人事労務トピックス


人事労務トピックス :2025年

労務関係の主な改正点(令和7年4月〜) (2025.04)

今月から施行される労務関係の法改正について、以下に紹介いたします。実務に影響のある改正もありますので、誤った運用などしないよう、今一度確認しておきましょう。

<労務関係の主な改正点(令和7年4月〜)>
・雇用保険料率の改定(雇用保険の失業等給付に係る保険料率を0.1%引き下げ)
・出生後休業支援給付の創設(雇用保険)
 (子の出生後の一定期間内に両親がともに14日以上の育児休業を取得した場合に、既存の
  育児休業給付と合わせて休業開始前の手取り10割相当を支給)
・育児時短就業給付の創設(雇用保険)
 (子が2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合に、時短勤務時の賃金の10%を支給)
・雇用保険における自己都合離職者の給付制限の見直し
 (自己都合離職者の基本手当における原則の給付制限期間を2か月から1か月に短縮など)
・雇用保険高年齢雇用継続給付の給付率引下げ
 (最大給付率を各月に支払われた賃金額の15%から10%に引き下げ)
・子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
 (子の看護休暇の対象となる子の年齢を小学校3年生まで、所定外労働の制限 (残業免除) の
  対象となる子の年齢を小学校就学前まで拡大など)
・介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等
 (介護の申出をした労働者に対して、介護休業や介護両立支援制度等に関する事項の周知と
  利用の意向確認を個別に行うことを義務付けなど)
・育児休業の取得状況の公表義務の拡大
 (常時雇用労働者が1,000人超の事業主には、男性の育児休業等の取得状況を年1回公表する
  ことが義務付けられているところ、300人超の事業主に拡大)

雇用保険料率の変更 (2025.03)

 雇用保険法の改正により、令和7(2025)年度の雇用保険料率が変更され、本年4月から保険料率が、労働者負担分と事業主負担分を合わせて1,000分の1(0.1%)引き下げられることになりましたので、下記の通りご案内いたします。 従業員の給与計算時に影響がありますので、計算ミスのないようご留意ください。

<令和6年度>
・一般の事業     15.5/1000 (うち労働者負担 6/1000 ・ 事業主負担 9.5/1000)
・農林水産業等     17.5/1000 (うち労働者負担 7/1000 ・ 事業主負担 10.5/1000)
・建設業        18.5/1000 (うち労働者負担 7/1000 ・ 事業主負担 11/.51000)

<令和7年年度>
・一般の事業     14.5/1000 (うち労働者負担 5.5/1000 ・ 事業主負担 9/1000)
・農林水産業等     16.5/1000 (うち労働者負担 6.5/1000 ・ 事業主負担 10/1000)
・建設業        17.5/1000 (うち労働者負担 6.5/1000 ・ 事業主負担 11/1000)

尚、従業員数が多い企業では、労働保険の年度更新(労働保険料概算・確定申告)の申請時に、納付保険料額の影響が予想されますので、事前に担当部署へアナウンスしておくとよいでしょう。

改正育児・介護休業法の施行 (2025.02)

 本年(令和7年)の4月と10月に、男女ともに仕事と育児介護の両立ができることや育児期の柔軟な働き方を実現することを目的とした改正育児・介護休業法が施行されます。そこで主な改正内容について、下記にご紹介いたします。基本的に全ての企業に適用されます。

<令和7年4月1日施行>
・子の看護休暇の見直し
(対象となる子の範囲を、小学校就学前までから、小学校3年生修了までに拡大等)
・所定外労働(残業)免除の対象拡大
(対象となる労働者の範囲を、3歳未満の子から、小学校就学前まで養育する者に拡大)
・育児・介護のためのテレワーク導入等
(短時間勤務制度の代替措置にテレワーク追加、テレワーク導入の努力義務化)
・育児休業取得状況の公表義務適用拡大
(育児休業取得状況の公表義務を、300人超の企業に拡大)
・介護休暇を取得できる労働者の要件緩和
(継続6か月未満の労働者を除外できる仕組を撤廃)
・介護離職防止のための雇用環境整備、個別の周知・意向確認等
(研修、相談窓口設置等の措置の義務化、個別周知・意向確認の実施義務等)
<令和7年10月1日施行>
・柔軟な働き方を実現するための措置等
(3歳から小学校就学前の子を養育する者に柔軟な働き方を実現するための措置(始業時刻の変更、テレワーク等)を講じて、その措置の個別の周知・意向確認を義務化)

尚、詳細につきましては、下記の厚生労働省のホームページアドレスをご参照ください。
・https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf(厚生労働省資料)

「年末年始手当」の社会保険上の取扱い (2025.01)

 年末年始に勤務した場合に、いわゆる「年末年始手当」を従業員へ支給されている企業があるかと思います。この「年末年始手当」について、社会保険上は、原則「賞与」として取り扱う必要があります。 「手当」という名称から通常の賃金と同じだと判断し、賞与支払届を提出していない場合、年金事務所から指摘を受け、社会保険料の遡及支払いを求められるケースも見受けられますので、注意が必要です。  そこで、社会保険上の「賞与」の考え方と賞与支給時の手続について以下にご案内いたします。

<社会保険上の賞与>
 次のいすれにも該当する場合に、社会保険上の「賞与」として取扱う必要があります。
  @賃金、給料、俸給、手当等の毎月支給される「通常の報酬」以外のもの
  A年間を通じて 3 回以下の支給であるもの (3か月を超える期間ごとに支給されるもの)
 尚、 4 回以上支給されるものは標準報酬月額の対象となります。

<賞与支給時の手続>
 ・支給日から 5 日以内に、「被保険者賞与支払届」により支給額等の届出が必要です。 
 ・届出先は、管轄の年金事務所又は事務センターとなります。
 ・社会保険料は、賞与額(税引き前の総支給額)から1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料率(毎月の保険料と同率)を掛けた額です。 尚、賞与保険料は、事業主と被保険者が折半で負担します。
 ・標準賞与額には上限があり、健康保険では年度の累計額573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)、厚生年金保険は1カ月あたり150万円とされていますが、同月内に2回以上支給されるときは合算した額で上限額が適用されます。

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