一句集:全同人、全会員参加の誌上句会
令7、5月号一句集(第672回)(730号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
石垣に残る戦火や冬はじめ 上田 芳枝
水時計発祥の地や龍の玉 北沢 恭子
空白のなき一年よ日記果つ 田中 道代
つぶやきの全て消えたる初日かな 北畠 誠
特 選 息災は母ゆずりなり冬帽子 上田 圭子
楠 田 かつ子 選
妻の吐く毒舌にも慣れ年暮るる 草信 勝之
宿裏はすぐ日本海千鳥鳴く 田中 美月
空白のなき一年よ日記果つ 田中 道代
特 選 枯野行くもう会えぬ友偲びつつ 大前 邦子
田 中 美 月 選
マスクして無口女になりすます 山口ちあき
紅梅の空うつくしき天守閣 安孫子一山人
息災は母ゆづりなり冬帽子 上田 圭子
人生は下り坂かな山眠る 松岡 節子
特 選 音たてて発つ鴨陣を解かぬ鴨 楠田かつ子
石垣に残る戦火や冬はじめ 上田 芳枝
水時計発祥の地や龍の玉 北沢 恭子
空白のなき一年よ日記果つ 田中 道代
つぶやきの全て消えたる初日かな 北畠 誠
特 選 息災は母ゆずりなり冬帽子 上田 圭子
妻の吐く毒舌にも慣れ年暮るる 草信 勝之
宿裏はすぐ日本海千鳥鳴く 田中 美月
空白のなき一年よ日記果つ 田中 道代
特 選 枯野行くもう会えぬ友偲びつつ 大前 邦子
マスクして無口女になりすます 山口ちあき
紅梅の空うつくしき天守閣 安孫子一山人
息災は母ゆづりなり冬帽子 上田 圭子
人生は下り坂かな山眠る 松岡 節子
特 選 音たてて発つ鴨陣を解かぬ鴨 楠田かつ子
互選高点句より
15点 妻の吐く毒舌にも慣れ年暮るる 勝 之
11点 マスクして無口女になりすます ちあき
10点 紅梅の空うつくしき天守閣 一山人
石垣に残る戦火や冬はじめ 芳 枝
9点 きさらぎや風のサインは変化球 邦 夫
8点 空白のなき一年よ日記果つ 道 代
枯野行くもう会えぬ友偲びつつ 邦 子
7点 銀杏枯れ尽せぬ言葉黙とする 知 美
6点 風に来て風に消えゆく風花ぞ けい子
清談の庵にいつしか時雨訪ふ 重 悟
まねき上げ終へて師走の京の朝 康 子
柚子二個で息災想ふ冬至の湯 みのる
湯の街の蟹の行商しぐれをり 千鶴子
水時計発祥の地や龍の玉 恭 子
5点 音たてて発つ鴨陣を解かぬ鴨 かつ子
息災は母ゆずりなり冬帽子 圭 子
電飾を巻かれ憂き世や冬木の芽 佰 代
宿裏はすぐ日本海千鳥鳴く 美 月
つぶやきの全て消えたる初日かな 誠
15点 妻の吐く毒舌にも慣れ年暮るる 勝 之
11点 マスクして無口女になりすます ちあき
10点 紅梅の空うつくしき天守閣 一山人
石垣に残る戦火や冬はじめ 芳 枝
9点 きさらぎや風のサインは変化球 邦 夫
8点 空白のなき一年よ日記果つ 道 代
枯野行くもう会えぬ友偲びつつ 邦 子
7点 銀杏枯れ尽せぬ言葉黙とする 知 美
6点 風に来て風に消えゆく風花ぞ けい子
清談の庵にいつしか時雨訪ふ 重 悟
まねき上げ終へて師走の京の朝 康 子
柚子二個で息災想ふ冬至の湯 みのる
湯の街の蟹の行商しぐれをり 千鶴子
水時計発祥の地や龍の玉 恭 子
5点 音たてて発つ鴨陣を解かぬ鴨 かつ子
息災は母ゆずりなり冬帽子 圭 子
電飾を巻かれ憂き世や冬木の芽 佰 代
宿裏はすぐ日本海千鳥鳴く 美 月
つぶやきの全て消えたる初日かな 誠
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令7、4月号一句集(第671回)(729号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
掃き寄せて落葉のハート若き僧 服部 康子
行く人に慕情かさなる枯葉かな 芝 惠子
庵への風の抜け道秋海棠 愛須 淑子
石清水野鳥寿ぐ七五三 大橋 保司
特 選 紺碧の空を画布とし冬ざくら 田中 美月
楠 田 かつ子 選
故郷の日の香風の香梅探る 大前 邦子
しぐるるや弥勒菩薩に微笑まれ 安孫子一山人
純粋と言ふ気づまりや白障子 守作けい子
特 選 狸小路に茶団子三串時雨けり 上田 圭子
田 中 美 月 選
晩節や素直に生きよ大根炊き 山下あつ子
手にこぼれ地にこぼれたる零余子かな 黒澤喜美枝
庵への風の抜け道秋海棠 愛須 淑子
遠き世の歴史を秘めて初明り 前田千加子
特 選 故郷の日の香風の香梅探る 大前 邦子
掃き寄せて落葉のハート若き僧 服部 康子
行く人に慕情かさなる枯葉かな 芝 惠子
庵への風の抜け道秋海棠 愛須 淑子
石清水野鳥寿ぐ七五三 大橋 保司
特 選 紺碧の空を画布とし冬ざくら 田中 美月
故郷の日の香風の香梅探る 大前 邦子
しぐるるや弥勒菩薩に微笑まれ 安孫子一山人
純粋と言ふ気づまりや白障子 守作けい子
特 選 狸小路に茶団子三串時雨けり 上田 圭子
晩節や素直に生きよ大根炊き 山下あつ子
手にこぼれ地にこぼれたる零余子かな 黒澤喜美枝
庵への風の抜け道秋海棠 愛須 淑子
遠き世の歴史を秘めて初明り 前田千加子
特 選 故郷の日の香風の香梅探る 大前 邦子
互選高点句より
7点 故郷の日の香風の香梅探る 邦 子
庵への風の抜け道秋海棠 淑 子
6点 小春日や屋根に居眠る鬼瓦 道 明
晩節や素直に生きよ大根炊き あつ子
5点 純粋と言ふ気づまりや白障子 けい子
4点 小春日や杖の十歩をふり返る 文 子
冬夕焼雅楽の終はるやうに果つ 邦 夫
手にこぼれ地にこぼれたる零余子かな 喜美枝
昨日今日明日もおでんひとりなり 茉 美
紺碧の空を画布とし冬ざくら 美 月
7点 故郷の日の香風の香梅探る 邦 子
庵への風の抜け道秋海棠 淑 子
6点 小春日や屋根に居眠る鬼瓦 道 明
晩節や素直に生きよ大根炊き あつ子
5点 純粋と言ふ気づまりや白障子 けい子
4点 小春日や杖の十歩をふり返る 文 子
冬夕焼雅楽の終はるやうに果つ 邦 夫
手にこぼれ地にこぼれたる零余子かな 喜美枝
昨日今日明日もおでんひとりなり 茉 美
紺碧の空を画布とし冬ざくら 美 月
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令7、3月号一句集(第670回)(728号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
新酒酌む父の民謡あてにして 上田 芳枝
捥ぎ立てを家族総出の梨売り場 住谷 幸代
柿熟るるまた古里を語る妻 佐藤ひとし
空澄みて今年も酸橘届くころ 愛須 淑子
特 選 縁側の無き家に住みつづれさせ 竹中 則子
楠 田 かつ子 選
父母よりも妻との月日鰯雲 守作けい子
縁側の無き家に住みつづれさせ 竹中 則子
千万の葉先の雫秋の虹 沖津 京子
特 選 黄落や大佛殿の鴟尾の燦 後藤 昌弘
田 中 美 月 選
新酒酌む父の民謡あてにして 上田 芳枝
一人居の問うて答ふる夜長かな 上田 圭子
風の橋渡るもみそぎ除夜詣 藤川 毅
香り立ち夕闇和む金木犀 松平 美子
特 選 黄落や大佛殿の鴟尾の燦 後藤 昌弘
新酒酌む父の民謡あてにして 上田 芳枝
捥ぎ立てを家族総出の梨売り場 住谷 幸代
柿熟るるまた古里を語る妻 佐藤ひとし
空澄みて今年も酸橘届くころ 愛須 淑子
特 選 縁側の無き家に住みつづれさせ 竹中 則子
父母よりも妻との月日鰯雲 守作けい子
縁側の無き家に住みつづれさせ 竹中 則子
千万の葉先の雫秋の虹 沖津 京子
特 選 黄落や大佛殿の鴟尾の燦 後藤 昌弘
新酒酌む父の民謡あてにして 上田 芳枝
一人居の問うて答ふる夜長かな 上田 圭子
風の橋渡るもみそぎ除夜詣 藤川 毅
香り立ち夕闇和む金木犀 松平 美子
特 選 黄落や大佛殿の鴟尾の燦 後藤 昌弘
互選高点句より
12点 父母よりも妻との月日鰯雲 けい子
柿熟るるまた古里を語る妻 ひとし
9点 コスモスや揺れゐて影のまとまらず 道 代
8点 侘助やつむじ風起つ躙り口 一山人
一人居の問うて答ふる夜長かな 圭 子
7点 七度目の己年を迎ふ福寿草 恭 子
ちちははの齢をもらひ秋高し 静 代
黄落や大佛殿の鴟尾の燦 昌 弘
6点 鳥声の空に抜けゆく秋の渓 知 実
八ツ棟の梲に家紋初しぐれ 美 月
5点 暗き町明るき街も十三夜 道 明
ひよどりの斜めに切つて五線の塀 貞 子
昔日の人のその後や秋の風 三恵子
風の橋渡るもみそぎ除夜詣 毅
許されよ生きる手立てよ草虱 と し
縁側の無き家に住みつづれさせ 則 子
朝日浴び芒は銀の糸となり 喜美枝
遅れ来し秋足早やによそほふや 千寿子
12点 父母よりも妻との月日鰯雲 けい子
柿熟るるまた古里を語る妻 ひとし
9点 コスモスや揺れゐて影のまとまらず 道 代
8点 侘助やつむじ風起つ躙り口 一山人
一人居の問うて答ふる夜長かな 圭 子
7点 七度目の己年を迎ふ福寿草 恭 子
ちちははの齢をもらひ秋高し 静 代
黄落や大佛殿の鴟尾の燦 昌 弘
6点 鳥声の空に抜けゆく秋の渓 知 実
八ツ棟の梲に家紋初しぐれ 美 月
5点 暗き町明るき街も十三夜 道 明
ひよどりの斜めに切つて五線の塀 貞 子
昔日の人のその後や秋の風 三恵子
風の橋渡るもみそぎ除夜詣 毅
許されよ生きる手立てよ草虱 と し
縁側の無き家に住みつづれさせ 則 子
朝日浴び芒は銀の糸となり 喜美枝
遅れ来し秋足早やによそほふや 千寿子
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令7、2月号一句集(第669回)(727号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
野地蔵を片手拝みに夕野分 本庄 文子
椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 田中 美月
フラメンコ上手にをどり風の罌粟 佐久間さと子
川の名を変るあたりの秋の水 田中 道代
特 選 施餓鬼会や寺の子どものかいがいし 上田 芳枝
楠 田 かつ子 選
爽やかに昭和に返るロケの町 守作けい子
椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 田中 美月
稲妻が眠りを覚ます播磨灘 土井 重悟
フラメンコ上手にをどり風の罌粟 佐久間さと子
特 選 丸木橋は定員一人草の花 上田 圭子
田 中 美 月 選
花蕎麦にとりとめもなき風の向 藤川 毅
捨舟の波ひたひたと昼の虫 中野千鶴子
折紙のメダルの届く敬老日 松岡 節子
特 選 丸木橋は定員一人草の花 上田 圭子
野地蔵を片手拝みに夕野分 本庄 文子
椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 田中 美月
フラメンコ上手にをどり風の罌粟 佐久間さと子
川の名を変るあたりの秋の水 田中 道代
特 選 施餓鬼会や寺の子どものかいがいし 上田 芳枝
爽やかに昭和に返るロケの町 守作けい子
椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 田中 美月
稲妻が眠りを覚ます播磨灘 土井 重悟
フラメンコ上手にをどり風の罌粟 佐久間さと子
特 選 丸木橋は定員一人草の花 上田 圭子
花蕎麦にとりとめもなき風の向 藤川 毅
捨舟の波ひたひたと昼の虫 中野千鶴子
折紙のメダルの届く敬老日 松岡 節子
特 選 丸木橋は定員一人草の花 上田 圭子
互選高点句より
11点 丸木橋は定員一人草の花 圭 子
10点 折紙のメダルの届く敬老日 節 子
寺田屋の隣は質屋木槿咲く ひとし
9点 椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 美 月
8点 仕舞ひ風呂の星のひとつや鉦叩 佰 代
野地蔵を片手拝みに夕野分 文 子
7点 幾度も迎へに出づる良夜かな 知 美
物差しの墨字は父ぞ秋の声 敏 子
6点 高高と夕日を捉へ榠の実 貞 子
捨舟の波ひたひたと昼の虫 千鶴子
5点 爽やかに昭和に返るロケの町 けいこ
この川の上は故郷花野行 邦 子
11点 丸木橋は定員一人草の花 圭 子
10点 折紙のメダルの届く敬老日 節 子
寺田屋の隣は質屋木槿咲く ひとし
9点 椋鳥の騒ぎをさまる一樹かな 美 月
8点 仕舞ひ風呂の星のひとつや鉦叩 佰 代
野地蔵を片手拝みに夕野分 文 子
7点 幾度も迎へに出づる良夜かな 知 美
物差しの墨字は父ぞ秋の声 敏 子
6点 高高と夕日を捉へ榠の実 貞 子
捨舟の波ひたひたと昼の虫 千鶴子
5点 爽やかに昭和に返るロケの町 けいこ
この川の上は故郷花野行 邦 子
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令7、1月号一句集(第668回)(726号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
山畑のうねりあらはに霧流る 大前 邦子
親方へ返事清しき松手入れ 本庄 文子
送り火の燃え殻雨に匂ひけり 山口 晴空
名を知るも知らぬも親し秋の草 田中 道代
特 選 サングラス外して上る母の家 広渡 とし
楠 田 かつ子 選
秋灯の薄く点りぬ過疎の村 安孫子一山人
どこまでも大夕焼の車窓かな 沖津 京子
あの犬と過ごしたベンチ秋の星 櫻井 綾
海に向く棚田百枚稲の花 田中 美月
特 選 親方へ返事清しき松手入れ 本庄 文子
田 中 美 月 選
秋耕や街喧噪の中に打つ 谷口 一夫
山畑のうねりあらはに霧流る 大前 邦子
あたふたと暮らし気付けば法師蟬 鈴木かず子
名を知るも知らぬも親し秋の草 田中 道代
特 選 町娘の役は喜寿とや村芝居 上田 圭子
山畑のうねりあらはに霧流る 大前 邦子
親方へ返事清しき松手入れ 本庄 文子
送り火の燃え殻雨に匂ひけり 山口 晴空
名を知るも知らぬも親し秋の草 田中 道代
特 選 サングラス外して上る母の家 広渡 とし
秋灯の薄く点りぬ過疎の村 安孫子一山人
どこまでも大夕焼の車窓かな 沖津 京子
あの犬と過ごしたベンチ秋の星 櫻井 綾
海に向く棚田百枚稲の花 田中 美月
特 選 親方へ返事清しき松手入れ 本庄 文子
秋耕や街喧噪の中に打つ 谷口 一夫
山畑のうねりあらはに霧流る 大前 邦子
あたふたと暮らし気付けば法師蟬 鈴木かず子
名を知るも知らぬも親し秋の草 田中 道代
特 選 町娘の役は喜寿とや村芝居 上田 圭子
互選高点句より
16点 名を知るも知らぬも親し秋の草 道 代
12点 サングラス外して上る母の家 と し
海に向く棚田百枚稲の花 美 月
10点 解禁の夜明けの静寂鮎釣師 ひとし
親方へ返事清しき松手入れ 文 子
9点 山畑のうねりあらはに霧流る 邦 子
町娘の役は喜寿とや村芝居 圭 子
8点 秋灯の薄く灯りぬ過疎の村 一山人
7点 送り火の燃え殻雨に匂ひけり 晴 空
6点 どこまでも大夕焼の車窓かな 京 子
逃げ足の影まで速し夜の蜘蛛 毅
5点 秋耕や街喧噪の中に打つ 一 夫
あの犬と過ごしたベンチ秋の星 綾
赤のまま何処か子を呼ぶ夕餉時 千加子
煩悩を堀り出し秋の墓終ひ 八重子
16点 名を知るも知らぬも親し秋の草 道 代
12点 サングラス外して上る母の家 と し
海に向く棚田百枚稲の花 美 月
10点 解禁の夜明けの静寂鮎釣師 ひとし
親方へ返事清しき松手入れ 文 子
9点 山畑のうねりあらはに霧流る 邦 子
町娘の役は喜寿とや村芝居 圭 子
8点 秋灯の薄く灯りぬ過疎の村 一山人
7点 送り火の燃え殻雨に匂ひけり 晴 空
6点 どこまでも大夕焼の車窓かな 京 子
逃げ足の影まで速し夜の蜘蛛 毅
5点 秋耕や街喧噪の中に打つ 一 夫
あの犬と過ごしたベンチ秋の星 綾
赤のまま何処か子を呼ぶ夕餉時 千加子
煩悩を堀り出し秋の墓終ひ 八重子
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12月号一句集(第667回)(725号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 恒藤 邦夫
肩車されてゆく子の祭髪 田中 美月
草川の水音やさしき魂迎 大平 静代
もう一度名月拝し戸を閉める 愛須 淑子
特 選 帆柱の奥に綾なす花火かな 土井 重悟
楠 田 かつ子 選
解禁の夜明けの静寂鮎釣師 佐藤ひとし
肩車されてゆく子の祭髪 田中 美月
夜もすがら郡上踊りの下駄の音 住谷 幸代
草川の水音やさしき魂迎 大平 静代
特 選 若者の一管涼し囃方 守作けい子
田 中 美 月 選
若者の一管涼し囃方 守作けい子
海峡の空奪ひとる秋の雲 安孫子康夫
飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 恒藤 邦夫
筆まめの母の筆跡涼しけれ 上田 圭子
特 選 夜もすがら郡上踊りの下駄の音 住谷 幸代
飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 恒藤 邦夫
肩車されてゆく子の祭髪 田中 美月
草川の水音やさしき魂迎 大平 静代
もう一度名月拝し戸を閉める 愛須 淑子
特 選 帆柱の奥に綾なす花火かな 土井 重悟
解禁の夜明けの静寂鮎釣師 佐藤ひとし
肩車されてゆく子の祭髪 田中 美月
夜もすがら郡上踊りの下駄の音 住谷 幸代
草川の水音やさしき魂迎 大平 静代
特 選 若者の一管涼し囃方 守作けい子
若者の一管涼し囃方 守作けい子
海峡の空奪ひとる秋の雲 安孫子康夫
飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 恒藤 邦夫
筆まめの母の筆跡涼しけれ 上田 圭子
特 選 夜もすがら郡上踊りの下駄の音 住谷 幸代
互選高点句より
20点 肩車されてゆく子の祭髪 美 月
12点 若者の一管涼し囃方 けい子
11点 夜もすがら郡上踊りの下駄の音 幸 代
10点 解禁の夜明けの静寂鮎釣師 ひとし
心太突けば光りの川生まる 則 子
8点 飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 邦 夫
もう一度名月拝し戸を閉める 淑 子
7点 筆まめの母の筆跡涼しけれ 圭 子
万緑の包みきれざる電波塔 昌 弘
6点 人住まぬ家の留守番青大将 勝 之
老いもまたいのち削りて蟬時雨 道 明
ビル伸びるクレーンも伸びる蜻蛉舞ふ 芳 枝
片蔭に身を寄せ積もる話かな 文 子
20点 肩車されてゆく子の祭髪 美 月
12点 若者の一管涼し囃方 けい子
11点 夜もすがら郡上踊りの下駄の音 幸 代
10点 解禁の夜明けの静寂鮎釣師 ひとし
心太突けば光りの川生まる 則 子
8点 飛び石のほどよき間合ひ夏座敷 邦 夫
もう一度名月拝し戸を閉める 淑 子
7点 筆まめの母の筆跡涼しけれ 圭 子
万緑の包みきれざる電波塔 昌 弘
6点 人住まぬ家の留守番青大将 勝 之
老いもまたいのち削りて蟬時雨 道 明
ビル伸びるクレーンも伸びる蜻蛉舞ふ 芳 枝
片蔭に身を寄せ積もる話かな 文 子
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11月号一句集(第666回)(724号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
一水へ倒して竹を伐りにけり 佐久間さと子
三叉路に標となりて立葵 後藤 昌弘
鍵穴の小さき闇や梅雨じめり 上田 圭子
万緑のただ中にある石舞台 沖津 京子
特 選 過ぎし日へつながつている夏野かな 田中 道代
楠 田 かつ子 選
もう空を映さぬ風の青田かな 本庄 文子
万緑や天女の像をみ扉に 中野千鶴子
過ぎし日へつながつている夏野かな 田中 道代
遠き日の父母の声聞く田植時 山根八重子
特 選 芍薬にポンと触れ行く漢かな 竹中 則子
田 中 美 月 選
芍薬にポンと触れ行く漢かな 竹中 則子
万緑のただ中にある石舞台 沖津 京子
父の日や父の十八番の歌謡曲 住谷 昭代
麦笛の曲はポップス散歩道 北沢 恭子
特 選 三叉路に標となりて立葵 後藤 昌弘
一水へ倒して竹を伐りにけり 佐久間さと子
三叉路に標となりて立葵 後藤 昌弘
鍵穴の小さき闇や梅雨じめり 上田 圭子
万緑のただ中にある石舞台 沖津 京子
特 選 過ぎし日へつながつている夏野かな 田中 道代
もう空を映さぬ風の青田かな 本庄 文子
万緑や天女の像をみ扉に 中野千鶴子
過ぎし日へつながつている夏野かな 田中 道代
遠き日の父母の声聞く田植時 山根八重子
特 選 芍薬にポンと触れ行く漢かな 竹中 則子
芍薬にポンと触れ行く漢かな 竹中 則子
万緑のただ中にある石舞台 沖津 京子
父の日や父の十八番の歌謡曲 住谷 昭代
麦笛の曲はポップス散歩道 北沢 恭子
特 選 三叉路に標となりて立葵 後藤 昌弘
互選高点句より
17点 過ぎし日へつながつている夏野かな 道 代
12点 舞殿をすいと夏越の風過ぐる 毅
10点 戦せる国をはるかに夜の新樹 静 代
8点 三叉路に標となりて立葵 昌 弘
七月の岬は蒼に囲まるる 康 夫
鍵穴の小さき闇や梅雨じめり 圭 子
部屋干しに「蹴り」を入れる子梅雨最中 邦 夫
7点 芍薬にポンと触れ行く漢かな 則 子
遺されし者が語りて敗戦忌 けい子
もう空を映さぬ風の青田かな 文 子
麦笛の曲はポップス散歩道 恭 子
遠き日の父母の声聞く田植時 八重子
6点 まるでアート梅雨を彩る傘の花 邦 子
万緑のただ中にある石舞台 京 子
17点 過ぎし日へつながつている夏野かな 道 代
12点 舞殿をすいと夏越の風過ぐる 毅
10点 戦せる国をはるかに夜の新樹 静 代
8点 三叉路に標となりて立葵 昌 弘
七月の岬は蒼に囲まるる 康 夫
鍵穴の小さき闇や梅雨じめり 圭 子
部屋干しに「蹴り」を入れる子梅雨最中 邦 夫
7点 芍薬にポンと触れ行く漢かな 則 子
遺されし者が語りて敗戦忌 けい子
もう空を映さぬ風の青田かな 文 子
麦笛の曲はポップス散歩道 恭 子
遠き日の父母の声聞く田植時 八重子
6点 まるでアート梅雨を彩る傘の花 邦 子
万緑のただ中にある石舞台 京 子
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10月号一句集(第665回)(723号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
代泰山木咲いて青空深くせり 大前 邦子
四十雀に警戒さるる径かな 楠田かつ子
この星の安寧願ふ葱坊主 芝 惠子
三文を払つて眠る春の朝 草信 勝之
特 選 霊峰はマグマを抱き雲の峰 安孫子康夫
楠 田 かつ子 選
梅雨きざすドアの軋みの二度三度 北沢 恭子
泰山木咲いて青空深くせり 大前 邦子
覚めやらぬ抜歯の麻酔半夏生 倉坂 桑史
青梅雨や境内よぎる巫女の傘 中野千鶴子
特 選 散らむとす薔薇の艶めく宵のカフェ 醒井 龍子
田 中 美 月 選
窓全開五月の風のほしいまま 沖津 京子
えごの花仰ぐ天蓋降りそそぐ 松平 美子
牛蛙鳴くや堂塔ゆするかに 山口 晴空
サックスの音の広がり新樹光 恒藤 邦夫
特 選 霊峰はマグマを抱き雲の峰 安孫子康夫
代泰山木咲いて青空深くせり 大前 邦子
四十雀に警戒さるる径かな 楠田かつ子
この星の安寧願ふ葱坊主 芝 惠子
三文を払つて眠る春の朝 草信 勝之
特 選 霊峰はマグマを抱き雲の峰 安孫子康夫
梅雨きざすドアの軋みの二度三度 北沢 恭子
泰山木咲いて青空深くせり 大前 邦子
覚めやらぬ抜歯の麻酔半夏生 倉坂 桑史
青梅雨や境内よぎる巫女の傘 中野千鶴子
特 選 散らむとす薔薇の艶めく宵のカフェ 醒井 龍子
窓全開五月の風のほしいまま 沖津 京子
えごの花仰ぐ天蓋降りそそぐ 松平 美子
牛蛙鳴くや堂塔ゆするかに 山口 晴空
サックスの音の広がり新樹光 恒藤 邦夫
特 選 霊峰はマグマを抱き雲の峰 安孫子康夫
互選高点句より
8点 霊峰はマグマを抱き雲の峰 康 夫
7点 野路ゆけばやさしきものに姫女菀 けい子
6点 うつすらと山影の置く蛍の夜 毅
牛蛙鳴くや堂塔ゆするかに 晴 空
5点 梅雨きざすドアの軋みの二度三度 恭 子
泰山木咲いて青空深くせり 邦 子
この星の安寧願ふ葱坊主 惠 子
梅雨晴れ間あれもこれもと腕まくり 宗 子
サックスの音の広がり新樹光 邦 夫
8点 霊峰はマグマを抱き雲の峰 康 夫
7点 野路ゆけばやさしきものに姫女菀 けい子
6点 うつすらと山影の置く蛍の夜 毅
牛蛙鳴くや堂塔ゆするかに 晴 空
5点 梅雨きざすドアの軋みの二度三度 恭 子
泰山木咲いて青空深くせり 邦 子
この星の安寧願ふ葱坊主 惠 子
梅雨晴れ間あれもこれもと腕まくり 宗 子
サックスの音の広がり新樹光 邦 夫
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9月号一句集(第664回)(722号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
新しき風の行き交ふビル四月 服部 康子
遠足のしんがりが出て大仏殿 上田 圭子
しやぼん玉一人遊びに百の空 沖津 京子
新婚の君は太りて帰省せり 愛須 淑子
特 選 囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
楠 田 かつ子 選
ことさらに余花の愛しき歳となり 鈴木かず子
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 本庄 文子
新緑も一品のうち山の宿 田中 道代
囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
特 選 憲吉忌切株に降る雨露の光ゲ 醒井 龍子
田 中 美 月 選
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 本庄 文子
蒲公英の絮や夕日に吸ひ込まれ 恒藤 邦夫
遠足のしんがりが出て大仏殿 上田 圭子
