Photoshop7.0
Memorandum

Photoshop関連用語の解説です。
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描画モード

ファイル形式/用語集

 

 

描画モード

ディザ合成
不透明度の低い部分のピクセル分布が荒くなり、ガジガジしたノイズが入る。
イラストに点描風の風合いをつけるのによいらしい。画像補正ではまず使わないと思う・・。

比較(暗)
作用色と基底色を比較し、作用色の方が暗い部分のみ表示する。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

乗算
基底色に作用色を加え、背景に影を落とす。作用色が白の場合は透過する。「焼き込みカラー」と違ってコントラストは変わらない(合成エッジがよりはっきりする。ただし作用色内の輪郭は焼き込みカラーの方がはっきりする)。 合成画像で自然な影を落とすのに使われる。

焼き込みカラー/焼き込み(リニア)
作用色と基底色を合成して暗くし、コントラストを上げる。作用色の輝度が高い(明るい)ほど基底色を透過する。
「乗算」よりもさらに暗くしたい時に使う。
なお、通常は作用色の輝度を減らすのに対し、「リニア」は基底色の輝度を減らす。

比較(明)
作用色と基底色を比較し、作用色の方が明るい部分のみ表示する。
人物の顔のシミ・シワ消しや、イルミネーションの明るさを増すのに使う。
(レイヤーを前面コピーして「フィルタ>ぼかし」をかけると、ピクセルが拡散して全体にやや明るくなるので、この描画モードを「比較(明)」にして背面の元画像と合成すれば、顔の画像はシミやシワが目立たなくなり、イルミネーションはより明るい範囲が広がる)

スクリーン
基底色に作用色を加え、重なった部分を白くする。作用色が黒の場合は透過する。「覆い焼きカラー」と違ってコントラストは変わらない(作用色内の輪郭がよりはっきりする。ただし合成エッジは覆い焼きの方がはっきりする)。
ガラス越しや水中など、半透明のものを透かして見るような雰囲気を出せる。
また、光の差し込みやフラッシュを表現するのにも良い。

覆い焼きカラー/覆い焼き(リニア)
作用色と基底色を合成して明るくし、コントラストを下げる。作用色の輝度が低い(暗い)ほど基底色を透過する。
「スクリーン」よりも強い発光を表現するのに使う。
イラストでハイライトや金属光沢をつけるのにも使われる。
なお、通常は作用色の輝度を増すのに対し、「リニア」は基底色の輝度を増す。

オーバーレイ
スクリーンと乗算の組み合わせ。明るい部分はより明るく(白く)、暗い部分はより暗くなる。ソフトライトより全体のコントラストが強く、ハードライトより弱い。
ガラスや水面の景色映り込みを作るのによい。
また、凸凹・湾曲した物に画像を貼り付けるような合成にも使える。

ソフトライト
作用色が0~49%の部分をより明るく、51~100%の部分をより暗くする。一般にリニアライトよりもかなり作業色内コントラストが弱い(作用色内の輪郭ははっきりしなくなるが、背景の透過率が高い)。チェックやストライプといった模様を強調するのに使うらしい。

ハードライト
ソフトライトのコントラストを強めたもの。一般にリニアライトよりも作業色内コントラストが弱い(作用色内の輪郭ははっきりしなくなるが、背景の透過率が高い)。チェックやストライプといった模様を、「ソフトライト」よりもさらに強調するのに使うらしい。

ビビッドライト
覆い焼きカラーと焼き込みカラーのコントラスト版組み合わせ。作用色・基底色の合成色が0~49%の場合コントラストを下げ、51~100%の場合コントラストを上げる。見た目のコントラストが最も強くなる(作用色は鮮明だが背景が見えにくい)。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

リニアライト
覆い焼きカラーと焼き込みカラーの明度版組み合わせ。作用色・基底色の合成色が0~49%の場合明度を上げ、51~100%の場合明度を下げる。見た目のコントラストがビビッドライトに次いで強くなる(作用色は鮮明だが背景が見えにくい)。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

