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平成13年度施政方針大綱(2001.3.1議会) |
編集者よりのコメント(2001.3.3記)
平成13年度施政方針大綱が公表されました。 未だ一読しただけですが、私が感じた今年の施政方針の特徴として気づいた点を以下、簡単に述べます。 @今、大阪府下の各市町村は「財政危機」問題が最もクローズアップされています。北摂では、吹田市・豊中市・摂津 市などです。その中にあっては、高槻市は「よりましな」財政状態であるところから、市長の特長が出せる予算編成に なっています(高槻市がなぜ「よりましなのか」は別途「財政分析」をお読み下さい。) A昨年よりスタートした新しい行政手法が2年目でより展開されてきています。例、行政評価・バランスシート・事業別 予算・NPO・ISO14001・オーパスシステム・地理情報システム など。 B行政の透明性の確保のために今年より採用されている「事業別予算」説明書は、予算の内容を事業ごとに原資内 容も含めて説明していて、大変に理解を助ける有益なものになっています。 Cいわゆる「ハコもの」といわれる、新たに建設する施設としては、牧田町の複合施設(市民プール・老人福祉センタ ー・図書館分館 H13〜H15)、城内町の歴史遺物展示館(H13〜H14)、教育会館(H13)、萩谷総合公園内の野球場 の工事(H12〜H14)などです。 D「IT化」の中で、システムの開発・導入が多くなってきています。例、図書館のインターネットによる蔵書検索システ ム・マイクロフィルムのデジタル化・スポーツ施設を予約するオーパスシステム・消防情報ネットワークシステム・土砂 災害情報システム・住民基本台帳ネットワーク・庁内ネットワーク など。 E新しい施策を進めるために、審議会・調査会などが多く設置されています。 F新総合計画がスタートする年と銘打って、新規事業が合計71事業計画されており、今年は多くの新しい事業が着手 されることになります。 *詳しい内容については、別の機会に詳しく分析する予定でいます。
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施政方針大綱の内容
1 はじめに 世界は今、21世紀の幕開けを迎えました。 人々が生活者として年月を過してきた20世紀後半は、科学技術の進歩に支えられ、豊かな繁栄と便利な社会を創り出しながら、他方では、人々の生活様式や、社会経済システムそのもののあり方など、将来を考える上で、様々な課題を残した時代でもありました。 しかしながら、課題があるところには、新しい時代を築く飛躍のチャンスもまた、開かれているものであります。世紀の変わり目に第一歩を歩み出した今、これらの諸課題に目を背けることなく、克服への道を歩むことが、社会全体に求められております。人々は、ややもすると、目の前にある事象や現状に気をとらわれて、物事の本質を見抜くことを怠り、また、大切な決断や選択を、後の世代へ先送りにしがちでありますが、私たちは、今こそ、「創造と挑戦」をキーワードに、時代を切り拓いていかなくてはなりません。 今日の、激動する時代にあっては、先を見通すことは、なかなか難しいことですが、市政運営に当たっては、市民に真に役立つ施策であるのかどうかを常に精査し、市民と行政との協働のもとに、着実に実行していくことが、何よりも肝要であると考えます。 振り返ってみますと、本市は、昭和40年代の人口急増期以降、様々な変遷を遂げ、今日では、成熟化の時代を迎えようとしております。 この間、本市は、他市に先駆け、四次にわたる行財政改革に積極的に取り組み、行財政体質の強化を図りつつ、人口急増に伴う様々な課題への対応を始め、都市基盤の整備や社会資本の形成に努めてまいりました。 その結果、今日では、都市機能の集積も進み、市民の定住志向や自治意識も、着実に高まりを見るようにまでなりました。 一方、変動する国際社会や少子高齢社会への対応など、新たな時代の要請として、国と地方との役割分担の見直しや、個性豊かな地域社会の形成等に向けた地方分権が、大きな流れとなっております。このような中で、本市は、地方分権一括法の成立により、中核市の要件を具備することとなり、昨年、議会に「特別委員会」を設置いただき、鋭意検討される中、一定方向性も見えてまいったと、判断いたしているところであります。 中核市制度につきましては、地方自治の強化につながるものであり、市民生活に密接な領域での事務権限の拡大を最大限活用して、市民生活の充実と、都市の魅力や風格を高めることが期待できることから、私といたしましては、平成15年4月を目途として、中核市への移行手続きを進めてまいりたいと存じます。 