新緑も一品のうち山の宿 田中 道代
特 選 囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
新しき風の行き交ふビル四月 服部 康子
遠足のしんがりが出て大仏殿 上田 圭子
しやぼん玉一人遊びに百の空 沖津 京子
新婚の君は太りて帰省せり 愛須 淑子
特 選 囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
ことさらに余花の愛しき歳となり 鈴木かず子
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 本庄 文子
新緑も一品のうち山の宿 田中 道代
囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
特 選 憲吉忌切株に降る雨露の光ゲ 醒井 龍子
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 本庄 文子
蒲公英の絮や夕日に吸ひ込まれ 恒藤 邦夫
遠足のしんがりが出て大仏殿 上田 圭子
新緑も一品のうち山の宿 田中 道代
特 選 囀りにリズムのありて鍬を打つ 白数千寿子
互選高点句より
16点 囀りにリズムのありて鍬を打つ 千寿子
15点 新緑も一品のうち山の宿 道 代
12点 しやぼん玉一人遊びに百の空 京 子
10点 ことさらに余花の愛しき歳となり かず子
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 文 子
8点 新しき風の行き交ふビル四月 康 子
遠足のしんがりが出て大仏殿 圭 子
さみだれや大仏殿の軒雫 康 夫
店仕舞の貼り紙手書桜散る 勝 之
7点 墓仕舞ひ空地にげんげ咲き延びる 知 美
6点 木屋町の灯と花ゆらぐ流れかな 保 司
母の日やゆるゆる指輪の形見分け 幸 代
和紙に添ふ草仮名筆や螢の夜 静 代
16点 囀りにリズムのありて鍬を打つ 千寿子
15点 新緑も一品のうち山の宿 道 代
12点 しやぼん玉一人遊びに百の空 京 子
10点 ことさらに余花の愛しき歳となり かず子
げんげ田は光纏ひつ鋤込まれ 文 子
8点 新しき風の行き交ふビル四月 康 子
遠足のしんがりが出て大仏殿 圭 子
さみだれや大仏殿の軒雫 康 夫
店仕舞の貼り紙手書桜散る 勝 之
7点 墓仕舞ひ空地にげんげ咲き延びる 知 美
6点 木屋町の灯と花ゆらぐ流れかな 保 司
母の日やゆるゆる指輪の形見分け 幸 代
和紙に添ふ草仮名筆や螢の夜 静 代
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8月号一句集(第663回)(721号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
源氏絵巻繰れば春宵深まりぬ 山下あつ子
手造りの巢箱に番ひ見し朝 愛須 淑子
啓蟄ややや短めにカットして 佐藤ひとし
掃かれずに丹の裏門の椿かな 中野千鶴子
特 選 制服の笑ひ弾ける花の駅 本庄 文子
楠 田 かつ子 選
手造りの巢箱に番ひ見し朝 愛須 淑子
制服の笑ひ弾ける花の駅 本庄 文子
友が好き故郷が好き青き踏む 大前 邦子
娘らに花片を添へ串団子 北沢 恭子
特 選 お香水一滴うけし掌 松平 美子
田 中 美 月 選
風花の風に攫はれ風に消ゆ 黒澤喜美枝
春日影寺を栖の亀あくび 植松 佰代
友が好き故郷が好き青き踏む 大前 邦子
花咲けど地震と戦と世の乱れ 横山三恵子
特 選 朧朧と遥か一山桜かな 守作けい子
源氏絵巻繰れば春宵深まりぬ 山下あつ子
手造りの巢箱に番ひ見し朝 愛須 淑子
啓蟄ややや短めにカットして 佐藤ひとし
掃かれずに丹の裏門の椿かな 中野千鶴子
特 選 制服の笑ひ弾ける花の駅 本庄 文子
手造りの巢箱に番ひ見し朝 愛須 淑子
制服の笑ひ弾ける花の駅 本庄 文子
友が好き故郷が好き青き踏む 大前 邦子
娘らに花片を添へ串団子 北沢 恭子
特 選 お香水一滴うけし掌 松平 美子
風花の風に攫はれ風に消ゆ 黒澤喜美枝
春日影寺を栖の亀あくび 植松 佰代
友が好き故郷が好き青き踏む 大前 邦子
花咲けど地震と戦と世の乱れ 横山三恵子
特 選 朧朧と遥か一山桜かな 守作けい子
互選高点句より
19点 制服の笑ひ弾ける花の駅 文 子
8点 友が好き故郷が好き青き踏む 邦 子
花咲けど地震と戦と世の乱れ 三恵子
7点 初花や枝に掛けある忘れ傘 貞 子
三度目の癌にもめげず生きて春 勝 之
春浅し両手に重き雨戸繰る 圭 子
6点 源氏絵巻繰れば春宵深まりぬ あつ子
手造りの巢箱に番ひ見し朝 淑 子
風花の風に攫はれ風に消ゆ 喜美枝
春日影寺を栖の亀あくび 佰 代
風光る新社会人の背すじ伸び 芳 枝
木々芽吹き確とあしたへ樹齢継ぐ 毅
春雨の淡きに濡るる旅かばん 一 夫
5点 人責めし我を責むるか木瓜の花 知 美
健ちやんも光ちやんもゐて石鹼玉 京 子
啓蟄ややや短めにカットして ひとし
掃かれずに丹の裏門の椿かな 千鶴子
朧朧と遥か一山桜かな けい子
19点 制服の笑ひ弾ける花の駅 文 子
8点 友が好き故郷が好き青き踏む 邦 子
花咲けど地震と戦と世の乱れ 三恵子
7点 初花や枝に掛けある忘れ傘 貞 子
三度目の癌にもめげず生きて春 勝 之
春浅し両手に重き雨戸繰る 圭 子
6点 源氏絵巻繰れば春宵深まりぬ あつ子
手造りの巢箱に番ひ見し朝 淑 子
風花の風に攫はれ風に消ゆ 喜美枝
春日影寺を栖の亀あくび 佰 代
風光る新社会人の背すじ伸び 芳 枝
木々芽吹き確とあしたへ樹齢継ぐ 毅
春雨の淡きに濡るる旅かばん 一 夫
5点 人責めし我を責むるか木瓜の花 知 美
健ちやんも光ちやんもゐて石鹼玉 京 子
啓蟄ややや短めにカットして ひとし
掃かれずに丹の裏門の椿かな 千鶴子
朧朧と遥か一山桜かな けい子
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7月号一句集(第662回)(720号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
暖かや満つる慈顔の円空仏 佐藤ひとし
山上に青き権現桜ちる 安孫子康夫
生き生きと森を抜け来し雪解水 中野千鶴子
盛装のもどりに葱を買ひにけり 佐久間さと子
特 選 背山より風花の舞ふ塔ふたつ 田中 美月
楠 田 かつ子 選
暖かや満つる慈顔の円空仏 佐藤ひとし
青年の初の髭剃り青き春 守作けい子
せせらぎやゆつくり動く春日傘 本庄 文子
布施行の声冴え返る高野道 鈴木かず子
特 選 慟哭の山河残して鳥帰る 愛須 淑子
田 中 美 月 選
せせらぎやゆつくり動く春日傘 本庄 文子
山上に青き権現桜散る 安孫子康夫
雛の間へ光りを入れる花頭窓 中谷 貞子
慟哭の山河残して鳥帰る 愛須 淑子
特 選 片減りの靴の春泥ぬぐひけり 上田 圭子
暖かや満つる慈顔の円空仏 佐藤ひとし
山上に青き権現桜ちる 安孫子康夫
生き生きと森を抜け来し雪解水 中野千鶴子
盛装のもどりに葱を買ひにけり 佐久間さと子
特 選 背山より風花の舞ふ塔ふたつ 田中 美月
暖かや満つる慈顔の円空仏 佐藤ひとし
青年の初の髭剃り青き春 守作けい子
せせらぎやゆつくり動く春日傘 本庄 文子
布施行の声冴え返る高野道 鈴木かず子
特 選 慟哭の山河残して鳥帰る 愛須 淑子
せせらぎやゆつくり動く春日傘 本庄 文子
山上に青き権現桜散る 安孫子康夫
雛の間へ光りを入れる花頭窓 中谷 貞子
慟哭の山河残して鳥帰る 愛須 淑子
特 選 片減りの靴の春泥ぬぐひけり 上田 圭子
互選高点句より
10点 青年の初の髭剃り青き春 けい子
片減りの靴の春泥ぬぐひけり 圭 子
生き生きと森を抜け来し雪解水 千鶴子
布施行の声冴え返る高野道 かず子
9点 しばらくは雛の明りの仏間かな 毅
7点 暖かや満つる慈顔の円空仏 ひとし
雛の間へ光りを入れる花頭窓 貞 子
慟哭の山河残して鳥帰る 淑 子
6点 悴むや能登の訛を忘れまじ 惠 子
トロトロと角煮煮ている寒戻り と し
5点 せせらぎやゆつくり動く春日傘 文 子
梅近き上七軒の石畳 保 司
補助機・杖・かなぐり捨てて青き踏む 敏 子
10点 青年の初の髭剃り青き春 けい子
片減りの靴の春泥ぬぐひけり 圭 子
生き生きと森を抜け来し雪解水 千鶴子
布施行の声冴え返る高野道 かず子
9点 しばらくは雛の明りの仏間かな 毅
7点 暖かや満つる慈顔の円空仏 ひとし
雛の間へ光りを入れる花頭窓 貞 子
慟哭の山河残して鳥帰る 淑 子
6点 悴むや能登の訛を忘れまじ 惠 子
トロトロと角煮煮ている寒戻り と し
5点 せせらぎやゆつくり動く春日傘 文 子
梅近き上七軒の石畳 保 司
補助機・杖・かなぐり捨てて青き踏む 敏 子
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6月号一句集(第661回)(719号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
大寒の陽を抱きしめて医者通ひ 山口 道明
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 山下あつ子
海見ゆる迄坂登り冬ぬくし 森本 知美
丘の上のポストを濡らす木の芽雨 大平 静代
特 選 延べし手に触るる餅花二寧坂 守作けい子
楠 田 かつ子 選
参道に並ぶ灯籠雪の笠 草信 勝之
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 山下あつ子
古絵図に村多かりし落椿 安孫子康夫
寒月や振れてはならぬ事のあり 松岡 節子
特 選 初春や空をつらぬく神の杉 沖津 京子
田 中 美 月 選
薄氷に囚はるる風逃げる風 広渡 とし
スケートボード寒風を蹴り宙を蹴り 田中 敏子
山門に老幹の梅真白なる 中野千鶴子
下鴨の社を拝す寒九かな 佐久間さと子
特選 よちよちの子の尻餅や下萌ゆる 大前 邦子
大寒の陽を抱きしめて医者通ひ 山口 道明
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 山下あつ子
海見ゆる迄坂登り冬ぬくし 森本 知美
丘の上のポストを濡らす木の芽雨 大平 静代
特 選 延べし手に触るる餅花二寧坂 守作けい子
参道に並ぶ灯籠雪の笠 草信 勝之
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 山下あつ子
古絵図に村多かりし落椿 安孫子康夫
寒月や振れてはならぬ事のあり 松岡 節子
特 選 初春や空をつらぬく神の杉 沖津 京子
薄氷に囚はるる風逃げる風 広渡 とし
スケートボード寒風を蹴り宙を蹴り 田中 敏子
山門に老幹の梅真白なる 中野千鶴子
下鴨の社を拝す寒九かな 佐久間さと子
特選 よちよちの子の尻餅や下萌ゆる 大前 邦子
互選高点句より
12点 泣き声も混じる園舎の鬼やらひ 三恵子
11点 寒月や振れてはならぬ事のあり 節 子
9点 大寒の陽を抱きしめて医者通ひ 道 明
7点 参道に並ぶ灯籠雪の笠 勝 之
よちよちの子の尻餅や下萌ゆる 邦 子
湯豆腐の湯気に溶け入る会話かな 昌 弘
延べし手に触るる餅花二寧坂 けい子
6点 つくづくに手の皺増して年の明く 千寿子
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 あつ子
山門に老幹の梅真白なる 千鶴子
風花の舞ふ被災地や海暗き 晴 空
5点 冬草の畦の日溜り小さき幸 佰 代
初春や空をつらぬく神の杉 京 子
あれこれと策を巡らすちやんちやんこ 一 夫
古絵図に村多かりし落椿 康 夫
薄氷に囚はるる風逃げる風 と し
検査着と肌の間に冷え籠る 毅
12点 泣き声も混じる園舎の鬼やらひ 三恵子
11点 寒月や振れてはならぬ事のあり 節 子
9点 大寒の陽を抱きしめて医者通ひ 道 明
7点 参道に並ぶ灯籠雪の笠 勝 之
よちよちの子の尻餅や下萌ゆる 邦 子
湯豆腐の湯気に溶け入る会話かな 昌 弘
延べし手に触るる餅花二寧坂 けい子
6点 つくづくに手の皺増して年の明く 千寿子
休み田へ朝日きらめくおくれ霜 あつ子
山門に老幹の梅真白なる 千鶴子
風花の舞ふ被災地や海暗き 晴 空
5点 冬草の畦の日溜り小さき幸 佰 代
初春や空をつらぬく神の杉 京 子
あれこれと策を巡らすちやんちやんこ 一 夫
古絵図に村多かりし落椿 康 夫
薄氷に囚はるる風逃げる風 と し
検査着と肌の間に冷え籠る 毅
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5月号一句集(第660回)(718号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
山小屋に樫の実の降る風の音 森本 知美
歳末の古都の古着屋異人客 大橋 保司
ジェット機の底に電飾聖夜来る 山下あつ子
茶の花や夕日に影絵めく天守 田中 美月
特 選 一山の色抜けるまで枯るるかな 田中 道代
楠 田 かつ子 選
菊枯れて残る色あり香りあり 本庄 文子
茶の花や夕日に影絵めく天守 田中 美月
木の葉降りやまず祈りの老紳士 醒井 龍子
初御空八幡の神の裾に棲み 山口 晴空
特 選 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 土井 重悟
田 中 美 月 選
行く年や天才駆くる将棋界 山口 道明
兄妹スキップで来るクリスマス 中野千鶴子
母の年いくつか超えて年の暮 山根八重子
初御空八幡の神の裾に棲み 山口 晴空
特 選 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 土井 重悟
山小屋に樫の実の降る風の音 森本 知美
歳末の古都の古着屋異人客 大橋 保司
ジェット機の底に電飾聖夜来る 山下あつ子
茶の花や夕日に影絵めく天守 田中 美月
特 選 一山の色抜けるまで枯るるかな 田中 道代
菊枯れて残る色あり香りあり 本庄 文子
茶の花や夕日に影絵めく天守 田中 美月
木の葉降りやまず祈りの老紳士 醒井 龍子
初御空八幡の神の裾に棲み 山口 晴空
特 選 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 土井 重悟
行く年や天才駆くる将棋界 山口 道明
兄妹スキップで来るクリスマス 中野千鶴子
母の年いくつか超えて年の暮 山根八重子
初御空八幡の神の裾に棲み 山口 晴空
特 選 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 土井 重悟
互選高点句より
12点 一山の色抜けるまで枯るるかな 道 代
11点 朝市や売り子も客も着ぶくれて ちあき
11点 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 重 悟
8点 仏石に光落とすや冬ざくら 佰 代
茶の花や夕日に影絵めく天守 美 月
7点 くさめして百の視線の車中かな 京 子
母の年いつしか超えて年の暮 八重子
6点 歳末の古都の古着屋異人客 保 司
暮早しぽつり灯りの古本屋 邦 夫
冬薔薇の風の死角に咲きゐたり 毅
5点 菊枯れて残る色あり香りあり 文 子
山小屋に樫の実の降る風の音 知 美
枯葉踏み異人館までジャズライブ 邦 子
美しき噓は許され冬菫 圭 子
凍空に滲む外灯釧路の夜 三恵子
初御空八幡の神の裾に棲み 晴 空
12点 一山の色抜けるまで枯るるかな 道 代
11点 朝市や売り子も客も着ぶくれて ちあき
11点 湯豆腐に銚子一本父老ゆる 重 悟
8点 仏石に光落とすや冬ざくら 佰 代
茶の花や夕日に影絵めく天守 美 月
7点 くさめして百の視線の車中かな 京 子
母の年いつしか超えて年の暮 八重子
6点 歳末の古都の古着屋異人客 保 司
暮早しぽつり灯りの古本屋 邦 夫
冬薔薇の風の死角に咲きゐたり 毅
5点 菊枯れて残る色あり香りあり 文 子
山小屋に樫の実の降る風の音 知 美
枯葉踏み異人館までジャズライブ 邦 子
美しき噓は許され冬菫 圭 子
凍空に滲む外灯釧路の夜 三恵子
初御空八幡の神の裾に棲み 晴 空
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4月号一句集(第659回)(717号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
祇王寺の一ト葉いただく散紅葉 翁長三和子
香を聞く無言の儀式冬紅葉 楠田かつ子
野面積の城の石垣返り花 沖津 京子
正暦寺の紅葉且つ散る只中に 松岡 節子
特 選 猪鍋や窓打つ風の荒荒し 大前 邦子
楠 田 かつ子 選
文豪の生家の井戸や雪の舞ふ 安孫子康夫
笑顔よし乳歯ころころ小春かな 山口ちあき
吊し柿幸村の里暮れ初めし 守作けい子
冬晴を恃みて庭師枝を打つ 谷口 一夫
特 選 山腹に貼り付く家の冬構 倉坂 桑史
田 中 美 月 選
名を呼べば耳だけ動く炬燵猫 鈴木かず子
枝々に威を示しゐる冬木かな 田中 道代
香を聞く無言の儀式冬紅葉 楠田かつ子
式部像の頰やはらかに冬日差す 山口 晴空
特 選 電飾の並木に集ふ聖夜かな 後藤 昌弘
祇王寺の一ト葉いただく散紅葉 翁長三和子
香を聞く無言の儀式冬紅葉 楠田かつ子
野面積の城の石垣返り花 沖津 京子
正暦寺の紅葉且つ散る只中に 松岡 節子
特 選 猪鍋や窓打つ風の荒荒し 大前 邦子
文豪の生家の井戸や雪の舞ふ 安孫子康夫
笑顔よし乳歯ころころ小春かな 山口ちあき
吊し柿幸村の里暮れ初めし 守作けい子
冬晴を恃みて庭師枝を打つ 谷口 一夫
特 選 山腹に貼り付く家の冬構 倉坂 桑史
名を呼べば耳だけ動く炬燵猫 鈴木かず子
枝々に威を示しゐる冬木かな 田中 道代
香を聞く無言の儀式冬紅葉 楠田かつ子
式部像の頰やはらかに冬日差す 山口 晴空
特 選 電飾の並木に集ふ聖夜かな 後藤 昌弘
互選高点句より
12点 名を呼べば耳だけ動く炬燵猫 かず子
9点 生ききつて清しきまでに枯蓮 道 明
6点 文豪の生家の井戸や雪の舞ふ 康 夫
顔見世の街騒抜くる都鳥 恭 子
祇王寺の一ト葉いただく散紅葉 三和子
いつの間にしかと傘寿の十二月 康 子
吊し柿日差し動けば動かされ 文 子
香を聞く無言の儀式冬紅葉 かつ子
山腹に貼り付く家の冬構 桑 史
菊日和旧街道のしるべ石 淑 子
5点 漁火の消ゆれば春星西へ飛ぶ 毅
繕ひの色糸探す夜半の秋 美 月
12点 名を呼べば耳だけ動く炬燵猫 かず子
9点 生ききつて清しきまでに枯蓮 道 明
6点 文豪の生家の井戸や雪の舞ふ 康 夫
顔見世の街騒抜くる都鳥 恭 子
祇王寺の一ト葉いただく散紅葉 三和子
いつの間にしかと傘寿の十二月 康 子
吊し柿日差し動けば動かされ 文 子
香を聞く無言の儀式冬紅葉 かつ子
山腹に貼り付く家の冬構 桑 史
菊日和旧街道のしるべ石 淑 子
5点 漁火の消ゆれば春星西へ飛ぶ 毅
繕ひの色糸探す夜半の秋 美 月
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3月号一句集(第658回)(716号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
初鴨の日にけに増ゆる朝満月 楠田かつ子
アルプスの夕日に増ゆる赤とんぼ 中野千鶴子
亀甲の黄色うるはし竹の春 黒澤喜美枝
肩車の子のはしやぎ声天高し 沖津 京子
特 選 秋時雨夫の残せし癖字読む 広渡 とし
楠 田 かつ子 選
軽四にテープの囃し過疎神輿 大橋 保司
生駒嶺の稜線確かと星月夜 後藤 昌弘
アルプスの夕日に増ゆる赤とんぼ 中野千鶴子
何ごともなき検診日菊うらら 大平 静代
特 選 山峡に啼く猿の声霧深し 土井 重悟
田 中 美 月 選
何ごともなき検診日菊うらら 大平 静代
長き夜や音盤拭いてまた拭いて 佐久間さと子
鉢ばちを日向に移し冬支度 守作けい子
木犀の闇に包まれ和みたる 田中 道代
特 選 ゆきあひの空とまどふや秋暑し 愛須 淑子
初鴨の日にけに増ゆる朝満月 楠田かつ子
アルプスの夕日に増ゆる赤とんぼ 中野千鶴子
亀甲の黄色うるはし竹の春 黒澤喜美枝
肩車の子のはしやぎ声天高し 沖津 京子
特 選 秋時雨夫の残せし癖字読む 広渡 とし
軽四にテープの囃し過疎神輿 大橋 保司
生駒嶺の稜線確かと星月夜 後藤 昌弘
アルプスの夕日に増ゆる赤とんぼ 中野千鶴子
何ごともなき検診日菊うらら 大平 静代
特 選 山峡に啼く猿の声霧深し 土井 重悟
何ごともなき検診日菊うらら 大平 静代
長き夜や音盤拭いてまた拭いて 佐久間さと子
鉢ばちを日向に移し冬支度 守作けい子
木犀の闇に包まれ和みたる 田中 道代
特 選 ゆきあひの空とまどふや秋暑し 愛須 淑子
互選高点句より
9点 合ひの手の子の声清めり村祭 惠 子
8点 一声に秋深めゆく鳶の笛 三和子
大銀杏村の真ン中廃校舎 ひとし
7点 色変へぬ松に隠せし吾が決意 晴 空
6点 軽四にテープの囃し過疎神輿 保 司
生駒嶺の稜線確かと星月夜 昌 弘
今日の日の終る影曳き秋桜 毅
はなれ咲く一花は寂し曼殊沙華 美 月
戸口迄月連れ添ふて日課終ふ 康 子
拾ふては年に一度のむかご飯 三恵子
5点 秋時雨夫の残せし癖字読む と し
人と言ふ厄介なもの葛の花 一 夫
秋の野の無音に一人佇みて 八重子
9点 合ひの手の子の声清めり村祭 惠 子
8点 一声に秋深めゆく鳶の笛 三和子
大銀杏村の真ン中廃校舎 ひとし
7点 色変へぬ松に隠せし吾が決意 晴 空
6点 軽四にテープの囃し過疎神輿 保 司
生駒嶺の稜線確かと星月夜 昌 弘
今日の日の終る影曳き秋桜 毅
はなれ咲く一花は寂し曼殊沙華 美 月
戸口迄月連れ添ふて日課終ふ 康 子
拾ふては年に一度のむかご飯 三恵子
5点 秋時雨夫の残せし癖字読む と し
人と言ふ厄介なもの葛の花 一 夫
秋の野の無音に一人佇みて 八重子
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2月号一句集(第657回)(715号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
稲の種の名札立ちけり赤まんま 本庄 文子
城跡の森に学校小鳥来る 守作けい子
お花畑佳き名持つ橋渡りけり 谷口 一夫
左右から異国語飛ぶや秋日和 服部 康子
特 選 水澄むや大仏殿の屋根の反り 後藤 昌弘
楠 田 かつ子 選
川底の鮒の反転秋うらら 佐藤ひとし
百歳の現となりし敬老の日 山口 道明
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 大平 静代
白き馬柵昏れのこりたる帰燕かな 中野千鶴子
特 選 水澄むや大仏殿の屋根の反り 後藤 昌弘
田 中 美 月 選
左右から異国語飛ぶや秋日和 服部 康子
シャキシャキと米研ぐ水や涼新た 翁長三和子
八十路とて少女に帰る秋桜 上田 圭子
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 大平 静代
特 選 城跡の森に学校小鳥来る 守作けい子
稲の種の名札立ちけり赤まんま 本庄 文子
城跡の森に学校小鳥来る 守作けい子
お花畑佳き名持つ橋渡りけり 谷口 一夫
左右から異国語飛ぶや秋日和 服部 康子
特 選 水澄むや大仏殿の屋根の反り 後藤 昌弘
川底の鮒の反転秋うらら 佐藤ひとし
百歳の現となりし敬老の日 山口 道明
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 大平 静代
白き馬柵昏れのこりたる帰燕かな 中野千鶴子
特 選 水澄むや大仏殿の屋根の反り 後藤 昌弘
左右から異国語飛ぶや秋日和 服部 康子
シャキシャキと米研ぐ水や涼新た 翁長三和子
八十路とて少女に帰る秋桜 上田 圭子
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 大平 静代
特 選 城跡の森に学校小鳥来る 守作けい子
互選高点句より
12点 はみ出した絵手紙届く菊日和 佰 代
10点 稲穂いま芳しき香を刈られをり 恭 子
8点 秋風にのりて夜汽車の遠音かな 千寿子
城跡の森に学校小鳥来る けい子
打首の石に安らぐ秋あかね 千代子
7点 長き夜の削除ぽつぽつ住所録 かず子
シャキシャキと米研ぐ水や涼新た 三和子
明日香野のいつしか迷ふ真葛原 美 月
6点 川底の鮒の反転秋うらら ひとし
葬送のその夜の月の丸さかな 貞 子
八十路とて少女に帰る秋桜 圭 子
5点 考えてまた考えて夜長かな 勝 之
故郷の夢をみてゐる星月夜 八重子
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 静 代
12点 はみ出した絵手紙届く菊日和 佰 代
10点 稲穂いま芳しき香を刈られをり 恭 子
8点 秋風にのりて夜汽車の遠音かな 千寿子
城跡の森に学校小鳥来る けい子
打首の石に安らぐ秋あかね 千代子
7点 長き夜の削除ぽつぽつ住所録 かず子
シャキシャキと米研ぐ水や涼新た 三和子
明日香野のいつしか迷ふ真葛原 美 月
6点 川底の鮒の反転秋うらら ひとし
葬送のその夜の月の丸さかな 貞 子
八十路とて少女に帰る秋桜 圭 子
5点 考えてまた考えて夜長かな 勝 之
故郷の夢をみてゐる星月夜 八重子
不意に来し永遠の別れや鳥渡る 静 代
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1月号一句集(第656回)(714号)
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
梅花藻咲く川戸で濯ぐ巫女の足 山下あつ子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
