《プラハの錬金術師》
石川虚舟、2011
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石川虚舟 《 プラハの錬金術師 》 2011
プラハ旧市街の歩道は、大理石のピンコロ石。
プラハ城真下の「錬金術師」という名のホテル別館近くで、 白いピンコロ石の断片を採集。
そして1キロ程離れたヴァルタヴァ河近くの路地で、青い石。 正規のピンコロ石は立方体。
 
  秋空へ石段上るプラハ哉  虚舟
 
 
 
 
    2011年9月末日、チェコのプラハに向かう。 往路は、ライン河沿いのヴォルムスから、ハイデルベルグを経てニュルンベルグに一泊。復路は、ドレスデンに一泊して、マイセンとワイマールに立ち寄る三泊四日の旅。
    ニュルンベルグでは、レニ・リーフェンシュタール監督のドキュメンタリー映画『意志の勝利』の舞台、ツェッペリンフェルトを見学。90歳代の彼女がインタビューに登場する光景以上に廃墟感。正面観覧席下は、スケボーやロラースケート用にアスファルト舗装されているが、第二次大戦の爆撃以来、全く放置されている状況。ヒトラーが演説した演壇に立って、突撃隊の行進シ ーンを思い浮かべる。「意志(意思?)の敗北」の跡。
    プラハの旧市街は古い街並がそのまま残り、観光客で溢れる。旧市街の真ん中をヴァルタヴァ河が流れ、石のカレル橋が架かる。宿泊したホテルは、16世紀初頭の建物内部をリフォームし、ごく最近にオープンしたもの。「錬金術師」というホテルの、その小さな別館にはエレヴェータが設置され、室内設備はモダニティ。石造建築の内部空間は、『老子』第11章の「虚」、そしてハイデガーのLichtungを想起させる。
    プラハでも、古い市庁舎にプロジェクターで投影するイヴェント。広場で古い石造建造物に光を投影するLicht−spielの共通性は、今後、考察すべき問題のように思う。(cf. バウハウスのモホイ=ナジ、等の実践。ボン美術館の書店で『Kunst
Licht Spiele/Lichtästhetik der klassischen Avantgarde』を購入。)
    帰路、ワイマールのバウハウス美術館に立ち寄った後、 バウハウス大学という名で東西ドイツの統合後、新しく生まれ変わったキャンバスを見学。 ヴァン・デ・ヴェルデ設計の当時の本館はそのまま残っていた。新大学の構想を参照しながら、 「すべての芸術は建築に統合される」についての建築家の自己中心的解釈を脱し、 ワイマールのバウハウス教育を「デザイン教育の根源」として再考する必要がある。