一汁一菜の映画鑑賞記 (その1)
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11月  私がウオッシャウスキー  マン・オン・ザ・ムーン  ブルー・ストリーク アメリカン・ビューティ
     ザ・ハリケーン マイキュリー・ライジング  鬼教師スティングル   パーフェクト・ストーム
     ロメオ・マスト・ダイ  サラリーマン金太郎

10月  マーシャル・ロー(戒厳令)  ダブル・ジョバティ  アンドリュー  13ウオ−リアーズ  スクリーム3 
       ジャン ヌ・ダルク コンフェッション     アンジャーノンに花束を    アリーUno3    氷の接吻
     クッキー・フォーチュン  あの空の向こうに

9月  マルセイユの恋 コーンエア アリー2  救命士  スリーピー・ホロウ   ミュージック・オブ・ハート  

8月  コモド  ハイロー・カントリー    バイラス  踊れ!トスカーナ  ミッションインポシブル・2  お受験 
    エンド・オブ・デイズ  海の上のピアニスト  ワールド・イズ・ノット・イナフ  アラビアンナイト    

7月  カスケーダー  トウルークライム  ワイルド・ワイルド・ウエスト アルマゲドン グラディエーター
      プリティ・ブライド    トーマスクラウン・アフェアー  アンナと王様   ザ・ハリケーン    シュリ 
    ディープブルー  釣りバカ日誌11   ランダム・ハーツ      ほんとうのシャクリーヌ・デュ・プレ        

  ストレイトストーリー  どら平太  将軍の娘(エリザベス・キャンベル)    エリザベス  母の眠り  となりのトトロ
    シビル・アクション 雨あがる    レッドバイオリン  エリン・ブロコヴィッチ

5月  ファミリーゲーム  ウエディン・グシンガー 裏窓 アイズ・ワイド・シャット ライフ・イズ・ビューティフル 
     マーキュリーライジング  トウルーマン・ショー

4月  タイムトラベラー マトリックス ファントム・メナス・エピソード1 迷宮のブリンクス 金融腐食列島・呪縛

3月  マグノリア ノッティングヒルの恋人 釣りバカ日誌11 リトルボイス ブロークンダウン・パレス
    シン・デッドライン 


11月

〇11月1日は借りにいけずに半額の日を逃す。11月11日(土)にやっと3本借りることが出来ました。11月18日(土)も3本レンタル。

NO.80  2000.11.29 鑑賞 サラリーマン金太郎 1999米  衛星放送2にて(8:00〜10:00)  

 レンタルビデオでは見る機会のなかった邦画ということで鑑賞。

 原作が劇画ということでどうしても画面も劇画調となっていました。サラリーマンとなった金太郎が建設会社で公共事業の入札に関わるうちに談合と不正入札、蠢く政治家などが見えてきて、入札が妨害され、それを暴くと会社と家族が狙われてついに爆発。学生時代の仲間が助っ人に加わって殴りこみとなる。これではまるでかってのやくざ映画の現代版と何ら変わるところがない。ただし、最後にはおちがあって、金太郎は逮捕され裁判によって判決を受ける。そのうち不正入札は警察によって暴かれるという道筋がやくざ映画と異なっている。
 最後の解決は暴力で、ということにはしていないところがミソなのかもしれない。

                                 私の推薦度  ★★☆☆☆

NO.79  2000.11.27 鑑賞 ロメオ・マスト・ダイ 2000米  レンタルビデオにて  

 香港出身のスターがハリウッド映画に進出して撮影した映画。アメリカの港町の利権=縄張りを争う2つのグループ(中国系と黒人系の設定)と港開発の話が絡んで、カンフーが活躍するアクション映画。

 中国系と黒人系での争いなど、内容に深みがないのが残念で、マトリックスの映像技術を生かしたとキャッチ・コピーにあったが、やはりストーリーの深みが面白さを呼ぶ。やくざの世界を描いたのは香港映画の得意とするところだが、余り感動するところがない。
                                  私の推薦度  ★★☆☆☆

NO.78  2000.11.26 鑑賞 パーフェクト・ストーム 2000米  レンタルビデオにて  

 前宣伝の大きかった映画。レンタルビデオで借りてきて鑑賞。

 カジキマグロ漁船が漁を求めて大海に出た。いつもと違う遠洋に出かけていって大漁となる。その帰路、ハリケーンに出会う。それもとてつもなく大きなものに。
 漁に出ることになる乗組員の船に乗るまでの経過を描く前半と風雨が荒れ狂う後半と。嵐場面がCGを使ったことで話題を呼んだが、それは大きなスクリーンで鑑賞してこその話で、テレビではその迫力は伝わってこないのが残念。

 幕切れに家族の不満が集まった。ハリウッド映画の特徴が出ていない、と。物語は少しはハーピーエンドがあるから救われるのに、無謀な航路を批判するだけの映画になってしまうという批判。

評価は鑑賞したそれぞれが感じること。 
                                  私の推薦度  ★★☆☆☆

NO.77  2000.11.26 鑑賞 鬼教師スティング 2000米     レンタルビデオにて

 映画の監督がスクリームの監督であること以外何の動機もなく見た映画。

 内容もまた、どう評価していいかわからないほど、つまらない映画。見たことは記録しておく必要があるからここに上げたということ。 

私の推薦度  ☆☆☆☆☆

NO.76  2000.11.22 鑑賞 マーキュリー・ライジング  wowow 98米 112分 主演 ブルース・ウィルス   

 以前に見た映画でしたが、その時印象が深かったのでもう一度鑑賞しました。

 この映画では何といっても自閉症児のサイモンがいい。ほとんど自然体で演じています。パズルを解くのが好きで、暗号なども画像として見てしまう能力を持つ。そこでNASAの暗号を解いてしまったところから命を狙われるというストーリー。

 サスペンス・ストーリーの場合、次の展開がどうなるかハラハラさせるところがミソですが、この映画の場合サイモンがほとんどの会話・交流を拒否しているところから、どう転んでいくのかわからなくしているところがあります。その分サスペンス度が上がっています。自閉症児の学校が上手に描かれていて、サイモンが安心しているだけでホッとさせられます。 ラストシーンは物語の全ての〆として最高にしてあります。 

私の推薦度  ★★★☆☆

NO.75  2000.11.18 鑑賞 ザ・ハリケーン  レンタルビデオ 主演 デンゼル・ワシントン   

 7月に劇場で鑑賞しましたが、問題作としてもう一度見る価値がある(配偶者は見ていないし)ということで、レンタル。

 デンゼル・ワシントンの好演が光る。実話に基づく物語ということでは、説得力もある。「ミシシッピー・バーニンブ」も確か1960年代の物語だったと思うが、この黒人ボクサーに対する差別と偏見も同様に1968年の事件であったと思う。60年代のアメリカが背負っている歴史的汚点ということか。冤罪が晴れてチャンピオンベルトが1994年に与えたれたと、字幕にあったが、30年間の苦しみとは、圧倒的な長さです。

 配偶者はハリケーンとついているから、これは暴風雨の映画だと思ったらしい。パーフェクト・ストームとの誤解。そちらは未見だが、ボクシングが嵐のように激しいところからのニックネームだった。たまたま公開時期が一緒だったことも影響しているのでしょう。 

私の推薦度  ★★★★☆

NO.74  2000.11.13 鑑賞 アメリカン・ビューティ  レンタルビデオ 主演 ケビン・スペーシー   

 今年のアカデミー作品賞に輝いた映画で、一度は見ようと思っていた映画ですが、何とも奇妙な映画というのが率直な感想です。アメリカ中流といわれる白人家庭の崩壊を描いた映画というのですが、登場する3人の高校生が何ともありそうで存在感があります。ケビン・コスナーの役どころは何とも難しい。40代中年の惰性からの脱皮を描いたといえばそんなものかもしれませんが、会社との関係、会社を辞める動機のところがどうもはっきりしません。

 私の評価としては、珍しくハッピーエンドではないホームドラマという意味では新しいかもしれませんが、高校生の気持ちや行動はよく分かるが、夫婦の考えや行動がどうもピンときません。私の苦手な映画のジャンルということ。但し、アカデミー作品賞を取ったということは、アメリカ社会の現実のある部分を鋭く反映していると、アメリカが承認したということも言えます。

私の推薦度  ★★☆☆☆

NO.73  2000.11.12 鑑賞 ブルー・ストリーク  レンタルビデオ    

 以外に面白く、愉快に見られた映画でした。窃盗犯が捕まる寸前にダイヤモンドを建物の排気口に隠す。晴れて刑務所から出所すると、建物は何と警察署に変わっていた。そこで考えた窃盗犯のダイアモンド奪取作戦を可笑しく描いていきます。

 本人が窃盗暦があることが幸いして、犯人の心理をズバリ読んでしまうあたりは、警官も案外向いている職業なのかもしれない。主人公の各人俳優の活躍もあって見ていて飽きません。

 楽しく見られる映画として推薦です。             私の推薦度 ★★★☆☆

NO.72  2000.11.11 鑑賞 マン・オン・ザ・ムーン  レンタルビデオ 主演 ジム・キャリー   

 ジム・キャリー熱演の映画。アメリカ喜劇界の実在の人物を映画化したということらしいが、とにかくこの映画はジム・キャリーの熱演に尽きます。とにかく、演技が上手で、味わいがあります。彼の出演する映画は、同じ喜劇でもアピール性があって不思議です。

 今回の役どころは、同じ喜劇といっても悪役に徹して、聴衆・観衆を挑発する独特の芸風を貫いた実在の人物ということらしいが、そのとおりに演技しています。2人の役をこなす所もスゴイ。アメリカにこういう喜劇役者がいたということを記録するまたとない映画であることは確かです。

 私の推薦度 ★★★☆☆

NO.71  2000.11.6 鑑賞 私がウオッシャウスキー  wowowにて   

 2度目か3度目の鑑賞。女性私立探偵の主人公がロシア系みたいな変わった名前であることが特徴の映画。子どもを預けた男が爆死して、子どもと探偵の二人三脚で、事件の調査をしていきます。痛快とまではいきませんが、エネルギッシュな探偵に拍手といったところです。