ピンライト
作用色全体を平均して50%より明るいと判断された場合、51~100%の暗い部分を基底色に置き換え。
作用色全体を平均して50%より暗いと判断された場合、0~49%の明るい部分を基底色に置き換え。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

差の絶対値
作用色・基底色のうち、明るい方の色(白255~黒0)から暗い方の色の値を引いた値で合成する。このため、作用色は必ず元画像よりも暗くなる。作用色・基底色のいずれかが黒に近い場合は、変化の度合いも少ない。
作用色・基底色が同じ色の場合は差が0となるため黒になる。これを利用し、合成で同じ画像をぴったり前面ペーストしたい時には、前面レイヤーの描画モードを「差の絶対値」にして位置を調整する。ぴったりかさなった時のみ真っ黒になるので、正確な位置あわせができる。
同じ方法で、よく似た画像の「間違い探し」をすることもできる。

除外
差の絶対値のコントラスト控えめ版。いったい何に使うのか??

色相
作用色のHSB(色相・彩度・輝度)のうち、色相のみを残す。SBは基底色のものとなる。基底色が白(B100%)、黒(B0%)、グレー(S0%)の部分は透過する。一般に作業色内コントラストがかなり弱くなる(作用色内の輪郭ははっきりしなくなるが、背景の透過率が高い)。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

彩度
作用色のHSB(色相・彩度・輝度)のうち、彩度のみを残す。HBは基底色のものとなる。基底色が白(B100%)、黒(B0%)の部分は透過する。グレー(S0%)の部分も透過する。一般に作業色内コントラストがかなり弱くなる(作用色内の輪郭ははっきりしなくなるが、背景の透過率が高い)。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

カラー
作用色のHSB(色相・彩度・輝度)のうち、色相・彩度を残す。Bは基底色のものとなる。基底色が白(B100%)、黒(B0%)の部分は透過する。一般に作業色内コントラストがかなり弱くなる(作用色内の輪郭ははっきりしなくなるが、背景の透過率が高い)。
モノクロ(グレースケール)の写真にペイントツールで着色する時、元レイヤーの前面に新規レイヤーを作成し、描画モードを「カラー」にすれば、輝度の階調は常に基底色つまり元レイヤーのものになるので、自然な色づけができる。

輝度
作用色のHSB(色相・彩度・輝度)のうち、輝度のみを残す。HSは基底色のものとなる。
イラストやアート写真に特殊効果を出すのに使うと思われる。画像補正ではまず使わない・・。

ファイル形式

BMP
BitMaPの略。その名の通りビットマップ画像形式の1つ。Windowsの標準的な画像ファイル形式。レイヤーをサポートしていない。

GIF(ジフまたはギフ。正確なバージョン名としてはGIF89a)
ビットマップ画像形式の1つ。最大256色のインデックスカラーで色を表現する。このため写真の精細な表現には向かないが、反面ファイルサイズが非常に軽いので、イラストなど色数が少なくても支障のない画像で多用される。(※ただし、同条件ならPNG-8の方がさらに軽くできることが多い)
透明部分もサポートしており、背景を透明にすればさらにファイルサイズを下げることができる。
また、アニメーションもサポートしており、Flash動画のような条件分岐はできないものの、表現的にはかなり凝ったアニメーションを作ることができる。(ImageReadyの「ウインドウ」メニューの「アニメーション」参照)
なお、GIF画像の表示方式オプションにはインターレースがある。

JPEG(ジェイペグ)
ビットマップ画像形式の1つ。写真向けの形式であり、透明部分はサポートしていない。24ビットカラー(8bit/チャンネル)をサポートしており、インデックスカラーのGIFより使える色数がはるかに多く、階調が滑らかである。
JPEGは保存するたびに画像を圧縮するため、処理を加え続けると画像が劣化していく。また、レイヤーをサポートしていない。
画像の表示方式オプションにはプログレッシブがある。