また、移行までの一つのステップとして、本年度より、大阪府から「特例市」並みの権限委譲を受け、都市計画などの分野において、行政サービスの一層の拡大に努めてまいります。 一方、昨年12月に策定された「大阪府市町村合併推進要綱」にある合併問題につきましては、関係住民、事業者などの意思が十分尊重されることが、何よりも大切なことと考えており、今後、幅広い活発な論議が展開されることを期待するものであります。 さて、本年度は、本市にとって、21世紀初頭のまちづくりのビジョヨンを描いた新総合計画のスタートの年であり、向う10年間のまちづくりに向けた重要な年でもあります。市民・事業者・行政が、それぞれの役割と責任を認識した、協働のまちづくりを基本に据え、この新総合計画が目指す「心ふれあう 水と緑の生活・文化都市」の実現に向け、全力を尽くしてまいる決意であります。 2 新総合計画の推進について 今、21世紀初頭を展望しますとき、少子高齢化、グローバル化、情報化など社会経済の構造的変化や、生活様式の多様化が進む中で、まちづくりの取り組むべき課題も増大し、また、大きく変容してまいりました。 そこで、新しい時代を見据え、このような様々な情勢の変化に的確に対応するため、21世紀初頭のまちづくりの基本指針として、平成13年度を初年度に、平成22年度を目標年次とした、新しい総合計画を策定いたしました。 申すまでもなく、総合計画に基づくまちづくりは、市民、事業者と行政頼互の努力による取組みがなくては、実現されるものではありません。 今後、市政等への市民参加のシステムの構築に努めつつ、市民・事業者とのパートナーシップに基づく協働のもとに、総合計画の施策大綱に基づき、施策の展開を図るなど、総合的・計画的なまちづくりに努めてまいります。 なお、総合計画の推進に当たりましては、3か年の実施計画を策定し、適宜ローリングを加えながら、計画的に実施するとともに、今日の社会経済情勢が極めて流動性が高い中、常に時代の潮流を認識し、新しい発想のもと、弾力的かつ機動的に対処してまいります。 3 平成13年度におけるまちづくりの基本方針 さて、平成13年度におけるまちづくりの基本方針でありますが、本年度は、先にも述べましたように、新総合計画のスタートの年であり、目指すべき都市像の実現に向けて、総合計画の六つの施策大綱に沿って、具体的な施策展開の確かな第一歩を踏み出してまいります。その基本的な考え方を、簡略に、ご説明いたします。 まず、「心がかよう共につくるまちづくり」であります。 近年、市民の方々の中に、身近な地域課題を自分たちで見つけ、自らの手で解決したいという機運が広がりつつあり、まちづくりへの積極的な参加意欲が高まってきております。そこで、市民と行政とが協働したまちづくりを進めていくため、市民参加による懇話会を設置し、ボランティアやNPOなど、市民活動の促進と協働のあり方についての指針の策定に取り組んでまいります。 さらには、フリーマーケットなど多くの市民が参加し、相互の交流を図りながら、楽しいまちの実現を目指す自主的な取組みを支援してまいります。 また、市民一人ひとりが平和を愛し、人が人として尊重され、その個性と能力が十分に発揮できる地域社会の実現に努めてまいります。 このような取組みを通じ、心がかよう市民と行政の協働のまちづくりを推進してまいります。 次に、「やさしさとやすらぎのまちづくり」であります。 急速な勢いで、少子高齢化が進む中にあって、児童が健やかに成長し、高齢者が住みなれた地域において、健康で生きがいを持って暮らせるよう、家族や近隣の人々が、心のふれあいや交流を深めるとともに、家庭、地域、行政が、それぞれの役割を担いながら社会全体で支えていくことが、大切なことであります。 そこで、児童が地域で健やかに育つ環境づくりを進めるとともに、子育てに関する施策の指針となる「(仮称)児童育成計画」を策定してまいります。 また、介護保険制度の市民への周知や円滑な運営を図るとともに、地域住民の参加と協力による市社会福祉協議会の小地域ネットワーク活動などの支援や、各種在宅福祉サービスを提供するなど、高齢者や障害者の自立した生活に向けた施策を進めてまいります。 このような取組みを通じて、市民一人ひとりが共に支え合い、やさしさとふれあいが感じられるまちづくりに努めてまいります。 次に、「ひとが輝く育みのまちづくり」であります。 21世紀は、社会状況が更に変化し、より一層グローバルな時代になつていくと考えております。