 私の推薦度 ★★★☆☆


10月

〇10月1日は「ビデオ半額の日」です。シドニーオリンピックも終わったことだしまた時間を見つけては映画を見ましょう。心の栄養です(10/1)
〇10月7日〜9日の3連休を利用した映画鑑賞はビデオ3本とあいなりました(10/9)

NO.70   2000.10/29 鑑賞 あの空の向こうに(Octover Sky)  ユニバーサル映画 2000作品 レンタルビデオ

 私の好きなタイプの映画でした。1957年のアメリカにある田舎の炭鉱町。高校生4人組の物語です。ソ連が打ち上げたスプートニクに感激して何とかロケットを飛ばしたいと言い出す。ホーナー・ウイズリーの熱意に四人が挑戦する。ロケットの発射実験は幾度も失敗する。父は炭鉱夫でヤマが誇りの働き場。子どもに跡を継いでほしいと願っている。そんな父との衝突や、化学実験に理解を示す学校の先生の励ましや、四人の友情や。それらが織り交ざって炭鉱の事故も絡んで物語りは進んでいきます。

 当時の17歳はちょうど今60歳です。彼らが少年時代に描いた思い思いの夢への共感のメッセージ映画です。バックに流れるのは何れも当時に流行った音楽。その人たちには遠くなった過去へのオマージュとして、耐えられない魅力があるでしょう。 

 私の推薦度 ★★★★☆

NO.69   2000.10/22 鑑賞 クッキー・フォーチュン  レンタルビデオ

 物語は何気なく始まり、小さな町の日々の人々の生活が描かれていきますが、30分を過ぎた頃に「事件」が起こります。クッキーが自殺してしまうのです。第一発見者が「自殺は許さない」身内だったから、「殺人事件」となり、犯人が逮捕され、物語は意外な展開を見せていきます。

 そして親戚が実はだれとだれなのか、という謎解きも身内の血縁関係の調査が進むにつれて、次第に明らかになっていきます。日常生活を描いてその中に事件があって、ある作為が別の方向に進んでいってしまうことを許すが、やはり無理があって、修正される。その修正が何とも皮肉なラストとなって展開されます。

 好き嫌いがあるでしょうが、派手なアクションは全くないサスペンスというのもあってもいいと思う。もっとも、分類がサスペンスといっても謎解きくらいのイメージです。

 私の推薦度 ★★★☆☆

NO.68   2000.10/21 鑑賞 氷の接吻  レンタルビデオ

 探偵社の主人公が殺人事件の犯人を追ううちに、調査相手の彼女に次第に興味を持ち始め、何故凶行に走るのか、追跡する中で次第に、興味から一歩前へ進んでしまう。

 探偵社の主人公が最後どうするのか、ということが興味の中心になりますが、落ちは余りぱっとしません。何となく覗き見趣味的な映画の域を出ていない感じがします。女優は「ダブルジョバティ」の主人公の人。名前は知りません。

 私の推薦度 ★☆☆☆☆

NO.67   2000.10/20 鑑賞 アリー my love U no3  レンタルビデオ

 人気アメリカテレビ番組のビデオ化。連続テレビ番組と映画の違いは見ていてやっぱり感じます。もし日本で同じように連続放映されても、私は多分この種の連続番組は見ないだろうと思います。

 弁護士事務所のアリー以外の連中がどうもあることに偏狭すぎてどうも好きになれません。
 娘が借りてきたので鑑賞しました。 

 私の推薦度 ★☆☆☆☆

NO.66   2000.10/9 鑑賞 アンジャーノンに花束を  wowowにて  2000.カナダ  92分

 wowowで見つけた映画ですが、これがなかなか考えさせられる映画でした。アンジャーノンとは二十日ねずみ(モルモット)に付けた名前です。

 ある手術によって、知能がドンドンと伸びて行く二十日ねずみ。動物実験ではあっても、人間ではどうか。ある研究者のすすめで、一人の青年が「天才になりたい」という夢をかなえるために、手術に同意する。彼のICはドンドン伸びて行く。正常範囲から天才の域にまで。そこで得たもの失ったもの。人の生活は心が無ければ愛がなければ「無ではないか」と思い始める。そして、巡り合えた彼女との日々もつかの間、別れを告げる。自らの知能で、この実験が実は反作用がきつくて、やがて前の状態よりもより悪くなってしまうことを知ってしまったから。今の自分を覚えていてほしい。私は多分わからなくなってしまうだろうから、と。

 テーマの一部は「レナードの朝」に重なりますが、こちらの映画は舞台が日常生活の中にあることで、より迫ってくるものがあります。知ることが全てにとって幸せなことではない。なかなか難しいテーマです。もう一回見てもいいな。

 私の推薦度 ★★★★☆

NO.65   2000.10/9 鑑賞 コンフェッション  レンタルビデオにて  

 コンフェッションとは混乱とか言う意味です。原題は別でした。日本で付けたのが原題とは異なる横文字。そういう時代ですかね。

 さて、物語の最初は展開が早い。弁護士が依頼人を信頼できず、法廷で無実を主張しない被告人弁護士は弁護士事務所を首になり、弁護士資資格も剥奪される。ひょんな事から、老人と知り合いになり、彼か書いた小説の感想を聞かれるが、家に行くと彼は死亡したという。自らの名前で発表した小説は大当たりとなり、一躍、有名人に。しかし、送られてきた本を読んだ刑事は連続弁護士殺害事件と内容が全く同じであることを知り、彼を逮捕する。証拠を燃やしてしまった彼は自分の物でないことを証明できない。

 サスペンス仕立てで進みます。最後になると脚本が少し甘くなって、エッということになるのがありますが、それでも十分に楽しめる映画です。法廷モノというのは白黒がはっきり争われれることで、分かりやすい利点があります。

 私の推薦度 ★★★☆☆

NO.64   2000.10/9 鑑賞 ジャンヌ・ダルク  レンタルビデオにて  

 リュック・ベッソン監督作品として 注目されている映画。回想・思索場面の画像処理がリュックベッソンらしくということでしょうか。

 物語は、史実から得たものでフランス史に名高い「ジャンヌダルク」をそのままかどうかは不明にしても、実名を使って映画化しています。当時はキリスト教が全盛を誇っていたようで彼女の宗教的な動機(神からの声)を一つの中心として描いています。イギリスとフランスのフランス国内での戦い。戦場でのジャンヌダルクは勇敢で、駆け回りますが、人を殺すことはしない。イギリスを追い出すことが自分の使命とばかり「旗を持って」駆け回る。

 フランス史を知らないので臨場感が余り無いのが残念ですが、有名な戦いに違いない場面が出てきます。戦法的には無謀とも思える攻め方が功を奏して陥落させるあたりは、日本で言えば戦国時代の攻防のようです。

 人を感動させる映画ではありませんが、歴史を感じさせることはできる映画といえばいいでしょうか。

 私の推薦度 ★★☆☆☆

NO.63   2000.10/7 鑑賞 スクリーム3  レンタルビデオにて  

 『スクリーム3』はスクリーム・シリーズの完結編です。シリーズものの場合、最初が一番面白くてあとは段段と無理したりして、面白さが無くなっていくのが多い。この映画も3はいい、とはどうも言えない。

 この手の場合は、1回目のドキドキしたのがミソなのであって、2回目以降は「殺人」が怖くなくなってしまう。それが良くない。沢山殺害しないと観客が怖がらなくなる映画は、造りとして上手でない、ということではないだろうか。関心ある方のみ見てください。 

 私の推薦度 ★☆☆☆☆

NO.62   2000.10/3 鑑賞 13ウオーリアーズ  レンタルビデオ 主演 

 4本目のレンタルをこの頑張りで鑑賞し終えました。平日に鑑賞するのはなかなか大変ですヨ。言っても仕方のないことですが。

 この映画はマア、西洋版「7人の侍」といったところでしょうか。アラブ生まれの主人公が北の町へ大使として流されて行ったところ、北方(フィンランド付近?)の王が、現れる『熊』によって村が滅ぼされると助けを求めてきたことから、当地の13人の勇士が北方へ、熊退治に出発するというおとぎ話です。

 熊の正体を見つけるまではちょっと「プレディター」ばりの緊張感がありましたが、正体がわかると、これは「7人の侍」の物語だ、となった次第です。たまにこんなおとぎ話を見るのもいいものです。息抜きとして。

 私の推薦度 ★☆☆☆☆

NO.61   2000.10/2 鑑賞 アンドリュー  レンタルビデオ 主演: ロビン・ウイリアムズ外

 「にんげんの生と死を扱った哲学的な映画」と紹介したら、これから見ようとしている人が「そんならやめた!」となって逆宣伝になってしまうことになりそうです。しかし、テーマは多分外れてはいないと思う。但し、描き方は味も素っ気もある、丁寧な描き方ですが。主人公は「人工人間」(アンドロイド)。2歳の子どもが「アンドリュー」と発音したことから、人工人間を購入した「主人」が名づけた名前が「アンドリュー」です。彼は学習能力があってだんだんと人間らしさを獲得していきますが、年を取ることはありません。やがて「主人」が亡くなり、2歳の子どもが成人し、結婚し、子どもが生まれて、その子どもが大きくなって、と4代に渡って「仕えて」も、アンドリューのままです。そうして彼は人間が憧れる「不老長寿」を全うすることに疑問を持ち、人間のように「有限」でありたいと願うようになります。そうして、その夢は果たしてかなえられるのでしょうか。

 やっぱり哲学の映画です。生と死と。2回か3回ぐらい見て考えて答えないと、いい加減では済まされないかも。 

 私の推薦度 ★★★☆☆

NO.60   2000.10/1 鑑賞 ダブル・ジョバティ  レンタルビデオ 主演: アシュレイ・ジャド/トミー・リー・ジョーンズ外

 この『ダブル・ジョバティ』は予告編を見たときから見てみたい映画になっていて、レンタルで見つけました。期待に違わず面白い映画でした。夫殺しの罪を着せられた妻が実は夫の仕組んだ罠と気づいて、刑務所から仮出所で出たなり、追い求めていく物語。展開も早く、舞台が次々変わっていくのもいい。保護監察官のトミーリージョーンズが執拗に追いかけるのはまるで「追跡者」で、彼にぴったりの役かもしれない。途中から彼女は無実かもしれないと思うようになる。

 同じサスペンスならこういう展開の映画が好きだ。特別のアクションも派手な撃ち合いもないが物語は飽きることなく展開していきます。子供を思う母親の執念というのが軸になっています。 

