起動コマンド引数


 ここでは、本テキストエディタ( Epsaly.exe )を外部から起動する時の コマンド引数について、説明します。このコマンド引数には、

の2種類があります。 各引数の間には、1個以上の半角空白を入れる必要があります。各引数は、 指定されている順に(左から右に)処理されます。

 「ファイル名」で指定されたファイルが開かれる時、それまでに指定されている 各オプションが適用されます。そのため、その各オプションは、そのファイル名よりも前に 指定しておく必要があります。

 「ファイル名」で指定されたファイルが開かれた後、各オプション( /@ /p /w 以外)は、 デフォールトに戻ります。そのため、デフォールト以外のオプションでファイルを開く場合には、 各ファイルごとにそのオプションを指定する必要があります。


●オプション引数

 オプションは、必ず、/ (スラッシュ)で始まります。 / 以外の文字で始まる 引数は全て、ファイル名として扱われます。次に、各オプションを説明します。 なお、各オプションで使われる英字の大文字と小文字は区別されます。


コマンド引数ファイル:

 各引数は、直接、コマンドラインに指定するだけでなく、テキストファイルに 格納されている内容を、一連の引数として、指定することもできます。このような 用途で使うファイルを、「コマンド引数ファイル」と呼ぶことにします。

 このコマンド引数ファイルは、次のオプションで指定します。

  /@"..."

ここで、... に、コマンド引数ファイルを記述します。このパスは、絶対パスでも 相対パスでも構いません。相対パスの場合、現カレントパスが起点になります。

 例えば、カレントパスに、Edit.cmd というファイルがあって、その内容が、

  /e"Env-1" /zU /k180 File.txt

の場合、コマンド引数に、

  /@"Edit.cmd"

と指定するのは、その内容を直接指定するのと、同じ結果になります。

 もし、コマンド引数ファイルが、当該フォルダ内で見つからなければ、 インストールフォルダ内でも探します。

 コマンド引数ファイル内には、改行コードがあっても構いません。このファイル内の 改行コードは、半角空白と同様に扱われます。


 「セッションの保存」コマンドを 実行した時、その時点での各編集ウィンドウの状態が、指定のファイルに格納されますが、 このファイルは、コマンド引数ファイルになっています。一方、「セッションの復元」コマンドの 実行時には、指定されたファイルが、コマンド引数ファイルとして参照されます。 なお、このファイルは、必ずしも、「セッションの保存」コマンドの実行で生成されたものでなくても 構いません。任意のコマンド引数ファイルが指定できます。

 「セッションの保存/復元」のために使われるコマンド引数ファイルの拡張子は、 wls になりますが、この拡張子を、本エディタに関連付ける際のコマンド引数は、通常、本オプションを使って、 /@"%1" とします。

カレントパス:

 カレントパスは、引数で指定されるファイル名、/@ や /P のファイル指定、が、 相対パスの場合、その起点になります。カレントパスは、次のオプションで指定します。

  /p"..."

ここで、... に、カレントパス記述します。このパスは、絶対パスでも相対パスでも 構いません。相対パスの場合、現カレントパスが起点になります。

  例: /p"C:\Program Files\Epsaly\Phrases"
     /p".\Backup"

 このオプションで指定されたカレントパスは、それ以降、再度、/p オプションで、 変更されるまで、ずっと有効になります。

プロジェクト管理:

 プロジェクト管理ウィンドウを表示させるには、 次のオプションを指定します。

  /P"..."

ここで、... に、プロジェクトの 保存ファイル名を記述すると、そのプロジェクトツリーが表示されます。 このパスは、絶対パスでも相対パスでも構いません。 相対パスの場合、現カレントパスが起点になります。

  例: /P"X-Project.xpj"
     /P"D:\Programming\Tools\Test\Test.xpj"

なお、/P だけの場合は、空のプロジェクト管理ウィンドウが表示されます。 複数のプロジェクトがある場合は、各プロジェクトごとに、このオプションを 指定します。

ツールボックス:

 ツールボックス を表示させるには、 次のオプションを指定します。

  /P!

編集ウィンドウ一覧表示:

 編集ウィンドウ一覧 を表示させるには、 次のオプションを指定します。

  /w

このオプションが指定されていなければ、編集ウィンドウ一覧は、表示されません。 なお、このオプションは、一連の引数群のどこにあっても、構いません。

適用環境:

 編集ファイルに適用される環境は、その拡張子やパスから、自動的に選択されますが、 それを無視して、特定の環境を適用させたい場合には、次のオプションを指定します。

  /e"..."

