四角な座敷(ざしき)
を丸く掃(は)く |
こまかいところまで注意を配らず、いいかげんな仕事をするこ
と。 |
鹿(しか)を逐(お)う
者は山を見ず |
一つのことに夢中になっている者は、ほかのことを顧(かえり)
みない。目先の利益を得ることに夢中になっている者はまわり
の事情に気づかない。 |
地獄(じごく)で仏 |
とても困っているときに、思いがけない援助(えんじょ)がある
こと。 |
しし喰った報(むく)い |
悪事をしたために受けなければならない報(むく)い。よい思い
をしたからには、困ることが起きてもあたりまえだということ。 |
獅子(しし)身中の虫 |
内部から災(わざわ)いを起こすもの。味方でありながら味方を
害するもの。 |
事実は小説よりも奇
なり |
事実は作りごとの小説よりもかえって奇妙で不思議なものだ。 |
私淑(ししゅく) |
尊敬する人が過去の人だったり遠方の人であるため、直接に
は教えを受けられないが、その著書などによって間接にその
人を模範(もはん)として慕い学ぶこと。 |
児孫(じそん)のため
に美田を買わず |
良い田を買って子孫のために財産を残しても本人たちのため
にはならないから、あえてそのようなことはしない。 |
親しき仲にも礼儀あ
り |
どんなに親しい友達どうしでも、相手に対する礼儀を欠いては
ならない。 |
舌(した)を巻(ま)く |
とても感心したり驚いて口がきけない様子。 |
疾風(しっぷう)に勁
草(けいそう)を知る |
はげしい風の吹くことによってはじめて、風にも折れぬ強い草
が見分けられる。苦難や事変に遭遇(そうぐう)してはじめて、
その人の意志や節操(せっそう)の強固さがわかるというたと
え。逆境(ぎゃっきょう)にあってはじめてその人の真価がわか
る。 |
雌伏(しふく) |
将来活躍する日を期しながら、人の下に屈従(くつじゅう)して
いること。 |
釈迦(しゃか)に説法 |
知り尽くしている人になまかじりの教えを説く愚(おろ)かさを
言う。 |
蛇(じゃ)の道はへび |
同じ仲間のやったことならすぐわかる。ヘビの通った道が他の
ヘビにはよくわかるように、仲間の者がやることは、すぐに推
察(すいさつ)できる。 |
弱冠(じゃっかん) |
男の二十歳。転じて、広く年が若いことをいう。昔、男は二十
歳を「弱」といい、元服して冠(かんむり)をかぶったのでいう。
「若冠」と書くのは誤り。 |
柔(じゅう)よく剛(ご
う)を制す |
弱い者がかえって強い者を負かすこと。しなやかなものは弱そ
うに見えてもかたいものの鋭い鉾先(ほこさき)をうまくそらし
て最後には勝ちを得るものだ。 |
重箱の隅(すみ)を楊
枝(ようじ)でほじくる |
非常に細かいことまでせんさくし、あれこれうるさく言う。 |
雌雄(しゆう)を決す |
勝敗を決める。 |
朱に交われば赤くな
る |
朱色のものに交われば、自分もやがて赤色になる。人はつき
あう友達によって良くもなり悪くもなる。 |
春秋(しゅんじゅう)
に富む |
年が若いこと。将来が長いこと。 |
春宵一刻値千金(し
ゅんしょういっこくあ
たいせんきん) |
春の夜はとてもよいもので、わずかな時間が一千金にも値す
る。 |
春眠(しゅんみん)暁
(あかつき)を覚えず |
春の夜は寝心地(ねごこち)がよく、夜明けも知らずつい眠り
つづけてしまう。 |
正直の頭(こうべ)に
神宿る |
正直な人には常に神仏(しんぶつ)の加護(かご)がある。 |
上手(じょうず)の手
から水が漏(も)る |
上手な人でも時には失敗することがある。 |
少年老い易(やす)く
学成り難し |
月日がたつのは早く、若いと思っていてもすぐ年を取ってしま
い、学問はなかなか成就(じょうじゅ)しにくい。だからわずか
な時間でも惜(お)しんで勉強しなければならない。 |
将を射(い)んとせば
まず馬を射(い)よ |
目的物を得るには、その周囲にあるものから攻めるのが早道
である。 |
初心忘るべからず |
ものごとを始めたときの、まじめな気持を忘れてはならない。 |
助長(じょちょう) |
いらぬ力添えをして、かえって害すること。
宋国の人が稲の苗(なえ)の成長を早めようとして、その穂先
(ほさき)を引っ張り、かえって枯らしてしまった話。 |
知らぬが仏 |
知ればこそ腹も立つが、知らなければ心が仏のように穏(お
だ)やかでわだかまりもない。当人だけが事件や真相を知らず
にのんきに構えているのをあざけっていう場合にも使う。 |
しり馬に乗る |
よく考えないで、人の後について物事を言う。 |
尻(しり)に目薬 |
見当違いなこと。全く効き目のないこと。 |
人間(じんかん)到る
所青山(せいざん)あ
り |
「人間」は「人」ではなく「世間・世の中」、「青山」は「木の繁
(しげ)った山」でなく「骨を埋(う)める土地・墓場」のこと。つま
り、世の中にはどこにでも骨を埋める土地はあるから、大きな
志をもつ者は故郷を離れて活躍(かつやく)せよ、という意味。 |
沈香(じんこう)も焚
(た)かず屁(へ)もひ
らず |
香を焚(た)くほど風流で魅力的でもなく、おならをして人に嫌
(きら)われるでもない。特に役に立つこともないが害にもなら
ぬ、平々凡々(へいへいぼんぼん)な状態。可もなく不可もな
いというタイプの人。 |
人後に落つ |
人の後ろに下がること。人に負ける。他人より劣(おと)る意。 |
人事を尽くして天命を
待つ |
力の限りやるだけのことをやったら、後の結果は天命にまか
せるということ。 |
死んだ子の年を数え
る |
いまさら言っても仕方のない過去のことをあれこれ言うこと。 |
心頭を滅却(めっきゃ
く)すれば火もまた涼
(すず)し |
よけいなことを考えたり、迷(まよ)ったりする心を捨てれば、
火さえもすずしく感じられる。 |