 私の推薦度 ★★★★☆

NO.59   2000.10/1 鑑賞 マーシャル・ロー  レンタルビデオ 主演: デンゼル・ワシントン/アネット・ベニング外

 有名な俳優を主演に迎えるとそれだけである程度のヒットは保障されるので、どうもそちらに流れ勝ちというのがハリウッドの映画の作り方のようで、この映画もデンゼルワシントンとブルースウィルスを使うことよってヒットをねらった映画といえます。

 但し、ストリー的には大したことはないと思う。イスラムの過激派を絡ませて、アメリカ情報局と連邦捜査局と軍隊との3つ巴の考え方と行動様式の違いを示そうとしているのは分かるとしても、イスラムのテロが唐突で、理由も定かではない。ここでの説得力が物語の軸になっていくのにCIAがフセインを倒すために育てた派閥がアメリカの方針転換で、見捨てられて反撃に出たということらしいが、そんなもんか、と思う。

 爆弾テロの映画では、ボスニアの内紛を絡めた「ピースメーカー」の方が数段に面白かったと思う。 

 私の推薦度 ★★☆☆☆


〇8月終わりから財政に関するレポートの準備に忙しくて映画が少しご無沙汰となっています。(9/7記)
〇シドニーオリンピックが始まって、映画鑑賞の時間が全くなくなりました。中継で応援している限りオリンピックが面白いのです。10月になったらまた、取り戻すつもりです。(9/27記)

NO.58   2000.9/27 鑑賞 ミュージック・オブ・ハート  Otsu7cinema にて 主演:メリル・ストリープ

 本当に久しぶりに映画を鑑賞したという感じです。

 映画の内容のジャンルの中で音楽に関するものは案外と好きで、選択のなかでは上位になっているようです。この映画も題名のとおり音楽がテーマになっています。教師と音楽という組み合わせです。

 離婚した子持ちの女性がセントラルパークのイースト小学校の臨時教員として、音楽の授業を受け持つことになる。彼女はバイオリン教師で自ら50テイのバイオリンを持ち込んでの教育となる。スラム街にありバイオリンは白人教師の人気取りだと非難する親も出たりして、教えるのは平坦ではないが、子どもたちが習いたい、という限り教えようとする姿勢で、親の前でコンサートを開き、喝采を受ける。そうして10年間、臨時教師としての身分のままで1000人以上の卒業生を送り出した教室も、市の予算カットで閉鎖の危機に立たされる。

 メリルストリープという女優はその役になりきってしまう。今回はバイオリン教師。バイオリンを教えるまでに上手でないととてもこの役は務まらないと思うのだが、難なくこなしているように見えます。すごい演技力。脱帽です。

 音楽のいうのはドラマの波をもって行って大きくはじける場所がちゃんとある、と言う意味で感動しやすいのかもしれません。音楽教師の話では『陽のあたる教室』が思い出されますが、あれも名画でした。今回のは、教師としての苦悩というよりも母、働く母としての苦悩に重点があって家庭の中に音楽があり、子どもたちが答えるところではこちらの方が音楽一家という意味で家庭的には恵まれていたように思います。

 私の推薦度 ★★★★☆

NO.57   2000.9/11 鑑賞 スリーピー・ホロウ  レンタルビデオにて

 何とも奇妙な映画でした。西洋版・金田一耕助の『八つ墓村』といった趣き。アメリカの1799年頃の話。南北戦争で暴れた騎士が討たれたが首を盗られたため、自らの首を探して夜になると村に現れ、首を刎ねて回るという恐ろしい話に始まって、理性と推理が信条の主人公が難問を解決するために活躍します。

 最後には「合理的」な理由が成立しているのですが、途中の何とも奇怪な行動はどうもこの映画を遠くの劇画的存在にしたようで、リアリティが望めないのが、八つ墓村よりも劣ってしまう理由のような気がします。

 私の推薦度 ★☆☆☆☆

NO.56   2000.9/9 鑑賞 救命士   (2000 米)  ニコラス・ケイジ/パトリシア・アークエド 他 レンタルビデオにて

 ニコラス・ケイジは個性のある役が似合う。今回は緊急事態に人の命を預かる救命士で、彼が救えなかった少女の姿に悩まされつづけている役どころだが、アメリカの暗部を描いてもいる。ごったがえした緊急病院と休みのない医者と。きっと華やかな世界の裏側は医療保険のない国の実態の一部を描いているのではないか、と思った。彼は救えなかった人の亡霊に悩むが、救急医療と死とは隣り合わせであるから死と遭遇するのもきっと多いと思う。映画を見ていうのもなんですが、大変な仕事であることを再認識した次第です。

 ただ全体的に暗い映画でどこに救いを求めたらいいのか、という気はします。見終わってもすっきりしないのは映画のせいではなく、映画の描く世界のせいなのでしょう。一度は見ておいてもいい映画ですが、何回も繰り返して見る映画ではない気がしました。

 私の推薦度 ★★★☆☆

NO.55   2000.9/5 鑑賞 アリー2   (2000 米)  レンタルビデオにて

 アメリカの連続テレビドラマだという話です。アリーという女性弁護士が「活躍」する話ですが、彼女が昔付き合っていて振られた相手と同じ法律事務所に勤めることになってドラマは始まります。

 今回の話は会社を首になった会社員の弁護をしますが、判事がアリーのスカートが短いことでクレームがついて一悶着します。トイレの化粧室の中の話し合いがやけに多いドラマです。トイレは本音で話せる象徴的なところということでしょうか。

私の推薦度 ★★☆☆☆

NO.54   2000.9/5 鑑賞 マルセイユの恋   (1996 フランス )  衛星第二にて

 たまたまテレビのチャンネルを変えていて見つけた映画ですが、面白くて結局最後まで見てしまった映画。フランスのマルセイユという港町の日本風に言えば長屋に住む4世帯のいろいろなエピソードがつづられますが、中心は夫がいない女性が子供2人と住んでいて、勤め先のスーパーを首になり、求職も上手くいきませんが、そのとき出合ったガードマンと恋をします。ただ、彼には影があって無口。その原因が次第に解き明かされて生きますが、恋を応援する長屋の友達が皆フランクでいい。

 下町の長屋ものといわれるものがきっとフランスにもあるのでしょう。意見も率直で親身で、あっけらかんとしていて、こういうところに住む人間は議論好きでそれていて助け合い精神おう盛で、とても好感が持てます。

私の推薦度 ★★★★☆

NO.53    2000.9/4 鑑賞 コーン・エア   (1999 米 )  地上放送にて

 映画劇場でやっていてつい見てしまいました。ニコラス・ケイジ主演です。航空機乗っ取りの受刑者の話。とにかく派手に色々なものが壊れ、人が死ぬ映画です。3回目くらいの鑑賞でしょうか。ストーリーを知っているとド派手なアクションでも驚かなくなります。それが命の映画ですからびっくりしないといけないのですが、どうもできない。画面で見せる映画の限界ということでしょうか。

 同じアクション映画を何回も見るものではない。また、忘れた頃に見ればよいではないか、ということを自覚した映画でした。

私の推薦度 ★★☆☆☆(但し2回目以降)


8月

○1日はビデオ半額の日でついついレンタルしてしまいました。今回は4本でした。
○家族そろって夕食を食べ『ミッションインポシブル・2』を鑑賞しました(8/8)

NO.52    2000.8/20 鑑賞 アラビアンナイト   (2000 米 )  レンタルビデオにて

 SFXを駆使した映画だったが、広いものだと思いました。有名な千夜一夜の物語を原作に忠実に描いていて、アリババと40人の盗賊の話や魔法のランプの話などが出てきます。アニメではないところがミソで、実写にいかにSFXを使ってリアリティーをだすか、が腕の見せ所、楽しみながら気軽に鑑賞できました。 

私の推薦度 ★★☆☆☆ 

NO.51    2000.8/19 鑑賞 ワールド・イズ・ノット・イナフ(2000 米)ピアーズ・ブロスナン/ソフィ・マルソー レンタルビデオ

 ご存知007シリーズの最新作がビデオになったもので、早速借り出しました。

 主演のボンド役の俳優(名前は忘れましたが)が板についてきた感じで、今回も暴れますが、ストーリーは今(8/27)は余り思い出せないくらいに印象が浅かったというのも何故かと思う。最近売り出しの『M:i2』とダブってしまってごっちゃになるから、ということかもしれません。そのときだけ懸命に楽しむ映画の典型例だと思います。

私の推薦度 ★★★☆☆ 

NO.50    2000.8/12 鑑賞 海の上のピアニスト   (2000 米 )  ティム・ロス/ブルート・テイラー レンタルビデオにて

 映画館にかかっていた時から見てみたい映画だと思っていました。長男は映画館で鑑賞済み。やっとビデオ化されました。

 蒸気時代の連絡船の中で生まれた主人公は何故だか生まれながらにピアノの天才で、楽譜は一切要らずに、聴いた曲はすぐにピアノで再現できるという優れものです。青年に成長して船の楽団員の一員となって、思いのままピアノに向かいます。映画のバックミュージックにはピアノ曲が流れて画面を盛り立てます。

 彼が恋をして気持ちをピアノ曲で表すところがクライマックスか、本物のジャズピアニストとピアノ対決するところがクライマックスか、主人公は最後まで連絡船を降りることはありませんでした。まさに海の上です。

 『レッドバイオリン』といい『踊れ!トスカーナ』といい、こういう音楽映画はジャンル的に好きなのかも知れません。最後まで楽しめました。

私の推薦度 ★★★★☆ 

NO.49    2000.8/10 鑑賞 エンド・オブ・デイズ   (2000 米 ) アーノルド・シュワルツネガー他 レンタルビデオにて

 今年の正月映画で『不評』をかった映画だから、一度どんなものか見てみたかったというのが真相でレンタルしました。

 2000年の最後の日までにサタンが復活してキリストを追い出すという予言があって、そのサタンに立ち向かうのがシュワちゃんという筋書きです。何のことか語っていても分からないストーリーです。サタンがやたらと暴れるので、町のあちこちが火事になったり爆発したり。

