる。

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香港発活劇エクスプレス 大福星

福星高照/My Lucky Stars/1985年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1985年8月10日東映配給

監督/出演/武術指導:サモ・ハン・キンポー 脚本/原作:バリー・ウォン 撮影:ピーター・ゴク 製作:レイモンド・チョウ 製作総指揮:レナード・ホー
出演:ジャッキー・チェン/ユンピョウ/リチャード・ウン/エリック・ツァン/シベール・フー/チャールス・チン/西脇美智子/ディック・ウェイ/ラム・チェンイン

解説:五福星の続編。同じくサモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウのBIG3が共演。ジャッキー、ユン・ピョウの出番は大幅にアップしている。富士急ハイランドなどで日本ロケが行われた。ハチャメチャな日本描写が炸裂。日本からは女性ボディ・ビル・チャンピオンの西脇美智子さんが出演。当時ゴールデン・ハーベスト社創設以来No.1の興行成績を収める。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(サモ・ハン・キンポー・スタントマン・チーム)

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スパルタンX

快餐車/Wheels on Meals/Spartan X/1984年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1984年12月15日東宝東和配給

解説:プロジェクトAに続き、サモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウのBIG3が共演した映画。初の全編スペイン・バルセロナロケを敢行。ヒロイン役にはミス・スペインのローラ・フォルネルを大抜擢。元マーシャル・アーツ・チャンピオンの格闘家ベニー・ユキーデとジャッキーとのラスト・バウトは、ジャッキー映画の中でも5本の指に入るベスト・バウト。元空手世界チャンピオンのキース・ヴィタリとユン・ピョウとの対決も見どころ。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)

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プロジェクトA

A計劃/Project A/1984年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1984年2月25日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/出演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 脚本:エドワード・タン 音楽:マイケル・ライ
出演:サモ・ハン・キンポー/ユン・ピョウ/イザベラ・ウォン/ディック・ウェイ/ラウ・ハクスン/クワン・ホイサン/ウー・マ/マース/タイポー/リー・ホイサン/ベニー・ライ/ワン・ファー

あらすじ:20世紀初頭の香港。海賊退治に息巻く海上警察のドラゴン(ジャッキー)だったが、何者かの策略により解散に追いやられる海上警察。ジャガー(ユン・ピョウ)率いる陸上警察と対立しながらも、裏組織によって海賊との武器取引が行われていることを知ったドラゴンは、盗賊フェイ(サモ・ハン・キンポー)の力を借りて取引の現場を押さえるが、逆に組織に追われる破目に。そんな時、英国の上流階級者を乗せた船が海賊に拿捕された。かくして“A計画”は始動。ドラゴンはジャガー、フェイらと共に海賊退治に挑む。

解説:言わずと知れたジャッキー映画の代表作。一番の魅力は何より、同じ中国戯劇学院の生徒であったジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウの3人が本格的な共演を果たしたことだろう。興行成績も良く、この3人の共演作は全て大成功を収めた。高さ20〜25mほどもある時計塔からの決死のダイブでは、エンドロールのNGシーンを見れば3回ほど撮りなおしていることが分かる。このスタントはハロルド・ロイドの「要人無用」へのオマージュとして有名。ジャッキーはチャップリン、ロイド、キートンの「世界の三大喜劇王」には敬意を表しており、彼らへのオマージュは多い。彼らが一流の喜劇俳優だったと同時に一級のアクション俳優だったことが分かる。またこの頃はジャッキーが最も命を懸けていた頃だと思う。自転車でのスタントも有名。これにはコメディ要素も加わって、後のアクション映画に多大な影響を与えたと思われる。その他にも、酒場での乱闘シーンやサモ・ハンとの息の合ったアクションなど、ジャッキー・アクションの集大成とも言える。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(ジャッキー・チェン・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨最優秀男優候補(ジャッキー・チェン)

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キャノンボール2

砲彈飛車U/The Cannonball Run U/1983年/米国/ゴールデン・ハーベスト/1983年12月17日東宝東和配給

監督/脚本:ハル・ニーダム 製作総指揮:レイモンド・チョウ 脚本:ハーヴィー・ミラー 製作/脚本:アルバート・S・ラディ
出演:バート・レイノルズ/ドム・デルイズ/シャーリー・マクレーン/ディーン・マーチン/ジャッキー・チェン/リチャード・キール/テリー・サバラス/サミー・デイビスJr./マリル・ヘナー/フランク・シナトラ/ジャック・イーラム/リカルド・モンタルバン/ヘンリー・シルビア/ドン・ノット

解説:契約期間問題のため、やむなく出演した続編。リチャード・キールと組んで三菱スタリオンに乗る。この映画からジャッキー映画には三菱自動車が使われるようになる。私はこの映画くらいから三菱車が好きになった。車好きにはたまらない?