一舟の離りゆく湖晩夏光 田中 美月
秋の滝おのれの音の中に落つ 藤川 毅
特 選 撒水の心づくしの涼もらふ 楠田かつ子
楠 田 かつ子 選
金星に新涼もらふ橋の上 本庄 文子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
布袋撫づ招福の腹熱し暑し 松岡 節子
一舟の離りゆく湖晩夏光 田中 美月
特 選 梅花藻咲く川戸で濯ぐ巫女の足 山下あつ子
田 中 美 月 選
送電線に盆の月乗せ演奏会 森本 知美
撒水の心づくしの涼もらふ 楠田かつ子
夜の秋や妣のヘラ台クジラ尺 鈴木かず子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
特 選 古丹波へ秋七草を溢れ占め 大前 邦子
梅花藻咲く川戸で濯ぐ巫女の足 山下あつ子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
一舟の離りゆく湖晩夏光 田中 美月
秋の滝おのれの音の中に落つ 藤川 毅
特 選 撒水の心づくしの涼もらふ 楠田かつ子
金星に新涼もらふ橋の上 本庄 文子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
布袋撫づ招福の腹熱し暑し 松岡 節子
一舟の離りゆく湖晩夏光 田中 美月
特 選 梅花藻咲く川戸で濯ぐ巫女の足 山下あつ子
送電線に盆の月乗せ演奏会 森本 知美
撒水の心づくしの涼もらふ 楠田かつ子
夜の秋や妣のヘラ台クジラ尺 鈴木かず子
無果花の熟れて湯の町母の町 上田 圭子
特 選 古丹波へ秋七草を溢れ占め 大前 邦子
互選高点句より
10点 秋夕焼硝子細工の工房に 一 夫
秋の滝おのれの音の中に落つ 毅
9点 思ひ出と歩くふる里星月夜 道 代
8点 金星に新涼もらふ橋の上 文 子
古丹波へ秋七草を溢れ占め 邦 子
一舟の離りゆく湖晩夏光 美 月
物忘れ頑と認めず百日紅 ひとし
7点 撒水の心づくしの涼もらふ かつ子
醒めやらぬ耳にじよんがら鰯雲 恭 子
風の道残して揺るる秋桜 昌 弘
秋蝶来雨後の光を纏ひつつ 三和子
6点 夜の秋や妣のヘラ台クジラ尺 かず子
5点 炎昼や喉元鳴らす神の水 惠 子
短命を知りて蛍の川燃やす 静 子
恋でせうか疲れでせうか法師蟬 はるみ
10点 秋夕焼硝子細工の工房に 一 夫
秋の滝おのれの音の中に落つ 毅
9点 思ひ出と歩くふる里星月夜 道 代
8点 金星に新涼もらふ橋の上 文 子
古丹波へ秋七草を溢れ占め 邦 子
一舟の離りゆく湖晩夏光 美 月
物忘れ頑と認めず百日紅 ひとし
7点 撒水の心づくしの涼もらふ かつ子
醒めやらぬ耳にじよんがら鰯雲 恭 子
風の道残して揺るる秋桜 昌 弘
秋蝶来雨後の光を纏ひつつ 三和子
6点 夜の秋や妣のヘラ台クジラ尺 かず子
5点 炎昼や喉元鳴らす神の水 惠 子
短命を知りて蛍の川燃やす 静 子
恋でせうか疲れでせうか法師蟬 はるみ
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12月号一句集(第655回)(713号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
暫は青葉しぐれや二の鳥居 谷口 一夫
湖沿ひを走る単線合歓の花 田中 美月
習い立ての漢字大小夏見舞 松岡 節子
蜩や若き日のこと死後のこと 馬場 静子
特 選 滴りや霊気漂ふ奥吉野 後藤 昌弘
楠 田 かつ子 選
暫は青葉しぐれや二の鳥居 谷口 一夫
習い立ての漢字大小夏見舞 松岡 節子
息災てふ魔法のことば百日紅 上田 圭子
白シャツの満艦飾や男子寮 醒井 龍子
特 選 秋乗せて夕日の小舟連なれり 植松 佰代
田 中 美 月 選
俳聖の地を訪ふベンチ蟬しぐれ 山根八重子
轟きの不穏や四囲に雲の峰 横山三恵子
蝉時雨一樹まるごとゆるがせて 田中 道代
地下を出て四万六千日の雨 田中 敏子
特 選 つつがなく生ききて仰ぐ夏の月 大平 静代
暫は青葉しぐれや二の鳥居 谷口 一夫
湖沿ひを走る単線合歓の花 田中 美月
習い立ての漢字大小夏見舞 松岡 節子
蜩や若き日のこと死後のこと 馬場 静子
特 選 滴りや霊気漂ふ奥吉野 後藤 昌弘
暫は青葉しぐれや二の鳥居 谷口 一夫
習い立ての漢字大小夏見舞 松岡 節子
息災てふ魔法のことば百日紅 上田 圭子
白シャツの満艦飾や男子寮 醒井 龍子
特 選 秋乗せて夕日の小舟連なれり 植松 佰代
俳聖の地を訪ふベンチ蟬しぐれ 山根八重子
轟きの不穏や四囲に雲の峰 横山三恵子
蝉時雨一樹まるごとゆるがせて 田中 道代
地下を出て四万六千日の雨 田中 敏子
特 選 つつがなく生ききて仰ぐ夏の月 大平 静代
互選高点句より
9点 青田風田の神のはく吐息とも 毅
8点 暫は青葉しぐれや二の鳥居 一 夫
蝉時雨一樹まるごとゆるがせて 道 代
雷ひとつ雲をとばして梅雨の明 ちあき
7点 青芒穂を孕むときすくと立ち 文 子
習い立ての漢字大小夏見舞 節 子
6点 つつがなく生ききて仰ぐ夏の月 静 代
風炉仕度梢ほど良く塀を越え 惠 子
滴りや霊気漂ふ奥吉野 昌 弘
自転車の背中ふくらむ風みどり あつ子
5点 ビール注ぎ忘るる良さを説く母よ りゑ子
秋乗せて夕日の小舟連なれり 佰 代
川遊び素足の甲の白さかな 邦 夫
湖沿ひを走る単線合歓の花 美 月
朝の静寂ポンと音して蓮の花 すみ子
9点 青田風田の神のはく吐息とも 毅
8点 暫は青葉しぐれや二の鳥居 一 夫
蝉時雨一樹まるごとゆるがせて 道 代
雷ひとつ雲をとばして梅雨の明 ちあき
7点 青芒穂を孕むときすくと立ち 文 子
習い立ての漢字大小夏見舞 節 子
6点 つつがなく生ききて仰ぐ夏の月 静 代
風炉仕度梢ほど良く塀を越え 惠 子
滴りや霊気漂ふ奥吉野 昌 弘
自転車の背中ふくらむ風みどり あつ子
5点 ビール注ぎ忘るる良さを説く母よ りゑ子
秋乗せて夕日の小舟連なれり 佰 代
川遊び素足の甲の白さかな 邦 夫
湖沿ひを走る単線合歓の花 美 月
朝の静寂ポンと音して蓮の花 すみ子
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11月号一句集(第654回)(712号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
滝壺に吸ひこまれゆく話声 恒藤 邦夫
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
月涼し良きも悪しきも過ぎしこと 横山三恵子
特 選 人力車が誘ふ老舗の夏料理 楠田かつ子
楠 田 かつ子 選
にはか雨俄に虹の出て消ゆる 馬場あゆみ
山葵田の水きらきらと道祖神 中谷 貞子
梅干して平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
銀輪の渡る唐橋夕焼くる 愛須 淑子
特 選 葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
田 中 美 月 選
葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
気嫌良く太る青柿植木市 植松 佰代
語り部は同い年なり沖縄忌 広渡 とし
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
特 選 山葵田の水きらきらと道祖神 中谷 貞子
葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
滝壺に吸ひこまれゆく話声 恒藤 邦夫
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
月涼し良きも悪しきも過ぎしこと 横山三恵子
特 選 人力車が誘ふ老舗の夏料理 楠田かつ子
にはか雨俄に虹の出て消ゆる 馬場あゆみ
山葵田の水きらきらと道祖神 中谷 貞子
梅干して平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
銀輪の渡る唐橋夕焼くる 愛須 淑子
特 選 葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
葛城山の風じつぱうに青田波 安孫子康夫
気嫌良く太る青柿植木市 植松 佰代
語り部は同い年なり沖縄忌 広渡 とし
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 松岡 節子
特 選 山葵田の水きらきらと道祖神 中谷 貞子
互選高点句より
14点 月涼し良きも悪しきも過ぎしこと 三恵子
10点 語りすぎ聞きすぎた夜の溽暑かな けい子
8点 ねぢ花のいとも確かな捩れかな 道 代
7点 滝壺に吸ひこまれゆく話声 邦 夫
語り部は同い年なり沖縄忌 と し
6点 葛城山の風じつぱうに青田波 康 夫
辿り来て夕焼けに染まる熊野灘 重 悟
山葵田の水きらきらと道祖神 貞 子
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 節 子
尾の切れし蜥蜴に我を重ねる日 三和子
5点 鳥たちの騒ぐ一日桜の実 りゑ子
行水の盥に二人水しぶき 芳 枝
睡蓮の葉影に鯉の口開く 昌 弘
黒南風や山門に上ぐ大草鞋 邦 子
地球儀をくるりと廻し半夏生 圭 子
幼ナ児も母と手つなぎ夏祓 恭 子
14点 月涼し良きも悪しきも過ぎしこと 三恵子
10点 語りすぎ聞きすぎた夜の溽暑かな けい子
8点 ねぢ花のいとも確かな捩れかな 道 代
7点 滝壺に吸ひこまれゆく話声 邦 夫
語り部は同い年なり沖縄忌 と し
6点 葛城山の風じつぱうに青田波 康 夫
辿り来て夕焼けに染まる熊野灘 重 悟
山葵田の水きらきらと道祖神 貞 子
梅干すや平和な暮し喜寿迎ふ 節 子
尾の切れし蜥蜴に我を重ねる日 三和子
5点 鳥たちの騒ぐ一日桜の実 りゑ子
行水の盥に二人水しぶき 芳 枝
睡蓮の葉影に鯉の口開く 昌 弘
黒南風や山門に上ぐ大草鞋 邦 子
地球儀をくるりと廻し半夏生 圭 子
幼ナ児も母と手つなぎ夏祓 恭 子
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10月号一句集(第653回)(711号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
どの道も椎の花影丹波国 谷口 一夫
一ト雨の洗ひし空の朴の花 翁長三和子
をみな三人なんじやもんじやの花の下 沖津 京子
枇杷は黄に線状降水帯に堪へ 田中 敏子
特 選 伊吹より雲ひきつれてはたた神 田中 美月
楠 田 かつ子 選
百席の午後のライブや新樹光 北沢 恭子
空色のリボン大きや夏始 松岡 節子
サイクリングの列逆しまに代田澄む 大前 邦子
ざわざわと風のあつまる夜の新樹 田中 道代
特 選 ロボットの運ぶプリンや「子供の日」 服部 康子
田 中 美 月 選
百席の午後のライブや新樹光 北沢 恭子
青蔦やレンガの塀を猫悠々 恒藤 邦夫
をみな三人なんじやもんじやの花の下 沖津 京子
枇杷は黄に線状降水帯に堪へ 田中 敏子
特 選 捩花や個性ゆたかな姉妹 醒井 龍子
どの道も椎の花影丹波国 谷口 一夫
一ト雨の洗ひし空の朴の花 翁長三和子
をみな三人なんじやもんじやの花の下 沖津 京子
枇杷は黄に線状降水帯に堪へ 田中 敏子
特 選 伊吹より雲ひきつれてはたた神 田中 美月
百席の午後のライブや新樹光 北沢 恭子
空色のリボン大きや夏始 松岡 節子
サイクリングの列逆しまに代田澄む 大前 邦子
ざわざわと風のあつまる夜の新樹 田中 道代
特 選 ロボットの運ぶプリンや「子供の日」 服部 康子
百席の午後のライブや新樹光 北沢 恭子
青蔦やレンガの塀を猫悠々 恒藤 邦夫
をみな三人なんじやもんじやの花の下 沖津 京子
枇杷は黄に線状降水帯に堪へ 田中 敏子
特 選 捩花や個性ゆたかな姉妹 醒井 龍子
互選高点句より
18点 伊吹より雲ひきつれてはたた神 美 月
8点 百席の午後のライブや新樹光 恭 子
7点 どの道も椎の花影丹波国 一 夫
襟元に風若返る更衣 小夜子
サイクリングの列逆しまに代田澄む 邦 子
6点 竹皮を脱ぐ中学生の力満ち 芳 枝
雨粒の丸く揺れてる薔薇を挿す 知 美
「大丈夫」短く医師や若葉風 圭 子
一ト雨の洗ひし空の朴の花 三和子
道端で咲くかたばみの一途なる 毅
5点 ロボットの運ぶプリンや「子供の日」 康 子
もつれては離る夏蝶川の上 静 代
をみな三人なんじやもんじやの花の下 京 子
捩花や個性ゆたかな姉妹 龍 子
18点 伊吹より雲ひきつれてはたた神 美 月
8点 百席の午後のライブや新樹光 恭 子
7点 どの道も椎の花影丹波国 一 夫
襟元に風若返る更衣 小夜子
サイクリングの列逆しまに代田澄む 邦 子
6点 竹皮を脱ぐ中学生の力満ち 芳 枝
雨粒の丸く揺れてる薔薇を挿す 知 美
「大丈夫」短く医師や若葉風 圭 子
一ト雨の洗ひし空の朴の花 三和子
道端で咲くかたばみの一途なる 毅
5点 ロボットの運ぶプリンや「子供の日」 康 子
もつれては離る夏蝶川の上 静 代
をみな三人なんじやもんじやの花の下 京 子
捩花や個性ゆたかな姉妹 龍 子
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9月号一句集(第652回)(710号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
山藤は羽音の賛歌受けてをり 本庄 文子
見えてゐて遠し長谷寺花の門 藤川 毅
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
特 選 廃校に創立碑あり松落葉 真田 正恵
楠 田 かつ子 選
見えてゐて遠き長谷寺花の門 藤川 毅
杜深き風の参道新樹光 田中 道代
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
読みかけの新聞まるめ蠅たたく 草信 勝之
特 選 聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
田 中 美 月 選
廃校に創立碑あり松落葉 真田 正恵
聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
開帳や大きな耳朶は妣ゆづり 田中 敏子
特 選 新人のナースピンクの聴診器 醒井 龍子
聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
山藤は羽音の賛歌受けてをり 本庄 文子
見えてゐて遠し長谷寺花の門 藤川 毅
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
特 選 廃校に創立碑あり松落葉 真田 正恵
見えてゐて遠き長谷寺花の門 藤川 毅
杜深き風の参道新樹光 田中 道代
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
読みかけの新聞まるめ蠅たたく 草信 勝之
特 選 聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
廃校に創立碑あり松落葉 真田 正恵
聖鐘の響く港や夏つばめ 安孫子康夫
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 上田 圭子
開帳や大きな耳朶は妣ゆづり 田中 敏子
特 選 新人のナースピンクの聴診器 醒井 龍子
互選高点句より
10点 廃校に創立碑あり松落葉 正 恵
8点 咲きさきて散りちりてこそ桜かな けい子
「知らんけど」は大阪ことばあたたかし かつ子
7点 聖鐘の響く港や夏つばめ 康 夫
見えてゐて遠し長谷寺花の門 毅
飛行機雲金龍となる春夕焼 あゆみ
6点 泡沫は流れに任せ春の逝く 重 悟
山藤は羽音の賛歌受けてをり 文 子
5点 東京へ切符買ふ子や花の風 知 美
新人のナースピンクの聴診器 龍 子
病院の雀隠れに鞠ひとつ 一 夫
すかんぽを手折らばぽんと山谺 邦 子
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 圭 子
ひと吹きの風に春知る肌触り猫柳 瞭
10点 廃校に創立碑あり松落葉 正 恵
8点 咲きさきて散りちりてこそ桜かな けい子
「知らんけど」は大阪ことばあたたかし かつ子
7点 聖鐘の響く港や夏つばめ 康 夫
見えてゐて遠し長谷寺花の門 毅
飛行機雲金龍となる春夕焼 あゆみ
6点 泡沫は流れに任せ春の逝く 重 悟
山藤は羽音の賛歌受けてをり 文 子
5点 東京へ切符買ふ子や花の風 知 美
新人のナースピンクの聴診器 龍 子
病院の雀隠れに鞠ひとつ 一 夫
すかんぽを手折らばぽんと山谺 邦 子
菜の花の盛りも過ぎぬ流人墓 圭 子
ひと吹きの風に春知る肌触り猫柳 瞭
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8月号一句集(第651回)(709号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
もう居ない人と見てゐる山桜 翁長三和子
初咲きのたんぽぽまずは鳥かごに 馬場あゆみ
様様なことはさて置く桜かな 広渡 とし
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
特 選 賑はへる墓苑の出口苗木市 醒井 龍子
楠 田 かつ子 選
集まれば病気自慢や山笑ふ 山口ちあき
様様なことはさて置く桜かな 広渡 とし
その風を逃さずに散る山桜 藤川 毅
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
特 選「ただいま」の亡父似の声や春夕焼け 大前 邦子
田 中 美 月 選
抜き捨てた大根の花咲きほこる 本庄 文子
踏青や八十路の足を励まして 田中 道代
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
杣道を隠し背高き新樹かな 西川千代子
特 選 ものの芽の息吹を肌に朝の庭 沖津 京子
もう居ない人と見てゐる山桜 翁長三和子
初咲きのたんぽぽまずは鳥かごに 馬場あゆみ
様様なことはさて置く桜かな 広渡 とし
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
特 選 賑はへる墓苑の出口苗木市 醒井 龍子
集まれば病気自慢や山笑ふ 山口ちあき
様様なことはさて置く桜かな 広渡 とし
その風を逃さずに散る山桜 藤川 毅
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
特 選「ただいま」の亡父似の声や春夕焼け 大前 邦子
抜き捨てた大根の花咲きほこる 本庄 文子
踏青や八十路の足を励まして 田中 道代
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 服部 康子
杣道を隠し背高き新樹かな 西川千代子
特 選 ものの芽の息吹を肌に朝の庭 沖津 京子
互選高点句より
12点 春耕やまほろばの土匂はせて 美 月
10点 耳つけて樹液の音を聴く朧 かず子
もう居ない人と見てゐる山桜 三和子
7点 雛段の下は秘密の場所になり 邦 夫
マスク取り別の顔もて初音聞く かつ子
6点 猫柳遠嶺の雪の消えやらず 千鶴子
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 康 子
5点 「ただいま」の亡夫似の声や春夕焼 邦 子
手に触れて今満開のさくらかな 貞 子
野良猫の消えて何やら足りぬ春 三恵子
12点 春耕やまほろばの土匂はせて 美 月
10点 耳つけて樹液の音を聴く朧 かず子
もう居ない人と見てゐる山桜 三和子
7点 雛段の下は秘密の場所になり 邦 夫
マスク取り別の顔もて初音聞く かつ子
6点 猫柳遠嶺の雪の消えやらず 千鶴子
春うらら猫の欠伸を貰ひけり 康 子
5点 「ただいま」の亡夫似の声や春夕焼 邦 子
手に触れて今満開のさくらかな 貞 子
野良猫の消えて何やら足りぬ春 三恵子
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7月号一句集(第650回)(708号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
鈍行で帰る古里彼岸参 草信 勝之
啓蟄やカレー屋を出る二三人 上田 圭子
新設の幼児の遊具木々芽吹く 楠田かつ子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 恒藤 邦夫
特 選 春耕や心をこめて鍬洗ふ 加藤みのる
楠 田 かつ子 選
淡淡と日の差す下の芽吹きかな 谷 美知子
春光へそつと踏み出す母の試歩 翁長三和子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 恒藤 邦夫
シネマ座の火照りを醒ます冬の星 倉坂 桑史
特 選 名代なる餅屋の暖簾春彼岸 紺谷 葵
田 中 美 月 選
芽柳の風やはらかく高瀬川 大前 邦子
春光へそつと踏み出す母の試歩 翁長三和子
春浅し机上プランのダイエット 松岡 節子
シネマ座の火照りを醒ます冬の星 倉坂 桑史
特 選 早春賦諳んずる径東風渡る 吉岡すみ子
鈍行で帰る古里彼岸参 草信 勝之
啓蟄やカレー屋を出る二三人 上田 圭子
新設の幼児の遊具木々芽吹く 楠田かつ子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 恒藤 邦夫
特 選 春耕や心をこめて鍬洗ふ 加藤みのる
淡淡と日の差す下の芽吹きかな 谷 美知子
春光へそつと踏み出す母の試歩 翁長三和子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 恒藤 邦夫
シネマ座の火照りを醒ます冬の星 倉坂 桑史
特 選 名代なる餅屋の暖簾春彼岸 紺谷 葵
芽柳の風やはらかく高瀬川 大前 邦子
春光へそつと踏み出す母の試歩 翁長三和子
春浅し机上プランのダイエット 松岡 節子
シネマ座の火照りを醒ます冬の星 倉坂 桑史
特 選 早春賦諳んずる径東風渡る 吉岡すみ子
互選高点句より
13点 春光へそつと踏み出す母の試歩 三和子
12点 野地蔵に供えたるごと落ち椿 文 子
7点 シネマ座の火照りを醒ます冬の星 桑 史
6点 さみどりの珠を持ち上げ蕗の薹 美 月
鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 龍 子
木霊する木槌の音や実朝忌 恭 子
春耕や心をこめて鍬洗ふ みのる
5点 重畳の稜線かすれ木の芽雨 敏 子
早春賦諳んずる径東風渡る すみ子
寒木瓜のただひたすらの色であり 昇
水鳥に街の灯遠く点り初む 貞 子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 邦 夫
鉤形に曲がる指先針祭る と し
名を付けてみても懐かぬ寒雀 りゑ子
13点 春光へそつと踏み出す母の試歩 三和子
12点 野地蔵に供えたるごと落ち椿 文 子
7点 シネマ座の火照りを醒ます冬の星 桑 史
6点 さみどりの珠を持ち上げ蕗の薹 美 月
鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 龍 子
木霊する木槌の音や実朝忌 恭 子
春耕や心をこめて鍬洗ふ みのる
5点 重畳の稜線かすれ木の芽雨 敏 子
早春賦諳んずる径東風渡る すみ子
寒木瓜のただひたすらの色であり 昇
水鳥に街の灯遠く点り初む 貞 子
鱒のゐるはずの乱れや花筏 邦 夫
鉤形に曲がる指先針祭る と し
名を付けてみても懐かぬ寒雀 りゑ子
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6月号一句集(第649回)(707号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
待春や人のあふるる道の駅 切建 昇
鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 醒井 龍子
水仙や剣舞きりりと美少年 山口ちあき
置炬燵日にち薬の一日過ぎ 寺野りゑ子
特 選 探梅へ風を押し切る車椅子 藤川 毅
楠 田 かつ子 選
青麦の風渡りゆく神武陵 田中 美月
水仙や剣舞きりりと美少年 山口ちあき
睨み鯛据ゑて文楽初芝居 服部 康子
廻廊を春着が通る銅羅の音 山口はるみ
特 選 初夢や青き地球を俯瞰する 松岡 節子
田 中 美 月 選
公園の遊具まはるや春立つ日 大平 静代
暮れどきに集ふ川瀬の鴨談議 白数千寿子
睨み鯛据ゑて文楽初芝居 服部 康子
目礼のマスクは誰ぞ行き過ぎぬ 田中 道代
特 選 霜柱踏んでリズムのよき径 楠田かつ子
待春や人のあふるる道の駅 切建 昇
鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 醒井 龍子
水仙や剣舞きりりと美少年 山口ちあき
置炬燵日にち薬の一日過ぎ 寺野りゑ子
特 選 探梅へ風を押し切る車椅子 藤川 毅
青麦の風渡りゆく神武陵 田中 美月
水仙や剣舞きりりと美少年 山口ちあき
睨み鯛据ゑて文楽初芝居 服部 康子
廻廊を春着が通る銅羅の音 山口はるみ
特 選 初夢や青き地球を俯瞰する 松岡 節子
公園の遊具まはるや春立つ日 大平 静代
暮れどきに集ふ川瀬の鴨談議 白数千寿子