Photoshop EPS
Photoshopで設定したパスなどのベクトルデータを、Illustratorなどのベクトルデータソフトで再編集する時に用いる形式。EPSは画像(ビットマップデータ)の保存形式でありながら、ベクトルデータも保持する。
Photoshopであらかじめクリッピングパス(切り抜きパス)を設定しておくと、Illustratorでクリッピングマスクとして読み込める。

Photoshop PDF
PDF=Portable Document Format(Portableは「別環境に持ち越し可能」といった意)。
OSやアプリケーションに関わらず、正確なレイアウトを表示できるファイル形式。ポストスクリプト画像モデルに基づいて、テキスト、図、3DCG、グラフィック、画像等の情報を全て保持する。

PNG(ピング)
ビットマップ画像形式の1つ。最大48ビット(280兆色)を扱うことができる。もっともWebで使う場合はJPEGと同等の24ビット(PNG-24。1677万色)か、GIFと同等の8ビット(PNG-8。256色)のいずれかである。
かつてGIFが特許権問題で使用しにくかった時代、その代替として出たフォーマットであり、問題が終息した現在、WebではGIFが多用され、PNGはあまり使われていない。しかしPNGはけしてGIFに全面的に劣るものではなく、扱える色数やファイル圧縮率ではGIFを上回る。またGIFと同じく透明部分をサポートしている。アニメーションはサポートしていない。
高い圧縮率を考えると、非アニメーションのイラスト画像はGIFよりもPNG-8で保存した方がよい(しかし場合によるので、最適化時に両方確かめるとよい)。PNGはメタデータ(ファイル情報)を保持するため、メタデータが大量にあるファイルはGIFで保存した方が軽くなる(それよりも不要なメタデータを消去すれば良いのだが、多分Photoshopにはメタデータを一括消去する機能はないと思われる・・)。
なお写真画像については、同じ24ビットで保存した場合、非可逆圧縮であるJPEGの方がファイルサイズを軽くできる。

PNG画像の表示方式オプションにはインターレースがあるが、インターレースPNGは圧縮率が低くなり、ファイルサイズが大きくなることが多いので、同条件のインターレースGIFと比較して軽い方を選ぶとよい。

TIFF(ティフ)
ビットマップ画像形式の1つ。事実上全ての画像処理・DTPアプリケーションで扱うことができ、汎用性が高い。アルファチャンネルを含む画像もサポートしている。

用語集

アンチエイリアス
選択範囲に処理をほどこす時、エッジをギザギザさせないために少しだけぼかす機能。ビットマップ画像はドットで構成されるという特性上、必ずエッジがギザギザになるため、アンチエイリアスはかけておくのが基本。

インターレース
Webの画像読み込みで、読者をイライラさせないために、画像を荒いものから徐々に詳細に表示していく表示法。GIF,PNG等の画像に用いる。JPEGにはプログレッシブを使う。

カラープロファイル
プロファイルとは「個別設定」のような意味。その画像ファイルに最適な色出力設定のことをいう。たいていの画像ファイルにはこのカラープロファイルが埋め込まれている。
JPEGファイルに埋め込まれるICCプロファイル(International Color Consortiumプロファイル)も、カラープロファイルの一種である。

環境光
室内照明や日光のこと。モニターでの色の再現には、システムの設定だけでなく、この環境光も影響してくる。

ガンマ
ブラウン管モニターは出力が暗めになる傾向があるため、デバイス(モニター)またはファイル側で明るさを補正する必要がある。この補正をガンマ補正という。

キャリブレーション
「偏りを正して基準値に合わせる」こと。主に各デバイスでの出力を均質にすることをいう。

色域
デバイスにおける、カラーの再現可能範囲。モニターとプリンタでは色域が違うため、同じCMYKモードでも微妙な差が出るらしい。

テクスチャ
物体の表面の質感を表現するために用いられる3次元コンピュータグラフィックスのこと。木目調や金属風など様々なものがある。

ドットゲイン
インクの印刷用紙への浸透のしかたやインクの性質によって、網点の大きさが変化すること。これに対処するには、「ファイル>プリントプレビュー>トランスファ関数」か、「Photoshop>カラー設定>カスタムCMYK」で出力を補正する。