 だからどうなの、というのが何もない映画というのもめずらしい。やはり、正真正銘の失敗作です。

私の推薦度 ☆☆☆☆☆ 

NO.48    2000.8/8 鑑賞 お受験   (1999? 日本 ) レンタルビデオにて 田中裕子・堀内タカオ

 すでにWOWOWで放送していたということを後から息子が強調していた映画。お金を払って借りてきたのだから見なければ損、とばかりに意地でもビデオを鑑賞しました。

 長女の子どもを有名私立小学校に入学させようと懸命な母親と、会社のクラブが閉鎖されることになって会社を辞め、主夫で何かをつかもうとする長距離ランナーの父親と、受験に最初は乗っていけない長女の、3人の物語です。父親と娘の交流が主軸になっています。本音で勝負したい父親は湘南マラソンに出場して、そのまま子どもの面接会場へ向かいます。

 受験を風刺したというよりも、父親の企業クラブの解散という、極めてホットなテーマがあることが特徴の映画です。見て損した、という感想が出ることはないと思います。

私の推薦度 ★★☆☆☆ 

NO.47    2000.8/8 鑑賞 ミッション・インポシブル・2(2000 米 ) トム・クルーズ他 otsu 7 cinemaにて

 職場の夏休み休暇を使って休んだ関係で、夕ご飯を外で食べよう、ということになって、家族4人ででかけました。イエローマジックとかいう中華料理店で夕食。その後長女は家庭教師のアルバイトに、残り3人は大津7シネマで「ミッション・インポシブル・2」を鑑賞しました。

 スカッとする映画という意味ではサービス精神に溢れた映画かも知れない。1作目とは全く関係なくストーリーが組み立てられています。前回はチームプレイでしたが今回はハッサン一人プレイ。相棒がいても手助け程度で、独り舞台です。

オーストラリアでロケがされていてオペラハウスなどが出てきて、ア、今年行ったところ。派手なアクションと変装がキーポイントとなって大きな音とともに見せてくれます。映像を味わう映画です。

私の推薦度 ★★★☆☆ 

NO.46    2000.8/5 鑑賞 踊れ!トスカーナ(2000 イタリア )  レンタルビデオにて

 4本レンタルした中の1本。拾いものの収穫でした。

 イタリアの片田舎。トスカーナという街(?)の話。田舎ゆえ変化がない、平凡な日々が続く。人の噂もすぐに広まりすぐに消えていく。そこで会計士を仕事にしている長男と農業を手伝う弟と妹、親父の4人家族の家に、突然、スペイン・マドリードから「フラメンコダンサー」が一行がホテルへの道に迷って訪れたことから、4人家族の家に波が起こる。

 情熱的なダンサーの踊りと音楽に乗って、喜劇調でいて内容は極めて真面目に進んでいく。何ともイタリア的な楽天性が出ていて、田舎の風景が映画に良くとけ込んでもいる。

 非常に良質なイタリア映画を見たというさわやかさが残った「拾いものの映画」でした。

私の推薦度 ★★★★☆ 

NO.45    2000.8/4 鑑賞 バイラス (2000 米 )  レンタルビデオにて

 長女がレンタルしてきた映画です。SFXかオカルトかサスペンスに趣味が集中していますので、今回の選択もその中のひとつであることは間違いのないところです。

 宇宙からの侵入者が人間に関するデータを全て読み込んで機械と人間の死骸との合体生物を造りだして地球を征服しようとする中で、その異生物が占領したソ連の母艦に乗り込んで闘いを挑む人間の物語。もちろん、最初は異生物がいることは知らずに一儲けの話として乗り込むのですが実は、と展開していきます。

 この手の映画の場合、異生物を如何にリアリティーを持って恐怖の物体として描くか、が勝負だと思う。今回の場合は、機械人間は余り成功していない。改造シーンはリアルであったが、できあがった機械は普通で力が強いのみ。攻撃にも案外と弱い。日本語読みでウィルス。

 余り好きな部類の映画ではなかったが最後まで鑑賞して以上の感想をのべました。

私の推薦度 ★☆☆☆☆ 

NO.44    2000.8/2 鑑賞 ハイロー・カントリー (2000 米 ) 114分 レンタルビデオにて

 第二次大戦後すぐのアメリカ西部が舞台で、兵役から帰ってきた主人公とニックネームが「ビッグ・ボーイ」という親友の二人の物語です。牧場で牛を飼ってカウボーイとして生活しようと意気投合する二人。、街の支配者となっている牧場経営者との争い。若い二人は恋人を探しますが、主人公の本命は実はビッグボーイの恋人となっていてしかも人妻であるところから話はややこしくなります。

 二人が愛するのは馬に乗り牛を追うという昔ながらの「カウボーイ魂」。ビッグボーイの強烈な個性とカウボーイ魂に惹かれ共鳴する主人公です。若さ故の揺れとともに、恋人が重なるややこしさもあって、青春がまっすぐに行かないもどかしさも表現されています。

 アメリカが求める「○○魂」というひとつの典型を今の時代になって描いたという意味はノスタルジではなく、当時の時代への共感だと思う。

私の推薦度 ★★★☆☆ 

NO.43    2000.8/1 鑑賞 コモド (2000 米 ) 89分 レンタルビデオにて

 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000年に正式上映作品とあって、どんな映画か興味が湧いて借りた映画です。

 コモドとは多分コモド・ドラゴンをイメージしたどう猛なは虫類の名前です。石油基地の島に誰かがコモドの卵を廃棄し、そこから雛が孵って何とか生き延びていたが、石油基地から出る廃液で餌がなくなってしまい、餌を求めて人間を襲うようになる、という設定です。

 先ず、その島で暮らしていた家族が襲われ、少年のみが生き残ります。衝撃的な体験が少年の心を閉ざしています。カウンセラーが再び島に少年を連れて行くことになって、コモドとのバトルが開始されます。石油会社の雇われ人も絡んで人間対コモドの闘いが映画の中心テーマです。

 この手の映画は余り私は好きではありませんが、長女はこんなのが好きで一生懸命見ていました。 

私の推薦度 ★☆☆☆☆ 


7月

○今月から使用可能な大阪・京都・滋賀共通の映画鑑賞券4枚が手に入りました。これは厚生会事業の配布券だから、家族には内緒で何とか4枚とも自分のために利用したいものです(7/12記)
〇そのうちの一枚を活用して『ザ・ハリケーン』を鑑賞しました(7/18記)
○7月は合計14本の鑑賞ができました。外はうだるような暑さ。この調子で、本数が伸びていくといいな(7/30記)。

NO.42    2000.7/30 鑑賞 ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ (2000 米 ソニーP配給 ) レンタルビデオにて

 実話に基づく映画という触れ込みの映画。世界的に有名なチェリストであったジャクリーヌ・デュ・プレの半生を描いています。

 彼女については全く知りませんが、家族は皆すでに知っていて、こういう音楽映画が好きで、この映画も4人全員がテレビの前に座って見たのですから、レンタル料の500円はとても値打ちものです。

 彼女を彼女の姉との関わりの中で成長を追って描いています。途中の一瞬から姉の目と妹の目という形で両方に別れ、各々のその後の人生を描いて、数年後のある一瞬に再び交わっていくという新しい描き方もあって、両者の目の違いが画面からよくくみ取れて、面白い手法だなと思いました。

 「ジャッキー」の難病に罹ってからの演技は熱演でした。チエロを弾けないことがどれだけつらいか、を体現していました。人間デュ・プレを描いて余りある作品に仕上がっています。

私の推薦度 ★★★★☆ 

NO.41    2000.7/29 鑑賞 ランダム・ハーツ (2000 米 日本ヘラルド配給 ) ハリソン・フォード 外  レンタルビデオにて

 この映画のハリソンフォードはずっと深刻そうな顔をしていた。彼の場合、アクション映画のようにいつも危険の連続であっても平気な顔を見せてくれるのが常で、余り深刻な顔をされるとこちらが重たくなってしまうところがあります。

 この映画では、彼が信じていた妻が議員の夫とアパートまで借りる「浮気」をしていたことが飛行機事故で分かるという設定ですから、多少は深刻なのかも知れませんが、刑事役ですから調査はお手の物ということで真相に迫っていきます。浮気相手の議員と恋に落ちるというのもまあ、そういうことでしょう、といった感じで展開しています。

 ハリソン・フォードがこの役に適役なのか、考えながら見た映画でした。彼ならもっと張り切って活躍できる映画があるはずと思う。

私の推薦度 ★★☆☆☆ 

NO.40    2000.7/22 鑑賞 釣りバカ日誌11 (2000 松竹 ) 西田敏行 三国蓮太郎 外    レンタルビデオにて

 松竹大船撮影所が6月一杯で閉鎖されるという淋しい出来事が松竹にあった中で、そのことが明るみになった最中に撮影された映画です。その意味で松竹映画人のメッセージがこの映画の中に込められています。

 吊り三昧の中での鈴木建設のリストラ問題がサブテーマの今回。スーさんは社長として会社のことが気になり悩んでいるだけに画面の中でも元気がありません。一方のハマちゃんは仕事は二の次にしての釣り生活。ハマちゃんが仕事の面でも、あるところでは頑張ってることが少しないと、職場の雰囲気を明るくすることや友だちを思いやる気持ちはあってもそれだけではサラリーマンとしては足りないんだ、と観客も含めて思う今の世の中なのです。そこのところがひとつ欲しかった。沖縄出張で釣りばかりでは「能」がありません。まして社長に同行なのですから。

 スーさんが観光する形で沖縄の紹介があって、タクシー運転手との会話などは沖縄の風土や思いがよく伝わってきました。今回はスーさん主役の映画でした。

私の推薦度 ★★★★☆ 

NO.39    2000.7/22 鑑賞 ディープ・ブルー (2000 米 )     サミュエル・L・ジャクソン外 レンタルビデオにて

 パニック映画ですが、楽しめる映画です。

 相手はサメです。ジョーズを思わせますが、今回の場合は人間がサメの脳が退化しないことに目をつけて、サメを人工飼育して脳からエキスを抽出して人間のアルツハイマー病に役立てようという設定です。そのサメの脳を肥大化させるために「遺伝子操作」を行ったところから、サメが「賢くなって」人間に復讐(実は大海に帰りたいため?)を始める、というストーリーです。