このような時代にあっては、個性的・創造的で、責任感ある、心豊かな自立した人づくりが大切なことであります。 特に、これからの時代を担う子どもたちを、心身共に健全な社会の一員として育てていくことは、社会全体の大きな責任であります。そこで、子どもたちの健全な成長を地域で支えるために、地域教育協議会等を全中学校区に拡充し、開かれた学校づくりを更に進めるとともに、学校、家庭、地域社会が、それぞれの役割を果たしながら、有機的な連携が図られるよう、教育委員会を支援してまいります。 また、市民一人ひとりが、自らの学習意欲を高めることができるよう、多様な生涯学習機会の提供に努めるとともに、市民自らが、創意工夫により取り組まれている事業に、積極的な支援を行い、豊かなまちかど文化を育ててまいります。 このような取組みを通じて、個性と創造性を備え、社会の一員としての責任を自覚できる心豊かな子どもたちを育み、一人ひとりが生き生きと輝くまちづくりに努めてまいります。 次に、「調和のとれた都市環境のまちづくり」であります。 都市は、人々が様々な活動を営み、企業が各種の経済活動を行う場でもあり、このような都市活動を活発にするためには、都市基盤の整備が必要となります。都市基盤は、景観や快適性が求められる時代の中、人々が住み続けたい都市の魅力を創出する重要なものであります。このため、JR高槻駅北地区市街地再開発事業などを始め、市街地の再生を促進して、都市機能の再構築に努めてまいります。 道路整備につきましては、国道171号の渋滞解消や十三高槻線整備促進を国・府へ要望するとともに、市域の道路網の整備を進めてまいります。なお、第二名神自動車道等建設促進につきましては、関係機関と連携協力のもと、積極的に取り組んでまいります。 また、市内のバリアフリー化につきましても、本年度は、JR高槻駅構内のエレベーター・エスカレーターの設置に向け、JRが行う調査設計に対し補助を行うとともに、現在、計画的に進めております歩道の段差解消に努めてまいります。 これらの取組みを通じて、次の時代を見据えた産業や市民活動の基盤整備を促進し、交流が進む調和のとれたまちづくりに努めてまいります。 次に、「安全で快適なまちづくり」であります。 市民の生命と財産を守り、市民との協働による安全・安心な生活環境をつくることは、まちづくりの大切な課題であります。これらの取組みとして、地域による自主防災組織の推進や迅速な救急搬送活動に対応できる消防情報ネットワークシステムの整備を進めてまいります。 また、地球温暖化や資源・廃棄物処理などの地球規模の環境問題は、今、社会全体が真撃に取り組むべき大きな課題であります。そこで、環境基本条例の理念を推し進め、エコスタッフを始めとする市民などと協働しながら、「環境基本計画」を策定するとともに、環境マネジメントの国際規格「ISO14001」の認証取得を目指すなど、市民・事業者と共に持続可能な循環型社会の形成に努めてまいります。 高度情報化社会への対応につきましては、市民の誰もが、手軽に情報を活用できるよう、情報通信技術講習会を開催すると.ともに、庁内ネットワークの整備など、将来に備えた基盤整備を進めてまいります。 これらの取組みを通じて、市民と共に安全・安心で、環境にやさしいまちづくりに努めてまいります。 最後に、「にぎわいと活力のあるまちづくり」であります。 楽しいところには人が集い、人の集うところには活気が生まれ、そこに新たな文化や商業の振興があり、楽しいまちとして活性化が進みます。 こうした中、地域産業が活発な活動を続け、新たなビジネスチャンスを見つけられる環境を創出していくことが求められております。そこで、産業情報サイトの構築に取り組み、産業情報の積極的な発信に努めてまいります。 また、市内に立地する4大学が有する教育研究機能や学生など若者の感性と行動力を活かす取組みとして、高槻商工会議所の行う産学連携事業や学生による「まちづくり研究活動」への支援も行ってまいります。 また、農地や北部の森林などを、都市生活にやすらぎと潤いをもたらす貴重な地域資源や観光資源として、活用することも重要であります。 このため、森林観光センターの樫田温泉を広く市民に利用しやすく、間伐材等を燃料とする環境にやさしい施設に改築するなどの取組みを支援してまいります。 これらの取組みを通じて、産業の振興と人々が楽しめるにぎわいのまちづくりに努めてまいります。 以上六つの施策大綱に沿って、基本的な考えを説明してまいりましたが、平成13年度の主要な施策につきましては、新総合計画の体系に沿って、別紙にまとめておりますので、ご参照いただきますよう、お願いいたします。 