Viaggi

ぬお~~!あ~さ~~!
一年ぶりにこの日が来たぞう。我らがコロオリサイトを見てくだすっているマニアな方はご存知だろうが、この1年はミヅーラさまご奉公先解雇事件なんぞ起こり旅どころではなかったため、長い沈黙を経てエアーのeチケットを手にした時は「ようやっと・・・」の思いで目頭が熱くなった。・・・かどうかは忘れたが、大韓航空とコードシェアの王国専用機に乗り込むべく、早朝6時にお城を出発。
「ミヅーラさま、ワタクシは、『コロコルド』にてビッラとピーナッツをいっぱいいただく所存でございますぅ」「『コロコルド』とは何ですか、カーニボン?」かんむりにハテナマークを浮かべて聞くと、「いやですねぇ、超音速・王国専用機の正式名称ではないですかぁ」。
はてそんなものいつ開発されたことやらとかんむりを傾げつつ、そのフランスの香り漂う『コロコルド』はサムゲタンを昼食にいただくため一旦ソウルはインチョン空港を経由し、長靴半島のミラノはマルペンサ空港へ降り立った。


冬の18時は既に真っ暗。「カーニボン、わかっていますね?ミラノはワタクシにとって鬼門ですので」一瞥を家臣にくれ、家臣はコク、コク、とうなずく。長時間のフライトで疲れた体にムチ打ち、そのまま1時間半かけ本日の宿泊地ヴェローナへ移動。
夜遅い到着のためトラットリアでのお食事は諦め、30分も遅延しやがった列車内でパニーノとビッラをもっさもっさ&ごっきゅんごっきゅん。夜にこの食事は味気ないが、プロシュット・クルードとフォルマッショがパーネにムギュ~と挟まれ、ンマいはンマい。

雨のヴェローナ駅に降り立つ。「ワタクシは女王のミヅーラ、こちらは家臣のカーニボンです。市街地はこっちの方角でしょうか」人民に確認をしつつ歩みを進めると「すはっ!ミヅーラさま、なにやら門が見えますです!あれがヌオーヴァ門ではないでしょうかぁ」と優秀な家臣カーニボンが気づいた。「では、この広い通りがポルタ・ヌオーヴァ通りですね。お宿はもうすぐです!」
店舗というよりはホテルや住居が集中しているのか、だだっ広いだけで人影がないこの通りをやや行くと、ヒマそうに通りを眺めエントランスから半身の出たオッチャンが。「おや、ミヅーラさま、ここが本日のお宿のようですねぇ」
「おこんばんわ~」と簡単にあいさつを済ませ、「‘インター熱湯’なる文明の利器で予約したミヅーラです」と旅券を提示しチェックイン。

「ミヅーラさま、なにか恐ろしゅうございます・・・」
コロナ隊は通常、夜遅い初日の到着時のみ事前にお宿を予約し、2日目以降は現地に入り部屋を見た上で決めるという方式を取っているが、今回のネックは『北部はケチーラさまにとって宿代が割高』なことであった。頼みの綱であるロンプラ先生(倹約旅行者の指南書:Lonely Planet)にもこの地区に関しては安宿情報が極端に少ないため、今回はネット割引に頼ることとする。
1・2泊目はほぼ底値のこのお宿を予約してしまい、3泊目は関空から搭乗10分前に滑り込みで予約。4泊目は過去にも訪れたボローニャだから、まあなんとかなるでしょう!

さて、2日間コロナ隊がニオイをつけるこのお部屋は、壁掛け薄型テレビのある清潔で機能的なお部屋であったが、シャワーはカーテンなどの仕切りがないため便器にお湯がかかりまくるという大胆な作りでもあった。
「ワタクシはこの臭い頭をキレイキレイにしてまいりますよ、カーニボン」と後ろを振り向くと、優秀な家臣であるはずのカーニボンはもうお布団の中でスヤスヤしていた。
ミヅーラさまの「ミラノを早く脱出せばなりません!」というわがままだけで14時間のフライトのあと更なる移動に黙ってついてきたカーニボンに「いつもありがとう・・・」と心の中で感謝したかどうかは忘れたが、臭いカラダをゴシゴシし先に眠りの国へ旅立った家臣を追いかけたのであった。