睨み鯛据ゑて文楽初芝居 服部 康子
目礼のマスクは誰ぞ行き過ぎぬ 田中 道代
特 選 霜柱踏んでリズムのよき径 楠田かつ子
互選高点句より
11点 青麦の風渡りゆく神武陵 美 月
9点 表札の歪みを直し年迎ふ 美知子
8点 探梅へ風を押し切る車椅子 毅
雪女実は寒がり寂しがり と し
6点 鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 龍 子
寒昴いのちの種は宇宙から かず子
深爪の指の先なる霜夜かな 圭 子
大根干す洞が峠や禅の寺 ひとし
冬うらら一人年取る自由かな 失 名
5点 待春や人のあふるる道の駅 昇
芭蕉庵幾星霜の冬の黙 喜美枝
振り返へることなく過ぎし枇杷の花 淑 子
11点 青麦の風渡りゆく神武陵 美 月
9点 表札の歪みを直し年迎ふ 美知子
8点 探梅へ風を押し切る車椅子 毅
雪女実は寒がり寂しがり と し
6点 鳴き交はす近つ飛鳥の寒鴉 龍 子
寒昴いのちの種は宇宙から かず子
深爪の指の先なる霜夜かな 圭 子
大根干す洞が峠や禅の寺 ひとし
冬うらら一人年取る自由かな 失 名
5点 待春や人のあふるる道の駅 昇
芭蕉庵幾星霜の冬の黙 喜美枝
振り返へることなく過ぎし枇杷の花 淑 子
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5月号一句集(第648回)(706号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
小さき部屋大きく見ゆる風邪心地 上田 圭子
本殿へ踏みゆく真砂淑気満つ 後藤 昌弘
遠まきに響く電車の冬の音 中原 鷗汀
「無事」の軸内陣にして去年今年 中野千鶴子
特 選 出土品並べ風土記の丘枯るる 切建 昇
楠 田 かつ子 選
春光の比良の稜線ゆるびけり 安孫子康夫
行く年の星座傾ぶく山の黙 大平 静代
ゼブラゾーンの右往左往や街師走 醒井 龍子
言ひ出して濁す言葉の寒さかな 守作けい子
特 選 酔ふほどに婿の漫談年の酒 横山三恵子
田 中 美 月 選
転生のあらば日暮れの雪螢 藤川 毅
学園の真中に大樹クリスマス 恒藤 邦夫
本殿へ踏み行く真砂淑気満つ 後藤 昌弘
五・六個の柚子と戯る柚子湯かな 沖津 京子
特 選 春光の比良の稜線ゆるびけり 安孫子康夫
小さき部屋大きく見ゆる風邪心地 上田 圭子
本殿へ踏みゆく真砂淑気満つ 後藤 昌弘
遠まきに響く電車の冬の音 中原 鷗汀
「無事」の軸内陣にして去年今年 中野千鶴子
特 選 出土品並べ風土記の丘枯るる 切建 昇
春光の比良の稜線ゆるびけり 安孫子康夫
行く年の星座傾ぶく山の黙 大平 静代
ゼブラゾーンの右往左往や街師走 醒井 龍子
言ひ出して濁す言葉の寒さかな 守作けい子
特 選 酔ふほどに婿の漫談年の酒 横山三恵子
転生のあらば日暮れの雪螢 藤川 毅
学園の真中に大樹クリスマス 恒藤 邦夫
本殿へ踏み行く真砂淑気満つ 後藤 昌弘
五・六個の柚子と戯る柚子湯かな 沖津 京子
特 選 春光の比良の稜線ゆるびけり 安孫子康夫
互選高点句より
11点 大仏の鼻をくすぐる煤払 康 子
9点 福寿草一鉢置かれ古着市 貞 子
8点 津軽には七つの雪が降るさうな 数 子
極月の大安売りに無駄を買ひ ちあき
山眠る下弦の月は肩にあり 文 子
7点 春光の比良の稜線ゆるびけり 康 夫
山肌に残る「大」の字冬夕焼 美 月
転生のあらば日暮れの雪螢 毅
冬三日月銃は置けない兵士たち と し
6点 本殿へ踏み行く真砂淑気満つ 昌 弘
5点 行く年の星座傾ぶく山の黙 静 代
これぞこの鯖さうめんや外は雪 三和子
11点 大仏の鼻をくすぐる煤払 康 子
9点 福寿草一鉢置かれ古着市 貞 子
8点 津軽には七つの雪が降るさうな 数 子
極月の大安売りに無駄を買ひ ちあき
山眠る下弦の月は肩にあり 文 子
7点 春光の比良の稜線ゆるびけり 康 夫
山肌に残る「大」の字冬夕焼 美 月
転生のあらば日暮れの雪螢 毅
冬三日月銃は置けない兵士たち と し
6点 本殿へ踏み行く真砂淑気満つ 昌 弘
5点 行く年の星座傾ぶく山の黙 静 代
これぞこの鯖さうめんや外は雪 三和子
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4月号一句集(第647回)(705号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
急流に落ちて色増す寒椿 田中 美月
竹の花咲いたと聞けり里は過疎 木下 数子
自然薯は杖の長さや山眠る 北沢 恭子
庭のもの焚くや菊の香惜しみつつ 倉坂 桑史
特 選 蒼き静寂花柊のほの香なる 吉岡すみ子
楠 田 かつ子 選
山茶花や古刹に適ふ花手水 切建 昇
魚河岸に漢の匂ひ冬の朝 安孫子康夫
自然薯は杖の長さや山眠る 北沢 恭子
地獄絵の寺の紅葉ことさらに 翁長三和子
特 選 山暮れて川に残りぬ冬の月 失 名
田 中 美 月 選
露天湯の四方山話星月夜 松岡 節子
冴ゆる夜や明日は眼科の手術台 大前 邦子
冬夕焼木立に入る鳥の群れ 中谷 貞子
木守柿残る梢や鳥のこゑ 田中 敏子
特 選 クラス会記憶広がる牡丹鍋 寺野りゑ子
急流に落ちて色増す寒椿 田中 美月
竹の花咲いたと聞けり里は過疎 木下 数子
自然薯は杖の長さや山眠る 北沢 恭子
庭のもの焚くや菊の香惜しみつつ 倉坂 桑史
特 選 蒼き静寂花柊のほの香なる 吉岡すみ子
山茶花や古刹に適ふ花手水 切建 昇
魚河岸に漢の匂ひ冬の朝 安孫子康夫
自然薯は杖の長さや山眠る 北沢 恭子
地獄絵の寺の紅葉ことさらに 翁長三和子
特 選 山暮れて川に残りぬ冬の月 失 名
露天湯の四方山話星月夜 松岡 節子
冴ゆる夜や明日は眼科の手術台 大前 邦子
冬夕焼木立に入る鳥の群れ 中谷 貞子
木守柿残る梢や鳥のこゑ 田中 敏子
特 選 クラス会記憶広がる牡丹鍋 寺野りゑ子
互選高点句より
11点 言ひだして濁すことばの寒さかな けい子
9点 急流に落ちて色増す寒椿 美 月
7点 魚河岸に漢の匂ひ冬の朝 康 夫
竹の花咲いたと聞けり里は過疎 数 子
6点 息災といふ言の葉や石蕗の花 圭 子
ランナーの足音刻む落葉道 昌 弘
自然薯は杖の長さや山眠る 恭 子
兄弟も終に一人の夜寒かな 千代子
庭のもの焚くや菊の香惜しみつつ 桑 史
5点 山茶花や古刹に適ふ花手水 昇
地獄絵の寺の紅葉ことさらに 三和子
快復の絵手紙に書く栗の笑み 惠 子
11点 言ひだして濁すことばの寒さかな けい子
9点 急流に落ちて色増す寒椿 美 月
7点 魚河岸に漢の匂ひ冬の朝 康 夫
竹の花咲いたと聞けり里は過疎 数 子
6点 息災といふ言の葉や石蕗の花 圭 子
ランナーの足音刻む落葉道 昌 弘
自然薯は杖の長さや山眠る 恭 子
兄弟も終に一人の夜寒かな 千代子
庭のもの焚くや菊の香惜しみつつ 桑 史
5点 山茶花や古刹に適ふ花手水 昇
地獄絵の寺の紅葉ことさらに 三和子
快復の絵手紙に書く栗の笑み 惠 子
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3月号一句集(第646回)(704号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
不用意な言葉悔いをりそぞろ寒 田中 道代
閉店の貼り紙突如冬薔薇 本庄 文子
落葉搔くとほき人の名ひよいと出て 鈴木かず子
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 倉坂 桑史
特 選 時代祭バイトの龍馬眼鏡ずれ 馬場 静子
楠 田 かつ子 選
不用意な言葉悔いをりそぞろ寒 田中 道代
夜咄や籠に熟柿の五つほど 上田 圭子
天平の伽藍けぶらす朝時雨 田中 美月
夕日抱き芒が原の無音界 大前 邦子
特 選 山頂に豊穣の神木の実降る 木下 数子
田 中 美 月 選
風の棲むところより暮れ枯尾花 藤川 毅
餅投げにどつと湧き立つ秋祭 翁長三和子
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 倉坂 桑史
草虱ここらあたりは遺蹟跡 田中 敏子
特 選 日に眠り月に眠れる冬木かな 片岡 和子
不用意な言葉悔いをりそぞろ寒 田中 道代
閉店の貼り紙突如冬薔薇 本庄 文子
落葉搔くとほき人の名ひよいと出て 鈴木かず子
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 倉坂 桑史
特 選 時代祭バイトの龍馬眼鏡ずれ 馬場 静子
不用意な言葉悔いをりそぞろ寒 田中 道代
夜咄や籠に熟柿の五つほど 上田 圭子
天平の伽藍けぶらす朝時雨 田中 美月
夕日抱き芒が原の無音界 大前 邦子
特 選 山頂に豊穣の神木の実降る 木下 数子
風の棲むところより暮れ枯尾花 藤川 毅
餅投げにどつと湧き立つ秋祭 翁長三和子
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 倉坂 桑史
草虱ここらあたりは遺蹟跡 田中 敏子
特 選 日に眠り月に眠れる冬木かな 片岡 和子
互選高点句より
14点 風の棲むところより暮れ枯尾花 毅
10点 夕日抱き芒が原の無音界 邦 子
9点 不用意な言葉悔いをりそぞろ寒む 道 代
日に眠り月に眠れる冬木かな 和 子
8点 山頂に豊穣の神木の実降る 数 子
7点 夜咄や籠に熟柿の五つほど 圭 子
餅投げにどつと湧き立つ秋祭 三和子
6点 秋風に野良着の埃たたき脱ぐ 美知子
天平の伽藍けぶらす朝時雨 美 月
5点 秋うらら徐々に遠のく「まあだだよ」りゑ子
小春日やお前か俺か腕相撲 佰 代
忘却を武器に露の世遊泳す 道 明
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 桑 史
14点 風の棲むところより暮れ枯尾花 毅
10点 夕日抱き芒が原の無音界 邦 子
9点 不用意な言葉悔いをりそぞろ寒む 道 代
日に眠り月に眠れる冬木かな 和 子
8点 山頂に豊穣の神木の実降る 数 子
7点 夜咄や籠に熟柿の五つほど 圭 子
餅投げにどつと湧き立つ秋祭 三和子
6点 秋風に野良着の埃たたき脱ぐ 美知子
天平の伽藍けぶらす朝時雨 美 月
5点 秋うらら徐々に遠のく「まあだだよ」りゑ子
小春日やお前か俺か腕相撲 佰 代
忘却を武器に露の世遊泳す 道 明
椋鳥わたる駅裏ネオン灯し初め 桑 史
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2月号一句集(第645回)(703号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
浦深く灯す一船秋の声 藤川 毅
夕映への河口遠チ近チ鯔の飛ぶ 大前 邦子
ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 服部 康子
蓑虫の蓑に縫目のなかりけり 守作けい子
特 選 長老の今日はネクタイ秋祭 翁長三和子
楠 田 かつ子 選
東塔の影を引きずる冬日かな 安孫子康夫
浦深く灯す一船秋の声 藤川 毅
新涼や背丈の伸びる音のあり 広渡 とし
二上の秋風を聴く当麻寺 吉岡すみ子
特 選 ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 服部 康子
田 中 美 月 選
東塔の影を引きずる冬日かな 安孫子康夫
葛の花こぼれ吉野に法螺ひびく 切建 昇
兄妹負けず嫌ひや鳳仙花 松岡 節子
生身魂智者の如くに法を説き 黒澤喜美枝
特 選 蓑虫の蓑に縫目のなかりけり 守作けい子
浦深く灯す一船秋の声 藤川 毅
夕映への河口遠チ近チ鯔の飛ぶ 大前 邦子
ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 服部 康子
蓑虫の蓑に縫目のなかりけり 守作けい子
特 選 長老の今日はネクタイ秋祭 翁長三和子
東塔の影を引きずる冬日かな 安孫子康夫
浦深く灯す一船秋の声 藤川 毅
新涼や背丈の伸びる音のあり 広渡 とし
二上の秋風を聴く当麻寺 吉岡すみ子
特 選 ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 服部 康子
東塔の影を引きずる冬日かな 安孫子康夫
葛の花こぼれ吉野に法螺ひびく 切建 昇
兄妹負けず嫌ひや鳳仙花 松岡 節子
生身魂智者の如くに法を説き 黒澤喜美枝
特 選 蓑虫の蓑に縫目のなかりけり 守作けい子
互選高点句より
15点 葛の花こぼれ吉野に法螺ひびく 昇
12点 東塔の影を引きずる冬日かな 康 夫
老いてなほ消せぬ火のあり赤とんぼ 静 子
8点 浦深く灯す一船秋の声 毅
評判の売り子は傘寿ねこじやらし 道 明
長老の今日はネクタイ秋祭 三和子
流行服の案山子の見てる電車かな 知 美
蓑虫の蓑に縫目のなかりけり けい子
7点 引力は縦方向や長瓢簞 邦 夫
6点 ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 康 子
5点 露の世や自分史書けば父母のこと 圭 子
月こよひ郵便ポストへ落とす音 かつ子
カラス鳴き庭にざくろの叫ぶ声 ちあき
15点 葛の花こぼれ吉野に法螺ひびく 昇
12点 東塔の影を引きずる冬日かな 康 夫
老いてなほ消せぬ火のあり赤とんぼ 静 子
8点 浦深く灯す一船秋の声 毅
評判の売り子は傘寿ねこじやらし 道 明
長老の今日はネクタイ秋祭 三和子
流行服の案山子の見てる電車かな 知 美
蓑虫の蓑に縫目のなかりけり けい子
7点 引力は縦方向や長瓢簞 邦 夫
6点 ビルの玻璃独り占めする秋夕焼 康 子
5点 露の世や自分史書けば父母のこと 圭 子
月こよひ郵便ポストへ落とす音 かつ子
カラス鳴き庭にざくろの叫ぶ声 ちあき
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1月号一句集(第644回)(702号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
風に乗りタンゴ舞ふかに赤とんぼ 福多小夜子
夜半の雨俄に秋をつれて来し 田中 道代
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 大前 邦子
言の葉も短になりし残暑かな 服部 康子
特 選 願ひごと願ひ尽くして星流る 上田 圭子
楠 田 かつ子 選
夜半の雨俄に秋をつれて来し 田中 道代
爪紅や触診の指うら若し 醒井 龍子
残暑とは肩で息する厨事 鈴木かず子
八幡の社の中の竹の春 草信 勝之
特 選 禅寺の鯨骨白し夜の秋 中野千鶴子
木 下 数 子 選
夜半の雨俄に雨をつれて来し 田中 道代
葛の花変体仮名の文学碑 本庄 文子
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 大前 邦子
夕立や駅舎に残る水溜り 黒澤喜美枝
特 選 生身魂経読む声の衰へず 吉岡すみ子
風に乗りタンゴ舞ふかに赤とんぼ 福多小夜子
夜半の雨俄に秋をつれて来し 田中 道代
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 大前 邦子
言の葉も短になりし残暑かな 服部 康子
特 選 願ひごと願ひ尽くして星流る 上田 圭子
夜半の雨俄に秋をつれて来し 田中 道代
爪紅や触診の指うら若し 醒井 龍子
残暑とは肩で息する厨事 鈴木かず子
八幡の社の中の竹の春 草信 勝之
特 選 禅寺の鯨骨白し夜の秋 中野千鶴子
夜半の雨俄に雨をつれて来し 田中 道代
葛の花変体仮名の文学碑 本庄 文子
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 大前 邦子
夕立や駅舎に残る水溜り 黒澤喜美枝
特 選 生身魂経読む声の衰へず 吉岡すみ子
互選高点句より
15点 綿の実のひとりはぜたる日和かな けい子
12点 風鈴に風の言葉を持たせをり りゑ子
8点 願ひごと願ひ尽くして星流る 圭 子
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 邦 子
6点 禅寺の鯨骨白し夜の秋 千鶴子
物忘れ許容範囲や生身魂 節 子
秋風や日の丸なびく村役場 康 夫
葛の花変体仮名の文学碑 文 子
5点 草雲雀の鳴きごゑを踏み農夫かな かつ子
原色の街になじめず秋の月 毅
残暑とは肩で息する厨事 かず子
野崎唄流れ掛茶屋心太 静 子
15点 綿の実のひとりはぜたる日和かな けい子
12点 風鈴に風の言葉を持たせをり りゑ子
8点 願ひごと願ひ尽くして星流る 圭 子
夕焼けていつもと違ふ町にゐる 邦 子
6点 禅寺の鯨骨白し夜の秋 千鶴子
物忘れ許容範囲や生身魂 節 子
秋風や日の丸なびく村役場 康 夫
葛の花変体仮名の文学碑 文 子
5点 草雲雀の鳴きごゑを踏み農夫かな かつ子
原色の街になじめず秋の月 毅
残暑とは肩で息する厨事 かず子
野崎唄流れ掛茶屋心太 静 子
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12月号一句集(第643回)(701号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 楠田かつ子
流燈の思ひ水面に漂へり 片岡 和子
空蟬や公園にもう誰もゐず 中野千鶴子
晩夏なる風の軽さや駅の椅子 鈴木かず子
特 選 腕白も畏みくぐる茅の輪かな 翁長三和子
楠 田 かつ子 選
招かれて裏の川まで鰻筒 芝 惠子
言わぬ愚痴耐える愚痴あり麦茶飲む 田中 道代
白壁に潮騒をきく秋はじめ 安孫子康夫
挿絵ある野ざらし紀行夏深し 木下 数子
特 選 木の椅子のレトロな駅舎夏至の昼 谷 美知子
木 下 数 子 選
山百合や古民家早き夕灯し 切建 昇
始めてはならぬ戦や夏の雲 広渡 とし
今朝空へ太郎次郎も夏燕 谷口 一夫
晩夏なる風の軽さや駅の椅子 鈴木かず子
特 選 夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 楠田かつ子
夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 楠田かつ子
流燈の思ひ水面に漂へり 片岡 和子
空蟬や公園にもう誰もゐず 中野千鶴子
晩夏なる風の軽さや駅の椅子 鈴木かず子
特 選 腕白も畏みくぐる茅の輪かな 翁長三和子
招かれて裏の川まで鰻筒 芝 惠子
言わぬ愚痴耐える愚痴あり麦茶飲む 田中 道代
白壁に潮騒をきく秋はじめ 安孫子康夫
挿絵ある野ざらし紀行夏深し 木下 数子
特 選 木の椅子のレトロな駅舎夏至の昼 谷 美知子
山百合や古民家早き夕灯し 切建 昇
始めてはならぬ戦や夏の雲 広渡 とし
今朝空へ太郎次郎も夏燕 谷口 一夫
晩夏なる風の軽さや駅の椅子 鈴木かず子
特 選 夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 楠田かつ子
互選高点句より
11点 夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 かつ子
8点 若者の野性に戻る盛夏かな けい子
遠雷や物理教師の怒り肩 圭 子
6点 夏座敷陶土の豚の鼻けぶり 邦 子
腕白も畏みくぐる茅の輪かな 三和子
言わぬ愚痴耐える愚痴あり麦茶飲む 道 代
海峡を炎に染めて大夕焼 昌 弘
5点 流燈の思ひ水面に漂へり 和 子
4点 百度踏む姉妹の背ナに梅雨雫 康 子
高層ビルを押しつぶさむか雲の峰 し の
メロン切る児の口程の大きさに 八重子
11点 夏休み雑魚寝たのしき祖母の家 かつ子
8点 若者の野性に戻る盛夏かな けい子
遠雷や物理教師の怒り肩 圭 子
6点 夏座敷陶土の豚の鼻けぶり 邦 子
腕白も畏みくぐる茅の輪かな 三和子
言わぬ愚痴耐える愚痴あり麦茶飲む 道 代
海峡を炎に染めて大夕焼 昌 弘
5点 流燈の思ひ水面に漂へり 和 子
4点 百度踏む姉妹の背ナに梅雨雫 康 子
高層ビルを押しつぶさむか雲の峰 し の
メロン切る児の口程の大きさに 八重子
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11月号一句集(第642回)(700号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
坪庭の花となりたる金魚かな 中野千鶴子
夏蝶の行く手はまほら無人駅 山根八重子
神代より戦は定めはたた神 横山三恵子
一声の樹々に透けたるほととぎす 大橋 保司
特 選 日に増して老鶯のこゑ太くなり 鈴木かず子
楠 田 かつ子 選
かき氷五感に順位ありにけり 守作けい子
万葉の山の夕日や蕎麦の花 藤川 毅
かなかなや明治を残す石畳 安孫子康夫
夕鐘の届く湖畔の涼しさよ 谷口 一夫
特 選 父忌日もつとも父の日のやうな 片岡 和子
木 下 数 子 選
夏草の匂ふ史跡の忠魂碑 後藤 昌弘
一声の樹々に透けたるほととぎす 大橋 保司
急ぎつゝ足のそろひし百足かな 本庄 文子
夕日差す海の奥より土用波 大前 邦子
特 選 かなかなや明治を残す石畳 安孫子康夫
坪庭の花となりたる金魚かな 中野千鶴子
夏蝶の行く手はまほら無人駅 山根八重子
神代より戦は定めはたた神 横山三恵子
一声の樹々に透けたるほととぎす 大橋 保司
特 選 日に増して老鶯のこゑ太くなり 鈴木かず子
かき氷五感に順位ありにけり 守作けい子
万葉の山の夕日や蕎麦の花 藤川 毅
かなかなや明治を残す石畳 安孫子康夫
夕鐘の届く湖畔の涼しさよ 谷口 一夫
特 選 父忌日もつとも父の日のやうな 片岡 和子
夏草の匂ふ史跡の忠魂碑 後藤 昌弘
一声の樹々に透けたるほととぎす 大橋 保司
急ぎつゝ足のそろひし百足かな 本庄 文子
夕日差す海の奥より土用波 大前 邦子
特 選 かなかなや明治を残す石畳 安孫子康夫
互選高点句より
10点 かき氷五感に順位ありにけり けい子
片陰をパズルのごとく拾ひをり かつ子
8点 かなかなや明治を残す石畳 康 夫
7点 白南風や幟のうなぎ泳ぎ出す 敏 子
6点 万葉の山の夕日や蕎麦の花 毅
呼べば「ハイ」返事の良い子夏帽子 圭 子
5点 夏草の匂ふ史跡の忠魂碑 昌 弘
短夜や寝返り打てば厨音 恭 子
夏つばめ巣立ちしあとの空家かな あゆみ
神代より戦は定めはたた神 三恵子
一声の樹々に透けたるほととぎす 保 司
10点 かき氷五感に順位ありにけり けい子
片陰をパズルのごとく拾ひをり かつ子
8点 かなかなや明治を残す石畳 康 夫
7点 白南風や幟のうなぎ泳ぎ出す 敏 子
6点 万葉の山の夕日や蕎麦の花 毅
呼べば「ハイ」返事の良い子夏帽子 圭 子
5点 夏草の匂ふ史跡の忠魂碑 昌 弘
短夜や寝返り打てば厨音 恭 子
夏つばめ巣立ちしあとの空家かな あゆみ
神代より戦は定めはたた神 三恵子
一声の樹々に透けたるほととぎす 保 司
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10月号一句集(第641回)(699号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
ひなげしや少女のような風少し 沖津 京子
業平の色香残して杜若 翁長三和子
リラ咲かす家の主を未だ知らず 中野千鶴子
ユニホーム乾く高階夏夕べ 田中 敏子
特 選 花は葉に同じ話に湧く法事 横山三恵子
楠 田 かつ子 選
遊船の沖へ水尾引く潮ぐもり 田中 美月
リラ咲かす家の主を未だ知らず 中野千鶴子
花は葉に同じ話に湧く法事 横山三恵子
雲一つ流れて吉野夏となり 倉坂 桑史
特 選 業平の色香残して杜若 翁長三和子
木 下 数 子 選
梅花藻の花ゆらめくや岩倉郷 藤川 毅
短命を力のかぎり蟬しぐれ 大前 邦子
薫風の城址母校を足許に 森本 知美
草千里牧場に放つ仔馬かな 馬場 静子
特 選 時の日や茶葉ひらく間の砂時計 楠田かつ子
ひなげしや少女のような風少し 沖津 京子
業平の色香残して杜若 翁長三和子
リラ咲かす家の主を未だ知らず 中野千鶴子
ユニホーム乾く高階夏夕べ 田中 敏子
特 選 花は葉に同じ話に湧く法事 横山三恵子
遊船の沖へ水尾引く潮ぐもり 田中 美月
リラ咲かす家の主を未だ知らず 中野千鶴子
花は葉に同じ話に湧く法事 横山三恵子
雲一つ流れて吉野夏となり 倉坂 桑史
特 選 業平の色香残して杜若 翁長三和子
梅花藻の花ゆらめくや岩倉郷 藤川 毅
短命を力のかぎり蟬しぐれ 大前 邦子
薫風の城址母校を足許に 森本 知美
草千里牧場に放つ仔馬かな 馬場 静子
特 選 時の日や茶葉ひらく間の砂時計 楠田かつ子
互選高点句より
10点 時の日の茶葉ひらく間の砂時計 かつ子
業平の色香残して杜若 三和子
9点 雲一つ流れて吉野夏となり 桑 史
8点 草千里牧場に放つ仔馬かな 静 子
花は葉に同じ話に湧く法事 三恵子
7点 まざまざと原野を見せる夏野かな 和 子
寺に残る木版活字梅雨に入る 数 子
リラ咲かす家の主を未だ知らず 千鶴子
6点 遊船の沖へ水尾引く潮ぐもり 美 月
薫風の城址母校を足許に 知 美
ひなげしや少女のような風少し 京 子
滝の道音近くなり遠くなり 道 代
5点 鬱とあらば若葉の光浴びてこよ かず子
ゆつくりと風に逆らふ柳かな さかえ
10点 時の日の茶葉ひらく間の砂時計 かつ子
業平の色香残して杜若 三和子
9点 雲一つ流れて吉野夏となり 桑 史
8点 草千里牧場に放つ仔馬かな 静 子
花は葉に同じ話に湧く法事 三恵子
7点 まざまざと原野を見せる夏野かな 和 子
寺に残る木版活字梅雨に入る 数 子
リラ咲かす家の主を未だ知らず 千鶴子
6点 遊船の沖へ水尾引く潮ぐもり 美 月
薫風の城址母校を足許に 知 美
ひなげしや少女のような風少し 京 子
滝の道音近くなり遠くなり 道 代
