ことわざ(諺)色々



 や行  

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行

薬籠中(やくろうちゅ
う)の物
薬箱の中の薬のように、自分の思うとおりに使えるもの。すっ
かり身につけた技術や手に入れたもの。「自家薬籠中の物」と
もいう。
焼け石に水 焼けた石に少しくらい水をかけても冷たくならないように、少々
の事では意味がなく効果がないことのたとえ
安かろう悪かろう 値段の安いものは、きっと品物の質も悪いだろう。
安物買いの銭(ぜ
に)失い
安物を買う人は銭を失うことになる。安い物はそれだけ粗悪
(そあく)で長持ちしないから、かえって高いものにつく、という
意。
柳(やなぎ)に風 柳が風になびくように、他人の文句などを上手に受け流して
逆らわない。
柳に雪折れなし 柔(やわ)らかくしなやかなものは堅(かた)くて強いものにくら
べて、かえって長持ちする。雪にあえば強い木は折(お)れる
が、弱い柳はかえって折れない。
柳の下にいつも泥鰌
(どじょう)はいない
以前そこで泥鰌がとれたからといって、今回も同じ場所で泥鰌
がとれるとは限らないことをいう。一度よいことがあったからと
て、いつもそううまくいくものではない。
やはり野に置け蓮華
草(れんげそう)
蓮華草のような野の花は、自然の野に咲いているからこそ美
しいのであり、家の中に飾(かざ)ったのでは似合わない。
藪(やぶ)医者の病
人選び
へたな者ほど仕事のえり好みをすること。
薮(やぶ)から棒(ぼ
う)
「藪から棒出す」を略(りゃく)したもので、だしぬけで思いがけ
ないこと。突然なこと。
藪をつついて蛇(へ
び)を出す
わざわざ藪をつついて蛇を追い出し、それにかまれるような愚
(おろ)かなことをする。余計なことをして、思わぬ災(わざわ)
いを受けること。「やぶへび」ともいう。
病(やまい)膏肓(こう
こう)に入る
治る見込みのない病気にかかること。転じて遊んでばかりで
どうしようもない状態になることなどに使う。膏:心臓の下の部
分 肓:横隔膜(おうかくまく)の上の部分。
病は気から 病気は心の持ちようで起こり、良くも悪くもなる。
闇(やみ)に鉄砲 あてずっぽうにやってみること。



 ゆ や行 

有終の美 最後までなしとげて、立派(りっぱ)な成果をあげること。しめく
くりが立派なこと。
勇将のもとに弱卒(じ
ゃくそつ)なし
勇敢(ゆうかん)な将軍の部下には臆病(おくびょう)な兵士は
いない。
雄弁は銀、沈黙は金 上手によどみなくしゃべることも立派だが、いつどのように沈
黙(ちんもく)するかをわきまえているのはさらに立派だ。



 よ や行 

宵(よい)越しの金は
持たぬ
江戸っ子は稼(かせ)いだ金はその日のうちに使ってしまうと
言われることから、気前がよいことを言う。
用心は勇気の大半な
事をなすのに十分用意をするのは勇気の現れであり、臆病
(おくびょう)なふるまいではない。
余慶(よけい) 祖先が善いことを行った報(むく)いとして、子孫の代に来る吉
事。
横槍(よこやり)を入
れる
一対一の勝負に第三者がでしゃばること。
世の中は三日見ぬ
間の桜かな
世の中の移り変わりが、とてもはげしいこと。桜の花は散りや
すく、三日見ない間に散ってしまって、ようすが全く変わってし
まうところから。
夜目(よめ)遠目(と
おめ)笠の内
女の人を、夜見るのと、遠くから見るのと、笠(かぶりがさ)を
かぶっているのを見るのとは、実際よりも美しく見える。
寄らば大樹の陰(か
げ)
木の下に身を寄せるならば、小さな木より大木の下のほうが
よい。勢力のある者を頼るほうが、安全でもあり利益も多い、
という意。
弱り目に祟(たた)り目 困っているときに、さらに困ることが起きること。