 パニック映画特有で、人間が次々にサメに襲われて喰われていきます。いろいろなバリエーションでおそわれるその怖さが売り物でしょう。水の中であるのがミソで、圧倒的にサメに有利な状況での闘いです。このところ、猛暑が続いていますから、水の中の恐怖というのも涼しくなっていいですよ。

私の推薦度 ★★★★☆ 

NO.38    2000.7/21 鑑賞 シュリ (2000 韓国 )     レンタルビデオにて

 韓国で今年の春だったか、6人に1人の割合で見たとか言って大ヒットした映画として話題性があり、レンタルしました。

 私の感想としては、確かにハリウッド映画を念頭において、爆発シーンを沢山入れているなどそのテンポと展開を追求しているのは分かりますが、北の工作員が南の地で反乱を起こそうとし、南の警察がそれを阻止しようとするというストーリーが何か通り一遍のような気がしてならない。工作員の恋がメインテーマと見られないこともありませんが、娯楽作品と見るなら、もっと徹底して、主人公はあくまでもスマートに、何事もなかったようにことをこなすスーパーマンであった方が見ていて気持ちがよいのではないか、と思いました。

 そうかと言って、日本の映画の中にこの手の映画が有るかといえば、すぐには思い浮かばないと言う意味では、韓国映画もなかなかやるな、ということはいえると思います。  

 私の推薦度 ★★★☆☆ 

NO.37  2000.7/18 鑑賞 ザ・ハリケーン (2000 米 )   デンゼル・ワシントン他  大津アーカスシネマにて

 実話に基づく問題作、という触れ込みの映画だったのでどんなものか、鑑賞したかった映画でした。

 1960年代アメリカの黒人ボクサーがバーで銃を乱射した罪で捕らわれ、目撃証言から真犯人とされて無期懲役の判決が確定して服役するところから物語は始まります。 当時は黒人に対する偏見が強く、唯一自らを鍛え身体を武器にすることで生き延びてきた主人公ハリケーンは、囚人服を着ないと戦いながら、自らの無罪を叫びつづけ、本を書きます。本は出版されベストセラーとなって、無実の彼を救え、の声は高まって集会がもたれたりしますが、再審請求は棄却され、やがて、忘れられていきます。

 彼の本を古本市で偶然見つけた高校生の黒人少年が手紙を書き、面会に行き、交流することで彼の無罪を確信して、カナダの協力者3人と再審請求と事件調べを本格的にはじめます。

 デンゼル・ワシントンの熱演もあって、見ごたえのある映画でした。獄中で20年間無実を叫び続ける一言ではいえない勇気と、彼を何とか救おうとする友情と。この夏のアメリカ映画を実話に基づくものが多いとして、くくってコラムに書きましたが、確かに実話に基づくという迫力は何者にも変え難い。 推薦の一作品です。

 私の推薦度 ★★★★☆ 

2000.7/17 鑑賞 アンナと王様 (2000 米 )   レンタルビデオにて

 週末のレンタルビデオで選んだもう一本の映画。

 1860年代のタイ王国に王朝の家庭教師としてやってきたアンナとその子供が、タイ王朝の26人の子ども達と側室、国王との触れ合いによってタイの文化を理解して心の交流を深めていく物語です。19世紀のタイ王朝が非常に優雅に再現されていて、独特の文化の香りを感じさせます。列強国や隣接国との駆け引きなど、生臭い部分もしっかりあって、単なるラブ・ロマンスではない展開になっています。家庭教師役の女優が19世紀イギリス婦人の気高さ・気品の良さを見事に演じています。

 画面が美しいこういう映画はスクリーンでしっかり見るときっと味わいがより大きくなるのだろう、ビデオを見ながら考えていました。大河的な物語が好きな人にお勧めの一作品です。

 私の推薦度 ★★★★☆ 

2000.7/16 鑑賞 トーマス・クラウン・アフェアー (2000 米 )   レンタルビデオにて

 週末のレンタルビデオで、今週選んだのは2本。この『トーマス・クラウン・アフェアー』は最新のジェームスボンド役の彼(名前を忘れたので!)が主役となっていたので選択しました。

 彼は表向きはビルのオーナーで不自由のない富豪ながら、実はスリルを楽しむ性癖を持つ男で、狙っているのはモネの著名な絵画。白昼堂堂とその絵画を盗み出すその華麗な手口がいい。保険会社から派遣されたプロの捜査ウーマンとの駆け引き。派手なアクションはないものの窃盗手口の華麗さと捜査員との駆け引きの妙を楽しむ映画と見ました。一方の主役であるその保険調査員に扮している女優の名前も忘れてしまって、伝えられる固有名詞が一つもない独評では、余り説得力がありそうもありません。別の角度からいえば、ヨットや軽飛行機やの富豪の豪華な遊びを楽しむこともできます。 

 私の推薦度 ★★★☆☆ 

2000.7/13 鑑賞 プリティ・ブライド (2000 米 ) ジュリア・ロバーツ、リチャードギア外  レンタルビデオにて

 『プリティ・ウーマン』と同じキャストで撮った映画だから『プリティ』がついていますが、映画の原題は「runaway」つまり「立ち去る花嫁」と言った意です。中央新聞のコラムニストと田舎町の電気屋の娘さんのラブストーリです。

 最後まで見てもどうして花嫁は結婚式場から立ち去るのか、釈然とはしませんでした。その辺の最も筋の中心となるところがあいまいなままで物語が進行していくのが、どうもついていけない感じがしました。

 こういう映画は映画館で見なくてよかった、ビデオだから許せる、という映画です。

 私の推薦度 ★☆☆☆☆ 

2000.7/10 鑑賞 グラディエーター (2000 米 ) ラッセルクロウ外  OTHU7シネマ にて

 映画を見る時間が出来て、どの映画にしようか迷った末に決まったのがこの『グラディエーター』でした。外の候補としては、『ミッションインポシブル2』『ザ・ハリケーン』の2本。どれも見たい映画ですが、次の機会にと言うことで、今回はこの古代ローマ叙事詩を選択しました。

 3時間を越える大作で、中心となるコロシアムはSFXを使っての撮影とはいえ、実際の形を4分の1くらいは造ったという話。それと最初のローマ軍とゲルマニアとの戦闘シーンも大迫力でした。スケールの大きさを売っている映画です。グラディエーターとは剣闘士の意で、古代ローマでは、剣闘士同士を戦わせる競技があったということ。

 ローマ軍の将軍が、次期皇帝に計られて、討伐され妻子は殺されるが、本人は生き延びて剣闘士となる。そこで、戦いの強さから人気が生まれる。南スペインの地からローマへと移動して、コロシアムで戦うようになる。そして、皇帝との対決がクライマックスとなる。

 かっての名画『ベン・ハー』と何かと比較される映画になるのではないかと思いますが、コロシアムでの戦闘シーンが両者とも売りです。ベンハーは宗教が深く関わっていますが、こっちは単純に復讐映画と言ったところでしょうか。 

 私の推薦度 ★★★★☆ 

2000.7/12 鑑賞 アルマゲドン (1999 米 ) ブルース・ウィルス外  WOWOWにて

 この映画が公開された当時、年間ワースト10の募集で見事1位に輝いていたのを鑑賞していた途中で思い出しました。とにかく派手に地上で爆発が瀕発するのは確かですが、隕石に近づいて軟着陸してそこに240bの穴を開けて核弾頭を突っ込んで、離陸した後にそれを爆発させて隕石のコースを変更するという最もエッセンスの部分が「有りそうもないこと」なので、そこが全てをウソ臭くしてしまうのではないか、と思いました。

 同じお金を使うならもう少し真実味を出して欲しいと思う。同じようなパニックものなら、インデペンデンス・デーの方がよかった。

 私の推薦度 ★★☆☆☆ 

2000.7/8 鑑賞 ワイルド・ワイルド・ウエスト (1999 米 ワーナーブラザーズ) ウィル・スミス外 レンタルビデオにて

 この映画は、今年の6月にオ−ストラリア旅行に行った際に、観光で寄った『ムービーワールド WB 』で、ワイルドワイルドウエストという街自体が建設されていて、これは多分会社の看板映画の1つであると会社がいっていると思い、見る気になった映画です。

 SFXを駆使した西部劇と言った感じの映画で、内容自体はそんなに大したことはないような気がしました。まあ、大きな口を開けて時たま笑いながら鑑賞すればそれで十分なのかも。

 この種の映画は、ビデオよりも映画館で画面自体を楽しまないと損する映画だと思います。ドンパチするときの音とか、破壊画面とか。ビデオだとストーリー中心になるから、この場合、どうしたものかな、と思案顔です。

私の推薦度 ★★☆☆☆ 

 2000.7/2 鑑賞  トウルー・クライム  (2000 米 ワーナーブラザーズ)  クイントイーストウッド外 レンタルビデオにて

 クイントイーストウッドが雑誌記者の役で登場、殺人事件を追います。追うとはいっても6年前の事件ですでに1級殺人が確定して、あと1日で刑が執行されるというところに飛び込みます。唯一の証言である彼が銃を持っていた・逃走したということが本当か。調査は、彼が家庭で浮気が原因で離婚されるという、プライベートともダブりながら話は進行していきます。

 随分と年を取ったと感じるクイントイーストウッドです。減らず口をいうのは年齢が上がっても一緒ですが、もう、アクションはほとんどありません。せいぜい会話で楽しんでいる程度です。 そんな彼が「白」と匂った今回の事件を見事に解決して見せるか。

 ハリウッド映画の場合は、脚本の上での検討がよくなされているから、画面に不自然な動きがあれば、すぐに現場に到着して訂正することができます。それが強みです。日本の場合もほぼ同様です。

私の推薦度 ★★★☆☆ 

 2000.7/1 鑑賞  カスケーダー  (1999 ドイツ)  レンタルビデオにて

 タイトルには余り見覚えがありませんでしたが、宣伝文句の「ドイツのインディージョーンズ」というのが目に入ってつい、借りてしまったビデオです。丁度7月1日はいつも行くレンタルビデオ屋が「オール100円」の日でした。それと知らずレジで分かった訳ですが、結局当初予定どおり3本借りてきました。

 ナチスが隠した「琥珀の部屋」の秘宝を探す物語。秘宝と活劇という意味では確かにインデージョーンズかも知れない。ドイツのスタントマンの俳優が今回の主役だからスタントマンなしで実技している、とありました。大変なシーンの連続です。物語性としては、やはりインデージョーンズには遠く及ばない、ということ。ドイツ映画を見たということだけで、値打ちがあったのかも知れないが。