5点 鬱とあらば若葉の光浴びてこよ かず子
ゆつくりと風に逆らふ柳かな さかえ
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9月号一句集(第640回)(698号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
掘割の水の匂ひや半夏生 田中 美月
一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 後藤 昌弘
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん 広渡 とし
北山の杉千本の梅雨入かな 安孫子康夫
特 選 橋際の護り地蔵や竹の秋 田中 敏子
楠 田 かつ子 選
春満月はるかな人と交信す 翁長三和子
一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 後藤 昌弘
みどりさす町屋土蔵の写真展 紺谷 葵
川上は風のふるさと鯉幟 恒藤 邦夫
特 選 海風もふるさとの香や花蜜柑 谷口 一夫
木 下 数 子 選
桜蕊降るランドセル色いろいろ 伊藤 しの
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん 広渡 とし
畦塗りや光集めててらてらと 上田 芳枝
田に空を映して田植はじまりぬ 黒澤喜美枝
特 選 青空へ服だぶつかせ入園す 山根八重子
掘割の水の匂ひや半夏生 田中 美月
一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 後藤 昌弘
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん 広渡 とし
北山の杉千本の梅雨入かな 安孫子康夫
特 選 橋際の護り地蔵や竹の秋 田中 敏子
春満月はるかな人と交信す 翁長三和子
一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 後藤 昌弘
みどりさす町屋土蔵の写真展 紺谷 葵
川上は風のふるさと鯉幟 恒藤 邦夫
特 選 海風もふるさとの香や花蜜柑 谷口 一夫
桜蕊降るランドセル色いろいろ 伊藤 しの
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん 広渡 とし
畦塗りや光集めててらてらと 上田 芳枝
田に空を映して田植はじまりぬ 黒澤喜美枝
特 選 青空へ服だぶつかせ入園す 山根八重子
互選高点句より
16点 一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 昌 弘
15点 北山の杉千本の梅雨入かな 康 夫
8点 掘割の水の匂ひや半夏生 美 月
海風もふるさとの香の花蜜柑 一 夫
7点 エレベーター五月の街を垂直に 圭 子
6点 行く春や鳥のアカペラ粲さんと けい子
春満月はるかな人と交信す 三和子
5点 船に添い海豚八頭春の海 恭 子
揚雲雀記紀の山々模糊として 邦 子
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん と し
滴りの断ち切れさうで断ち切れず 道 代
16点 一駅を歩いて嵯峨の春惜しむ 昌 弘
15点 北山の杉千本の梅雨入かな 康 夫
8点 掘割の水の匂ひや半夏生 美 月
海風もふるさとの香の花蜜柑 一 夫
7点 エレベーター五月の街を垂直に 圭 子
6点 行く春や鳥のアカペラ粲さんと けい子
春満月はるかな人と交信す 三和子
5点 船に添い海豚八頭春の海 恭 子
揚雲雀記紀の山々模糊として 邦 子
戦争を知らぬ幸せ豆ごはん と し
滴りの断ち切れさうで断ち切れず 道 代
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8月号一句集(第639回)(697号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
菜の花や女系家族の丸き鼻 上田 圭子
ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ 守作けい子
山の端は花の盛りや登り窯 吉岡すみ子
捨てし句を拾ひ直して山笑ふ 寺野りゑ子
特 選 この辺り廃寺址とやつくし摘む 木下 数子
楠 田 かつ子 選
壬申の戦の橋や散る桜 安孫子康夫
誰か手を上げて近づく朧かな 中野千鶴子
かにかくに吟行楽し風光る 翁長三和子
三椏や紙は神なり和紙の里 山口 道明
特 選 この辺り廃寺址とやつくし摘む 木下 数子
木 下 数 子 選
燕来る何かくはえてをりにけり 福多小夜子
春日野の杜深々と囀れり 田中 美月
春の闇いのちの気配充ちみちて 片岡 和子
使はねば文字忘れをり花曇り 愛須 淑子
特 選 ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ 守作けい子
菜の花や女系家族の丸き鼻 上田 圭子
ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ 守作けい子
山の端は花の盛りや登り窯 吉岡すみ子
捨てし句を拾ひ直して山笑ふ 寺野りゑ子
特 選 この辺り廃寺址とやつくし摘む 木下 数子
壬申の戦の橋や散る桜 安孫子康夫
誰か手を上げて近づく朧かな 中野千鶴子
かにかくに吟行楽し風光る 翁長三和子
三椏や紙は神なり和紙の里 山口 道明
特 選 この辺り廃寺址とやつくし摘む 木下 数子
燕来る何かくはえてをりにけり 福多小夜子
春日野の杜深々と囀れり 田中 美月
春の闇いのちの気配充ちみちて 片岡 和子
使はねば文字忘れをり花曇り 愛須 淑子
特 選 ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ 守作けい子
互選高点句より
12点 菜の花や女系家族の丸き鼻 圭 子
ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ けい子
11点 こはれゆく母へ花びらかがやけり 佰 代
10点 春日野の杜深々と囀れり 美 月
9点 春風に五体預けて無となりぬ 八重子
8点 この辺り廃寺址とやつくし摘む 数 子
7点 山の端は花の盛りや登り窯 すみ子
捨てし句を拾ひ直して山笑ふ りゑ子
ぽつかりと亀の首浮く日永かな 京 子
使はねば文字忘れをり花曇り 淑 子
6点 人生を違ふ道来て桜時 恵 子
誰か手を上げて近づく朧かな 千鶴子
5点 浮かびくる悲喜こもごもや花吹雪 三恵子
花冷の耳をはなれぬ水の音 道 代
三椏や紙は神なり和紙の里 道 明
風は野の春動かせて過ぎにけり 毅
12点 菜の花や女系家族の丸き鼻 圭 子
ぼろぼろの野鳥図鑑や山笑ふ けい子
11点 こはれゆく母へ花びらかがやけり 佰 代
10点 春日野の杜深々と囀れり 美 月
9点 春風に五体預けて無となりぬ 八重子
8点 この辺り廃寺址とやつくし摘む 数 子
7点 山の端は花の盛りや登り窯 すみ子
捨てし句を拾ひ直して山笑ふ りゑ子
ぽつかりと亀の首浮く日永かな 京 子
使はねば文字忘れをり花曇り 淑 子
6点 人生を違ふ道来て桜時 恵 子
誰か手を上げて近づく朧かな 千鶴子
5点 浮かびくる悲喜こもごもや花吹雪 三恵子
花冷の耳をはなれぬ水の音 道 代
三椏や紙は神なり和紙の里 道 明
風は野の春動かせて過ぎにけり 毅
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7月号一句集(第638回)(696号) ps
(・は選者の添削)
中 谷 貞 子 選
山笑ふいつも心に夫のゐて 沖津 京子
花手水椿浮かべて観音堂 横山三恵子
小流れの森に鼓動や風光る 田中 道代
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 服部 康子
特 選 風光る向かう岸にも走る人 恒藤 邦夫
楠 田 かつ子 選
日脚伸ぶけやき並木の続きをり 村岡 靖子
神童も美少女も老ゆ朝桜 切建 昇
下萌や橋の真中に風の音 大前 邦子
春立つや風にやさしさ戻りけり 島本 一麻
特 選 名も知らぬ山の頂き春の雪 谷口 一夫
木 下 数 子 選
ペダル踏む音軽やかに花菜風 後藤 昌弘
虎落笛意地張る父の後ろ行き 寺野りゑ子
汀子逝く芦屋鎮もる春の雨 翁長三和子
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 服部 康子
特 選 風光る向かう岸にも走る人 恒藤 邦夫
山笑ふいつも心に夫のゐて 沖津 京子
花手水椿浮かべて観音堂 横山三恵子
小流れの森に鼓動や風光る 田中 道代
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 服部 康子
特 選 風光る向かう岸にも走る人 恒藤 邦夫
日脚伸ぶけやき並木の続きをり 村岡 靖子
神童も美少女も老ゆ朝桜 切建 昇
下萌や橋の真中に風の音 大前 邦子
春立つや風にやさしさ戻りけり 島本 一麻
特 選 名も知らぬ山の頂き春の雪 谷口 一夫
ペダル踏む音軽やかに花菜風 後藤 昌弘
虎落笛意地張る父の後ろ行き 寺野りゑ子
汀子逝く芦屋鎮もる春の雨 翁長三和子
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 服部 康子
特 選 風光る向かう岸にも走る人 恒藤 邦夫
互選高点句より
11点 小流れの森に鼓動や風光る 道 代
9点 ペダル踏む音軽やかに花菜風 昌 弘
神童も美少女も老ゆ朝桜 昇
風光る向かう岸にも走る人 邦 夫
8点 春風を待つ観音のくすりゆび と し
春雷や丹波の鬼の男ぶり 康 夫
7点 山笑ふいつも心に夫のゐて 京 子
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 康 子
待つ人に待たるる人に春の雨 けい子
6点 花手水椿浮かべて観音堂 三恵子
5点 隙間風ひとりの夜はことさらに し の
汀子逝く芦屋鎮もる春の雨 三和子
会ひたくて遠回りするすみれ草 八重子
11点 小流れの森に鼓動や風光る 道 代
9点 ペダル踏む音軽やかに花菜風 昌 弘
神童も美少女も老ゆ朝桜 昇
風光る向かう岸にも走る人 邦 夫
8点 春風を待つ観音のくすりゆび と し
春雷や丹波の鬼の男ぶり 康 夫
7点 山笑ふいつも心に夫のゐて 京 子
いつの間に母と娘逆転山笑ふ 康 子
待つ人に待たるる人に春の雨 けい子
6点 花手水椿浮かべて観音堂 三恵子
5点 隙間風ひとりの夜はことさらに し の
汀子逝く芦屋鎮もる春の雨 三和子
会ひたくて遠回りするすみれ草 八重子
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6月号一句集(第637回)(695号) ps
中 谷 貞 子 選
年毎に病名ふえし若菜粥 芝 恵子
社家町の水の流れや緑立つ 安孫子康夫
集まりて病気自慢の日向ぼこ 山口ちあき
それぞれの嶺のまとひし雪の色 松村さかえ
特 選 冬ざくら湖北の空のあをみたる 田中 美月
楠 田 かつ子 選
ひとひらに闇ひとつづつぼたん雪 鈴木かず子
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 中谷 貞子
梲には鏝絵の家紋寒雀 木下 数子
桜貝海は奪ひも与へもす 片岡 和子
特 選 浮雲の風花こぼしゆきにけり 馬場 静子
木 下 数 子 選
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 中谷 貞子
伸びるだけ伸ばす手足や初湯あぶ 松岡 節子
寒椿徳利に一輪違ひ棚 吉岡すみ子
立春の湖にひかりの戻りけり 草信 勝之
特 選 桜貝海は奪ひも与へもす 片岡 和子
年毎に病名ふえし若菜粥 芝 恵子
社家町の水の流れや緑立つ 安孫子康夫
集まりて病気自慢の日向ぼこ 山口ちあき
それぞれの嶺のまとひし雪の色 松村さかえ
特 選 冬ざくら湖北の空のあをみたる 田中 美月
ひとひらに闇ひとつづつぼたん雪 鈴木かず子
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 中谷 貞子
梲には鏝絵の家紋寒雀 木下 数子
桜貝海は奪ひも与へもす 片岡 和子
特 選 浮雲の風花こぼしゆきにけり 馬場 静子
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 中谷 貞子
伸びるだけ伸ばす手足や初湯あぶ 松岡 節子
寒椿徳利に一輪違ひ棚 吉岡すみ子
立春の湖にひかりの戻りけり 草信 勝之
特 選 桜貝海は奪ひも与へもす 片岡 和子
互選高点句より
12点 弾めどもみんな切なき手毬唄 けい子
8点 街路樹の伐られて冬空高きかな 千寿子
桜貝海は奪ひも与へもす 和 子
7点 登校の子らを見てをり雪達磨 三和子
浜干しの目刺は海の色香のせ 淑 子
6点 ひとひらに闇ひとつづつぼたん雪 かず子
伸びるだけ伸ばす手足や初湯あぶ 節 子
立春の湖にひかりの戻りけり 勝 之
5点 夜の湖に星座のやうな百合鷗 邦 夫
待春のこころ育てて八十路かな 昌 弘
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 貞 子
社家町の水の流れや緑立つ 康 夫
けんぱーの円の残りし春の土 京 子
集まりて病気自慢の日向ぼこ ちあき
冬ざくら湖北の空のあをみたる 美 月
梲には鏝絵の家紋寒雀 数 子
12点 弾めどもみんな切なき手毬唄 けい子
8点 街路樹の伐られて冬空高きかな 千寿子
桜貝海は奪ひも与へもす 和 子
7点 登校の子らを見てをり雪達磨 三和子
浜干しの目刺は海の色香のせ 淑 子
6点 ひとひらに闇ひとつづつぼたん雪 かず子
伸びるだけ伸ばす手足や初湯あぶ 節 子
立春の湖にひかりの戻りけり 勝 之
5点 夜の湖に星座のやうな百合鷗 邦 夫
待春のこころ育てて八十路かな 昌 弘
鞦韆に坐せば自づと唱歌出て 貞 子
社家町の水の流れや緑立つ 康 夫
けんぱーの円の残りし春の土 京 子
集まりて病気自慢の日向ぼこ ちあき
冬ざくら湖北の空のあをみたる 美 月
梲には鏝絵の家紋寒雀 数 子
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5月号一句集(第636回)(694号) ps
中 谷 貞 子 選
サイレンは正午の合図薪を割る 翁長三和子
地図上は点にも成らず山眠る 寺野りゑ子
一羽二羽雀まず来る注連飾 沖津 京子
駅伝や小雪の古都を抜き抜かれ 横山三恵子
特 選 歓喜して日輪抱く枯木立 山口 道明
楠 田 かつ子 選
禅寺の縁に落葉の積りけり 紺谷 葵
老いらくの渾身冬至南瓜切る 醒井 龍子
鶏鳴のよく響きたる寒日和 重松 里代
川音も小さくなりぬ寒の月 大前 邦子
特 選 聞き上手話し上手や温め酒 吉岡すみ子
木 下 数 子 選
「こん」と来て石狐の遊ぶ枯野道 馬場 静子
冬うらら犬が顔出す乳母車 伊藤 しの
冬うらら村に一つの土橋あり 谷口 一夫
川音も小さくなりぬ寒の月 大前 邦子
特 選 バス停にミニ図書館や冬日濃し 楠田かつ子
サイレンは正午の合図薪を割る 翁長三和子
地図上は点にも成らず山眠る 寺野りゑ子
一羽二羽雀まず来る注連飾 沖津 京子
駅伝や小雪の古都を抜き抜かれ 横山三恵子
特 選 歓喜して日輪抱く枯木立 山口 道明
禅寺の縁に落葉の積りけり 紺谷 葵
老いらくの渾身冬至南瓜切る 醒井 龍子
鶏鳴のよく響きたる寒日和 重松 里代
川音も小さくなりぬ寒の月 大前 邦子
特 選 聞き上手話し上手や温め酒 吉岡すみ子
「こん」と来て石狐の遊ぶ枯野道 馬場 静子
冬うらら犬が顔出す乳母車 伊藤 しの
冬うらら村に一つの土橋あり 谷口 一夫
川音も小さくなりぬ寒の月 大前 邦子
特 選 バス停にミニ図書館や冬日濃し 楠田かつ子
互選高点句より
13点 聞き上手話し上手や温め酒 すみ子
9点 言の葉の棘にぢんわり玉子酒 かず子
7点 通船の運河をすべる小春かな ひとし
眼科・歯科・耳鼻科も行かな師走なり 圭 子
6点 潮騒を耳朶に残して寒明くる 康 夫
航跡の末広がりに水仙花 美 月
鶏鳴のよく響きたる寒日和 里 代
5点 遠吠へのいつしか消へし冬満月 昇
一羽二羽雀まず来る注連飾 京 子
いにしへを語る老松雪纏ひ 千寿子
息白し悲しい事を言うときも 毅
親御はす湖北の里は雪しまき 淑 子
13点 聞き上手話し上手や温め酒 すみ子
9点 言の葉の棘にぢんわり玉子酒 かず子
7点 通船の運河をすべる小春かな ひとし
眼科・歯科・耳鼻科も行かな師走なり 圭 子
6点 潮騒を耳朶に残して寒明くる 康 夫
航跡の末広がりに水仙花 美 月
鶏鳴のよく響きたる寒日和 里 代
5点 遠吠へのいつしか消へし冬満月 昇
一羽二羽雀まず来る注連飾 京 子
いにしへを語る老松雪纏ひ 千寿子
息白し悲しい事を言うときも 毅
親御はす湖北の里は雪しまき 淑 子
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4月号一句集(第635回)(693号) ps
中 谷 貞 子 選
五百年の銀杏黄葉や行在所 木下 数子
人間を好きな鳥ゐてけふ小春 鈴木かず子
太閤傘に劣らぬ楓もみぢかな 田中 敏子
香ばしく味噌の焼けゆく囲炉裏かな 翁長三和子
特 選 朱の鳥居艶やかにして片時雨 沖津 京子
楠 田 かつ子 選
雪催ひポストに入れる音ひとつ 重松 里代
ともづなに千の電飾クリスマス 田中 美月
黄落や呼応の長き鹿の声 中谷 貞子
香ばしく味噌の焼けゆく囲炉裏かな 翁長三和子
特 選 翔平てふ名は半額や夜鷹蕎麦 寺野りゑ子
木 下 数 子 選
雪催ひポストに入れる音ひとつ 重松 里代
黄落や呼応の長き鹿の声 中谷 貞子
もみづれるもの映さんと山湖あり 馬場 静子
冬に入る川の流れのゆるやかに 岩佐 純子
特 選 終点は狼煙の町の能登時雨 佐藤ひとし
五百年の銀杏黄葉や行在所 木下 数子
人間を好きな鳥ゐてけふ小春 鈴木かず子
太閤傘に劣らぬ楓もみぢかな 田中 敏子
香ばしく味噌の焼けゆく囲炉裏かな 翁長三和子
特 選 朱の鳥居艶やかにして片時雨 沖津 京子
雪催ひポストに入れる音ひとつ 重松 里代
ともづなに千の電飾クリスマス 田中 美月
黄落や呼応の長き鹿の声 中谷 貞子
香ばしく味噌の焼けゆく囲炉裏かな 翁長三和子
特 選 翔平てふ名は半額や夜鷹蕎麦 寺野りゑ子
雪催ひポストに入れる音ひとつ 重松 里代
黄落や呼応の長き鹿の声 中谷 貞子
もみづれるもの映さんと山湖あり 馬場 静子
冬に入る川の流れのゆるやかに 岩佐 純子
特 選 終点は狼煙の町の能登時雨 佐藤ひとし
互選高点句より
17点 雪催ひポストに入れる音ひとつ 里 代
12点 終点は狼煙の町の能登時雨 ひとし
10点 人間を好きな鳥ゐてけふ小春 かず子
9点 黄落や呼応の長き鹿の声 貞 子
8点 ともづなに千の電飾クリスマス 美 月
夕闇の寂しさ乗せて鳰の笛 ちあき
切株の年輪数ふ日向ぼこ 龍 子
7点 眉上げて凩起こす風の神 康 子
6点 千手仏の千を救ふ手花八手 一 夫
雪降るや百万石の菱櫓 康 夫
初弓や冷気切り裂く弦の音 重 悟
5点 五百年の銀杏黄葉や行在所 数 子
老妻は呑める口なり玉子酒 勝 之
17点 雪催ひポストに入れる音ひとつ 里 代
12点 終点は狼煙の町の能登時雨 ひとし
10点 人間を好きな鳥ゐてけふ小春 かず子
9点 黄落や呼応の長き鹿の声 貞 子
8点 ともづなに千の電飾クリスマス 美 月
夕闇の寂しさ乗せて鳰の笛 ちあき
切株の年輪数ふ日向ぼこ 龍 子
7点 眉上げて凩起こす風の神 康 子
6点 千手仏の千を救ふ手花八手 一 夫
雪降るや百万石の菱櫓 康 夫
初弓や冷気切り裂く弦の音 重 悟
5点 五百年の銀杏黄葉や行在所 数 子
老妻は呑める口なり玉子酒 勝 之
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3月号一句集(第634回)(692号) ps
中 谷 貞 子 選
秋晴や公園デビューの小さき靴 大前 邦子
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
木守柿へ鳥の来てゐる夕べかな 太田 明子
秋日濃き村の一所の案内図 村岡 靖子
特 選 新装の菓子店のあり秋うらら 山口 晴空
楠 田 かつ子 選
古都奈良の「フクロウカフェ」
敬老の日 藤川 毅
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
蛤御門くぐり一日の秋惜しむ 吉岡すみ子
天空の風の強さよ冬に入る 谷口 一夫
特 選 鳩吹くや父の孤独をかいま見る 守作けい子
木 下 数 子 選
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
海峡の果の果まで星月夜 後藤 昌弘
かりんの実人に十人十色かな 田中 敏子
冬立つや少し流れの遅くなり 横山三恵子
特 選 秋晴や公園デビューの小さき靴 大前 邦子
秋晴や公園デビューの小さき靴 大前 邦子
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
木守柿へ鳥の来てゐる夕べかな 太田 明子
秋日濃き村の一所の案内図 村岡 靖子
特 選 新装の菓子店のあり秋うらら 山口 晴空
古都奈良の「フクロウカフェ」
敬老の日 藤川 毅
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
蛤御門くぐり一日の秋惜しむ 吉岡すみ子
天空の風の強さよ冬に入る 谷口 一夫
特 選 鳩吹くや父の孤独をかいま見る 守作けい子
沈む日に影絵のやうな冬木立 恒藤 邦夫
海峡の果の果まで星月夜 後藤 昌弘
かりんの実人に十人十色かな 田中 敏子
冬立つや少し流れの遅くなり 横山三恵子
特 選 秋晴や公園デビューの小さき靴 大前 邦子
互選高点句より
10点 鳩吹くや父の孤独をかいま見る けい子
沈む日に影絵のやうな冬木立 邦 夫
海峡の果の果まで星月夜 昌 弘
8点 寝返りが出来てにつこり菊日和 数 子
6点 老い先も死に方もまた霧の中 道 明
かりんの実人に十人十色かな 敏 子
5点 三方五湖色を違へて水澄めり 美 月
秋晴や公園デビューの小さき靴 邦 子
釣鐘に清姫の炎や秋深し 恵 子
天高し奈良の旧家の深廂 し の
湧ける雲消ゆる雲あり野路の秋 静 子
黄金波に湧きて飛び立つ稲雀 保 司
10点 鳩吹くや父の孤独をかいま見る けい子
沈む日に影絵のやうな冬木立 邦 夫
海峡の果の果まで星月夜 昌 弘
8点 寝返りが出来てにつこり菊日和 数 子
6点 老い先も死に方もまた霧の中 道 明
かりんの実人に十人十色かな 敏 子
5点 三方五湖色を違へて水澄めり 美 月
秋晴や公園デビューの小さき靴 邦 子
釣鐘に清姫の炎や秋深し 恵 子
天高し奈良の旧家の深廂 し の
湧ける雲消ゆる雲あり野路の秋 静 子
黄金波に湧きて飛び立つ稲雀 保 司
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2月号一句集(第633回)(691号) ps
中 谷 貞 子 選
秋夕べ夜間中学はや灯る 木下 数子
師の俤立ちし美男葛かな 楠田かつ子
不夜城のコンビナートや秋澄めり 横山三恵子
飛蝗跳ぶ幼き児らの騒ぐかに 翁長三和子
特 選 境内の手づくり市や神の留守 恒藤 邦夫
楠 田 かつ子 選
川底に砂の流るる寒の入 安孫子康夫
昨日より山近く見ゆ今朝の秋 伊藤 しの
秋深し縁切尼寺の絵馬の文字 谷口 一夫
古代史を辿る明日香の秋茜 後藤 昌弘
特 選 少女期を過ぎし頃の香青蜜柑 上田 圭子
木 下 数 子 選
境内の手づくり市や神の留守 恒藤 邦夫
月を見て語れば夫婦五十年 山口 道明
古代史を辿る明日香の秋茜 後藤 昌弘
曼珠沙華墓地にもありし両隣 藤川 毅
特 選 師の俤立ちし美男葛かな 楠田かつ子
秋夕べ夜間中学はや灯る 木下 数子
師の俤立ちし美男葛かな 楠田かつ子
不夜城のコンビナートや秋澄めり 横山三恵子
飛蝗跳ぶ幼き児らの騒ぐかに 翁長三和子
特 選 境内の手づくり市や神の留守 恒藤 邦夫
川底に砂の流るる寒の入 安孫子康夫
昨日より山近く見ゆ今朝の秋 伊藤 しの
秋深し縁切尼寺の絵馬の文字 谷口 一夫
古代史を辿る明日香の秋茜 後藤 昌弘
特 選 少女期を過ぎし頃の香青蜜柑 上田 圭子
境内の手づくり市や神の留守 恒藤 邦夫
月を見て語れば夫婦五十年 山口 道明
古代史を辿る明日香の秋茜 後藤 昌弘
曼珠沙華墓地にもありし両隣 藤川 毅
特 選 師の俤立ちし美男葛かな 楠田かつ子
互選高点句より
15点 境内の手づくり市や神の留守 邦 夫
10点 古代史を辿る明日香の秋茜 昌 弘
8点 曼珠沙華墓地にもありし両隣 毅
7点 不夜城のコンビナートや秋澄めり 三恵子
出格子の旧家はしんと水の秋 昇
稔り田を包む丹波の高曇り 邦 子
昨日より山近く見ゆ今朝の秋 し の
6点 神宮の玉砂利行けば水澄める けい子
薬掘る水路の先の飛鳥仏 美 月
つかの間の秋の暮色を見届けり ひとし
5点 秋夕べ夜間中学はや灯る 数 子
嚙み合はぬ世間話や敬老の友 すみ子
15点 境内の手づくり市や神の留守 邦 夫
10点 古代史を辿る明日香の秋茜 昌 弘
8点 曼珠沙華墓地にもありし両隣 毅
7点 不夜城のコンビナートや秋澄めり 三恵子
出格子の旧家はしんと水の秋 昇
稔り田を包む丹波の高曇り 邦 子
昨日より山近く見ゆ今朝の秋 し の
6点 神宮の玉砂利行けば水澄める けい子
薬掘る水路の先の飛鳥仏 美 月