ここで、... には、適用する環境の参照名を 規定します。( 例: /e"C++" )

文字コード系(符号化方式):

 編集ファイルは、それに適用される環境に設定されている文字コード系(符号化方式)で 読み込まれますが、特定の文字コード系で読み込まれるようにするには、次のオプションで 指定します。

/zA 自動判別
/zS Shift-JIS (標準)
/zT Shift-JIS (拡張)
/zE EUC-JP
/zJ JIS (ISO-2022-JP)
/zU UTF-16 (LE)
/zV UTF-16 (BE)
/z8 UTF-8
/z7 UTF-7
/zW 西ヨーロッパ語
/zC 簡体字中国語(GBK)
/zB 繁体字中国語(BIG5)
/zK ハングル (UHC)
/zY 東ヨーロッパ語
/zR キリル語
/zG ギリシャ語
/zQ トルコ語
/zH ヘブライ語
/zX アラビア語
/zL バルト言語
/zF ベトナム語
/zN タイ語
/zD UTF-32 (LE)
/zM UTF-32 (BE)

編集ウィンドウの表示状態:

/M 最大化表示状態で開く
/s 最小化(アイコン化)表示状態で開く
/h 隠蔽状態で開く
/d 同ファイルを二重に開かない(同ファイルへはジャンプする)

編集ウィンドウの表示位置(スクリーン座標系):

/X... 左上隅のX座標を ... に規定( 例: /X100 )
/Y... 左上隅のY座標を ... に規定( 例: /Y50 )

編集ウィンドウの表示サイズ(画素数):

/W... 編集ウィンドウの表示幅を ... に規定( 例: /X800 )
/H... 編集ウィンドウの表示高を ... に規定( 例: /Y700 )

テキスト表示領域のサイズ:

 テキスト表示領域のサイズは、環境設定の 初期サイズ が適用されますが、 特定のサイズにしたい場合には、次のオプションを指定します。

/C... 桁数を ... に規定( 例: /C88 )
/L... 行数を ... に規定( 例: /L28 )

折り返し桁数:

 折り返し桁数は、環境設定の値が 適用されますが、特定の桁数にしたい場合には、次のオプションを指定します。

/k... 折り返し桁数を ... に規定( 例: /k120 )

タブ間隔の桁数:

 タブ間隔の桁数は、環境設定の値が 適用されますが、特定の桁数にしたい場合には、次のオプションを指定します。

/t... タブ間隔の桁数を ... に規定( 例: /t8 )

なお、環境設定では複数の桁数が指定できましたが、ここでは、現状、単一の桁数しか 指定できません。

カーソル位置の復元:

 カーソル位置を、最近使ったファイルの履歴から復元するか否かは、環境設定で指定されていますが、

 /q

のオプションを指定すると、無条件にそれが行なわれなくなります。

カーソル行:

 カーソルが最初に位置する行は、次の各オプションで指定します。この指定がない場合、 最近使ったファイルの履歴から復元されるか、さもなければ、先頭行になります。

/j...  論理行番号( 例: /j100 )
/je  最後の論理行
/n...  表示行番号( 例: /n200 )
/ne  最後の表示行

カーソル桁:

 カーソルが最初に位置する桁は、次の各オプションで指定します。この指定がない場合、 最近使ったファイルの履歴から復元されるか、さもなければ、先頭桁になります。

/c...  表示桁( 例: /c10 )
/ce  最終桁
/i...  文字コードインデックス( 例: /i24 )
/ie  最終桁

アクティブ視点:

 「視点0〜3」のうち、最初にどれを アクティブにするかを、次のオプションで指定します。(デフォールトは、視点1)

/V... 最初のアクティブ視点を ... に規定( 例: /V2 )

視点0〜3のカーソル位置:

 「視点0〜3」の最初の位置は、 次の各オプションで指定します。

/0v... 視点0の位置( 例: /0v1234 )
/1v... 視点1の位置( 例: /1v2345 )
/2v... 視点2の位置( 例: /2v3456 )
/3v... 視点3の位置( 例: /3v4567 )

 ここで、... には、編集テキストの先頭からの文字コードインデックスを規定します。 このインデックスは、編集ファイルに格納されている文字コードでのインデックスはなく、 内部コード(UFT-16LE)に変換された編集テキストの文字コードでのインデックスです。

