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2004年(平成16年)6月11日(金)〜19日(土)

アメリカ南西部ユタ州のパウエル湖を中心に半径230キロメートルの円を描くと、その円(サークル)の中には8つの国立公園と16の国定公園、国立モニュメント等が集中して存在している。アメリカの国立公園は現在55ケ所、その内の8つがこのサークル内に集中している。まさに国立公園等のオンパレードで、これらの地域一帯をグランドサークルと呼んでいる。

このエリアには、地球誕生に遡る何億年も前からの太古の大自然と原住民の歴史が悠久の時を経て存在しているが、ここらは辺ぴな地域だけに車でしか行けない、それだけに手つかずの大自然とアメリカを代表する雄大な風景が満喫できる。
今回、長年の夢がかなって初めてレンタカーを借りての海外ドライブに家内と二人挑戦し、
ラスベガスを起点におっかなびっくりのへっぴり腰でその一部を周ってきたが、言葉では言い表せないアメリカの大自然の迫力に圧倒され、大げさな言い方をすれば人生観が変わるほどの衝撃を受け、またあまりの感動に涙してきたドライブ旅行記です。




インターステートハイウェイ
Interstate Highway
州間を結ぶ幹線道路。特に下1桁が0,5の道路は主要幹線道路で、下1桁が偶数番号の道路はアメリカ大陸を東西に走る道路、奇数は南北に走る道路を示す。連邦政府が管理。
USハイウェイ
U.S.Highway
日本の主要国道と同じ。インターステートから枝分かれして他州都市と結ばれている道路が多い。
ステートハイウェイ
State Highway
州道、州内の市を結んでいる場合が多く日本の地方国道といったところ。


日付 スケジュール 走行距離 宿泊ホテル
6/11(金) 大阪伊丹空港→羽田空港、成田国際空港→ラスベガス 空港でレンタカー借用→ホテル 008マイル
(13q)
 フラミンゴ・ラスベガス 
6/12(土) ラスベガス → グランドキャニオン 290マイル
(467q)
 エル・トバー・ホテル
6/13(日) グランドキャニオン → モニュメントバレー 201マイル
(324q)
 グールディングス・ロッジ
6/14(月) モニュメントバレー → レイクパウエル 171マイル
(275q)
 ワーウィープ・ロッジ
6/15(火) レイクパウエル→ブライスキャニオン国立公園 160マイル
(258q)
 ブライスキャニオン・ロッジ
6/16(水) ブライスキャニオン国立公園→ザイオン国立公園 096マイル
(155q)
 ザイオン・パークイン
6/17(木) ザイオン国立公園→ラスベガス・レンタカー返却 165マイル
(266q)
 ベネチアン・ホテル
6/18(金) ラスベガス→ロサンゼルス日航JL069便/
 機中泊
6/19(土) /日付変更線通過/ → 関西国際空港

全走行距離 1091マイル(約1756Km) 1マイル=約1.6Km



 ★  はじめに  ★   〜還暦の挑戦〜


中学生の頃からか西部劇映画大好きであった私は、ジョンウェインやヘンリーフォンダ、ゲーリークーパーらの大ファンだった。格好よく馬に乗って赤茶けた大地を駆け抜け、インディアンと死闘を繰り広げる、あるいは悪人とのガンファイト、そんな映画を毎週のように飽きもせず映画館に見に行っていた。そして大きくなったらこうした映画の撮影現場、特に象徴的な風景であるモニュメントバレー(この名前は後年になって知った)へは是非行ってみたいと思っていた。

今から35年ほど前、アメリカをグレイハウンドのバスで周った。が、グランドキャニオンまではすぐ行けたがその先のモニュメントバレーは宿泊施設も少なく、バスの便も悪く車でしか行けないようだった。その当時はレンタカーを借りてまで行く勇気も金もなく、またいつの日か機会があったら行こうという思いで、憧れとして胸の奥にしまっていた。