つかの間の秋の暮色を見届けり ひとし
5点 秋夕べ夜間中学はや灯る 数 子
嚙み合はぬ世間話や敬老の友 すみ子
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1月号一句集(第632回)(690号) ps
中 谷 貞 子 選
又も雨茗荷の花の白さかな 鈴木かず子
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
美しく素直に育ち大糸瓜 翁長三和子
昏れなづむ秋の夕焼観覧車 佐藤ひとし
特 選 コロナ禍に提灯あらた地蔵盆 上田 芳枝
楠 田 かつ子 選
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
読書する外湯の人や秋の昼 西川千代子
そぞろ寒施設に帰る母の背 寺野りゑ子
薬とは知らぬや続く蟻の列 重松 里代
特 選 天高し星形の彫り城垣に 木下 数子
木 下 数 子 選
銀漢の端を摑みて野径行く 谷口 一夫
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
祈り続く鶴に二つの原爆忌 守作けい子
昏れなづむ秋の夕焼観覧車 佐藤ひとし
特 選 そぞろ寒施設に帰る母の背 寺野りゑ子
又も雨茗荷の花の白さかな 鈴木かず子
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
美しく素直に育ち大糸瓜 翁長三和子
昏れなづむ秋の夕焼観覧車 佐藤ひとし
特 選 コロナ禍に提灯あらた地蔵盆 上田 芳枝
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
読書する外湯の人や秋の昼 西川千代子
そぞろ寒施設に帰る母の背 寺野りゑ子
薬とは知らぬや続く蟻の列 重松 里代
特 選 天高し星形の彫り城垣に 木下 数子
銀漢の端を摑みて野径行く 谷口 一夫
稲の花ホームの長き無人駅 田中 美月
祈り続く鶴に二つの原爆忌 守作けい子
昏れなづむ秋の夕焼観覧車 佐藤ひとし
特 選 そぞろ寒施設に帰る母の背 寺野りゑ子
互選高点句より
14点 稲の花ホームの長き無人駅 美 月
10点 蟬のこゑ焦げたる日なり終戦忌 保 司
7点 それぞれの名を持つて咲く草の花 道 代
大楠や秋のひかりを散らしをり 晴 空
6点 朝焼けの空に音無く終戦忌 恭 子
5点 捨て案山子家族並べて町おこし 知 美
蟻地獄ここで生き抜くつらがまへ 毅
もらひ湯をせし母と子に天の川 圭 子
老杉に月かかりゐて蔵王堂 康 夫
秋暑し主治医の声は宙を舞ふ 八 重
14点 稲の花ホームの長き無人駅 美 月
10点 蟬のこゑ焦げたる日なり終戦忌 保 司
7点 それぞれの名を持つて咲く草の花 道 代
大楠や秋のひかりを散らしをり 晴 空
6点 朝焼けの空に音無く終戦忌 恭 子
5点 捨て案山子家族並べて町おこし 知 美
蟻地獄ここで生き抜くつらがまへ 毅
もらひ湯をせし母と子に天の川 圭 子
老杉に月かかりゐて蔵王堂 康 夫
秋暑し主治医の声は宙を舞ふ 八 重
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12月号一句集(第631回)(689号) ps
中 谷 貞 子 選
寺大工堂の裏にて三尺寝 鈴木 成子
睡蓮の葉裏くすぐる池の鯉 後藤 昌弘
太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
雷一つ遊ぶ子供の声奪ふ 谷口 一夫
特 選 喝采に応ふ役者の汗涼し 山口 道明
楠 田 かつ子 選
どつと来てどつと攫ふや梅雨出水 守作けい子
喝采に応ふ役者の汗涼し 山口 道明
五位鷺の流れ啄むはやさかな 田中 敏子
短夜の津軽三味線たびの宿 重松 里代
特 選 太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
木 下 数 子 選
寺大工堂の裏にて三尺寝 鈴木 成子
麦わら帽忘れ置かれて草茂る 白数千寿子
五位鷺の流れ啄むはやさかな 田中 敏子
太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
特 選 夾竹桃咲けば広島思ひけり 大前 邦子
寺大工堂の裏にて三尺寝 鈴木 成子
睡蓮の葉裏くすぐる池の鯉 後藤 昌弘
太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
雷一つ遊ぶ子供の声奪ふ 谷口 一夫
特 選 喝采に応ふ役者の汗涼し 山口 道明
どつと来てどつと攫ふや梅雨出水 守作けい子
喝采に応ふ役者の汗涼し 山口 道明
五位鷺の流れ啄むはやさかな 田中 敏子
短夜の津軽三味線たびの宿 重松 里代
特 選 太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
寺大工堂の裏にて三尺寝 鈴木 成子
麦わら帽忘れ置かれて草茂る 白数千寿子
五位鷺の流れ啄むはやさかな 田中 敏子
太文字の百味簞笥や合歓の花 切建 昇
特 選 夾竹桃咲けば広島思ひけり 大前 邦子
互選高点句より
14点 寺大工堂の裏にて三尺寝 成 子
10点 少年の瞳にあふる雲の峰 康 夫
9点 睡蓮の葉裏くすぐる池の鯉 昌 弘
8点 喝采に応ふ役者の汗涼し 道 明
7点 どつと来てどつと攫ふや梅雨出水 けい子
烏瓜咲きて一ト夜の夢舞台 三和子
6点 太文字の百味簞笥や合歓の花 昇
星合の逢瀬はならず涙雨 京 子
5点 夾竹桃咲けば広島思ひけり 邦 子
田の水を張る夜の蛙のこゑ高く 保 司
とんぼ来て洗濯鋏になりすます 静 子
短夜の津軽三味線たびの宿 里 代
14点 寺大工堂の裏にて三尺寝 成 子
10点 少年の瞳にあふる雲の峰 康 夫
9点 睡蓮の葉裏くすぐる池の鯉 昌 弘
8点 喝采に応ふ役者の汗涼し 道 明
7点 どつと来てどつと攫ふや梅雨出水 けい子
烏瓜咲きて一ト夜の夢舞台 三和子
6点 太文字の百味簞笥や合歓の花 昇
星合の逢瀬はならず涙雨 京 子
5点 夾竹桃咲けば広島思ひけり 邦 子
田の水を張る夜の蛙のこゑ高く 保 司
とんぼ来て洗濯鋏になりすます 静 子
短夜の津軽三味線たびの宿 里 代
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11月号一句集(第630回)(688号) ps
中 谷 貞 子 選
枇杷の実や空高き日の墓仕舞 森本 知美
まちなかに一枚田あり夕蛙 鈴木 成子
遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 広渡 とし
川音の高まる渓の濃あぢさゐ 沖津 京子
特 選 逝く夏や舟屋にかへす波頭 安孫子康夫
楠 田 かつ子 選
半寿てふ年を教はる梅雨葵 北沢 恭子
逝く夏や舟屋にかへす波頭 安孫子康夫
「ぐいのみ」は揃ひの赤絵鱧料理 吉岡すみ子
川音の高まる渓の濃あぢさゐ 沖津 京子
特 選 音高き宇治の流れや夏兆す 大前 邦子
木 下 数 子 選
少女摘む蚊吊草と知らぬまま 谷口 一夫
故郷は代替りして更衣 愛須 淑子
生き様を皺に刻みし日焼顔 山口 道明
遠雷や机の隅の反抗期 上田 圭子
特 選 遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 広渡 とし
枇杷の実や空高き日の墓仕舞 森本 知美
まちなかに一枚田あり夕蛙 鈴木 成子
遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 広渡 とし
川音の高まる渓の濃あぢさゐ 沖津 京子
特 選 逝く夏や舟屋にかへす波頭 安孫子康夫
半寿てふ年を教はる梅雨葵 北沢 恭子
逝く夏や舟屋にかへす波頭 安孫子康夫
「ぐいのみ」は揃ひの赤絵鱧料理 吉岡すみ子
川音の高まる渓の濃あぢさゐ 沖津 京子
特 選 音高き宇治の流れや夏兆す 大前 邦子
少女摘む蚊吊草と知らぬまま 谷口 一夫
故郷は代替りして更衣 愛須 淑子
生き様を皺に刻みし日焼顔 山口 道明
遠雷や机の隅の反抗期 上田 圭子
特 選 遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 広渡 とし
互選高点句より
13点 逝く夏や舟屋にかへす波頭 康 夫
まちなかに一枚田あり夕蛙 成 子
12点 生き様を皺に刻みし日焼顔 道 明
9点 老鶯や尼寺朝の茶粥噴く 数 子
「ぐいのみ」は揃ひの赤絵鱧料理 すみ子
遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 と し
8点 風鈴の音のもつるる夕べかな 昌 弘
遠雷や机の隅の反抗期 圭 子
7点 銀輪にまつ赤なベスト夏木立 かつ子
枇杷の実や空高き日の墓仕舞 知 美
6点 故郷は代替りして更衣 淑 子
5点 言葉などいらぬベンチの若葉風 道 代
朝蟬やラヂオの電池入れ換へる 恵 子
13点 逝く夏や舟屋にかへす波頭 康 夫
まちなかに一枚田あり夕蛙 成 子
12点 生き様を皺に刻みし日焼顔 道 明
9点 老鶯や尼寺朝の茶粥噴く 数 子
「ぐいのみ」は揃ひの赤絵鱧料理 すみ子
遺骨かも知れぬ白砂沖縄忌 と し
8点 風鈴の音のもつるる夕べかな 昌 弘
遠雷や机の隅の反抗期 圭 子
7点 銀輪にまつ赤なベスト夏木立 かつ子
枇杷の実や空高き日の墓仕舞 知 美
6点 故郷は代替りして更衣 淑 子
5点 言葉などいらぬベンチの若葉風 道 代
朝蟬やラヂオの電池入れ換へる 恵 子
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10月号一句集(第629回)(687号) ps
中 谷 貞 子 選
拓本は津波の教へ五月波 木下 数子
ブラシの花赫と暗渠の水ひびく 楠田かつ子
小満や進路を決めし高校生 横山三恵子
石段の奥も石段沙羅の花 後藤 昌弘
特 選 老鶯のこゑの聞こゆる窯の跡 山口 清子
楠 田 かつ子 選
お隣もそのお隣も薔薇の門 田中 美月
拓本は津波の教へ五月波 木下 数子
沖に船卓に真紅の薔薇一花 山口 道明
姫の名も母も妓もある椿展 白数千寿子
特 選 石段の奥も石段沙羅の花 後藤 昌弘
木 下 数 子 選
万緑や一樹の下に荷物置く 田中 道代
二の宮の小さき標夏あざみ 山根八重子
渡し船の離るる岸や風薫る 草信 勝之
梅雨兆す湖北の波の高くあり 太田 明子
特 選 沖に船卓に真紅の薔薇一花 山口 道明
拓本は津波の教へ五月波 木下 数子
ブラシの花赫と暗渠の水ひびく 楠田かつ子
小満や進路を決めし高校生 横山三恵子
石段の奥も石段沙羅の花 後藤 昌弘
特 選 老鶯のこゑの聞こゆる窯の跡 山口 清子
お隣もそのお隣も薔薇の門 田中 美月
拓本は津波の教へ五月波 木下 数子
沖に船卓に真紅の薔薇一花 山口 道明
姫の名も母も妓もある椿展 白数千寿子
特 選 石段の奥も石段沙羅の花 後藤 昌弘
万緑や一樹の下に荷物置く 田中 道代
二の宮の小さき標夏あざみ 山根八重子
渡し船の離るる岸や風薫る 草信 勝之
梅雨兆す湖北の波の高くあり 太田 明子
特 選 沖に船卓に真紅の薔薇一花 山口 道明
互選高点句より
12点 母の日や身の丈ほどの幸を知る 康 子
喧嘩などなかつたように子ら昼寝 し の
10点 石段の奥も石段沙羅の花 昌 弘
8点 盛り塩の門を迂回のなめくぢり 龍 子
7点 お隣もそのお隣も薔薇の門 美 月
6点 廃屋の木戸の傾ぎや蟻の列 和 江
5点 拓本は津波の教へ五月波 数 子
秘めやかに水琴窟や五月雨 佰 代
鞍馬路の移動パン屋や若葉風 圭 子
棟上げの槌音梅雨の中休み 敏 子
鉄棒に挑む幼やゆすらうめ 貞 子
二の宮の小さき標夏あざみ 八重子
少年の思慕の沈黙四葩咲く けい子
沖に船卓に真紅の薔薇一花 道 明
生きるとはワクチン予約夏帽子 淑 子
老鶯のこゑの聞こゆる窯の跡 清 子
12点 母の日や身の丈ほどの幸を知る 康 子
喧嘩などなかつたように子ら昼寝 し の
10点 石段の奥も石段沙羅の花 昌 弘
8点 盛り塩の門を迂回のなめくぢり 龍 子
7点 お隣もそのお隣も薔薇の門 美 月
6点 廃屋の木戸の傾ぎや蟻の列 和 江
5点 拓本は津波の教へ五月波 数 子
秘めやかに水琴窟や五月雨 佰 代
鞍馬路の移動パン屋や若葉風 圭 子
棟上げの槌音梅雨の中休み 敏 子
鉄棒に挑む幼やゆすらうめ 貞 子
二の宮の小さき標夏あざみ 八重子
少年の思慕の沈黙四葩咲く けい子
沖に船卓に真紅の薔薇一花 道 明
生きるとはワクチン予約夏帽子 淑 子
老鶯のこゑの聞こゆる窯の跡 清 子
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9月号一句集(第628回)(686号) ps
中 谷 貞 子 選
神苑の水辺華やぐ藤の花 後藤 昌弘
挨拶を交はすまくなぎ払ひつつ 伊藤 しの
鱒釣りの鱒を隠して花筏 恒藤 邦夫
鳥ゆする枝の間に間に夏来たる 山口 晴空
特 選 風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 藤川 毅
楠 田 かつ子 選
行く春や木串の太き五平餅 田中 美月
翔つ影のひねもす零れ楠若葉 中谷 貞子
菜の花の向うに覗く世の暗さ 山口 道明
春一番買つてしまひし売り言葉 寺野りゑ子
特 選 新緑や何でも許せさうな朝 田中 道代
木 下 数 子 選
行く春や木串の太き五平餅 田中 美月
風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 藤川 毅
逝く春の笛一管の哀史かな 安孫子康夫
オオルリの声朗朗と渓越えて 横山三恵子
特 選 菖蒲田に囲まる句碑をおもひをり 鈴木 成子
神苑の水辺華やぐ藤の花 後藤 昌弘
挨拶を交はすまくなぎ払ひつつ 伊藤 しの
鱒釣りの鱒を隠して花筏 恒藤 邦夫
鳥ゆする枝の間に間に夏来たる 山口 晴空
特 選 風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 藤川 毅
行く春や木串の太き五平餅 田中 美月
翔つ影のひねもす零れ楠若葉 中谷 貞子
菜の花の向うに覗く世の暗さ 山口 道明
春一番買つてしまひし売り言葉 寺野りゑ子
特 選 新緑や何でも許せさうな朝 田中 道代
行く春や木串の太き五平餅 田中 美月
風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 藤川 毅
逝く春の笛一管の哀史かな 安孫子康夫
オオルリの声朗朗と渓越えて 横山三恵子
特 選 菖蒲田に囲まる句碑をおもひをり 鈴木 成子
互選高点句より
14点 新緑や何でも許せそうな朝 道 代
8点 逝く春の笛一管の哀史かな 康 夫
これといふ理由なく疎遠花の冷 かず子
7点 青き踏む友と言の葉拾ひつつ 邦 子
風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 毅
老いの瞳もわらべとなりてしやぼん玉 佰 代
春一番買つてしまひし売り言葉 りゑ子
6点 春暮るる五右衛門風呂の板を踏む と し
行く春や木串の太き五平餅 美 月
曳船の高鳴る音や春河口 ひとし
5点 神苑の水辺華やぐ藤の花 昌 弘
花菜雨傘を回して子らのゆく ちあき
14点 新緑や何でも許せそうな朝 道 代
8点 逝く春の笛一管の哀史かな 康 夫
これといふ理由なく疎遠花の冷 かず子
7点 青き踏む友と言の葉拾ひつつ 邦 子
風の手も借りて皮脱ぐ今年竹 毅
老いの瞳もわらべとなりてしやぼん玉 佰 代
春一番買つてしまひし売り言葉 りゑ子
6点 春暮るる五右衛門風呂の板を踏む と し
行く春や木串の太き五平餅 美 月
曳船の高鳴る音や春河口 ひとし
5点 神苑の水辺華やぐ藤の花 昌 弘
花菜雨傘を回して子らのゆく ちあき
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8月号一句集(第627回)(685号) ps
中 谷 貞 子 選
老祢宜の前もうしろも春落葉 木下 数子
少年のひなた臭さや桃の花 渕元 幸子
地方紙に包む春筍届きけり 沖津 京子
春暁の光を返すビルの玻璃 服部 康子
特 選 鶯を椅子に聞きつつ診療所 森本 知美
楠 田 かつ子 選
春の風知らない町を歩きたし 伊藤 しの
夏草や義経道は海へ落つ 安孫子康夫
啓蟄や大地閂はづしけり 山口 道明
回廊に猫の足跡春の泥 重松 里代
特 選 初めての吾子の化粧や桃の花 馬場あゆみ
木 下 数 子 選
のどけしや明日の来ること疑はず 広渡 とし
かんざし屋のぞく花街花の昼 田中 美月
一握り半端な数の土筆摘み 菅野 節子
気がつけば五月の声を聞きにけり 小倉 瞭
特 選 初めての吾子の化粧や桃の花 馬場あゆみ
老祢宜の前もうしろも春落葉 木下 数子
少年のひなた臭さや桃の花 渕元 幸子
地方紙に包む春筍届きけり 沖津 京子
春暁の光を返すビルの玻璃 服部 康子
特 選 鶯を椅子に聞きつつ診療所 森本 知美
春の風知らない町を歩きたし 伊藤 しの
夏草や義経道は海へ落つ 安孫子康夫
啓蟄や大地閂はづしけり 山口 道明
回廊に猫の足跡春の泥 重松 里代
特 選 初めての吾子の化粧や桃の花 馬場あゆみ
のどけしや明日の来ること疑はず 広渡 とし
かんざし屋のぞく花街花の昼 田中 美月
一握り半端な数の土筆摘み 菅野 節子
気がつけば五月の声を聞きにけり 小倉 瞭
特 選 初めての吾子の化粧や桃の花 馬場あゆみ
互選高点句より
12点 回廊に猫の足跡春の泥 里 代
11点 啓蟄や開かずのままの勅使門 貞 子
9点 地方紙に包む春筍届きけり 京 子
8点 夏草や義経道は海へ落つ 康 夫
手話習ふ少女の耳朶や風光る 圭 子
7点 紙風船風と転る坂の街 すみ子
少年のひなた臭さや桃の花 幸 子
6点 薄氷を出でたる鯉のひるがへり 和 江
春の風知らない町を歩きたし し の
一握り半端な数の土筆摘み 菅節 子
初めての吾子の化粧や桃の花 あゆみ
5点 老祢宜の前もうしろも春落葉 数 子
啓蟄や大地閂はずしけり 道 明
のどけしや明日の来ること疑はず と し
まなうらに古里の景草の餅 かつ子
春暁の光を返すビルの玻璃 康 子
12点 回廊に猫の足跡春の泥 里 代
11点 啓蟄や開かずのままの勅使門 貞 子
9点 地方紙に包む春筍届きけり 京 子
8点 夏草や義経道は海へ落つ 康 夫
手話習ふ少女の耳朶や風光る 圭 子
7点 紙風船風と転る坂の街 すみ子
少年のひなた臭さや桃の花 幸 子
6点 薄氷を出でたる鯉のひるがへり 和 江
春の風知らない町を歩きたし し の
一握り半端な数の土筆摘み 菅節 子
初めての吾子の化粧や桃の花 あゆみ
5点 老祢宜の前もうしろも春落葉 数 子
啓蟄や大地閂はずしけり 道 明
のどけしや明日の来ること疑はず と し
まなうらに古里の景草の餅 かつ子
春暁の光を返すビルの玻璃 康 子
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7月号一句集(第626回)(684号) ps
中 谷 貞 子 選
みささぎの裾野ゆるやか麦青む 田中 美月
立ち直り早き呪文や桜草 上野 和江
古代雛飾る現代美術館 谷口 一夫
木々芽吹く神の嶺あり道のあり 大前 邦子
特 選 暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 鈴木 成子
楠 田 かつ子 選
渦潮の淵に裾ひく阿波人形 紺谷 葵
春の月三十階の窓明かり 木下 数子
梅が香や鴟尾の眩しき朱雀門 後藤 昌弘
水音は下社へ春の社かな 白数千寿子
特 選 意外にも老いは軽やか風光る 鈴木かず子
木 下 数 子 選
門前や綿菓子の噴く春の色 醒井 龍子
春一番自転車漕ぎの写楽顔 守作けい子
意外にも老ひは軽やか風光る 鈴木かず子
水音は下社へ春の社かな 白数千寿子
特 選 暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 鈴木 成子
みささぎの裾野ゆるやか麦青む 田中 美月
立ち直り早き呪文や桜草 上野 和江
古代雛飾る現代美術館 谷口 一夫
木々芽吹く神の嶺あり道のあり 大前 邦子
特 選 暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 鈴木 成子
渦潮の淵に裾ひく阿波人形 紺谷 葵
春の月三十階の窓明かり 木下 数子
梅が香や鴟尾の眩しき朱雀門 後藤 昌弘
水音は下社へ春の社かな 白数千寿子
特 選 意外にも老いは軽やか風光る 鈴木かず子
門前や綿菓子の噴く春の色 醒井 龍子
春一番自転車漕ぎの写楽顔 守作けい子
意外にも老ひは軽やか風光る 鈴木かず子
水音は下社へ春の社かな 白数千寿子
特 選 暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 鈴木 成子
互選高点句より
17点 みささぎの裾野ゆるやか麦青む 美 月
15点 万物の空へはじける聖五月 純 子
10点 意外にも老いは軽やか風光る かず子
8点 遠き日の誰彼に似て木彫雛 千鶴子
暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 成 子
7点 一斉に名残の円舞春の鴨 三恵子
門前や綿菓子の噴く春の色 龍 子
6点 宝物館の古文書読めず山笑ふ 昇
渦潮の淵に裾ひく阿波人形 葵
梅が香や鴟尾の眩しき朱雀門 昌 弘
古代雛飾る現代美術館 一 夫
母の皺愚痴も楽しき春炬燵 あゆみ
春なれや心の奥の恋ごころ 道 明
せめぎ合う病と寿命春疾風 一 麻
5点 青麦や虚空に澄み征く鳶の笛 幸 子
17点 みささぎの裾野ゆるやか麦青む 美 月
15点 万物の空へはじける聖五月 純 子
10点 意外にも老いは軽やか風光る かず子
8点 遠き日の誰彼に似て木彫雛 千鶴子
暗がりに鹿とゆき逢ふ修二会かな 成 子
7点 一斉に名残の円舞春の鴨 三恵子
門前や綿菓子の噴く春の色 龍 子
6点 宝物館の古文書読めず山笑ふ 昇
渦潮の淵に裾ひく阿波人形 葵
梅が香や鴟尾の眩しき朱雀門 昌 弘
古代雛飾る現代美術館 一 夫
母の皺愚痴も楽しき春炬燵 あゆみ
春なれや心の奥の恋ごころ 道 明
せめぎ合う病と寿命春疾風 一 麻
5点 青麦や虚空に澄み征く鳶の笛 幸 子
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6月号一句集(第625回)(683号) ps
中 谷 貞 子 選
さきがけて紅梅に吊る女文字 上野 和江
朧夜や街騒をきく石畳 安孫子康夫
冬うらら何でもない日の写真館 上田 圭子
菜の花や日溜り似合ふ人と居る 谷口 一夫
特 選 岩を割る千年楠や寒月光 木下 数子
楠 田 かつ子 選
いつからかポケットに住む懐炉かな 恒藤 邦夫
落葉踏む記憶の中の足の裏 岩佐 純子
草萌えや放牧の牛呼べば来る 北沢 恭子
流れつつ色の戻りし春の川 大前 邦子
特 選 岩を割る千年楠や寒月光 木下 数子
木 下 数 子 選
初雀ひとりですかとベランダへ 木村 菊恵
中天にまろき月あり春そこに 鈴木 成子
粕汁にあたためられてひとりなり 伊藤 しの
武骨なる手にあるリズム注連を綯ふ 藤川 毅
特 選 冬うらら何でもない日の写真館 上田 圭子
さきがけて紅梅に吊る女文字 上野 和江
朧夜や街騒をきく石畳 安孫子康夫
冬うらら何でもない日の写真館 上田 圭子
菜の花や日溜り似合ふ人と居る 谷口 一夫
特 選 岩を割る千年楠や寒月光 木下 数子
いつからかポケットに住む懐炉かな 恒藤 邦夫
落葉踏む記憶の中の足の裏 岩佐 純子
草萌えや放牧の牛呼べば来る 北沢 恭子
流れつつ色の戻りし春の川 大前 邦子
特 選 岩を割る千年楠や寒月光 木下 数子
初雀ひとりですかとベランダへ 木村 菊恵
中天にまろき月あり春そこに 鈴木 成子
粕汁にあたためられてひとりなり 伊藤 しの
武骨なる手にあるリズム注連を綯ふ 藤川 毅
特 選 冬うらら何でもない日の写真館 上田 圭子
互選高点句より
16点 武骨なる手にあるリズム注連を綯ふ 毅
15点 岩を割る千年楠や寒月光 数 子
11点 落ちてより紅の際立つ寒椿 と し
8点 冬うらら何でもない日の写真館 圭 子
曳船の音遠ざかる冬埠頭 ひとし
7点 一徹な杜氏の辛苦寒造り けい子
6点 草萌えや放牧の牛呼べば来る 恭 子
5点 落葉踏む記憶の中の足の裏 純 子
さきがけて紅葉に吊る女文字 和 江
雪女独りの夜半に家軋む りゑ子
子守歌聞かせた子からお年玉 康 子
16点 武骨なる手にあるリズム注連を綯ふ 毅
15点 岩を割る千年楠や寒月光 数 子
11点 落ちてより紅の際立つ寒椿 と し
8点 冬うらら何でもない日の写真館 圭 子
曳船の音遠ざかる冬埠頭 ひとし
7点 一徹な杜氏の辛苦寒造り けい子
6点 草萌えや放牧の牛呼べば来る 恭 子
5点 落葉踏む記憶の中の足の裏 純 子
さきがけて紅葉に吊る女文字 和 江
雪女独りの夜半に家軋む りゑ子
子守歌聞かせた子からお年玉 康 子
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5月号一句集(第624回)(682号) ps
中 谷 貞 子 選
大楓まだ裸木になり切れず 森本 知美
冬鷗肩を寄せ合ふ艀かな 佐藤ひとし
白足袋の爪先余る母のもの 広渡 とし
年玉の数に入りし初曾孫 愛須 淑子
特 選 蒼天の臍となりゐて木守柿 古藤いさむ
楠 田 かつ子 選
高からぬ火の見櫓や冬の鵙 上野 和江
野面積に転用石や冬ざるる 木下 数子
探梅行記憶の中の道さぐり 大前 邦子
暖炉燃ゆロビーに下ろす旅鞄 田中 美月
特 選 雪を来て津軽三味線きく夜かな 鈴木 成子
木 下 数 子 選
高からぬ火の見櫓や冬の鵙 上野 和江
