Viaggi
ハイサ~イ!
時差ボケのせいで早朝に目が覚める。カーニボンも早くに目を覚ましているよう。宿をチェックアウトし、8時半の列車までちょいとその辺を散歩しようということに。そういや、宿の人がコロッセオは徒歩圏内と言ってたな。よし、この目で見に行くのだ!とカヴール通りを軽快にカッポ。
20分ほどで前方に壮大なコロッセオが!おお、テレビと一緒ですなぁ!それほど観光スポットに執着はないため外観を遠巻きに見てもう満足。

駅に戻り地下のコンビニ『CONAD』で飲み物やパニーノをお買い求めし、フィレンツェ行きの列車に乗り込む。2等車両で席を確保、向いには人のよさそうなおバアさん。列車も走り出したことだし、朝食のパニーニをもっさもっさ。我々がパニーニを腹に収め終わると、次はおバアさんのおやつタイムらしく、甘いパンを食しだす。
移動中は睡眠と行き先での予備知識を蓄えるためのお勉強タイムに充てることとする。
午前中にフィレンツェはサンタ・マリア・ノヴェッラ駅到着。駅の案内所で本日の宿を予約し、貰った地図を頼りに10分ほどでお宿到着。「寝に帰るだけなら充分」な部屋だったが、世界的観光都市のフィレンツェでこのロケーション&この低価格だからゼイタクは言えませんなぁ。
ひと息ついたところで街を散策してみよう。やや!近所に大規模な青空市場が!しかしなんとも観光客ズレした市場で、我々に向かって「ミヤサコでっす」と絡んできやがる。やや歩くと『冷静と情熱のあいだ』で出てきたドゥオーモ登場。人の波に乗って先を進むと、ポンテ・ヴェッキオにたどり着く。宮殿の命で臭気のキツい肉屋を撤去させ、代わりに貴金属店を並べたという橋だそう。ふむふむ。

「ミヅーラさま、そろそろ昼食を」と家臣が袖を引っ張るので、そこらのトラットリアに潜入。カーニボンはピッツァとビッラ、ワタクシは暑さにやられサラダで済ますことにする。サラダと言っても草のほか、プロシュット(ハム)、モッツァレッラ、焼きナスなど乗ってなかなかな量。
横のテーブルのインド系ツーリスト一家が、 オーダーの手違いで店のオヤジとモメているのをオカズにもっさもっさ。うん、食欲が減退してるとは言えンマい。カーニボンは相変わらず食欲旺盛のようで羨ましい。
食事を終え再度炎天下の中へ。欧州だけに湿気はないものの、殺人的な太陽の照りつけにめまいがする。カミュの『異邦人』で「人を殺したのは太陽のせい」なるブッ飛んだセリフがあったが、こりゃ太陽のせいにもしたくなるわな。

ボーボリ庭園の小高いスポットから街を望む。「ミケランジェロを始め、多くの芸術家たちの情熱が今も感じられる」などと気の利いた感想なんぞ漏らしてみたいが、いかんせん暑さにやられ、感想もクソもなく撤退する。
宿に戻るとカーニボンは遅いシエスタに突入、ワタクシは夕方の散歩とシャレ込む。戻って家臣をたたき起こし夕食へと引っ張り出したのは19時頃か。眠いが何事も食事には換えられませんと、ワタクシの後からノソノソお供するカーニボン。
ちょいと興味をそそられていた、チェーン店のパスタリート・ピッツァリート『PASTARITO PIZZARITO』へ入店。ここはワタクシ的には全っ然あり!入りやすい店内はにぎわっており、一皿からでも注文可能となっている(らしい)。しかし隣のテーブルの年配カップルはサラダにパスタ、ピッツアに食後のドルチェまで、一人一皿ずつ平らげていた。
あいや、パスタリートの料理のサイズをここで説明しておこうか。日本のお上品なイタリアンの店で出される3人前はあると思われるパスタ料理、日本のデリバリピザLサイズはゆうにあるピッツァ、サラダも深いボウルでドカーンと、全てがドラム缶サイズ。
さて、ワタクシらはヴィーノとパスタを一皿ずつと軽いお食事。うむ、非グルメのワタクシにはローマで感動したあの歯ざわりのいい麺となんら遜色がないように感じる。あれだけ寝むそうにしていたカーニボンも、食事によってガゼン元気になってきた。「意外と美味しかったですねぇ」などと話し合ったかどうかは忘れたが、まだ賑わっている駅前を横目にノソノソと帰路についた。