私の推薦度 ★★★☆☆ 


6月

○今月は今のところ10本の鑑賞ができました。この調子だと年間150本の目標も夢ではなくなって来つつあります。(6/29記)
〇結局今月は10本の映画が鑑賞できました。 

 2000.6/29 鑑賞  エリン・ブロコビッチ  (2000 米 ユニヴァーサル )  ジュリアロバーツ外 大津7シネマにて

 6月中有効の映画無料招待券が手には入ってもったいないからと、何とか時間をやり繰りして鑑賞してきた映画です。

 今見たい映画の候補としては、『グラディエーター』か『アメリカン・ビビューティー』か『エリンブロコビッチ』かでしたが、上映時間が丁度ピッタリだったこの『ブロコビッチ』を選択しました。実話に基づく映画で、公害問題を扱っているという予備知識。

 ジュリアロバーツのために脚本し、ジュリアロバーツのために監督した映画といった趣の映画でした。全編、彼女が輝いていて唯一、エリンが務める法律事務所の弁護士を除いて、そのほかの俳優が霞んでしまっています。

 3人の子持ちでバツ2のエリン。求人欄とにらめっこの日々ながら、持ち前の口の悪さとツッパリで、強引に弁護士事務所に押しかけ務めする。そこで遭遇したのが有名会社の付近の住民がその会社によって家の買い取りを受けている依頼。実は彼女は現場主義者で、粘り屋で実証主義者なのです。弁護士ではありませんので、その下働きですが、彼女の徹底した調査がその後の展開に生きていきます。

 この映画でいいのは、重く暗いイメージがある公害問題を扱いながら速いテンポと付近住民の声を多数登場させることで運動と連帯した裁判闘争ということがよく分かるようになっていて、最後の勝利が納得を持って迎えられること。ここが先に見た『シビルアクション』との違いでした。

(2回目の感想の欄へ戻る)

 私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/28 鑑賞  レッド・バイオリン  (1998 カナダ・伊合作 )  WOWOWにて

 10:00〜0:10まで放送していて、ビデオも録ったのだが、眠い目を擦ってついつい見てしまった。

 一台のバイオリンが人の手から人の手へと渡っていく間に、手にした人物が迎える皮肉な運命を綴っていく物語。ちょっと変わった嗜好です。そのバイオリンを弾く人物も子どもから演奏家から、ジプシー風女性から紅衛兵まで、多彩です。結局4世紀に渡って5つの国を遍歴することになります。それら各々のエピソードが全て、現代のオークション会場へと収斂されていきます。

 全編にバイオリンの響きが流れているのは当然のことかも知れませんが、これが何ともいい音色です。

 私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/26 鑑賞  雨あがる (2000 日本 同制作委員会  )  寺尾聡 宮崎美子 外 レンタルビデオにて

 映画館で見る機会を失った待望の映画のレンタルビデオ化。さっそく借りてきました。

 期待に違わぬ出来映えという印象を持ちました。物語の起伏は余り大きくはないが、カメラを遠くにロングに固定して、長いカットが静かに続いていきます。新緑生える雨上がりの様子がいい。画面が落ち着いていて、ゆったりとしてみられます。

 脚本・黒澤明の字幕が出ていました。黒澤明が構想を練って脚本にしたものを、今回、遺作の形で映画化したということです。興業でも4億円くらいで今年の邦画興業ベストテンには入ると思う。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/25 鑑賞  シビル・アクション (1999 米  )  ジョン・トラポルタ 外 レンタルビデオにて

 レンタルビデオの予告編でいいかな、と思ってレンタルしてきたビデオです。

 アメリカの司法制度は進んでいるといいますが、それもテーマに依る、ということを教えてくれる映画です。即ち、傷害事件や事故などで相手から賠償金や慰謝料を取り立てる裁判には向いているかも知れないが、社会的なテーマを取り扱った長期に渡る裁判には向いていないということを語ってくれています。

 この映画の場合は、ある工場の近くで子どもがガンで死亡する事件が相次いだ。これはきっとその工場がトリクロロエチレンを流したに違いないと踏んで、子どもの母親が原告となって工場2社を訴える。その裁判を受け持ったのが弁護士3人の法律事務所。問題は、その工場から廃液が流されたことを証明すること。土壌調査や地下水調査などが弁護士事務所の費用で進められる。結局、一社は有罪、1社は無罪となるが、母親が言うように、賠償金は手にしても、汚された土壌を交換することではない。お金のための訴訟ではなかったはずであるのに。

 法律事務所は、調査費用で破産・解散する。「訴訟は正義ではなく、お金のため」と語らせるとおりとなる。何か後は、尻切れトンボみたいな印象だった。 

私の映画評 ★★☆☆☆

 2000.6/23 鑑賞  となりのトトロ (1993? 日本・スタジオジプリ  )  監督 宮崎 駿 金曜ロードショーにて

 久しぶりに民放のロードショーを見ました。『となりのトトロ』でしたので、みてもいいかな、となった次第。幾度目かの鑑賞ですが、今回注目したのは、物語の背景となっている田舎の田圃や山や野原や畑や家やの描き方です。

 いずれも丁寧で、リアリティがあることは一致するところですが、透き通った水が流れるところや、池にオタマジャクシが遊んでいて、キキが手を入れるとバッと散るところ、など随分と瞬間をよく捉えていて楽しい。夕日が入るところや、雨が田圃にボツ、ボツと降り出すところなどもいい。トウモロコシが茂っているのは緑一色。田舎の吊り井戸は導水が必要で、バケツに汲んできた水をポンプに入れてガッタン、ガッタンやったものです。

 このアニメ映画は昭和30年代ころのそうした田舎の様子がしっかり描かれているのが良いのです。省略画法でもぼかし画法でもない描き方。田植えは未だ、手で植えていました。苗は天秤棒で運んでいました。そのころの話です。ストーリーはよく知っていても楽しみ方いろいろ。

 もう一点は、父親役のセリフが面白い。子どもへの返し方が包み込むようでいて暖かい。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/18 鑑賞  母の眠り (1999 米  )  主演 メリル・ストリープ レンタルビデオにて

 3本目の映画はこの『母の眠り』です。メリル・ストリープが主演すると映画が良く締まるといつも思っています。そのくらい、各々の役に全力投球しています。

 今回は悪性腫瘍に冒された母親役。難しい役柄を見事にこなしている。娘役の女優の奮闘もあって、物語としては、家庭における母の役割を十分に考えさせる映画となっています。大学の学部長の父親と二人の子どもがともにケンブリッジ大学に進学した恵まれた家庭。その母親が病気に倒れたとき、すでにニューヨークで出版社の記者をしていた長女が介護に、と家庭に呼び戻される。彼女の追体験を通じて、家庭で母親が演じてきた役割が明らかになっていきます。

 この映画のメッセージは「母親は今あるものを精一杯大事にしようとする。決して高望みはしない。今を愛する。」ということ。メリルの劇中の言葉でした。

私の映画評 ★★★☆☆

 2000.6/17 鑑賞  エリザベス (1999 イギリス )  主演  レンタルビデオにて

 第3金曜日はレンタルビデオが半額の日だと思って3本借りたところ、そのキャンペーンは5月一杯で終わっていたとのことでしたが、すでに借りていた後だったので、結局この週末は3本を何とか鑑賞し終わらなければならない羽目になりました。好きだから許せることでしょうか

 この『エリザベスは』封切り時に映画館でも鑑賞しています。なかなか、テーマからいって重厚な映画といえます。ただし、描かれているのは人間エリザベス。恋をするし、良く笑う。それでも宮廷内は陰謀が渦巻き、スペイン、フランス、スコットランドなどの大国列強の思惑やカトリックと新教という宗教上の対立が絡んでいる。なかなかに複雑である。その試練を乗り越えていくエリザベス。宮廷内を統一したことで地位を守り、「国土と結婚した」女王となる。

 この映画は丁度ハリウッド映画『恋に落ちたシェークスピア』とほぼ同じ時期に上映されたように覚えています。シェークスピアとエリザベス、この両方に同一のイギリス俳優が主演(共演)しているのも偶然の一致か。イギリスとハリウッドの作り方の違いを探すとしたら、脚本がとにかくハリウッドはよく練られているということか。

 それでも十分に楽しめた映画です。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/16 鑑賞  将軍の娘(エリザベス・キャンベル) (1999 米 )  主演 ジョン・トラポルタ レンタルビデオにて

 6月に入って初めてレンタルビデオ店に寄ってレンタルしてきました。 余り新作は増えていませんでしたが、その中から3点。今日の夕食は家族みんなが要旨で出掛けたため、一人で鑑賞しました(終わるまでには全員が帰ってきましたが)。

 ジョン・トラポルタは最近の映画ではシリアスな役柄が多いような気がします。今封切り中では『インサイダー』などです(これはアル・パティーノの間違い! 追記)。この『将軍の娘』も、軍人ですが軍隊内の刑事役で登場します。物語は、女性大佐が絞殺されるところから始まって、彼女はあと2日で退官し、政界に進出する将軍の娘であることが分かり、2日間の内に解決するように命じられる。彼が相棒と事件を追ううちに、彼女の士官学校時代のことに話が進展していきます。

 サスペンス調に謎解きが展開していって、見ていてもある程度の犯人像は浮かんでは来ますが、確証はなく、物語の展開によってそういうことか、と楽しめます。意外な結末かも知れませんが、軍隊的な処理とはこういうことでしょうか。軍隊の恥部に切り込む映画の一つといって良いかも知れません。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.6/5 鑑賞  ストレイト・ストーリー   (1999 米 )  飛行機の映画にて

 2000.6/5 鑑賞  どら平太   (2000 四騎の会 )  飛行機の映画にて


(今週のコラムに映画鑑賞記を載せましたので、転載します) 

 歴史的建造物の外観の変更を禁止」し「三b以上の樹木を行政府の許可なく伐採等をすることを禁止」して街並みと緑を守っている国を見て、その景観の素晴らしさに感嘆してきましたが、翻って日本の景観を考える時、京都など千年余の歴史都市ですらその変貌ぶりを嘆く声が上がるなど、日本国民の価値観が鋭く問われているようで、深く考えさせられました