 これらのオプションは、「セッションの保存」等で、自動生成された「コマンド引数ファイル」内で 使われるもので、人が直接指定して使うことは、ほとんどありません。

 このオプションが省略された場合、その視点のカーソル位置は、 編集テキストの先頭になります。

画面内のカーソル行:

 次の各オプションは、最初のカーソル行の画面内の位置を指定します。

/b0  デフォールト
/b1  中央行
/b2  画面行数の1/3行目
/b3  画面行数の1/4行目
/b4  画面行数の1/5行目
/b5  現位置と同じ
/b6  最上行
/b7  上端から2行目
/b8  上端から3行目
/b9  上端から4行目
/b10  上端から5行目
/b11  最下行
/o... 上端から ... 行目( 例: /o12 )

各種 ON/OFF 指定:

 この種のオプションは、編集ウィンドウ内の各部の表示/非表示や、各種のモード の ON/OFF 状態を指定します。これは、次のように表記します。

/+... 各対象を ON に指定
/-... 各対象を OFF に指定

ここで、... には、次の各対象のうちの1つ以上を規定します。

T  ツールバー
D  桁番号欄
N  行番号欄
F  ファンクションキーバー
S1  ステータスバー(上段)
S2  ステータスバー(下段)
S3  ステータスバー(最下段)
l  行番号単位( OFF: 表示行、ON: 論理行 )
f  フリーカーソル
h  最近使ったファイルフォルダの履歴に登録しない
w  編集テキストへの書き込み禁止(編集禁止)
s  編集ファイルへの保存禁止
k  IME(日本語入力変換)
t  TAB コードの特殊記号表示
z  全角空白の特殊記号表示
n  改行コードの特殊記号表示
e  [EOF] 記号表示

これらの各指定がない場合、該当環境の設定が適用されます。例えば、

  /-DNS3

は、桁番号欄、行番号欄、ステータスバーが非表示で、その他は、該当環境の設定に 準拠するという指定になります。

 1つのオプション引数内に、複数の ON/OFF 指定を混在させて記述することも できます。例えば、

  /+N-l+w

は、行番号欄を表示行単位で表示し、編集テキストへの書き込みを禁止するという 指定になります。

タブ制御:

 タブの有無、所属グループ、タブバーの表示位置、タブボタンの並び順は、 次のオプションで指定します。

/Ts次に開くファイルに、タブグループを新設する(タブバーは表示)
/Th次に開くファイルに、タブグループを新設する(タブバーは隠す)
/Tc次に開くファイルは、前に開いた編集ウィンドウにタブがあれば、 そのタブグループに追加し、なければ、タブ無しにする
/Tx次に開くファイルは、タブ無しにする
/Tuタブバーを上側に表示する(全タブグループに適用)
/Tlタブバーを下側に表示する(全タブグループに適用)
/Tnタブバー内の各ボタンを名前順にソートする(全タブグループに適用)
/Teタブバー内の各ボタンを名前順にソートしない(全タブグループに適用)

 なお、/Ts /Th /Tc /Tx の指定がない(デフォールト)の場合については、 「ファイルを開いた時のタブ状態」で、 説明した通りです。
 /Tu /Tl /Tn /Te の指定がない場合、前の状態が継続されます。
 /Tc は、コマンド引数の2番目以降のファイルに対して指定する必要があります。

初期検索:

 編集ファイルを開いた後に、検索を行なって、カーソルを、その検索文字列が 見つかったところに移動させる場合に、次のオプションを指定します。

 /f..."..."

 ここで、/f 直後の ... には、「検索モード」「検索成功時」の条件を下記の ように指定し、二重引用符内の ... には、検索文字列を指定します。

検索モード
R正規表現を使用(メタ文字有効)
W検索文字列の前後は単語境界
I英字の大文字と小文字を同一視
Z全角と半角を同一視
Kひらかなとカタカナを同一視
D濁点・半濁点の有無を同一視
Sかなの大小を同一視
検索成功時
G一致文字列部を選択
Eカーソルを一致部の末尾へ移動
@部分一致優先
X選択範囲をカーソル位置まで拡張

 これらの条件は、ON の時にのみ、それに対応する文字を表記し、OFF の時は、 その文字を表記しません。なお、「部分一致優先」が ON の時は、@2 のように、 @ とその優先部の番号で表記します。

 次に、このオプションの例を示します。

  /fWG"abc"

は、「検索文字列の前後は単語境界」と「一致文字列部を選択」の検索モード だけが ON の条件で、abc という文字列を検索します。また、

  /fR"^[ \t]*$"