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五福星

奇謀妙計 五福星/Winners and Sinners/Five Lucky Stars/1983年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1984年8月4日東映配給

監督/脚本/出演:サモ・ハン・キンポー 脚本:バリー・ウォン 武術指導/出演:ユン・ピョウ 製作:レイモンド・チョウ
出演:ジャッキー・チェン/リチャード・ウン/ジョン・シャム/チャールス・チン/フォン・ツイ・フェン/チェリー・チェン/セシリア・イップ/ジェームス・ティエン/タイ・ポー/パット・ハー/ブラッキー・フォン/ムーン・リー

解説:サモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウの3人が初めて共演した映画。ジャッキーとユン・ピョウはカメオ出演だが見せ場あり。特にジャッキーのローラー・チェイス・シーンはかなりかっこいい。DVD・ビデオでは劇場公開時のBGM、陣内孝則の「Super Super Star」が挿入されていないのが非常に残念。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン賞(サモ・ハン・キンポー・スタントマン・チーム)/香港電影金像奨助演男優候補(リチャード・ウン)

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伊賀忍法帖

Ninja Wars/1982年/日本/角川映画/1982年12月18日東映配給

実はジャッキーがカメオ出演しているらしいのですが、未だ確認できておりません。

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ドラゴン特攻隊

迷〈イ尓〉特攻隊/Fantasy Mission Force/1982年/台湾/正明影業公司(チャンピオン・フィルム)/1983年12月17日東映配給

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ドラゴンロード

龍少爺/Dragon Lord/1982年/台湾/ゴールデン・ハーベスト/1982年4月10日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/出演:ジャッキー・チェン 脚本:バリーウォン/エドワード・タン 武術指導/出演:ブラッキー・フォン/コリー・ユエン 製作:レイモンド・チョウ 撮影:チェン・チンチュー
出演:マース/ウォン・インシク/シドニー/チャーリー・チャン/ティエン・フォン/ポール・チャン/チェン・ホン・イップ/チェン・ヨン・ウェン

あらすじ:名家の御曹司であるドラゴン(ジャッキー)は、クンフーや勉強をサボっては、従兄弟のジム(マース)と街に繰り出し、ナンパや悪戯に夢中。そんなドラゴンだが街一番の美人シャーリー(シドニー)に一目惚れしてしまう。何とか思いを告げようと、凧にラブレターを付けて飛ばすドラゴンだが、凧は運悪く他人の屋敷に落ちてしまう。人に見られてはまずいと、屋敷に忍び込もうとするドラゴンだったが、その屋敷は国宝密売グループの巣窟だった・・・

解説:ジャッキーが初めてこれまでのクンフー映画からの完全な脱却を目指した映画だろう。サッカーやラグビーなどのスポーツ要素やアスレティック要素を取り入れて、これまでの型・舞踊的なクンフー映画から、よりリアルで体当たり感のあるアクションになっている。この映画は、製作当初は「ヤング・マスター/師弟出馬」の続編の「恋するヤング・マスター」として製作されていたらしく、ジャッキーは恋をするスポーツ青年、クンフー版スポコン映画といった感じ。ジャッキー映画ではお馴染みとなったマースが、相棒役として共演。また、ジャッキー映画定番のNGシーンが始まった映画でもある。「ヤング・マスター/師弟出馬」に続き、ウォン・インシクとのラスト・バウトは見応えあり。

受賞:香港電影金像奨ベスト・アクション・デザイン候補

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キャノンボール

砲彈飛車/The Cannonball Run/1980年/米国/ゴールデン・ハーベスト/1981年12月19日東宝東和配給

監督:ハル・ニーダム 製作総指揮:レイモンド・チョウ 脚本:ブロック・イェーツ 製作:アルバート・S・ラディ
出演:バート・レイノルズ/ドム・デルイズ/ディーン・マーチン/ジャッキー・チェン/マイケル・ホイ/ロジャー・ムーア/サミー・デイビスJr./ファラ・フォーセット/ピーター・フォンダ/ジャック・イーラム/エイドリアン・バーボー/リック・アヴィルス

解説:世界中で大ヒットしたが香港ではあたらなかった。ジャッキーは脇役でマイケル・ホイとコンビを組んでスバル・レオーネに乗る日本人役。この映画でエンド・クレジットにNG場面を使うことを学ぶ。

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バトルクリーク・ブロー

殺手壕/Battle Creek Brawl/Big Brawl/1980年/米国/ゴールデン・ハーベスト/1980年9月6日東宝東和配給

監督/脚本:ロバート・クローズ 製作総指揮:レイモンド・チョウ 製作:フレッド・ワイントローブ/テリー・モーズJr. 音楽:ラロ・シフリン
出演:ジャッキー・チェン/マコ岩松/クリスチーヌ・ド・ベル/H・B・ハガディ/ホセ・フェラー/ロン・マックス/デビッド・S・シェイナー/ロザリンド・チャオ

解説:ジャッキーのアメリカ進出作品第1弾。しかしジャッキーのスタント指導経験が活かされず失敗に終わる。個人的にはそんなに嫌いな映画ではない。この映画でのローラースケートの経験が、後の「五福星」などに活かされているようだ。

