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★ 第5日目6/15(火) レイクパウエル → ブライスキャニオン国立公園 ★ |
![]() レイク・パウエルのサンライズ |
午前5時過ぎ起床、ワーウィープ・ロッジの裏に出て湖の近くで日の出を待つ。大勢の人が日の出を見に出ているものと思っていたが、ほんの少人数の人しかいない。「そうかこんな素晴らしい湖畔のリゾートで1泊だけして早々と帰るバカは我々だけか?皆バカンスで来て最低でも一週間は泊まるらしいから日の出ぐらいいつでも見れるとゆったりと構えているのか?」。 午前8時ロッジのレストラン・レインボー・ルームでビュッフェ・スタイルの朝食。美しいパウエル湖を見下ろす見晴らしのよい展望レストランでの食事は大変美味しい。朝食後ロッジ周辺をブラブラと1時間ほど散歩。 このパウエル湖はグレン・キャニオンダムによってコロラド川がせき止められたために出来た世界で2番目に大きな人造湖、元々グレン・キャニオンはグランドキャニオンより美しい峡谷として知られていた所で、90以上の入り組んだ美しい渓谷があり、湖岸線は約3,200kmにも達する。 現在のように水を満々と湛えるようになるまで17年もかかったといわれ、青い水面と赤茶けた岩肌が織りなす異次元的な光景は、「猿の惑星」などのSF映画にも登場している。 パウエル湖はグレンキャニオン国立レクリエーション地域の一部で、この広大な地域に二ケ所しかない宿泊施設の1つがワーウィープ・ロッジ。このロッジを中心としてさまざまなウォーターアクティビティが楽しめる所として非常に人気が高い。湖面にはアメリカなればこそというハウスボートが漂っている。いってみれはキャンピングカーをボートに乗せたようなものでレンタルから買い取りもある。 食器、トイレ・風呂、衛星テレビ、エアコン完備で10人〜12人寝れるようになっているから家族やグループでレンタルして1週間ほど湖面を漂うのも楽しいに違いない。 ロッジの前にこのハウスボートが展示されていたので覗いてみたが、豪華に機能的にと造られていて日米レジャーのスケールと質の違いをまざまざと見せ付けられた感じがした。 このロッジからは各種ボートクルーズも催行されていて、当初はレインボーブリッジ国定公園の世界最大のナチュラルアーチ、レインボーブリッジ見学に行く予定だったが二人とも少し疲れが残ってる感じがしていたので往復5時間のボートクルーズは止めて、チェックアウトタイムの午前11時近くまで部屋で休み直前にチェックアウトする。 |
![]() 今日のコース、パウエル湖からブライスキャニオン国立公園 |
午前11時過ぎロッジを出発、ロッジ内の曲がりくねった道に迷いながらもなんとかUS-89号線に入り西へ、カナブKanabからブライスキャニオン国立公園を目指す。 カナブへの道は最初はナバホ族居留地と同じような赤茶けた不毛の荒野だが、いつの間にか草地となりカナブの町に近づくと木が生い茂る緑の多い土地に変化して行く、カナブの町は人口4500人の小さな町、山に囲まれた緑の多い落ち着いた上品で清潔な町という感じだ。 |
いままで周ってきた中では一番良い印象を受けるが、これはいままで見てきた多くが居留地内の広漠たる中にある町だったからかも知れない。 パウエル湖から約1時間20分でカナブに到着、マクドナルドで昼食。日本でも買い物に行ったついでにマクドナルドで食べることが多いから、アメリカで入っても違和感は少しもないがこちらの量多さにはビックリする。これはマクドナルドだけでなくケンタッキーフライドチキンやその他のレストランでも同じで特にコーラやジュース類の飲み物の量はすごい。日本のLサイズがこちらではSサイズ、Lサイズはその3倍ぐらいの量がある。 こちらはSサイズのコーラにサラダとチキンのヘルシーな食事なのにアメリカの子供らはLサイズのコーラをガブ飲みしながら特大のハンバーガーを貪り食っている。これじゃ肥満になるのは当然、その光景を見たら「おいおいお前らそんなにカブカブガツガツ食うなよ!お前らのせいで世界中が食料危機になるよ!」と言いたくなる。 このカナブの町はユタ州最南端にあり、直ぐ南はアリゾナ州との州境。ここからはザイオン国立公園、ブライスキャニオン国立公園、グランドキャニオン国立公園ノースリム(北壁)、レイクパウエルその他多くの州立公園等に日帰りで行ける便利な位置にあるため宿泊施設も多い。 またかって西部劇映画全盛期には多くの映画やテレビ番組がこの町の周辺で撮影され、「リトル・ハリウッド」とも呼ばれていた。今でも通りには西部劇やカウボーイの衣装が見られ何となくアメリカ西部の雰囲気を漂わせている。 カナブを後にしてUS-89号線を北に進む。17マイルでマウントカーメルジャンクションを通過、ここを西に行けばザイオン国立公園だがそれは明日のお楽しみにしてなおも北へ、途中対面通行の片側車線を通行止めにして 大規模な道路工事をしていて少し渋滞。こちらの建設機械、ブルドーザーやダンプカーは日本よりも大きくて狭い道ですれ違ったら怖いくらい。 工事現場を通り抜けると川や草原が広がり車も少ない気持ち良いドライブコースとなる。オートクルーズを制限速度の時速65マイルに設定して走り続ける。いつものことだがこの速度だと殆どの車は追い抜いていくが、そんなことはお構いなく周りの景色を楽しみながらマイペースで走行。 