天地成婚 ライン紀行/ Koblenz ▼ 天地の狭間で ガラス製の泉 竜の甲羅 落ちる水 N0.2 大理石製の遅延 《薔薇は命》 玉兔 シヤムの九天 ![]() H O M E |
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![]() ドイチェス・エックの基壇 photo 2011.7.24 ライン河を鎮める「鷲」。左右にそれぞれ三匹の蛇はライン河の支流を表象するのでろう。 Bad Godesbergからライン河左岸を各駅停車の鉄道で遡ること40分、Koblenzに到着する。 ヘルダーリンの詩に読むライン河は、アルプスの泉に発する。 そしてBad Godesbergを北限に葡萄を育む。 モーゼル・ワインで有名なモーゼル河はKoblenzでライン河に合流し、岬(Eck)を形成する。 街には、天地が出会う爽快さがある。 爽涼と天地が出会う岬哉 虚舟 |
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恵みの水に、泉(Quelle)が*宿る(weilen)。 泉に宿る岩には、大地の深い眠り。 大地は天から雨と露を付与される。 泉の水に、天地成婚が宿る。 葡萄の果実から授かるワインに、天地成婚が宿る。 葡萄には大地の栄養分と天の太陽熱が賦与されている。 ということで注ぎの恵みは、 クルーク のそのクルーク性である。 クルークの本質に、天地が宿る。 マーティン・ハイデガー 「物(Das Ding)」 1951 MARTIN HEIDEGGER, VORTRÄGE UND AUFSÄTZE, KLETT-COTTA, S.164-165. 【虚舟訳註】「宿る」(weilen) 「weilen」は「Weile」(時の間、休止)の動詞形で「留まる」、「滞在する」、 さらに「遅延する」の意味。 デュシャンの「ガラス製の遅延」を想起させるが、ともにアレゴリーに関係する。 「ドイチェス・エックの基壇」の「鷲」は、中国の「竜」を想起させる。 東海から来る「竜」は理性を、西山から来る「虎」は感情を象徴する。 しかしながら、「ニーベルンゲンの歌」の主人公、ジーフリトは竜を退治する。 その竜がライン河を象徴するとすれば「陰」、中国にいう「虎」で、感情の喩えになる。それに対して平野部から遡るジーフリトは「鷲」、それは理性の喩えなのだろう。 「鷲」は、蛇(支流)を従えたライン河の「竜」を抑制する。とすればジーフリトとクリエムヒルトの結婚は、理性と感情の中和。 ⇒ 張伯端『金丹四百字』(混沌) |
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