それから人並みに結婚、子供の誕生、大病と人生いろいろの紆余曲折を経ていつのまにか還暦を迎えるまでになった。正に光陰矢のごとし、次第に体力・気力の衰えを感じるようになり、老いるということを意識しだした。そしてこのままズルズルと何とはなしに老いていくのかということを考えたとき、還暦の記念に後々になっても思い出せる何かをして、一つの区切りにしてみようという思いを抱いていた。しかしその何かがいろいろ考えても思いつかずモヤモヤとした気持ちを抱き続けていた。

平成15年の年末、何気なしにネットでホームページの旅行記を見ていてその中のグランドサークル旅行記に釘付けになった。何と多くの人がレンタカーでグランドサークルを周り、モニュメントバレーへ行ってるではないか。同年輩の人から小娘(失礼!)まで、これにはビックリした。「こんなに手軽に行けるのか、これだったら俺でも行けるがな!」それから2、3日は朝から晩までグランドサークル旅行記ばかり見続けていた。

そして平成16年(2004年)の元旦「そうだ!よーし俺も還暦の記念にレンタカーでグランドサークルを周ってくるぞ!」と、密かに決心したのだ。早速、旅行日と日数、コースを決め元旦の晩に最も予約の取り難いというグランドキャニオンで超人気の老舗エル・トバー・ホテルに速攻でネット予約を入れた。

そしたらシーズンの5月は満杯、6月の予約は1/5ほどしか空いてなかったが、運良く旅行予定日の6月12日(土)は3室空いていてこれまた速攻で一室を予約した。ネット予約を入れたのが元旦の夜12時少し前、その2分後には予約確認書のメールが届いた。いくら我が家が光ファイバーだと言ってもその反応の速さにはビックリだ。
次にこれまた予約の取り難いモニュメントバレーの有名なグールディングス・ロッジに予約を入れた。ところがこのロッジからは、3,4日してもウンともスンとも返事がない、しびれを切らしてもう一度予約を入れて2日待ったが同じく返事がない。どうもここのホームページ予約画面の不具合らしいと判り、今度はメールで予約日、日数、住所、氏名を書いて送った。すると半日ほどしてOKの返事がきて予約確認書も送られてきた。

このエル・トバー・ホテルEI Tovar Hotelとグールディングス・ロッジGoulding's Lodgeの二つがOKなら楽勝とばかりに、その他のロッジの予約は直ぐにはしなくて2月に入ってからネット予約しだしたがこの余裕が失敗だった。、レイクパウエルのワーウィープ・ロッジとブライスキャニオンのロッジは取れたが、ザイオンのロッジだけはどうしても満員でダメだった。ラスベガスのホテルについては出発1ケ月前でも充分間に合うと思ってしなかった。

さて旅行日、目的地、宿泊先は2月末には完璧に決まったがまだ家内ほか誰にも一言も言ってない、パソコンの中で静かに進行しているだけだ。結局家内に旅行の詳細を言ったのは4月初め、それもいきなりレンタカーで周ると言ったらビックリすると思い、今回は2人だけの個人旅行でグランドサークルをバスで周ると言って免疫をつけ、5月になって実はレンタカーで周ろうと思ってると白状だ。

もちろん最初はビックリしていたが「俺一人でも絶対行ってくるぞ!」という脅しが効いたのかどうか判らないが渋々OKだ。だが子供らには心配をさせてもということで帰ってくるまでレンタカーの事は一切話さなかった。こうして何とか家内も説得し計画も予定通り進み、レンタカー・飛行機・ラスベガスのホテル等の予約もネットで済ませ、その間に先輩達のホームページから様々な情報を吸収した。

改めてネット社会の便利さに感謝し、もしこうした情報が得られなくて一冊のガイドブックだけしかないとしたら、とてもじゃないがレンタカーで周ろうなどという考え自体も実行も起こらなかったと思う。
その意味で今回のレンタカー旅行はネット社会なればこそ成しえた旅行だと思っている。




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