は、「正規表現を使用」で、空白だけの行を検索します。ちなみに、

  /f"xyz"

のように、検索文字列だけを指定した場合、全条件は OFF 指定になります。
 この /f オプションで行なう「初期検索」は、初期カーソル位置が指定されていない時は、 編集テキストの先頭から行なわれます。一方、初期カーソル位置が指定されている時は、そこから 行なわれます。いずれの場合も、検索文字列が最初に見つかったところに、カーソルが移動します。 もし、検索文字列が見つからなければ、カーソル位置は、検索開始時点のままです。

≪補足説明≫

 数値、または、文字列を伴うオプションでは、そのオプションの識別記号の次に、 = または : を入れても構いません。但し、半角空白を入れることはできません。

  例: /e="HTML" /j:100 /c:20


 二重引用符で囲った文字列を伴うオプションで、その文字列中に 二重引用符がある場合は、その中の各(1個の)二重引用符を2個の二重引用符に置き換えます。 例えば、

   printf( "hello, world\n" );

という二重引用符が2個含まれる文字列を初期検索するオプションは、次のようになります。

   /f"printf( ""hello, world\n"" );"


 文字列を伴うオプションでは、今まで、その文字列を二重引用符で囲う表記に ついて説明しましたが、その文字列内に、半角空白や二重引用符が含まれていなくて、 構文的に曖昧にならなければ、二重引用符の囲いは、無くてもかまいません。 しかし、二重引用符で囲っておく方が一般には無難です。 但し、/f の検索文字列は、必ず二重引用符で囲う必要があります。

ノードテキストの排他的編集:

 プロジェクトノードテキストの編集を排他的に行なう場合、次のオプションを指定します。 このオプションが無ければ、ノードテキストの編集は排他的にはなりません。

 /x

なお、このオプションは、ノードテキストの編集に対してのみ有効です。

ログ管理:

 本ソフトの動作ログを取る場合、次のオプションを指定します。

 /log

このオプションを指定しておくと、本ソフトがインストールされているフォルダ内に Epsaly.log という名前のログファイルが作成されて、そこに本ソフトの動作ログが保存されていきます。 このログファイルは、本ソフトに不具合等が発生した場合、その原因解明に非常に役立つことがあります。 本ソフトのバグ報告の際に、このログファイルを添付してくだされば、大いに助かる場合があります。

 現状、本ソフトの起動時に、ログファイルの前の内容は全て削除されて、 今回の内容が新たに書き込まれていきます。 また、このログファイルは、本ソフトの終了時に、クローズされます。 バグ発生時のログを送っていただく際には、このことにご注意ください。

 この /log オプションの指定がなければ、ログファイルは作成も更新もされず、 前の状態のままになります。


●ファイル名引数

 ファイル名引数には、編集対象のファイルを指定します。 このファイル名は、絶対パスでも相対パスでも構いません。 相対パスの場合、カレントパスが起点になります。

 ファイル名引数には、ワイルドカードを使用することができます。 この場合、そのワイルドカードに一致する全てのファイルが開かれます。 例えば、

   A*.txt

という指定では、ファイル名が A で始まり、拡張子が txt の全ファイルが 対象になります。

 ファイル名引数には、プロジェクト内のノードの名前を指定することもできます。 この場合、そのノードに保持されているテキストの編集ウィンドウが開かれます。 この指定は、次のような特殊な書式になります。

  〈番号〉=〈ノード名〉=

ここで、〈ノード名〉は、そのノードテキストがあるノードの名前です。 〈番号〉は、 X.Y または X または .Y の型式になります。 X は、プロジェクトが複数開かれている時に、何番目のプロジェクトなのかを示します。 プロジェクトが1つしかない場合、X は省略できます。 Y は、対象のプロジェクト内で、同じ〈ノード名〉が複数ある場合に、 その〈ノード名〉が何番目なのかを示します。 その〈ノード名〉と同じものが他にない場合、.Y は省略できます。 例えば、

   2=はじめに=

という指定では、2何番目のプロジェクト内の「はじめに」という名前のノードに 保持されているテキストが対象になります。 なお、この引数が処理される時点では、そのノードを含むプロジェクトが 既に開かれている必要があります。

 ファイル名引数に、半角空白が含まれている場合、その半角空白が引数の区切り として不正に扱われないように、そのファイル名引数全体を、二重引用符で囲う必要が あります。

 ファイル名引数なしに、本エディタが起動された場合、「無題」という名前の 編集ウィンドウが開かれます。