Viaggi
わっしょーい!
翌日、やはり早めに目を覚ます。なんと昨日の広場の喧騒は夜中3時まで繰り広げられていたのだ。うるさくて寝れやしないと思ってたら、カーニボンはしっかり熟睡していた。
宿で用意された軽い朝食、パーネとラテマッキアートを頂き、早速イタリアを感じる。米食派のワタクシが朝からパーネをむさぼり食うとは、まったく旅とは不思議なもんだ。
さて、仮の宿をチェックアウトし今夜のちゃんとした寝床を探しに街へ繰り出そう。今回は倹約旅行者の指南書『ロンリー・プラネット(以下、ロンプラ先生)』で事前にめぼしい場所をチェックしといたのだ。
が、しか~し!既にミドルシーズン突入か?意外とお高くしっくりこない。高くて諦めた宿の女主人が「ここならもっとお値打ちよ」と紹介してくれた別の安宿に決めることとする。うらさびれた最低限の設備の宿だがお値段は魅力的。一息つく間もなく、さあさ、旅の目的の一つであるタオルミーナを拝みに行こう。シチリアきっての高級リゾート地だけあって、バスで辿りついた街にはいくつかの星が輝く高級なホテルが海を望んでいる。

ビーチに下るロープウェーの乗り口よりも更に高台に市街地は広がっている。大快晴で景色もバツグン!日本の温泉地のペナントみたいな「もらっても」的なシロモノがチラホラ見られる土産屋が軒を連ね、リゾート感を高まらせる。
今日は何のお祭りか、宝塚男役トップスター顔負けの羽だのなんだのをつけた馬さんたちがカッポカッポ行進している。荷台で人もピ~ヒョロとご陽気に笛を吹いている。市街はこぢんまりとして歩きやすいが、暑さにやられたワタクシにはギリシャ劇場に続く長い階段に勝負を挑む気力はない。ちょうど昼時ってんで、早速ロンプラ先生ご推薦のリストランテを探すがいかんせん場所がわかりづらい。ま、ここじゃなくてもいいですかねぇと立ち止まったところに看板発見!これもカーニボンの羽GPSのチカラか。

「馬フンも大放出ですねぇ」
その店は石畳の階段にテーブルを広げた、雰囲気満点なリストランテであった。迷いもなくまずはご当地モノの白ヴィーノ『エトナ・ビアンコ』をご注文。よく冷やされたそれはこのカンカン照りの昼食にはピッタリの一品。続いて、味付けはレモンと塩だけで十分な海鮮インサラータ。ん~・・・海鮮モノはどんなに暑くてもヒョイヒョイ入りますな~。そしてトマトソース仕立てのシチリア風巻きパスタ登場。濃~くボリュームのあったパスタも、酒のチカラを借りて、難なく完食。ゲフッ、シ~シ~。さて、引き続き街をカッポしましょう〜。

ロープウェーでイソラ・ベッラのあるビーチまで下りてみる。映画『グランブルー』でお馴染みのロケ地とよく言われるが、『グレートブルー』から何度も観てるくせに全く記憶にないのは気のせいとして、イソラベッラとは入り江にある不思議な小島ですわな。葉の茂った木やら花やらが岩肌にモサっと生えている、どこが「ベッラ(美しい)」なのかようワカラン小島である。
この手のリゾート地では海辺で一日中日焼けにいそしんでいるのがいいんでしょうなぁ。皆、スルメのようにビーチで干されている。倹約旅行者のワタクシらも足だけ浸かってリゾートのおすそ分けをいただこう。

「カーニボン、頭に何か乗っかっていますよぅ」
カターニアへ戻る。夜9時を回り、おもむろにロンプラ先生ご推薦の食事どころへレッツラゴー。これまた広場(駐車場?)にテーブルを広げたリストランテが今夜のターゲット。ほおお、スペースも広くて人も多く楽しそう!まずはオヤジビッラで乾杯!ごっきゅん、ごっきゅん。ピヒャ~~~!!夏はコレに限るな!!
シチリアではとにかく海の物を!と、今夜もフルッティ・ディ・マーレ(海鮮モノ)のインサラータを食らう。そしてアホのようにスパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレを放りこむのだ。海鮮モノのンマいシチリアって最高ですな~。〆はリモーネのグラニータァ〜。あ~食った食った。ゲフッ、シ~シ~。
11時も回り宿への帰路についた我々は、恐らくこの大通り一の幸せなヨッパライだった。