さて、今日は映画鑑賞二題。その一。『どら平太』。四騎の会がかって企画して実現しなかった脚本が唯一の生存者市川昆監督で日の目を見た痛快時代劇という触れ込みの映画です。原作は山本周五郎の「町奉行日記」で主演は役所広司。或る小藩の藩政腐敗を正すべく、江戸表から単身町奉行が乗り込み挑戦する話です。映画構成のカット数は多くないように思えましたが、殺陣の場面に市川昆流の映像処理がある気がします。脚本の妙もあり楽しめる映画です。

その二『ストレイト・ストーリー』。疎遠になっている兄が脳卒中で倒れたと聞いた主人公が時速八qのトラクターで六週間かけて訪ねるロードムービーです。途上の逸話と主人公の時々のセリフが宝石のように輝いています。ハートフル映画。

両方のお勧め度★四つ


5月

 2000.5/28 鑑賞  トウルーマンショー(THE TRUMAN SHOW)ジム・キャリー外 WOWOWにて

 今日のwowowメガヒット劇場は『トウルーマンショー』で、見たい映画でしたので巨人ー中日の野球中継を止めて鑑賞しました。

 この映画はジムキャリーが全てを負っています。非常に難しい役どころを見事に演じきっているジムキャリーを先ず褒めたい。彼しか出来ないとも言えそうな大変な役です。

 テレビが、特定の人物を24時間完全に撮影し、放映し続けるというある意味では身の毛もよだつストーリーです。彼がそのことに疑問を持ち、苦悩し、突破しようとする様は、本当に可哀想で、見ていられない。大変な悲劇の主人公です。

 アメリカのマスコミならば、ひょっとしたらこんな番組が実際に組まれるかも知れないという恐怖を充分に予言しています。大いなる警告でしょう。こんなテーマが映画になるアメリカもまたスゴイとも思う。未見の人は一度見て戦慄してください。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.5/28 鑑賞  マーキュリー・ライジング (1999 米)  ブルースウィルス他 WOWOWにて


 ブルース・ウィルスはFBI捜査官がよく似合う俳優だと思う。しかもエリートではなくアウトロー的、だが腕は確かというイメージ。この映画もビデオでは発売時に見ましたが、もう一度見たかった映画なので、今日改めて鑑賞した次第。

 今回は自閉症児の子どもが主人公。非常に上手に演じています。数字パズルに特別に強くて、NASAの暗号を解いてしまうところから物語が始まる。少年を守ろうとするブルースウィルスと口封じの殺し屋との闘い。筋立ては簡単で単純だが、少年が自閉症児であることが大きなインパクトとなって物語を引っ張っていきます。

 この種のアクションものの最後はハッピーエンドで終わるのが常ですが、この映画の場合は、(言ってしまっても良いのか少しは迷うところですが、)少年がブルース・ウィルスに心を開くというエンドマークです。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.5/22 鑑賞     ライフ・イズ・ビューティフル  (1998イタリア)  WOWOWにて


 今日の日曜8時の『メガヒット劇場』は『ライフ・イズ・ビューティフル』でした。必見の映画です。

 今までみたいと思いながらなかなか機会のなかった映画で、ゆっくり鑑賞出来ました。結果は、決して期待を裏切らない大変素晴らしい出来映えといえると思います。第二次世界大戦・ユダヤ人という重たいテーマながら、主演・監督のロベルト・ベニ−ニのテンポで、ドンドンと引っ張って行ってくれます。親子の会話や映画の展開のテンポの良さと、ゲームに仕立て上げてしまうことでアウシュビッツを子どもと一緒に乗り切ろうとする発想。悲惨な場面は直接には全く映しませんが、起こっている事実は伝わって来ます。

 ベニーニはこの映画でアカデミーの主演男優賞と外国語映画賞を獲りました。確かにその栄誉に値する映画です。 未見の方は是非とも鑑賞を。


私の映画評 ★★★★★

 2000.5/21 鑑賞     アイズ・ワイド・シャット  (1999・米)  ビデオにて


 久しぶりの映画鑑賞となった。先週は自治会の総会とゴルフのコンペの幹事の関係で全く映画を見られなかった。 土曜日の夜の久しぶりのゆっくりした2時間でした。この映画は、トムクルーズとニコール・キッドマンの夫婦がそのまま夫婦役で出演しているのと、スタンリーキューブリック監督の遺作となったという点で世間の注目を浴びた作品です。R指定で18才未満鑑賞禁止マーク付きの映画です。

 さて、内容はというと、キューブリックが最期に言いたかった哲学的な訴えは何かということをこの映画で探してみると、人間は自然に生まれ自然に死んでいくから、敢えて殺す必要はない。その中で最も充実した生を求めるのは「セックス」である、といっています。何となくキューブリックもここまでか、という内容になってしまっています。自らの肉体的な衰えとそれとたたかう意味での「生」をセックスに求める辺りに、彼のメッセージの彼の限界を感じます。

 映画自体は多少のサスペンス仕立てにはなっていますが、テーマが「セックス」である限りはそこから離れられないから、展開もそう特別ではないし、夫婦を描きながら仕事ではなく、家庭でもなく、お互いの「セックス」の観点での信頼を見つめることになる。私はこの種の映画は余り好きではないので、余り推薦しません。

私の映画評 ★☆☆☆☆

 2000.5/7 鑑賞     裏窓  (1999・米)  ビデオにて


 ゴールデンウイークも今日が最終日。朝5時半に起きて畑で一仕事したあと、朝食を取って、一大奮起、自分の部屋の大掃除をしました。そして昼時に、昼食を食べながらみたのがこの『裏窓』です。

 感想から言うと、前作裏窓には遠く及ばない作品です。残念ながら。コンピューターを駆使するなど最新にリメイクされているもののどう見てものぞき見趣味の域を出ていない。ダイヤルM・サイコとリメイクされている中では、この作品は推薦できません。サイコは未見ですが、ダイヤルMの方が少しは見応えがありました。

私の映画評 ★☆☆☆☆
 

 2000.5/5 鑑賞     ファミリー・ゲーム  (1999・米)  ビデオにて


 第1金曜はビデオ半額の日なので、欲張って新作3本をレンタルしてきたその内の1本。夕方、食事をしながら、家族で見られる映画と言う選択基準で見ました。

 内容は少年少女名作シリーズの中によく入っている『二人のロッテ』を原作にした映画で、ストーリーの展開も原作に忠実らしい(ということだそうで、この事実は言われるまで知らなかった。二人のロッテ自体を知らないから、私にとっては全くの初見ということになるが、家族は展開が分かるらしい)。

 ただし、物語の途中で、双子が入れ替わり、両親を仲直りさせるために奮闘する、ということは分かってくるし、結末も見えてきます。それでも、楽しみながら見られる映画としては、こういうのは安心版です。アメリカ映画のデパートリーの広さか、いろいろな映画にであうことができます。

私の映画評 ★★★☆☆
 

 2000.5/4 鑑賞     ウエディングシンガー  (1999・米)  ビデオにて


 予告編で面白そうだな、と思ってビデオ屋で選択した作品。

 主人公の夢はシンガーソングライターだったが、今は結婚式の披露宴で歌を歌うことを職業にする。自らの結婚式に花嫁さんは来ない。かってのロック歌手の主人公はイカスが、今の職業では妻にならない、と。一方、披露宴で働くウエイトレスも、自らの結婚披露宴を夢見る。フィアンセは無関心。披露宴の演出の相談を歌手とする。その二人が気づき始めるのは何か。そんな映画です。

 主演の女優は名前は忘れましたが、「25年目のキス」の人。こういうまじめな役がピッタリです。主人公の歌手は初めてみる顔。一年に10本程度しか映画館では鑑賞しない(できない?)中で、この映画を映画館で見るか、と言われると「?」になるが、ビデオなら十分に楽しむことができる作品です。ちょっと、変な評価のしかたですが。

私の映画評 ★★★☆☆


4月

 2000.4/28 鑑賞     金融腐食列島・呪縛  (1999・東映) 役所広司他 ビデオにて

 邦画では、少しは話題になった映画ということで、この映画を選んでみました。

 少しはドキュメンタリー風に、総会屋と銀行との癒着をテーマに内部の腐食とそれを正そうと立ち上がる「若手」銀行マンを描いています。ただし、やっぱり甘いと思う。物語がしっくりきません。銀行の会長支配・相談役支配が根深いことは印象づけますが、どうも通り一遍のような気がしてならない。

 こういうテーマを扱う場合は私の趣味としては、『金環食』のイメージが強い今はなき山本薩夫監督が適任だと思うのだが。

私の映画評 ★★☆☆☆

 2000.4/28 鑑賞     迷宮のブリンクス  (1999・米) ビデオにて

 第1週と第3週の金曜日は近くのレンタルビデオ店が半額特価の日です。2泊3日が新作でも250円プラス消費税。そんな事情でレンタルした映画ですが、これがなかなかの拾い物で、収穫でした。

 自らの才能を贋作で発揮している主人公が、依頼を受けてスペインの画家ブリンクスの絵に挑みます。その絵画作製場面が迫力があります。そこで知り合った絵画鑑定士の女性との関わりを描きながら、主人公の父への想いを軸に、贋作からの脱却のテーマに挑戦していきます。絵画ブローカーの殺人事件が主人公を追っかけるサスペンス風に仕上げてあって、物語としても面白い。

 大型連休を家でゆっくり過ごしている人のために、オススメの映画1本です。 

私の映画評 ★★★★☆

 2000.4/28 鑑賞     ファントムメナス・エピソード1  (1999・米) ビデオにて


 映画館で家族そろって見た映画ですが、ビデオ化されたので早速レンタルしてきて鑑賞しました。スターウオーズの映画は画像を楽しむ映画と決めてかかっていますので、今回の映画も映画館がベストですが、ビデオでもそれなりに楽しめました。

 今年のアカデミー賞関係ではこの映画がノミネート無しでした。特殊撮影賞とか特殊効果賞とかのねらいがあったのかも知れませんが、今年は『マトリックス』という強力なライバルの出現があって、無冠になっています。