ところが州道12号線の山道に近づいてきたあたりからだんだんと雲行きがおかしくなってきた。 遠くには稲光が見え、こんな所で雨に降られたり雷に遭ったりしたら大変と先を急ぐが、州道12号線に入ったあたりからポツリポツリと雨が降り出し、さすがアメリカの雨粒は日本のよりも大きいなぁとか思いながら走っていると、数分もしないうちにバケツをひっくり返したようなという表現があるが、それ以上の滝の中を突き進むようなすさまじい雨が車を叩きつけ、雷もすぐ近くでピカッ、ドカーンと落ちだした。 ワイパーを最速にしてもあまり効果なくライトを点けても辺りは暗く、しかも道は叩きつけるような雨が跳ねて車のライトで光り道路の黄色い中央線や側道の白線も判らず、それに山道で右側は崖、路肩もなく止まることも出来ずライトで照らされる数メートル先を必死に凝視してスピードを落として走ったが、時たま対向車線に車が突然現れたりしてドキッとさされたりと時間にして10分か20分ぐらいと思うが、その間に味わった恐怖はもちろん初体験でこれは一生忘れられないだろう。 その大雨に降られた所が”レッド・キャニオン”という美しい峡谷地帯、この州道12号線は別名シーニック・バイウェイScenic BY WAYと呼ばれる景勝ドライブルートだが、しかしその美しい景色を見ることもなく通り過ぎた。このキャニオンを過ぎたあたりで皮肉にも雨も小降りになりほどなくして止んだ。明日も同じ道を通るので晴であることを祈る。 |
州道12号線から右折、ブライスキャニオン国立公園へ向かう州道63号線を南へ、15分ほどで公園ゲート通過、公園内唯一つのブライスキャニオン・ロッジに到着、フロントでチェックインも無事済ませ時計を見たら午後3時半、このロッジの部屋代127.50ドル(税込)。 「あ〜あヤレヤレ着いた命拾いしたなぁ〜!!」 ついでにロッジのレストランへ夕食の予約に行き、午後5時30分しか空いてないというのでその時間を予約。このロッジはフロント、レストラン、ギフトショップのある本館と、宿泊施設は別棟に別れ部屋はモーテル・タイプとキャビン・タイプがあり、我々はモーテル・タイプ。 本館前の駐車場からモーテル前の駐車場まで車で移動し部屋へ、夕食の午後5時30分までは2時間ぐらいの余裕があるが、小雨が降り出してきて散歩に外にも出られず部屋でシャワーして休憩だ。しばらくのんびりとガイドブックを読んだりして休んでいたら突然家内が素っ頓狂な声で 「ヒャーお父さん大変や!部屋の時計見て、もう5時20分や!」 「ナニ〜?」と自分の腕時計を見たら午後4時20分。 「シマッタ!ユタ州はサマータイムを採用していて1時間進んでるの忘れてた!」 さあそれから大変、大慌てで着替えして家内の頭なんか半乾き状態のままレストランに駆け込んだ。、予約時間の午後5時30分を少し過ぎていたがまあ許容の範囲内と思う。 それにしても2時間余裕があるからと散歩にでも出かけていたら、迷惑をかけていたところだから助かった思いだ。 今日は雨に苦しめられ雨に助けられたヘンテコな一日になった。 |
ここでアメリカの時差について少し説明してみると、国土の広いアメリカは国内で時差があり、本土は4つのタイムゾーン(標準時帯)に分かれ西海岸と東海岸では3時間の時差がある。 カリフォルニア州、ネバダ州は太平洋標準時(Pacific Standard Time: PST) ユタ州、アリゾナ州は山岳部標準時(Mountain Standard Time: MST)で2つの時間帯では1時間の時差がある。 さらに毎年4月から10月までサマータイム、アメリカでは”デイライトセービングタイム(Daylight Saving Time: DST)と呼ばれる“が導入され1時間進めている。ところがこのサマータイムも米本土で一律に導入していれば何の問題もないがアリゾナ州など一部の州では導入していない。 さらに混乱するのはアリゾナ州自体はサマータイムを実施してないが、州内にあるナバホ族居留地域は他の州と同じようにサマータイムを実施している。このため夏季はラスベガス(ネバダ州)とグランドキャニオン(アリゾナ州)は時間帯は違うが同じ時間になる。ところが同じアリゾナ州でもグランドキャニオンとモニュメントバレーのあるナバホ族居留地域では1時間の時差がある。 以上述べた時差、サマータイムを元にいままで周ってきた町の時間を示せば次のようになる。 上の地図も参考にして頂きたい。 |
ラスベガス(ネバダ州) ↓ グランドキャニオン(アリゾナ州) ↓ モニュメントバレー(アリゾナ州) ↓ ペイジ、レイクパウエル(アリゾナ州) ↓ ブライス・キャニオン国立公園(ユタ州) |
午前10時00分 午前10時00分 午前11時00分 午前10時00分 午前11時00分 |
こんなややこしいコトするな!責任者出て来い!と言いたくなるが、まあ他国のことはほって置いて旅行者はその時間に従わなければならない。ラスベガスで時計を合わせたまま周っていていままで正確な時間を気にする必要がなかっただけに、このブライス・キャニオンに来て初めて予約時間という正確な時間に直面して慌てた訳で、こんなことが無かったら時差も全然意識することなく周っていたと思う。 レストランではCanyon Steak をお腹一杯食べて大満足、外に出ると雨も上がっており腹ごなしに近くを散歩、太陽は少し雲に隠れて見えないが谷は夕焼けに染まり赤茶色に輝いていた。部屋に帰ってくつろぎ早々に就寝。 |