「サンタさんマイネームイズハナ」きてね 楠田かつ子
虎落笛子を断りて一人生き 寺野りゑ子
埒外に鷺のとび立つ寒夕焼 藤川 毅
特 選 雪を来て津軽三味線きく夜かな 鈴木 成子
大楓まだ裸木になり切れず 森本 知美
冬鷗肩を寄せ合ふ艀かな 佐藤ひとし
白足袋の爪先余る母のもの 広渡 とし
年玉の数に入りし初曾孫 愛須 淑子
特 選 蒼天の臍となりゐて木守柿 古藤いさむ
高からぬ火の見櫓や冬の鵙 上野 和江
野面積に転用石や冬ざるる 木下 数子
探梅行記憶の中の道さぐり 大前 邦子
暖炉燃ゆロビーに下ろす旅鞄 田中 美月
特 選 雪を来て津軽三味線きく夜かな 鈴木 成子
高からぬ火の見櫓や冬の鵙 上野 和江
「サンタさんマイネームイズハナ」きてね 楠田かつ子
虎落笛子を断りて一人生き 寺野りゑ子
埒外に鷺のとび立つ寒夕焼 藤川 毅
特 選 雪を来て津軽三味線きく夜かな 鈴木 成子
互選高点句より
15点 雪を来て津軽三味線きく夜かな 成 子
10点 蒼天の臍となりゐて木守柿 いさむ
9点 探梅行記憶の中の道さぐり 邦 子
8点 残照の水面に遊ぶ番鴨 ちあき
綿虫のつかず離れず風の舞 道 代
7点 高からぬ火の見櫓や冬の鵙 和 江
冬の影下校の子等の肘タッチ 龍 子
大楓まだ裸木になり切れず 知 美
野面積に転用石や冬ざるる 数 子
ひととせの情の通ひし古日記 けい子
冬蝶も植物園の門くぐる 京 子
万両はひそと古刹の庭清し 昇
年玉の数に入りし初曾孫 淑 子
15点 雪を来て津軽三味線きく夜かな 成 子
10点 蒼天の臍となりゐて木守柿 いさむ
9点 探梅行記憶の中の道さぐり 邦 子
8点 残照の水面に遊ぶ番鴨 ちあき
綿虫のつかず離れず風の舞 道 代
7点 高からぬ火の見櫓や冬の鵙 和 江
冬の影下校の子等の肘タッチ 龍 子
大楓まだ裸木になり切れず 知 美
野面積に転用石や冬ざるる 数 子
ひととせの情の通ひし古日記 けい子
冬蝶も植物園の門くぐる 京 子
万両はひそと古刹の庭清し 昇
年玉の数に入りし初曾孫 淑 子
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4月号一句集(第623回)(681号) ps
中 谷 貞 子 選
山粧ふ麓の村の開拓碑 木下 数子
しぐるるや東山にもまねきにも 伊藤 しの
御手洗の竹あをあをと年用意 小川 清子
彫り深きステンドグラス冬夕焼 山口 晴空
特 選 研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 上野 和江
楠 田 かつ子 選
争うてゐし神々の山眠る 田中 敏子
かへらじと扉に残し冬ざくら 古藤いさむ
熟田津に出船の月を待つや君 田中 衡子
大根干し湖が見えなくなりにけり 鈴木 成子
特 選 祇王寺に一彩添へる旅しぐれ 山口 道明
木 下 数 子 選
研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 上野 和江
長身の火縄鉄砲秋たける 中谷 貞子
黄葉や又振り返る父の墓 翁長三和子
芋洗ふ昭和は遠くなりにけり 愛須 淑子
特 選 大根干し湖が見えなくなりにけり 鈴木 成子
山粧ふ麓の村の開拓碑 木下 数子
しぐるるや東山にもまねきにも 伊藤 しの
御手洗の竹あをあをと年用意 小川 清子
彫り深きステンドグラス冬夕焼 山口 晴空
特 選 研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 上野 和江
争うてゐし神々の山眠る 田中 敏子
かへらじと扉に残し冬ざくら 古藤いさむ
熟田津に出船の月を待つや君 田中 衡子
大根干し湖が見えなくなりにけり 鈴木 成子
特 選 祇王寺に一彩添へる旅しぐれ 山口 道明
研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 上野 和江
長身の火縄鉄砲秋たける 中谷 貞子
黄葉や又振り返る父の墓 翁長三和子
芋洗ふ昭和は遠くなりにけり 愛須 淑子
特 選 大根干し湖が見えなくなりにけり 鈴木 成子
互選高点句より
15点 研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 和 江
11点 山粧ふ麓の村の開拓碑 数 子
8点 欄干に枯るる蟷螂見得を切る 龍 子
月光の導く天心鳥渡る ひとし
7点 しぐるるや東山にもまねきにも し の
御手洗の竹あをあをと年用意 小清子
大根干し湖が見えなくなりにけり 成 子
母を呼ぶ鹿の遠鳴き春日道 あゆみ
6点 天井より口あけ睨む千の鮭 邦 夫
5点 厳寒や少年の声透きとほる 康 夫
来し方に思ひめぐらす夜の長き 千鶴子
争うてゐし神々の山眠る 敏 子
眉をかく鏡の中の秋思かな 節 子
黄葉や又振り返る父の墓 三和子
祇王寺に一彩添へる旅しぐれ 道 明
15点 研ぎ減りし包丁勤労感謝の日 和 江
11点 山粧ふ麓の村の開拓碑 数 子
8点 欄干に枯るる蟷螂見得を切る 龍 子
月光の導く天心鳥渡る ひとし
7点 しぐるるや東山にもまねきにも し の
御手洗の竹あをあをと年用意 小清子
大根干し湖が見えなくなりにけり 成 子
母を呼ぶ鹿の遠鳴き春日道 あゆみ
6点 天井より口あけ睨む千の鮭 邦 夫
5点 厳寒や少年の声透きとほる 康 夫
来し方に思ひめぐらす夜の長き 千鶴子
争うてゐし神々の山眠る 敏 子
眉をかく鏡の中の秋思かな 節 子
黄葉や又振り返る父の墓 三和子
祇王寺に一彩添へる旅しぐれ 道 明
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3月号一句集(第622回)(680号) ps
中 谷 貞 子 選
氏神は村人と消え山眠る 木下 数子
十三夜白馬めく雲従へり 醒井 龍子
歌舞伎座でありし廃屋鵙たける 横山三恵子
かいつぶり潜り居る間に陽の落つる 吉岡すみ子
特 選 遠巻きに冬の来てゐる滑り台 古藤いさむ
楠 田 かつ子 選
氏神は村人と消え山眠る 木下 数子
鵙猛る嘴より零す日の雫 田中 美月
「ハイ」とのみ答ふ少年青蜜柑 上田 圭子
日を受けて医門の中の冬桜 山口 清子
特 選 秋夕焼伏せ家の白き梲かな 佐藤ひとし
木 下 数 子 選
草蔭に渡し跡の碑鵙日和 北沢 恭子
赤とんぼ水底にある雲の国 沖津 京子
歌舞伎座でありし廃屋鵙たける 横山三恵子
コンバイン去ればはやくも穭見ゆ 小川 清子
特 選 かなかなや勧請縄の幣取れて 中谷 貞子
氏神は村人と消え山眠る 木下 数子
十三夜白馬めく雲従へり 醒井 龍子
歌舞伎座でありし廃屋鵙たける 横山三恵子
かいつぶり潜り居る間に陽の落つる 吉岡すみ子
特 選 遠巻きに冬の来てゐる滑り台 古藤いさむ
氏神は村人と消え山眠る 木下 数子
鵙猛る嘴より零す日の雫 田中 美月
「ハイ」とのみ答ふ少年青蜜柑 上田 圭子
日を受けて医門の中の冬桜 山口 清子
特 選 秋夕焼伏せ家の白き梲かな 佐藤ひとし
草蔭に渡し跡の碑鵙日和 北沢 恭子
赤とんぼ水底にある雲の国 沖津 京子
歌舞伎座でありし廃屋鵙たける 横山三恵子
コンバイン去ればはやくも穭見ゆ 小川 清子
特 選 かなかなや勧請縄の幣取れて 中谷 貞子
互選高点句より
14点 遠巻きに冬の来てゐる滑り台 いさむ
9点 豆剣士の瞑想の輪や天高し かつ子
「ハイ」とのみ答ふ少年青蜜柑 圭 子
8点 大銀杏古刹の逸話黄に染むる 晴 空
一枚を句帳に収め紅葉狩 昌 弘
7点 氏神は村人と消え山眠る 数 子
赤とんぼ水底にある雲の国 京 子
ふり出しに戻る話や暮の秋 と し
6点 雨戸繰る手を止めしばし虫のこゑ 邦 子
草蔭に渡し跡の碑鵙日和 恭 子
武庫川を声で揺らして鳥渡る 佰 代
5点 新米の赤子抱くよに頂きぬ けい子
エプロンの母の横顔根深汁 尚 江
身上ぐれば呵呵大笑の石榴の歯 敏 子
熟れ柿を早く捥げよと風騒ぐ 幸 子
14点 遠巻きに冬の来てゐる滑り台 いさむ
9点 豆剣士の瞑想の輪や天高し かつ子
「ハイ」とのみ答ふ少年青蜜柑 圭 子
8点 大銀杏古刹の逸話黄に染むる 晴 空
一枚を句帳に収め紅葉狩 昌 弘
7点 氏神は村人と消え山眠る 数 子
赤とんぼ水底にある雲の国 京 子
ふり出しに戻る話や暮の秋 と し
6点 雨戸繰る手を止めしばし虫のこゑ 邦 子
草蔭に渡し跡の碑鵙日和 恭 子
武庫川を声で揺らして鳥渡る 佰 代
5点 新米の赤子抱くよに頂きぬ けい子
エプロンの母の横顔根深汁 尚 江
身上ぐれば呵呵大笑の石榴の歯 敏 子
熟れ柿を早く捥げよと風騒ぐ 幸 子
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2月号一句集(第621回)(679号) ps
中 谷 貞 子 選
鉢巻を締める指先秋高し 服部 康子
補聴器を外して秋の風の中 切建 昇
地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
日の暮れを惜しみて峡のつくつくし 佐藤ひとし
特 選 暇乞す一言主へ秋の蛇 広渡 とし
楠 田 かつ子 選
生垣に忘れ眼鏡や菊咲かす 木下 数子
切字てふ停留所あり虫の声 谷口 一夫
武家門の名残りをしかと新松子 藤川 毅
四・五本の糸瓜それぞれ反り返り 木村 菊恵
特 選 地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
木 下 数 子 選
拍手を打てば応ふる落葉風 馬場あゆみ
補聴器を外して秋の風の中 切建 昇
地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
割烹着は白が良きかな鰤大根 山口 晴空
特 選 戴帽のナースの列や菊薫る 醒井 龍子
鉢巻を締める指先秋高し 服部 康子
補聴器を外して秋の風の中 切建 昇
地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
日の暮れを惜しみて峡のつくつくし 佐藤ひとし
特 選 暇乞す一言主へ秋の蛇 広渡 とし
生垣に忘れ眼鏡や菊咲かす 木下 数子
切字てふ停留所あり虫の声 谷口 一夫
武家門の名残りをしかと新松子 藤川 毅
四・五本の糸瓜それぞれ反り返り 木村 菊恵
特 選 地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
拍手を打てば応ふる落葉風 馬場あゆみ
補聴器を外して秋の風の中 切建 昇
地獄絵を方言で聞く鵙日和 古藤いさむ
割烹着は白が良きかな鰤大根 山口 晴空
特 選 戴帽のナースの列や菊薫る 醒井 龍子
互選高点句より
10点 地獄絵を方言で聞く鵙日和 いさむ
9点 雨二日三日来ぬ間の彼岸花 敏 子
戴帽のナースの列や菊薫る 龍 子
補聴器を外して秋の風の中 昇
8点 寺小屋の落書跡や秋時雨 けい子
子規の忌や雲せつせつと故郷へ 淑 子
武家門の名残りをしかと新松子 毅
日の暮れを惜しみて峡のつくつくし ひとし
割烹着は白が良きかな鰤大根 晴 空
7点 鉢巻を締める指先秋高し 康 子
6点 墨絵なる比叡を抱き秋日落つ 葵
5点 鈴虫の鳴きひろがるる石舞台 里 代
異国めくメタセコイアの黄葉道 邦 子
光秀の墓に罅とて雪催 康 夫
情念の色を尽くして曼珠沙華 三和子
10点 地獄絵を方言で聞く鵙日和 いさむ
9点 雨二日三日来ぬ間の彼岸花 敏 子
戴帽のナースの列や菊薫る 龍 子
補聴器を外して秋の風の中 昇
8点 寺小屋の落書跡や秋時雨 けい子
子規の忌や雲せつせつと故郷へ 淑 子
武家門の名残りをしかと新松子 毅
日の暮れを惜しみて峡のつくつくし ひとし
割烹着は白が良きかな鰤大根 晴 空
7点 鉢巻を締める指先秋高し 康 子
6点 墨絵なる比叡を抱き秋日落つ 葵
5点 鈴虫の鳴きひろがるる石舞台 里 代
異国めくメタセコイアの黄葉道 邦 子
光秀の墓に罅とて雪催 康 夫
情念の色を尽くして曼珠沙華 三和子
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1月号一句集(第620回)(678号) ps
中 谷 貞 子 選
ため息の今日何度目か秋暑し 伊藤 しの
がらす瓜群れて咲きたる香も妖し 松岡 節子
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 恒藤 邦夫
朝々に掃いて露けくなりにけり 嶋 豊
特 選 色鳥や森の中なる美館 上野 和江
楠 田 かつ子 選
それぞれに風の重さの秋桜 後藤 昌弘
色鳥や森の中なる美術館 上野 和江
水うてば三和土に生気甦る 吉田 尚江
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 恒藤 邦夫
特 選 新涼を迎へ入れたる山のカフェ 渕元 幸子
木 下 数 子 選
八月や遠き昭和のよみがへり 山口ちあき
金泉に又銀泉へ虫の声 愛須 淑子
色鳥や森の中なる美術館 上野 和江
夜風ふと好もし一葉落ちにけり 吉岡すみ子
特 選 七人が二人となりし秋の風 西川千代子
ため息の今日何度目か秋暑し 伊藤 しの
がらす瓜群れて咲きたる香も妖し 松岡 節子
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 恒藤 邦夫
朝々に掃いて露けくなりにけり 嶋 豊
特 選 色鳥や森の中なる美館 上野 和江
それぞれに風の重さの秋桜 後藤 昌弘
色鳥や森の中なる美術館 上野 和江
水うてば三和土に生気甦る 吉田 尚江
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 恒藤 邦夫
特 選 新涼を迎へ入れたる山のカフェ 渕元 幸子
八月や遠き昭和のよみがへり 山口ちあき
金泉に又銀泉へ虫の声 愛須 淑子
色鳥や森の中なる美術館 上野 和江
夜風ふと好もし一葉落ちにけり 吉岡すみ子
特 選 七人が二人となりし秋の風 西川千代子
互選高点句より
14点 色鳥や森の中なる美術館 和 江
13点 端書きの「後を頼む」や敗戦忌 けい子
12点 それぞれに風の重さの秋桜 昌 弘
9点 禅寺の魚板玉吐く良夜かな 桑 史
8点 片隅に金剛杖や昼ちちろ 数 子
捨てがたきものを数多に黄落期 道 代
7点 稲妻や宙に一瞬ピカソの線 京 子
6点 ため息の今日何度目か秋暑し し の
また一人偲ぶ人ふゆ盆の月 いさむ
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 邦 夫
新涼を迎へ入れたる山のカフェ 幸 子
5点 八月や遠き昭和のよみがへり ちあき
蝉取りの子に付く爺の疲れ顔 貞 子
暮れて尚暑き牛舎や黙す牛 知 美
七人が二人となりし秋の風 千代子
銭湯帰りやえのころ草と吹かれをり 成 子
朝々に掃いて露けくなりにけり 豊
14点 色鳥や森の中なる美術館 和 江
13点 端書きの「後を頼む」や敗戦忌 けい子
12点 それぞれに風の重さの秋桜 昌 弘
9点 禅寺の魚板玉吐く良夜かな 桑 史
8点 片隅に金剛杖や昼ちちろ 数 子
捨てがたきものを数多に黄落期 道 代
7点 稲妻や宙に一瞬ピカソの線 京 子
6点 ため息の今日何度目か秋暑し し の
また一人偲ぶ人ふゆ盆の月 いさむ
赤とんぼ見えぬ階段あるやうに 邦 夫
新涼を迎へ入れたる山のカフェ 幸 子
5点 八月や遠き昭和のよみがへり ちあき
蝉取りの子に付く爺の疲れ顔 貞 子
暮れて尚暑き牛舎や黙す牛 知 美
七人が二人となりし秋の風 千代子
銭湯帰りやえのころ草と吹かれをり 成 子
朝々に掃いて露けくなりにけり 豊
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12月号一句集(第619回)(677号) ps
中 谷 貞 子 選
嘘少しまじる話や蟬の殼 楠田かつ子
紀の川や手燕に空明け渡す 広渡とし
父の日のステテコ売場の少女かな 佐藤ひとし
中途半端な返事してをりソーダ水 上田圭子
特 選 ひとひらの落葉素足の観世音 嶋 豊
楠 田 かつ子 選
町中に風呂敷ほどの青田かな 翁長三和子
説法を度忘れと僧梅雨の月 山根八重子
中庭にあうむの寵や夏館 中野千鶴子
一村の奥の一戸の夏の風 大前邦子
特 選 送電線だらりと朱夏の島つなぐ 古藤いさむ
木 下 数 子 選
町中に風呂敷ほどの青田かな 翁長三和子
半夏生農事あれこれ納屋の壁 愛須淑子
淀川の河口の濁り梅雨激し 佐々木順子
静かなる朝の来たりて秋となる 白数千寿子
特 選 再生を終へし森あり夏鶯 村岡靖子
嘘少しまじる話や蟬の殼 楠田かつ子
紀の川や手燕に空明け渡す 広渡とし
父の日のステテコ売場の少女かな 佐藤ひとし
中途半端な返事してをりソーダ水 上田圭子
特 選 ひとひらの落葉素足の観世音 嶋 豊
町中に風呂敷ほどの青田かな 翁長三和子
説法を度忘れと僧梅雨の月 山根八重子
中庭にあうむの寵や夏館 中野千鶴子
一村の奥の一戸の夏の風 大前邦子
特 選 送電線だらりと朱夏の島つなぐ 古藤いさむ
町中に風呂敷ほどの青田かな 翁長三和子
半夏生農事あれこれ納屋の壁 愛須淑子
淀川の河口の濁り梅雨激し 佐々木順子
静かなる朝の来たりて秋となる 白数千寿子
特 選 再生を終へし森あり夏鶯 村岡靖子
互選高点句より
13点 送電線だらりと朱夏の島つなぐ いさむ
11点 町中に風呂敷ほどの青田かな 三和子
10点 引波に沈む素足やひかる砂 邦 夫
9点 嘘少しまじる話や蟬の穴 かつ子
半夏生農事あれこれ納屋の壁 淑 子
7点 昼寝覚午後と午前をとり違へ 尚 江
6点 紀の川や子燕に空明け渡す と し
夏潮の志摩の入江を洗ひ行く 毅
ひとひらの落葉素足の観世音 豊
5点 片陰や竹の葉擦れの心地好し 道 代
コンチキチン石橋渡る白絣 恭 子
先達の教へあれこれ土用干し 幸 子
一村の奥の一戸の夏の風 邦 子
13点 送電線だらりと朱夏の島つなぐ いさむ
11点 町中に風呂敷ほどの青田かな 三和子
10点 引波に沈む素足やひかる砂 邦 夫
9点 嘘少しまじる話や蟬の穴 かつ子
半夏生農事あれこれ納屋の壁 淑 子
7点 昼寝覚午後と午前をとり違へ 尚 江
6点 紀の川や子燕に空明け渡す と し
夏潮の志摩の入江を洗ひ行く 毅
ひとひらの落葉素足の観世音 豊
5点 片陰や竹の葉擦れの心地好し 道 代
コンチキチン石橋渡る白絣 恭 子
先達の教へあれこれ土用干し 幸 子
一村の奥の一戸の夏の風 邦 子
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11月号一句集(第618回)(676号) ps
中 谷 貞 子 選
掌の中に蟬騒がせて帰りけり 馬場静子
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 木村菊恵
鬼やんま湖の真中の水たたく 重松里代
バス待つ間の母と分けあふかき氷 岩佐純子
特 選 万緑に包みきれざる避雷針 後藤昌弘
楠 田 かつ子 選
かんかん帽ふたりは今もモボとモガ 守作けい子
尼寺の風は祗王か苔の花 翁長三和子
境内の野外保育や栗の花 沖津京子
竹伐の法師の太刀の早き技 嶋 豊
特 選 天平の相輪橖や去ぬ燕 安孫子康夫
木 下 数 子 選
立葵そこから海が見えますか 大前邦子
憂き雨を千金となす濃紫陽花 山口道明
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 木村菊恵
蛍火のこの世あの世の分かたれず 横山三恵子
特 選 掌の中に蟬騒がせて帰りけり 馬場静子
掌の中に蟬騒がせて帰りけり 馬場静子
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 木村菊恵
鬼やんま湖の真中の水たたく 重松里代
バス待つ間の母と分けあふかき氷 岩佐純子
特 選 万緑に包みきれざる避雷針 後藤昌弘
かんかん帽ふたりは今もモボとモガ 守作けい子
尼寺の風は祗王か苔の花 翁長三和子
境内の野外保育や栗の花 沖津京子
竹伐の法師の太刀の早き技 嶋 豊
特 選 天平の相輪橖や去ぬ燕 安孫子康夫
立葵そこから海が見えますか 大前邦子
憂き雨を千金となす濃紫陽花 山口道明
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 木村菊恵
蛍火のこの世あの世の分かたれず 横山三恵子
特 選 掌の中に蟬騒がせて帰りけり 馬場静子
互選高点句より
12点 立葵そこから海が見えますか 邦 子
11点 掌の中に蟬騒がせて帰りけり 静 子
9点 鬼やんま湖の真中の水たたく 里 代
8点 夏立ちて培炉のかほり宇治の里 康 子
憂き雨を千金となす濃紫陽花 道 明
境内の野外保育や栗の花 京 子
三伏の雨に洗はる二面石 美 月
バス待つ間の母と分けあふかき氷 純 子
6点 少年の大志漲る雲の峰 淑 子
5点 かんかん帽ふたりは今もモボとモガ けい子
下馬の文字薄れし石碑梅雨晴 ひとし
万緑に包みきれざる避雷針 昌 弘
巣立ちの子見送る鴉こゑ激し 貞 子
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 菊 恵
梅雨深しお膝擦り減る撫で仏 成 子
街道の口の白壁青田風 靖 子
参道を下れば近江麦の秋 勝 之
12点 立葵そこから海が見えますか 邦 子
11点 掌の中に蟬騒がせて帰りけり 静 子
9点 鬼やんま湖の真中の水たたく 里 代
8点 夏立ちて培炉のかほり宇治の里 康 子
憂き雨を千金となす濃紫陽花 道 明
境内の野外保育や栗の花 京 子
三伏の雨に洗はる二面石 美 月
バス待つ間の母と分けあふかき氷 純 子
6点 少年の大志漲る雲の峰 淑 子
5点 かんかん帽ふたりは今もモボとモガ けい子
下馬の文字薄れし石碑梅雨晴 ひとし
万緑に包みきれざる避雷針 昌 弘
巣立ちの子見送る鴉こゑ激し 貞 子
笑ふ嬰の点ほどの歯や聖五月 菊 恵
梅雨深しお膝擦り減る撫で仏 成 子
街道の口の白壁青田風 靖 子
参道を下れば近江麦の秋 勝 之
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10月号一句集(第617回)(675号) ps
中 谷 貞 子 選
田水張るビルの狭間の一枚田 大前邦子
夏草や伎芸天女の領巾の丈 後藤昌弘
子が身繕ひし退院の日の夏帽子 上田圭子
滴りや分校に有るヘリポート 松岡節子
特 選 小判草手に久闊を叙すマスク 楠田かつ子
楠 田 かつ子 選
麦は穂に三井の晩鐘はるかなる 翁長三和子
通天閣あをく灯りぬビール酌む 鈴木成子
滴りや分校に有るヘリポート 松岡節子
犬と坐す背の温もりや夕焼雲 山口晴空
特 選 車道行く子鴨警官引き連れて 山根八重子
木 下 数 子 選
入梅や気象神社に下駄の絵馬 安孫子康夫
雨の藤石灯龍に垂れかかる 藤川 毅
緑陰に憩ふ白杖犬も又 愛須淑子
ほととぎす鳴きつぐ杜のありにけり 山口清子
特 選 夏草や伎芸天女の領巾の丈 後藤昌弘
田水張るビルの狭間の一枚田 大前邦子
夏草や伎芸天女の領巾の丈 後藤昌弘
子が身繕ひし退院の日の夏帽子 上田圭子
滴りや分校に有るヘリポート 松岡節子
特 選 小判草手に久闊を叙すマスク 楠田かつ子
麦は穂に三井の晩鐘はるかなる 翁長三和子
通天閣あをく灯りぬビール酌む 鈴木成子
滴りや分校に有るヘリポート 松岡節子
犬と坐す背の温もりや夕焼雲 山口晴空
特 選 車道行く子鴨警官引き連れて 山根八重子
入梅や気象神社に下駄の絵馬 安孫子康夫
雨の藤石灯龍に垂れかかる 藤川 毅
緑陰に憩ふ白杖犬も又 愛須淑子
ほととぎす鳴きつぐ杜のありにけり 山口清子
特 選 夏草や伎芸天女の領巾の丈 後藤昌弘
互選高点句より
13点 麦は穂に三井の晩鐘はるかなる 三和子
11点 田水張るビルの狭間の一枚田 邦 子
10点 緑陰に指定席あり婆四人 千代子
9点 車道行く子鴨警官引き連れて 八重子
8点 入梅や気象神社に下駄の絵馬 康 夫
湯どうしにパッと花咲く祭り鱧 静 子
老いらくの恋の味かも新茶汲む 龍 子
7点 高々と取る人もなき枇杷熟るる 京 子
葉桜や肩へ馴染みしランドセル いさむ
6点 山河いま若葉盛りや下り舟 道 明
夏草や伎芸天女の領巾の丈 昌 弘
葉桜やゆるりと落とす雨の粒 あゆみ
5点 通天閣あをく灯りぬビール酌む 成 子
滴りや分校に有るヘリポート 松節 子
巣龍りにコロナ太りの薄暑かな 勝 之
13点 麦は穂に三井の晩鐘はるかなる 三和子
11点 田水張るビルの狭間の一枚田 邦 子
10点 緑陰に指定席あり婆四人 千代子
9点 車道行く子鴨警官引き連れて 八重子
8点 入梅や気象神社に下駄の絵馬 康 夫
湯どうしにパッと花咲く祭り鱧 静 子
老いらくの恋の味かも新茶汲む 龍 子
7点 高々と取る人もなき枇杷熟るる 京 子
葉桜や肩へ馴染みしランドセル いさむ
6点 山河いま若葉盛りや下り舟 道 明
夏草や伎芸天女の領巾の丈 昌 弘
葉桜やゆるりと落とす雨の粒 あゆみ
5点 通天閣あをく灯りぬビール酌む 成 子
滴りや分校に有るヘリポート 松節 子
巣龍りにコロナ太りの薄暑かな 勝 之
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9月号一句集(第616回)(674号) ps
中 谷 貞 子 選
青麦の畝の先なる日本海 田中美月
花筏流れに合はす歩幅かな 菅野節子
新品の綿シヤツひらく初夏の朝 山口晴空
この駅で亡夫まつ昔桐の花 馬場静子
特 選 藁足して爺がもてなす初鰹 渕元幸子
楠 田 かつ子 選
青麦の畝の先なる日本海 田中美月
葉桜の影の騒ぎや竜田川 藤川 毅
花筏流れに合はす歩幅かな 菅野節子
飛火野に鹿呼ぶホルン草青む 古藤いさむ
特 選 奉納の立華・狂言疫の春 鈴木かず子
木 下 数 子 選
魂のやうに現わる蝶一つ 中野千鶴子
シヤッター街の風の真中燕来る 松岡節子