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ヤング・マスター/師弟出馬

師弟出馬/The Young Master/1980年/香港/ゴールデン・ハーベスト/1981年3月21日東宝東和配給

監督/脚本/武術指導/出演:ジャッキー・チェン 製作:レナード・ホー 脚本:ラウ・ティンチー/トン・ロー/エドワード・タン 音楽:フランキー・チェン
出演:シー・キエン/ユン・ピョウ/ティエン・フォン/リリー・リー/ウォン・インシク/ウェイ・ペイ/ジャン・ジン/ポール・ウォン/フェン・メイサン/リー・ホイサン

あらすじ:チェン(ジャッキー)の兄弟子タイガー(ウェイ・ペイ)の裏切りによって獅子舞合戦で敗北を帰す正風道場。道場を出て悪の一味に加わったタイガーを連れ戻すため、チェンは旅に出ることになる。だが兄弟子と同じ免許皆伝の“白い大扇子”を持ったチェンは、一味と間違われて警察に追われる破目に・・・。チェンはタイガーを助けるため、警察署長に悪党一味のボスであるキム逮捕を約束する。

解説:ゴールデン・ハーベスト社での第1回作品。監督・脚本・主演・武術指導に加え、日本公開版では主題歌「さすらいのカンフー」(作詞:湯川れい子 作曲:宇崎竜童)も歌う。この後から主題歌を歌うことが多くなった。これまでのクンフー映画の名残を残しながらも、新しいアクションを取り入れ、これまでのクンフー映画とは違う独自のスタイルを築いた。そういう意味では、クンフーものとしては最高傑作かも知れない。ジャッキー映画の中でも最高、そして香港映画史上に残る名勝負と思われる韓国合気道の使い手であるウォン・インシク(ブルース・リーの“ドラゴンへの道”では怪しい日本人役を演じていた−セリフ:お〜ま〜え〜が〜タン・ロンかぁ)とのラスト・バウトは、完全に今までとは違う、型にはまらない体当たり的なアクションになっている。また、この頃は斬新だった獅子舞によるアクション、ツイストを加えた倒れ方など、随所に新しい試みが見られる。ポパイにヒントを得たかと思われるパワーアップ(酔拳がお酒なら、こちらは水煙草−時代背景的にはアヘン?)もアイデアが効いている。

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醒拳(クレージーモンキー 大笑拳)

龍騰虎躍/Fearless Hyena U/1980年/香港/羅維影業公司(ロー・ウェイ・カンパニー)/1986年3月8日東映配給

製作総指揮:ロー・ウェイ 製作:シュー・リーホァ 監督:チェン・チュアン
出演:ジャッキー・チェン/ディーン・セキ/ヤン・サイクン/クワン・ヤンマン/ジェームズ・ティエン/チェン・ホイロウ/オースティン・ウァイ/ホン・グウォクチョイ/リン・アウチュー

解説:ジャッキー主演と偽った、俗に言うバッタモン映画の代表格。それが日本でも普通に劇場公開されているのが凄い。当時のジャッキー・チェン人気がいかに凄かったかが分かる。ジャッキーが出演しているのは数シーンで、あとは「笑拳」の未使用カットやジャッキーの代役の俳優を使った“つぎはぎ映画”。普通に見ていても代役と分かるレベル。「笑拳」を最後にジャッキーとロー・ウェイとの契約は一旦終了していたが、当時のジャッキー人気の高さゆえ、ロー・ウェイは再度契約を持ちかける。これまでの義理もあり、若く経験の浅いジャッキーは詐欺まがいの空白の契約書に軽はずみにもサインし、この「醒拳」の契約を結んでしまう。しかし、マネージャーのウィリー・チェンは様々な条件から、ジャッキーにふさわしいのはゴールデン・ハーベストだと判断し、ジャッキーはこの「醒拳」の撮影時にゴールデン・ハーベストとも二重の契約を結ぶことになる。ジャッキーは「醒拳」の数シーンを撮影した後、表向きにはドタキャン・失踪した形で、ゴールデン・ハーベストで「ヤング・マスター/師弟出馬」を撮り始める。当然、ロー・ウェイのほうも黙っているはずはなく、香港映画界に常に付いてまわると言われるマフィア トライアッズを使って圧力をかけ、ジャッキーはトライアッズの監視の下、「ヤング・マスター/師弟出馬」と「醒拳」の撮影現場を往復することになる。その間、ファイナル・ドラゴンでの共演者でその筋に強いジミー・ウォング氏による仲介を試みるがうまくいかず、最終的にはゴールデン・ハーベストがロー・ウェイとジャッキーとの契約を買い取る形で終わらせた。その後ジャッキーはハリウッドに挑戦することになる。「醒拳」の権利はロー・ウェイに残り、彼の執念で完成させた。

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映画タイトル下は概ね、原題/(別タイトル/英語タイトル)/製作年/製作国/製作会社/日本公開情報、その下に受賞歴・・・の順で記載

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