4 行財政運営の基本的な考え方 第一は、計画性ある事業の展開であります。 新総合計画に基づく施策の推進に当たりましては、社会経済情勢の変化を始め、多様化・高質化する市民ニーズの動向などを的確に捕らまえながら、計画性ある事業展開を進めることが、必要であると考えております。 とりわけ、今日の厳しい財政状況を十分に踏まえ、事業の緊急性、効果性等、様々な観点から施策の重点化を図り3か年の実施計画を策定し、計画の実効性が図られるよう事業展開に努めてまいります。 第二は、将来を見据えた財政体質の健全性の確保であります。 今日の我が国を取り巻く厳しい経済環境の下で、民間企業では、大きな「いたみ」を伴いつつも、存続をかけて、従前のグループや系列を超えた合併や取引、また、事業の見直しが進められています。 このような状況の下で、新総合計画に基づく施策の着実な展開を図るためには、こうした民間の経営感覚に学びつつ、将来を見据えた、健全性を維持できる堅実な財政運営を進めることが、重要となっております。 歳入につきましては、地方交付税制度の改正のもと、税収の更なる確保や、地方分権の推進に痺う権限の委譲に見合った税財源の国・府への要請など、各種財源の確保に努めるとともに、歳出につきましても、引き続き、コストや効果性等の観点からの各種事業の見直しと、経費の節減合理化に努めてまいります。 また、国庫補助制度の見直しや、大阪府の財政再建計画による負担転嫁につきましても、事業の必要性などを厳しく再精査し、適切な対応をしてまいります。 なお、財政運営の健全性の確保と透明性を高めるため、事業別予算や、決算のバランスシートを作成してまいります。 第三は、より簡素で、効率的・効果的な行政運営の推進であります。 これまでにも増して、流動性の高い、今日の社会経済状況を踏まえ、「第五次高槻市行財政改革大綱実施計画」に基づき、時代の変化に即応した、より簡素で、効率的・効果的な行政運営を進めてまいります。 行政評価につきましては、昨年度から試行的に取り組んでおりますが、本年度は、システムの構築に向け、更に精度を高めるよう努めてまいります。 職員の意識改革や、政策形成・法務能力などの向上につきましては、「人材育成基本方針」を策定し、より計画的な研修に努めてまいります。 また、地方分権時代に対応した新たな行政課題へ挑戦する職員の主体的な取組みを推進するため、政策形成支援制度を創設してまいります。 開かれた市政の推進につきましては、昨年度、策定いたしました「審義会等の会議の公開に関する指針」に基づき、各種審議会等の公開の一層の推進に努めてまいります。 以上、申し上げました基本的な考え方に基づきまして、議会を始め、市民各界各層のご意見、ご要望をも勘案しつつ、編成いたしました平成13年度予算案の総額は、 一般会計で、 991億1,192万4千円 特別会計で、 1,002億3,311万8千円 合わせまして、1,993億4,504万2千円 とし、一般会計につきましては、対前年度当初予算比で、2.7%増の予算編成といたしております。 5 むすび 以上、平成13年度におきます市政運営の基本方針について、ご説明申し上げてまいりました。 時はあたかも21世紀、変革の流れは、ますます加速するものと思われます。 そこには、克服しなければならない数多くの課題があるとは言え、未来への道が、通じていることも確かであります。 こうした変革の時代にあっては、これまで以上に経営感覚を研ぎ澄まし、改革すべき課題、実行すべき課題について、時には、苦渋の選択であっても、市民に対して十分な説明責任を果たし、決して後の世代に先送りにしないことが、必要ではないかと考えております。 そのためにも、全職員が市民と率直に語り合い、訴えるべきことは訴え、学ぶべきことは学びとり、市民と協働したまちづくりを進めていくことが、何よりも大切であります。 そして、「新世紀に飛躍する魅力あふれる成熟都市」の創造に向けて踏み出した、私たちの歩みが、将来、高槻に住む人々から、「時を見据えた確かな歩みであった」と言われるよう、職員の先頭に立って、一歩一歩着実に歩んでまいる決意でございます。 何とぞ、議員各位、並びに、市民の皆様におかれましては、今後の市政の推進に、一層のご支援、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、施政方針といたします。 (別紙)
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