井の中の蛙老いゆく花は葉に 切建 昇
幼児とテレビ体操春うらら 山口ちあき
特 選 芽柳のゆるる白川辺りかな 佐藤ひとし
青麦の畝の先なる日本海 田中美月
花筏流れに合はす歩幅かな 菅野節子
新品の綿シヤツひらく初夏の朝 山口晴空
この駅で亡夫まつ昔桐の花 馬場静子
特 選 藁足して爺がもてなす初鰹 渕元幸子
青麦の畝の先なる日本海 田中美月
葉桜の影の騒ぎや竜田川 藤川 毅
花筏流れに合はす歩幅かな 菅野節子
飛火野に鹿呼ぶホルン草青む 古藤いさむ
特 選 奉納の立華・狂言疫の春 鈴木かず子
魂のやうに現わる蝶一つ 中野千鶴子
シヤッター街の風の真中燕来る 松岡節子
井の中の蛙老いゆく花は葉に 切建 昇
幼児とテレビ体操春うらら 山口ちあき
特 選 芽柳のゆるる白川辺りかな 佐藤ひとし
互選高点句より
12点 青麦の畝の先なる日本海 美 月
8点 藁足して爺がもてなす初鰹 幸 子
春宵や青春の日々巻き戻す 道 明
7点 シヤッター街の風の真中燕来る 松節 子
花筏流れに合わす歩幅かな 管節 子
6点 鬼子母神角を曲れば花ざくろ 恭 子
老鶯の誘ふ坂道七曲り 昌 弘
野葛土産に提げて花疲札 成 子
蝌蚪の昼そろそろ来るかちんどん屋 一 夫
井の中の蛙老いゆく花は葉に 昇
5点 葉桜の影の騒ぎや竜田川 毅
行間に春愁にじむ便り来る 菊 恵
飛火野に鹿呼ぶホルン草青む いさむ
12点 青麦の畝の先なる日本海 美 月
8点 藁足して爺がもてなす初鰹 幸 子
春宵や青春の日々巻き戻す 道 明
7点 シヤッター街の風の真中燕来る 松節 子
花筏流れに合わす歩幅かな 管節 子
6点 鬼子母神角を曲れば花ざくろ 恭 子
老鶯の誘ふ坂道七曲り 昌 弘
野葛土産に提げて花疲札 成 子
蝌蚪の昼そろそろ来るかちんどん屋 一 夫
井の中の蛙老いゆく花は葉に 昇
5点 葉桜の影の騒ぎや竜田川 毅
行間に春愁にじむ便り来る 菊 恵
飛火野に鹿呼ぶホルン草青む いさむ
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8月号一句集(第615回)(673号)ps
中 谷 貞 子 選
散策の試歩の畦道あたかかし 佐藤ひとし
中の子がもう二つ目の桜餅 上田圭子
水音の絶えぬ茶店や草の餅 鈴木成子
スカンポを折れば宇宙に丸き音 森本知美
特 選 桜咲く曼荼羅の仏たち 安孫子康夫
楠 田 かつ子 選
鬼ごつこの声止みしとき楊雲雀 小川清子
赤楽の濃茶一服花きぶし 守作けい子
両の手に萌黄香るや蕗の薹 横山三恵子
桃咲いて村の入口あかるくす 大前邦子
特 選 胸鰭は春の陽ざしを掬ふため 恒藤邦夫
木 下 数 子 選
夕永し傾いて立つ我の影 吉田尚江
スカンポを折れば宇宙に丸き音 森本知美
身の周り未完だらけや山笑ふ 山根八重子
山桜遠くに人の声ありて 白数千寿子
特 選 天上の臍となりゆく揚雲雀 古藤いさむ
散策の試歩の畦道あたかかし 佐藤ひとし
中の子がもう二つ目の桜餅 上田圭子
水音の絶えぬ茶店や草の餅 鈴木成子
スカンポを折れば宇宙に丸き音 森本知美
特 選 桜咲く曼荼羅の仏たち 安孫子康夫
鬼ごつこの声止みしとき楊雲雀 小川清子
赤楽の濃茶一服花きぶし 守作けい子
両の手に萌黄香るや蕗の薹 横山三恵子
桃咲いて村の入口あかるくす 大前邦子
特 選 胸鰭は春の陽ざしを掬ふため 恒藤邦夫
夕永し傾いて立つ我の影 吉田尚江
スカンポを折れば宇宙に丸き音 森本知美
身の周り未完だらけや山笑ふ 山根八重子
山桜遠くに人の声ありて 白数千寿子
特 選 天上の臍となりゆく揚雲雀 古藤いさむ
互選高点句より
11点 スカンポを折れば宇宙に丸き音 知 美
10点 行く春や種火の消ゆる利久の忌 和 江
9点 たんぽぽの絮吹き上げて空の青 恭 子
7点 天上の臍となりゆく揚雲雀 いさむ
故郷の木風呂なつかし雲の峰 静 子
6点 鬼ごつこの声止みしとき揚雲雀 小清 子
通宝に隠し卜字架屏返る 数 子
鳥影のよぎる寺苑の春障子 昌 弘
沈丁の香や露地奥の軒行灯 かず子
5点 桜咲く大曼荼羅の仏たち 康 夫
夕映えの帰雁に混ざる機影かな 幸 子
島うらは波のしのび音大石忌 毅
11点 スカンポを折れば宇宙に丸き音 知 美
10点 行く春や種火の消ゆる利久の忌 和 江
9点 たんぽぽの絮吹き上げて空の青 恭 子
7点 天上の臍となりゆく揚雲雀 いさむ
故郷の木風呂なつかし雲の峰 静 子
6点 鬼ごつこの声止みしとき揚雲雀 小清 子
通宝に隠し卜字架屏返る 数 子
鳥影のよぎる寺苑の春障子 昌 弘
沈丁の香や露地奥の軒行灯 かず子
5点 桜咲く大曼荼羅の仏たち 康 夫
夕映えの帰雁に混ざる機影かな 幸 子
島うらは波のしのび音大石忌 毅
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7月号一句集(第614回)(672号)ps
中 谷 貞 子 選
みづうみの見ゆる大厦や雛祭る 鈴木成子
剥落の弥勒の笑まひ春の闇 鈴木かず子
天領の掛屋に吊す和紙の雛 古藤いさむ
割算の割り切れぬ子や山笑ふ 山口ちあき
特 選 つばくらや煉瓦倉庫のアーチ窓 安孫子康夫
楠 田 かつ子 選
卒寿まであと一息や冬の蝿 島本一麻
熱爛や話し上手に聞き上手 大前邦子
みづうみの見ゆる大厦や雛まつる 鈴木成子
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 馬場静子
特 選 天領の掛屋に吊す和紙の雛 古藤いさむ
木 下 数 子 選
あたたかし我が生涯の終の友 中野千鶴子
苔の上に命輝く落椿 翁長三和子
鶯の再びの声足を止む 紺谷 葵
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 馬場静子
特 選 上座の岩に音して春落葉 中谷貞子
みづうみの見ゆる大厦や雛祭る 鈴木成子
剥落の弥勒の笑まひ春の闇 鈴木かず子
天領の掛屋に吊す和紙の雛 古藤いさむ
割算の割り切れぬ子や山笑ふ 山口ちあき
特 選 つばくらや煉瓦倉庫のアーチ窓 安孫子康夫
卒寿まであと一息や冬の蝿 島本一麻
熱爛や話し上手に聞き上手 大前邦子
みづうみの見ゆる大厦や雛まつる 鈴木成子
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 馬場静子
特 選 天領の掛屋に吊す和紙の雛 古藤いさむ
あたたかし我が生涯の終の友 中野千鶴子
苔の上に命輝く落椿 翁長三和子
鶯の再びの声足を止む 紺谷 葵
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 馬場静子
特 選 上座の岩に音して春落葉 中谷貞子
互選高点句より
15点 天領の掛屋に吊す和紙の雛 いさむ
12点 卒寿まであと一息や冬の蝿 一 麻
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 静 子
11点 剥落の弥勒の笑まひ春の闇 かず子
10点 つばくらや煉瓦倉庫のアーチ窓 康 夫
かなくぎの母のハガキや春彼岸 純 子
9点 熱爛や話し上手に聞き上手 邦 子
万葉の歌碑をめぐりて青き踏む 昌 弘
早春の君の孤独や十五歳 と し
8点 灯おぼろ晶子源氏の墨のいろ 数 子
白梅の一樹静もる神の庭 豊
7点 日も風も透かしてなびく柳の芽 美 月
6点 春愁やさかさにしても砂時計 道 代
5点 みづうみの見ゆる大厦や雛祭る 成 子
青磁よりきりりと一枝白き枝 道 明
割算の割り切れぬ子や山笑ふ ちあき
15点 天領の掛屋に吊す和紙の雛 いさむ
12点 卒寿まであと一息や冬の蝿 一 麻
土筆つむ双手に残る陽のぬくみ 静 子
11点 剥落の弥勒の笑まひ春の闇 かず子
10点 つばくらや煉瓦倉庫のアーチ窓 康 夫
かなくぎの母のハガキや春彼岸 純 子
9点 熱爛や話し上手に聞き上手 邦 子
万葉の歌碑をめぐりて青き踏む 昌 弘
早春の君の孤独や十五歳 と し
8点 灯おぼろ晶子源氏の墨のいろ 数 子
白梅の一樹静もる神の庭 豊
7点 日も風も透かしてなびく柳の芽 美 月
6点 春愁やさかさにしても砂時計 道 代
5点 みづうみの見ゆる大厦や雛祭る 成 子
青磁よりきりりと一枝白き枝 道 明
割算の割り切れぬ子や山笑ふ ちあき
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6月号一句集(第613回)(671号)ps
中 谷 貞 子 選
探梅やダム湖に残る朝の靄 後藤昌弘
探梅に置かれしままの脚立かな 重松里代
十枝より湧き立つ百の寒雀 山口道明
九十の端生き延び日脚伸ぶ 醒井龍子
特 選 白鳥来暮色の水面動かしむ 田中美月
楠 田 かつ子 選
笛の音や雪積む朝の伊勢神楽 北沢恭子
木の芽吹き励ましている雨の音 田中道代
春隣るスキップの子の赤い靴 切建 昇
日時計へ落つる雀や初日さす 山口清子
特 選 少年の初恋らしき初詣 上田圭子
木 下 数 子 選
桜鯛娶の泣きたる頬の色 紺谷 葵
蝉丸に助けられたる初かるた 馬場あゆみ
湖に向き一人一人が麦を踏む 鈴木かず子
日時計へ落つる雀や初日さす 山口清子
特 選 使ひ捨ての今生に慣れ久女の忌 田中敏子
探梅やダム湖に残る朝の靄 後藤昌弘
探梅に置かれしままの脚立かな 重松里代
十枝より湧き立つ百の寒雀 山口道明
九十の端生き延び日脚伸ぶ 醒井龍子
特 選 白鳥来暮色の水面動かしむ 田中美月
笛の音や雪積む朝の伊勢神楽 北沢恭子
木の芽吹き励ましている雨の音 田中道代
春隣るスキップの子の赤い靴 切建 昇
日時計へ落つる雀や初日さす 山口清子
特 選 少年の初恋らしき初詣 上田圭子
桜鯛娶の泣きたる頬の色 紺谷 葵
蝉丸に助けられたる初かるた 馬場あゆみ
湖に向き一人一人が麦を踏む 鈴木かず子
日時計へ落つる雀や初日さす 山口清子
特 選 使ひ捨ての今生に慣れ久女の忌 田中敏子
互選高点句より
9点 笛の音や雪積む朝の伊勢神楽 恭 子
8点 使ひ捨ての今生に慣れ久女の忌 敏 子
探梅やダム湖に残る朝の靄 昌 弘
餅三つ焼いてひとりの女正月 し の
春隣るスキップの子の赤い靴 昇
7点 浜の子の武者凧凛と海の上 いさむ
寒木瓜の深紅重たき一卜日かな かつ子
涅槃図の猫眠りゐて春の雪 康 夫
波の花太宰も乗りし五能線 けい子
少年の初恋らしき初詣 圭 子
摘み草の香りののこる指の先 純 子
6点 探梅に置かれしままの脚立かな 里 代
5点 蝉丸に助けられたる初かるた あゆみ
利息二円の足るを知りたる日向ぼこ と し
9点 笛の音や雪積む朝の伊勢神楽 恭 子
8点 使ひ捨ての今生に慣れ久女の忌 敏 子
探梅やダム湖に残る朝の靄 昌 弘
餅三つ焼いてひとりの女正月 し の
春隣るスキップの子の赤い靴 昇
7点 浜の子の武者凧凛と海の上 いさむ
寒木瓜の深紅重たき一卜日かな かつ子
涅槃図の猫眠りゐて春の雪 康 夫
波の花太宰も乗りし五能線 けい子
少年の初恋らしき初詣 圭 子
摘み草の香りののこる指の先 純 子
6点 探梅に置かれしままの脚立かな 里 代
5点 蝉丸に助けられたる初かるた あゆみ
利息二円の足るを知りたる日向ぼこ と し
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5月号一句集(第612回)(670号)ps
中 谷 貞 子 選
小春日を授かり城内歩きけり 佐藤ひとし
短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
緋衣の達磨大師や雪の寺 谷口一夫
太竿に干菜連なる禅の寺 紺谷 葵
特 選 冬桜一垂まぶたの少女かな 守作けい子
楠 田 かつ子 選
高野への標石てふ石蕗の花 𠮷岡すみ子
短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
惜敗のグランド駈ける師走かな 嶋 豊
どんと果て足より上る背の冷え 倉坂桑史
特 選 冬桜一重まぶたの少女かな 守作けい子
木 下 数 子 選
柚風呂におまけの命しづめけり 上野和江
時化ぐせの越前岬波の花 田中美月
冬野行く足元よりの日暮れかな 恒藤邦夫
冬桜かそけき日をも留めけり 鈴木かず子
特 選 短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
小春日を授かり城内歩きけり 佐藤ひとし
短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
緋衣の達磨大師や雪の寺 谷口一夫
太竿に干菜連なる禅の寺 紺谷 葵
特 選 冬桜一垂まぶたの少女かな 守作けい子
高野への標石てふ石蕗の花 𠮷岡すみ子
短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
惜敗のグランド駈ける師走かな 嶋 豊
どんと果て足より上る背の冷え 倉坂桑史
特 選 冬桜一重まぶたの少女かな 守作けい子
柚風呂におまけの命しづめけり 上野和江
時化ぐせの越前岬波の花 田中美月
冬野行く足元よりの日暮れかな 恒藤邦夫
冬桜かそけき日をも留めけり 鈴木かず子
特 選 短日を刻む庭師の鋏音 古藤いさむ
互選高点句より
20点 短日を刻む庭師の鋏音 いさむ
12点 時化ぐせの越前岬波の花 美 月
10点 柚風呂におまけの命しづめけり 和 江
緋衣の達磨大師や雪の寺 一 夫
9点 「雪乞ひ」の紙吹雪舞ふスキー場 かつ子
冬野行く足元よりの日暮れかな 邦 夫
8点 柚子たわわ清和の御陵守る里 数 子
7点 冬桜一重まぶたの少女かな けい子
高野への標石てふ石蕗の花 すみ子
6点 煤払古新聞を読み耽ける 成 子
5点 不揃ひの手袋二つ捨て切れず 京 子
「さわつてええよ」坊主頭や年用意 松節 子
太竿に千菜連なる禅の寺 葵
20点 短日を刻む庭師の鋏音 いさむ
12点 時化ぐせの越前岬波の花 美 月
10点 柚風呂におまけの命しづめけり 和 江
緋衣の達磨大師や雪の寺 一 夫
9点 「雪乞ひ」の紙吹雪舞ふスキー場 かつ子
冬野行く足元よりの日暮れかな 邦 夫
8点 柚子たわわ清和の御陵守る里 数 子
7点 冬桜一重まぶたの少女かな けい子
高野への標石てふ石蕗の花 すみ子
6点 煤払古新聞を読み耽ける 成 子
5点 不揃ひの手袋二つ捨て切れず 京 子
「さわつてええよ」坊主頭や年用意 松節 子
太竿に千菜連なる禅の寺 葵
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4月号一句集(第611回)(669号)ps
中 谷 貞 子 選
花ハツ手浦曲どの家も海に向き 田中美月
シヤム猫の体臭強し漱石忌 上野和江
露の月彫りしばかりの墓碑照らす 古藤いさむ
大根焚寺の白壁剥落す 鈴木成子
特 選 どんぐりを拾ふ真顔の爺と孫 重松里代
楠 田 かつ子 選
かつかつと板前の下駄一葉忌 木下数子
地下街に入れば異国よ十二月 谷ロ一夫
独酌の生牡蠣すする浜のれん 守作けい子
山よりの風に揺れゐる冬の滝 松村さかえ
特 選 美濃和紙に千年の季雪降れり 安孫子康夫
木 下 数 子 選
紅葉晴ジャズ流れ来る異人館 大前邦子
越前は今日より霰降るといふ 紺谷 葵
大根焚寺の白壁剥落す 鈴木成子
近きより声のしてゐる密柑山 村岡靖子
特 選 美濃和紙に千年の季雪降れり 安孫子康夫
花ハツ手浦曲どの家も海に向き 田中美月
シヤム猫の体臭強し漱石忌 上野和江
露の月彫りしばかりの墓碑照らす 古藤いさむ
大根焚寺の白壁剥落す 鈴木成子
特 選 どんぐりを拾ふ真顔の爺と孫 重松里代
かつかつと板前の下駄一葉忌 木下数子
地下街に入れば異国よ十二月 谷ロ一夫
独酌の生牡蠣すする浜のれん 守作けい子
山よりの風に揺れゐる冬の滝 松村さかえ
特 選 美濃和紙に千年の季雪降れり 安孫子康夫
紅葉晴ジャズ流れ来る異人館 大前邦子
越前は今日より霰降るといふ 紺谷 葵
大根焚寺の白壁剥落す 鈴木成子
近きより声のしてゐる密柑山 村岡靖子
特 選 美濃和紙に千年の季雪降れり 安孫子康夫
互選高点句より
12点 美濃和紙に千年の季雪降れり 康 夫
8点 花ハツ手浦曲どの家も海に向き 美 月
地下街に入れば異国よ十二月 一 夫
じよんがらに合はす手拍子紅葉山 三和子
7点 豆菓子は風呂敷の中一葉忌 圭 子
大根焚寺の自壁剥落す 成 子
近きより声のしてゐる蜜柑山 靖 子
5点 名園をゆたにたゆたに鴛鳥の笛 敏 子
枯葉にも色づく重さありにけり 昌 弘
どんぐりを拾ふ真顔の爺と孫 里 代
木の葉散るストレートありカーブあり 勝 之
12点 美濃和紙に千年の季雪降れり 康 夫
8点 花ハツ手浦曲どの家も海に向き 美 月
地下街に入れば異国よ十二月 一 夫
じよんがらに合はす手拍子紅葉山 三和子
7点 豆菓子は風呂敷の中一葉忌 圭 子
大根焚寺の自壁剥落す 成 子
近きより声のしてゐる蜜柑山 靖 子
5点 名園をゆたにたゆたに鴛鳥の笛 敏 子
枯葉にも色づく重さありにけり 昌 弘
どんぐりを拾ふ真顔の爺と孫 里 代
木の葉散るストレートありカーブあり 勝 之
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3月号一句集(第610回)(668号)ps
中 谷 貞 子 選
木の実降り仔犬も鳩も鳥羽絵めく 醒井龍子
柿熟るる峠越えして郷に入る 紺谷 葵
地母神の吐息の如き朝の霧 守作けい子
出番待つ幼の欠伸秋祭 佐藤ひとし
特 選 いきなりの人声に逢ふ薄原 大前邦子
楠 田 かつ子 選
古民家の苔むす屋根や草の花 山口ちあき
車座の円の崩るる夜長かな 切建 昇
刈田の香藁家つつみて谷戸日和 嶋 豊
出番待つ幼の欠伸秋祭 佐藤ひとし
特 選 神殿の奥の闇より冬の音 草信勝之
木 下 数 子 選
静けさが境内つつむ黄落期 田中道代
八十路いま釣瓶落しの道遠し 愛須淑子
小鳥来る社に小さな池一つ 西川千代子
小春日の海の中なる浮灯台 太田明子
特 選 郵便局の老眼鏡や菊日和 上田圭子
木の実降り仔犬も鳩も鳥羽絵めく 醒井龍子
柿熟るる峠越えして郷に入る 紺谷 葵
地母神の吐息の如き朝の霧 守作けい子
出番待つ幼の欠伸秋祭 佐藤ひとし
特 選 いきなりの人声に逢ふ薄原 大前邦子
古民家の苔むす屋根や草の花 山口ちあき
車座の円の崩るる夜長かな 切建 昇
刈田の香藁家つつみて谷戸日和 嶋 豊
出番待つ幼の欠伸秋祭 佐藤ひとし
特 選 神殿の奥の闇より冬の音 草信勝之
静けさが境内つつむ黄落期 田中道代
八十路いま釣瓶落しの道遠し 愛須淑子
小鳥来る社に小さな池一つ 西川千代子
小春日の海の中なる浮灯台 太田明子
特 選 郵便局の老眼鏡や菊日和 上田圭子
互選高点句より
10点 車座の円の崩るる夜長かな 昇
野を活けて風と遊ばす猫じゃらし 幸 子
9点 神殿の奥の闇より冬の音 勝 之
8点 古民家の苔むす屋根や草の花 ちあき
無人駅に人のぬくもり柿の村 かつ子
7点 十夜寺粥炊く婆の影法師 一 夫
川音と夜霧に更けて峡の町 美 月
6点 いきなりの人声に逢ふ薄原 邦 子
刈出の香藁家つつみて谷戸日和 豊
地母神の吐息の如き朝の霧 けい子
出番待つ幼の欠伸秋祭 ひとし
5点 新藁麦の幟の下の床几混む 貞 子
飛行機雲の彼方は茜神の旅 いさむ
首塚の人鹿伝説草紅葉 三和子
郵便局の老眼鏡や菊日和 圭 子
秋曇陶の狸の遠目線 邦 夫
10点 車座の円の崩るる夜長かな 昇
野を活けて風と遊ばす猫じゃらし 幸 子
9点 神殿の奥の闇より冬の音 勝 之
8点 古民家の苔むす屋根や草の花 ちあき
無人駅に人のぬくもり柿の村 かつ子
7点 十夜寺粥炊く婆の影法師 一 夫
川音と夜霧に更けて峡の町 美 月
6点 いきなりの人声に逢ふ薄原 邦 子
刈出の香藁家つつみて谷戸日和 豊
地母神の吐息の如き朝の霧 けい子
出番待つ幼の欠伸秋祭 ひとし
5点 新藁麦の幟の下の床几混む 貞 子
飛行機雲の彼方は茜神の旅 いさむ
首塚の人鹿伝説草紅葉 三和子
郵便局の老眼鏡や菊日和 圭 子
秋曇陶の狸の遠目線 邦 夫
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2月号一句集(第609回)(667号)ps
中 谷 貞 子 選
神主が白馬に秋の商店街 森本知美
裏六甲へ下り来て足湯涼新た 大前邦子
一人居の自由不自由木橿咲く 上田圭子
爽籟や由良川となる水一縷 西川千代子
特 選 逝く秋や百万石の大手門 安孫子康夫
楠 田 かつ子 選
ひとひらの雲金色に神の旅 古藤いさむ
一人居の自由不自由木様咲く 上田圭子
新しき頁の匂ふ秋灯し 木村菊恵
萩まつり野点の亭主カナダ人 守作けい子
特 選 ゆきあひの空を見てをり捨案山子 翁長三和子
木 下 数 子 選
新しき頁の匂ふ秋灯し 木村菊恵
風神と雷神猛る野分かな 渕元幸子
身に人むや長き齢を賜りて 吉田尚汪
秋風や小さき杜の本々の音 重松里代
特 選 爽籍や由良川となる水一縷 西川千代子
神主が白馬に秋の商店街 森本知美
裏六甲へ下り来て足湯涼新た 大前邦子
一人居の自由不自由木橿咲く 上田圭子
爽籟や由良川となる水一縷 西川千代子
特 選 逝く秋や百万石の大手門 安孫子康夫
ひとひらの雲金色に神の旅 古藤いさむ
一人居の自由不自由木様咲く 上田圭子
新しき頁の匂ふ秋灯し 木村菊恵
萩まつり野点の亭主カナダ人 守作けい子
特 選 ゆきあひの空を見てをり捨案山子 翁長三和子
新しき頁の匂ふ秋灯し 木村菊恵
風神と雷神猛る野分かな 渕元幸子
身に人むや長き齢を賜りて 吉田尚汪
秋風や小さき杜の本々の音 重松里代
特 選 爽籍や由良川となる水一縷 西川千代子
互選高点句より
12点 ひとひらの雲金色に神の旅 いさむ
一人居の自由不自由木種咲く 圭 子
10点 ゆきあひの空を見てをり捨案山子 三和子
8点 国宝の敷居は高し鵙の声 昇
俳人の触れて行きたる萩の花 貞 子
風神と雷神猛る野分かな 幸 子
7点 どの顔も風を楽しむ秋桜 道 代
新しき頁の匂ふ秋灯し 菊 恵
ねこじやらし雀の派閥二つ三つ と し
6点 先付は初物三つ衣被 和 江
遠き日のとぎれて繋ぐ彼岸花 ミイ子
5点 二上ミにかかる鯖雲夕映えて 美 月
途中下車したくなるよな秋日和 ちあき
逝く秋や百万石の大手門 康 夫
あちこちに案山子家族の明日香みち 昌 弘
12点 ひとひらの雲金色に神の旅 いさむ
一人居の自由不自由木種咲く 圭 子
10点 ゆきあひの空を見てをり捨案山子 三和子
8点 国宝の敷居は高し鵙の声 昇
俳人の触れて行きたる萩の花 貞 子
風神と雷神猛る野分かな 幸 子
7点 どの顔も風を楽しむ秋桜 道 代
新しき頁の匂ふ秋灯し 菊 恵
ねこじやらし雀の派閥二つ三つ と し
6点 先付は初物三つ衣被 和 江
遠き日のとぎれて繋ぐ彼岸花 ミイ子
5点 二上ミにかかる鯖雲夕映えて 美 月
途中下車したくなるよな秋日和 ちあき
逝く秋や百万石の大手門 康 夫
あちこちに案山子家族の明日香みち 昌 弘
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1月号一句集(第608回)(666号)ps
中 谷 貞 子 選
父の背に触るるおもひや稲の花 楠田かつ子
拒むかに青さ柚の実刺の中 横山三恵子
幼子の手の温もりや鶏頭花 大前邦子
安曇野に屹立の嶺稲を刈る 倉坂桑史
特 選 水澄むやまだ青足りぬ空の色 谷ロ一夫
楠 田 かつ子 選
黒牛といふ大岩や夜光虫 木下数子
数珠玉を詰めておじやみは俵型 菅野節子
日焼子の脛つやつやと坐しにけり 太田明子
安曇野に屹立の嶺稲を刈る 倉坂桑史
特 選 稲の花晩年といふ時を得る 広渡とし
木 下 数 子 選
坊様へ祖母やはらかに団扇風 松岡節子
あゝ秋と思ふ夜風となりにけり 中野千鶴子
酔芙蓉夕日の光ゲを包みけり 醒井龍子
たどり来て終の住み家や吾亦紅 愛須淑子
特 選 父の背に触るるおもひや稲の花 楠田かつ子
父の背に触るるおもひや稲の花 楠田かつ子
拒むかに青さ柚の実刺の中 横山三恵子
幼子の手の温もりや鶏頭花 大前邦子
安曇野に屹立の嶺稲を刈る 倉坂桑史
特 選 水澄むやまだ青足りぬ空の色 谷ロ一夫
黒牛といふ大岩や夜光虫 木下数子
数珠玉を詰めておじやみは俵型 菅野節子
日焼子の脛つやつやと坐しにけり 太田明子
安曇野に屹立の嶺稲を刈る 倉坂桑史
特 選 稲の花晩年といふ時を得る 広渡とし
坊様へ祖母やはらかに団扇風 松岡節子
あゝ秋と思ふ夜風となりにけり 中野千鶴子
酔芙蓉夕日の光ゲを包みけり 醒井龍子
たどり来て終の住み家や吾亦紅 愛須淑子
特 選 父の背に触るるおもひや稲の花 楠田かつ子
互選高点句より
13点 坊様へ祖母やはらかに団扇風 松節 子
11点 父の背に触るるおもひや稲の花 かつ子
8点 廃線の昭和の駅舎鰯雲 知 美
出してみる米穀通帳終戦日 剛 宏
鯛や鍵つ児一人ゐる砂場 恒 夫
7点 稲の花晩年といふ時を得る と し
たどり来て終の住み家や吾亦紅 淑 子
6点 あゝ秋と思ふ夜風となりにけり 千鶴子
夜話の衣桁に及ぶ秋の宿 昇
水澄むやまだ青足りぬ空の色 一 夫
萩に風触れて直哉の旧居跡 昌 弘
酔芙蓉夕日の光ゲを包みけり 龍 子
日焼子の脛つやつやと坐しにけり 明 子
5点 黒牛といふ大岩や夜光虫 数 子
幼子の手の温もりや鶏頭花 邦 子
色槌せぬ思ひ出つれて遠花火 菊 恵
13点 坊様へ祖母やはらかに団扇風 松節 子
11点 父の背に触るるおもひや稲の花 かつ子
8点 廃線の昭和の駅舎鰯雲 知 美
出してみる米穀通帳終戦日 剛 宏
鯛や鍵つ児一人ゐる砂場 恒 夫
7点 稲の花晩年といふ時を得る と し
たどり来て終の住み家や吾亦紅 淑 子
6点 あゝ秋と思ふ夜風となりにけり 千鶴子
夜話の衣桁に及ぶ秋の宿 昇
水澄むやまだ青足りぬ空の色 一 夫
萩に風触れて直哉の旧居跡 昌 弘
酔芙蓉夕日の光ゲを包みけり 龍 子
日焼子の脛つやつやと坐しにけり 明 子
5点 黒牛といふ大岩や夜光虫 数 子
幼子の手の温もりや鶏頭花 邦 子
色槌せぬ思ひ出つれて遠花火 菊 恵