プログレッシブ
Webの画像読み込みで、読者をイライラさせないために、画像を上から徐々に表示していく表示法。JPEG画像に用いる。GIF,PNG等にはインターレースを使う。

レタッチ
re-touch。画像を修正すること。Photoshopはフォトレタッチソフトである。

◆補正ワンポイント
*画像の半分または何分の一かが暗すぎる(明るすぎる)場合はイコライズで補正するが、うまくいかない時は調整レイヤーのレベル補正を使ってまず暗い(明るい)部分を妥当な明るさにし、その後調整レイヤーにレイヤーマスクを追加して、黒→白(または透明)のグラデーションのマスクをかけ、明るく(暗く)なりすぎた部分をマスクしてしまう。これで全体が一定の明るさで統一される。
*紙をスキャンして使う時など、背景が完全な白ではなく薄暗い時は、「レベル補正」ダイアログの「白色点を設定」スポイトで薄暗い部分をクリックすれば、画像内のその色より明るい色が全て白100%になり、ノイズが消えて文字がくっきりする。
*部分的なテカリ(不定形で正確に選択できないもの)は、焼き込みツールを使って目立たなくする。テカリが定型で正確に選択できる場合は↓の方法を使う。
*金属光沢などで部分的に色がとんでいる(欠けて見える)場合は、色がとんでいる部分を選択して、トーンカーブでトーンを下げてやると色が戻ってくる。
*家電製品など機械ものの画像は、「自由な形に」で水平・垂直を合わせると格好よく見える。

◆不定形の物をマスキング
1、マスクするレイヤーの下に、背景色のレイヤー(たいてい白)を追加する。
2、マスクするレイヤーにレイヤーマスク(全白)を追加し、それを選択する。
3、描画色を黒・背景色を白にし、ブラシで塗りつぶすとマスクできる。塗りすぎた場合はXで描画色と背景色を反転して、白で塗ればマスク解除できる。レイヤーマスクに描画するので、元画像に影響が及ばない。
*クイックマスクモードのアイコンをダブルクリックし、描画カラーを背景色と同じ色にして塗りつぶし、できた選択範囲をレイヤーマスク化してもよい。手間はほぼ同じ。

◆長方形の角度補正
1、上下・左右2本のガイドを出して長方形の左上角に合わせる。
2、自由変形(Ctrl+T)で回転の原点を出して、原点をその左上角に移動する。
3、回転して、長方形の上辺と左辺がガイドに合えばOK。
4、スキャン画像では、画像が歪んでいて、回転だけでは補正できない場合が多い。その場合は自由変形(Ctrl+T)の後に画像を右クリックし、「自由な形に」を選んで、辺中央のハンドルをドラッグして形を整える。

◆ビネット画像の作り方
1、画像全体を選択し、「選択範囲>選択範囲を変更>境界線」で5〜15px程度の縁を作る。
2、「選択範囲>境界をぼかす」で、やはり5〜15px程度ぼかす。
3、背景色が白の状態で、deleteキーを2〜3回押す(消去)。これでビネットがかかる。
※画像の1辺だけをビネットにする場合や、円形のビネットにする場合は、描画色を白にして白→透明のグラデーションをかけるか、Illustratorの不透明マスクを使う。
※※元画像を残したい場合は、「不定形の物をマスキング」の要領で、レイヤーマスクに上記1、2の選択範囲を作り、黒で2〜3回塗りつぶしをかけると同様に仕上がる。1辺だけの場合は黒→透明のグラデーションをかける。

◆Photoshopでマスク窓
大きさの決まったスペースに、画像を適当に縮小・切り抜きしてはめ込む場合は:
1、スペースの大きさの新規ファイルを作成する。
2、背景レイヤーの上に画像をペーストする(新しいレイヤーになる)。すると背景レイヤーがマスク窓になる。
3、「編集>自由変形(Ctrl+T)」で画像を縮小・回転したり、移動ツールでレイヤーを動かしたりして最適なポジションにする。