 1975年頃だったと思う、衝撃的な第一作目のデビューから四半世紀を過ぎて、あと2本が撮影されて物語が完結となるという壮大な計画の『スターウオーズ』です。宇宙の果ての物語として、衝撃的な映像効果でこれからも楽しませてくれる映画となることは間違いがありません。 

私の映画評 ★★★★☆


3月

 2000.2/27 鑑賞     マグノリア  (1999・米・ヘラルド) トムクルーズ・ジェレミーブラックマン他


 27日が我が夫婦の23回目の結婚記念日で、午後から映画を見て夕食に琵琶湖ホテルで食事をするというプランで、夫婦と長男の3人ででかけました(長女はデイトで忙しい?)。大津7シネマで鑑賞。

 3時間を超える大作。ベルリン映画祭で賞を取った、という評判もあって選択した映画でした。とにかく忙しい映画で、同時進行的に10名位の人物が描かれていきます。カメラが人物と一緒に行動する撮影法が多用されているのも忙しく感じる原因の一つかも知れません。クイズ番組のプロデューサーとその娘、死に瀕した資産家と後妻の若妻、彼の看護人、幼少に別れた子ども、クイズの天才少年とその父親、かっての天才少年、地元の警察官。これで10人。偶然と偶然の重なりは決して偶然ではないという展開で、同じ日の彼らを追っていきます。そして起こるエッという出来事。ちょっと超現実的でした。物語は解決しなくて当たり前だと思うのだが。トムクルーズの熱演が光っていました。

 まあこういう種類の映画も見ておいてもいいなというのがみんなの感想でした。深く感動するのでもないし、サスペンスにハラハラするのでもないし、ホラーに追われるのでもないし、それでいて映画としての存在感は確かにあって、ずしりと心に重くもたれかかってきます。映画評論家によって沢山の解釈と主張がなされる映画になる気がします。

私の映画評 ★★★☆☆
 

 2000.2/26 鑑賞    ノッティングヒルの恋人  (1999.米) ジュリアロバーツ・ヒュークラント


 ビデオで鑑賞。家族3人と一緒に。松竹ホームビデオ 122分。

 現代版『ローマの休日』との評判があった映画。ハリウッド映画の強さは著名俳優の起用と共に、脚本の良さが大きく影響していると思う。この映画のように主人公の女優が映画の中でほぼ等身大の女優を演じていくという設定はなかなか面白いし、そこにイギリス人の常識的な大人との恋を絡ますことによって、有名女優の真実の愛を求める姿を浮かび上がらせていくという趣向。

 こういう映画は見ていて安心でサクセスストーリーで予定調和で、おとぎの国の話のようだ、などの批判もありますが、私は観客として十分に楽しめたことがなりよりであると思っています。

私の映画評 ★★★★☆
 

 2000.2/28 鑑賞     釣りバカ日誌イレブン  (2000.松竹)  西田敏行・三国蓮太郎他


 職場の交流誌『おおきに』2000年2月号に寄稿しました。

 2月5日より『釣りバカ日誌』が公開されています。平社員のハマちゃん(西田敏行)と社長のスーさん(三国連太郎)が釣りをめぐって織りなす人間模様の楽しさ。シリーズとして独立してすでに13作目を数えます。 今回の『イレブン』は、昨年10月に松竹経営陣によって突然発表された松竹大船撮影所の売却と、これに反対する松竹労働組合のたたかいの中で撮影されました。スタッフの大部分が組合員としてこの売却反対のたたかいに加わり、主演の西田さんも激励のメッセージを寄せているといいます。

 一方の三国さんは「言いたいことは映画の中で」と、鈴木建設社長として「リストラ」に対する自らの思いの丈を語ります。三国さんが納得するまで練られたというそのシナリオの具体的内容は見てのお楽しみにしておきますが、人間を無視したリストラへの異議申し立てを行い「人材は企業の宝」だということが語られることは日頃のスーさんを知る愛好者にとっては、想像に難くありません。
 今までの『釣りバカ日誌』は、スーさんは確かに社長ではあっても釣り友達としてのハマちゃんとスーさんの物語でした。大船調でいえば「庶民の日常生活の写実」でした。 そんな伝統が生きている大船映画に、社長としての決断を迫るエピソードが含まれるまでに社会性を持った主張がなされる意味は、松竹映画史にとって決して小さくはないと思う。

 日産の例をあげるまでもなく、現在に横行するリストラの嵐は、人材あっての企業という経営哲学とは全く対極にあって、雇用を「過剰」ととらえて大規模な「雇用破壊」を起こすことを特徴としています。
 大船撮影所の売却問題が語られるとき、やっぱり忘れてはならないのは、映画は土地でも建物でも機材でもなく、映画を支えてきた映画人たちの共同の営みの蓄積であり、そうした人材の結晶体によって成り立っているという事実です。きっとスーさんもそのことを言いたいのだと思う。

 ただ、映画は理屈ではなく、観客に支持され興業が成功することが必要です。今『アイラブユー』とか『雨上がる』とか『刑法39条』とかが邦画では頑張っていると思う。

 日本映画を愛好する一人として、何とか松竹大船調の伝統が現代に活かされて『釣りバカ日誌』などの作品が今後とも伸びていってほしいと思う。

私の映画評 ★★★★☆
 

 2000.3/6 鑑賞    リトル・ヴォイス  (1999.イギリス)


 ビデオにて鑑賞。家族4人。イギリス映画では、前回見た『ブラス!』が大変良かったので、同じ監督が作った映画だ、というコマーシャルにひかれて見た映画です。

 いつも二階の自分の部屋でレコードばかり聴いている内向的な少女が、実は歌が大変に上手でマリリンモンローなどの物まねがうまい、ということが分かって、一儲けをねらう興行師と少女のガミガミ母親、それに伝書バトを飼う青年と少女との交流を描いています。ブラスに出演した俳優が出ていたりして、親しみが持てました。母親が何とも世間にありそうなど太く生きる中年女性を好演(?)しています。音楽が随所に取り入れられているのは、『ブラス!』の監督ならではというところでしょうか。

私の映画評 ★★★☆☆
 

 2000.3/18 鑑賞  ブロークダウン・パレス  (1999.米)

 
 ビデオ鑑賞。家族4人にて。予告編で面白そうだったから、新作で出てすぐ借りてきました。

 アメリカのハイスクールの女友達2人が卒業記念に、家族にはハワイ行きと偽って、珍しい国タイを選んで旅行する。楽しいく過ごすバカンスの途中で、タイの警察に麻薬所持で逮捕される。無実を叫ぶ二人。言葉が分からない。罠にはめられたことが分かってもそれを証明できない。裁判は進行し、33年の刑に。弁護士の登場と国王の恩赦とが絡んで物語は進行していきます。

 実話に基づいて脚本化されたと聞いているが、あり得る話。この前オーストラリアで服役している日本人の話がテレビで話題になっていた。服役シーンなどは多少甘いかも知れないが、テーマはきっちり押さえられていると思う。

私の映画評 ★★★☆☆
 

 2000.3/19 鑑賞   シン・デッドライン   (1999.米)

 
 日曜8時のwowow放送で。二回目の鑑賞。2時間40分の長編。見応えはたっぷり。

 第二次世界大戦のガダルカナル島の激戦を描く戦争映画だが、南国の自然や生き物と戦争とを対比させて画面が非常にきれいである。昨年、話題を独占した『プライベートライアン』と同時期に上映されている。こちらもなかなかの出来である。ガダルカナル島といえば戦争の相手は日本人。南国で戦死した多くの日本人の姿の一部はこの映画に映像化されているという意味で見ることもできる。何とも無惨なたたかいであることか。

私の映画評 ★★★★☆

 2000.4/7 鑑賞   タイムトラベラー  (1999.米)

 
 第1と第3の金曜日はレンタルビデオが半額となるため、3本借りてきました。その中の一本。

内容の分類からいえばコメディ。1962年のキューバ危機の時、地下に核シェルターを建設して閉じこもった夫婦が37年目に地上に現れる。シェルターの中で生まれた子どもも今は35才。彼が織りなす文化ショックを背景に描きながら、一人の恋人を探す話です。60年代の価値観が今に再現されて比較されるところがミソ。文化比較映画となっています。

 楽しめばそれで十分の映画といえます。

私の映画評 ★★☆☆☆

 2000.4/7 鑑賞   マトリックス   (1999.米 ワーナー)

 
 映画館で家族3人で見ましたが、ビデオになったのを機にもう一度鑑賞。長女は未見。

 二回目はストーリーが多少よく分かる。見どころはCG満載の特撮による映像美。確かに感覚が新しい。キアヌ・リーブスがよく頑張っています。名前は忘れましたが助演の女優も活躍しています。映画館の迫力がない分残念ですが、こういう映画もあってもよいと思う。

 家族の評価もいいようです。一度鑑賞してこういう映画もあるのか、と関心してください。

私の映画評 ★★★★☆
 

 2000.4/14 鑑賞   グリーンマイル   (1999.米 ) トム・ハンクス 他       於: 大津アーカスシネマ


 午後から半休してパスポートセンターへすでに申請していた『パスポート』を受け取りに行った、その足で大津アーカスシネマへ足を延ばし、上映時間が丁度だった『グリーンマイル』を鑑賞しました。

 およそ3時間の割と長い映画でした。1934年当時のアメリカの刑務所の話。死刑判決を受けた受刑者が刑の執行までの期間を過ごすF棟の看守主任(トム・ハンクス)が主人公。当時は電気椅子によって死刑が執行されていた。死刑囚が歩く電気椅子の部屋への道を『グリーン・マイル』と呼んでいた。物語はF棟に二人の幼女殺害で死刑判決を受けた黒人の大男の受刑者が送られてくるところから始まる。州の上部にコネを持つ新人の看守と、どうしようもない根っからのワル者と、住みついたネズミを友達にするフランス人受刑者とが、送られてきた大男の持つ不思議な力に絡んで物語が展開していきます。

 大男の持つ力は『癒しの心』か。大男は「人を愛す心を利用して人を陥れた悪い人」と呼ぶ。彼が許す人と許さない人と。彼の『癒しの心』が物語をどう展開させていくかは、見てのお楽しみというところですが、人は誰も自分のグリーンマイルを歩んでいるという時、自分のグリーンマイルは、今どうなのか、どんな道のりなのか、と考えさせてくれる映画です。

 私の映画評 ★★★★☆
 


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