Corona Oliva

Viaggi

Piemonte-ToscanaMaggio 2007

さあ、空港に着いたら真っ先にチェックインカウンターに飛び込まなければ!この便に乗れても、着いた先のヒースロー空港で帰国便のチェックインに間に合わなければ全てが水の泡だ。着いたら係員に事情を説明して・・・などと脳内整理していたが、30分遅れの急行で滑り込んだフィウミチーノ空港でとんでもない光景がコロナ隊の目に飛び込んできた。

チェックインカウンター前を埋め尽くすおびただしい数の人・・・。
こんな長蛇の列は今まで見たことがない・・・。人波を掻き分け、ようやっとヘビさんのしっぽを見つけたが、あと1時間の離陸までこんだけの列を消化するなんて到底思えない。人々に聞いてみても、「夜の便でまだ時間はあるが、とにかく空港内がこんなありさまだから今から並んでる」「これからロンドン経由でオーストラリアに帰る予定だがどうなるかわからない」などさまざま。

「1時間後の便に乗るのですが!」と空港職員に訴えてみると、各社のショーペロのしわ寄せが他の通常運行している航空会社に集中し、空港内は大混乱。各便が遅れを出して、定刻で出発するなんてありえない。とにかくまずこの長蛇の列に並ぶことだ、と・・・。

走り回り汗まみれだわヒゲは伸びるわ大騒ぎ。「もう、ムダなあがきはよしましょう・・・」
走り回り汗まみれだわヒゲは伸びるわ大騒ぎ。
「もう、ムダなあがきはよしましょう・・・」

砂まみれの汗まみれでドロドロになり、ローマにたどり着いた結果がコレか・・・。ここで一か八か賭ける気力はミヅーラさまには残っていなかった。

「カーニボン」ヒゲまみれの顔で告げる。「今からでも日本への帰国便がある航空会社を当たってきます・・・。ここで待っていなさい・・・」そう、もう幾らかかろうが、還れることが最優先に来ていた。ムダなあがきはよそう。朝からのドタバタで疲れ果てたのだ・・・。

空港内の各社カウンターにて情報を収集するところによると、ターミナルの外に各航空会社のオフィス棟があり、そこで直接帰国便を買い求めよとのこと。早速二人でオフィス棟へ向かい受付嬢に訪れたい航空会社を告げると、職員の在席を確認してから「何階の何号室へ行きなさい」と案内される。60年代のニオイ漂うなんともレトロなビルだ。

大韓航空事務所を訪れると鼻こそほじっていなかったものの、ヒマそうな職員がヒマそうに座っていた。今夜の便はないが明日ならあるとの事で、そうか、大韓のローマ便は毎日運行ではなかったのだ、と思い出す。それならもうそれでいいわい。ほいでお幾ら万円じゃい。

・・(ゴクッ)・・・
「二人でだいたい2000ユーロ(30万ちょい)やね~」。返ってきた答えに驚く。超超高額を予想してただけに、その料金は今回急遽購入したローマ~ロンドン間と変わりなく、そんなモンか!と膝カックンされる思い。購入し次は未使用の英国航空チケット払い戻しをするため再びターミナルへ。

払い戻しカウンターでもヘビさんは健在だった。むしろチェックインカウンターの混乱を見て次々と払い戻しの列に加わった人が増えている。みんな疲れ、中にはさめざめ泣き出す人も。ショーペロは旅行者を不幸にする。

1時間も並んだだろうか、ようやっとコロナ隊の番になったものの、英国航空カウンターの兄さんは簡単に言い放った。

兄:「手配した旅行会社じゃなきゃ払い戻し処理ムリ」
ミ:「ピサの旅行会社なのですが・・・」
兄:「チケット後日郵送でイケるはず。確認してみ。ハイ次の人」

『ミケーレ旅行』に連絡すると「空港の英国航空に言って」ときたもんだ。キーー!となって割り込み、ケータイをカウンターの兄さんに突きつけ「旅行会社と直接会話しろ!」。空港の状況を伝えて貰い、結局チケット郵送後、旅行会社側で払い戻し処理をすることに。これでひと段落ついた・・・。

「長い一日がやっと終わりましたね・・・」「ささ、レッドブルでエナジーを取り戻しましょう」
「長い一日がやっと終わりましたね・・・」
「ささ、レッドブルでエナジーを取り戻しましょう」

ともあれ、心臓バクバクから今解き放たれた。「間に合うか?間に合うか?」の自問自答で終日ピリピリしてた神経がようやっと休まった。全国指名手配犯が捕まって「もう逃げずに済む」という裏腹な安堵もこんな感じか。

「あれぇ、7日前に見たような風景ですねぇ」と力なく笑い、初日と同じような夕暮れの中、空港駅のベンチで列車を待つ。

脱力感でヘロヘロになりながらテルミニ駅に降り立ち「今日はいいところに泊まりましょう」と駅近のお宿を探す。安宿しか泊まったことがなかったがローマの宿は高い・・・。いつもの倍するキレイな旅籠で行き倒れ、汗臭いカラダをキレイにしおべべもお着替え。お夕食をいただきに参りましょうか。

無事寝床も確保したし、フロにも入った!さあ、今回最後のもっさもっさに出かけるぞぉ~!
無事寝床も確保したし、フロにも入った!
さあ、今回最後のもっさもっさに出かけるぞぉ~!

手軽さで毎回立ち寄ってしまうチェーン店『パスタリート・ピッツァアリート』は本日も満員御礼。そういえばワタクシにとって本日初めてのお食事。飲まず食わずで来ましたもんねぇ・・・としみじみ思い返したかどうかは忘れたが、運ばれてきたインサラータをがっつく、ヴィーノを流し込む、パスタをかっ込む、そしてまたヴィーノを流し込む。ガルル~~。ほろ酔いで肩を組み『同期の桜』を声高らかに謡い、宿路につく。

ああ、慣れていた欧州行脚にもこんな落とし穴があるんですねぇ。「今頃は本当ならおロシア上空ですよ」と力なく語り合ったかどうかは忘れたが、布団に入るやスコーン!と記憶を失う。お疲れ様でした、カーニボン・・・。スピー・・スピー・・