更新日:2023年6月5日
大原の宅建講座には、通信講座と通学スクールがあり、通信講座については、当サイトの宅建通信講座おすすめランキングのページで、おススメNo.10という下位の順位でご紹介しています。
大原は、あくまでも通学教室をメインとした資格予備校ですので、教室運営のためにどうしてもコストがかかってしまいます。
このため、通信講座についても受講料が高額になってしまうというのが、通信講座としてのおすすめランキングが下位になってしまう大きな理由です。
また、”通学スクール”に関しても、宅建の学校・予備校おすすめランキングのページで、おすすめNo.5という下位の順位としています。
大原は、簿記・税理士・公認会計士などの会計資格や公務員試験を中心とする資格予備校ですので、法律系・不動産系の資格では存在感が薄く、指導体制も手薄な印象がありますね。
このページでは、大原の宅建講座の概要や、どのような点が優れているのか、また、どのような点が残念なのか、評判・口コミを踏まえながら、掘り下げてご紹介していきたいと思います。
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大原の宅建講座の評判・口コミ
では、大原の宅建講座に関する評判・口コミを確認していきます。
大原について調べたところ、そこから私が感じた代表的な評判としては、以下のようなものが挙げられます。
良い評判・口コミ
- 大手スクールで実績や知名度があり信頼できる。
- 講師に熱意があり、覚えるべき知識などメリハリをつけた講義もわかりやすい。
- 自習室の開放や質問対応など手厚いサポート体制がある。
悪い評判・口コミ
- 知名度はあるが、宅建講座の印象はない。
- 合格実績を公表していないため、実績がわからない。
- 受講料(価格)が高い。安い通信講座と教材の品質は変わらない。
このように、大原の宅建講座に関しては、良い評判も悪い評判も存在していますね。
あくまでも会計資格の予備校
それでは、これらの評判・口コミについて、私なりに分析してみたいと思います。
やはり大原は、大手資格スクールとしての知名度はありますが、宅建講座のイメージは薄いようですね。
事実、大原は、得意分野である会計資格(公認会計士・税理士・簿記)や公務員試験に関しては合格実績を公表していますが、宅建講座に関しては、2017年度を最後に実績の公表を停止しています。
これはつまり、公表できるような実績がなくなってきたことを意味しているのではないでしょうか。
とはいえ、講師は常に、通学スクールで生徒の前に立って講義しているわけですから、質の高い講義が提供されるはずです。また、大手ならではの手厚いサポートも受けられます。
ですので、通学スクールとして考えた場合は、LECやTACなどと並んで検討対象に入ってくるのではないかと思います。
ただし、通信講座として考えた場合には、取り立てて優れた教材があるわけではなさそうですので、敢えて高額な大原を選ぶ必要はなく、安価な通信講座専門校を受講した方がよさそうですね。
- 会計資格を専門とし、宅建講座のイメージは薄い。
- 2017年度を最後に宅建講座の合格実績の公表が停止された。
- 通学スクールとしては、LECやTACと並んで検討対象に入ってくるが、通信講座としては、敢えて大原を選ぶ必要はないのでは。
大原の宅建講座の概要
それでは改めて、大原の宅建講座の概要について、簡単に確認しておきたいと思います。
学校法人 大原学園が運営
資格の大原は、学校法人 大原学園が運営する資格学校です。
1957年に大原簿記学校を創立して以来、簿記・税理士・公認会計士などの会計系の資格を中心に、公務員試験や行政書士、宅建士などの資格も手掛ける大手の資格予備校です。
![]() ⇒ 資格の大原 宅建講座 公式サイト |
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講座名・受講料
宅建士 合格コース・入門パック【2023年試験向け】 宅建士 合格コース【2023年試験向け】 |
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公式サイト
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通信講座/通学スクール|選べる受講形態
大原の宅建講座では、通信講座か通学スクールのいずれかを選択して受講することができます。
通信講座では、Web通信かDVD通信を選ぶことができます。
また、通学スクールでは、以下の受講形態があります。
- 教室通学
… 講師から直接講義を受ける形態です。 - 映像通学
… 自身のスケジュールに合わせて通学し、教室ライブ講義を収録した映像講義を、個別視聴ブースで視聴する形態です。
以下では、大原の宅建講座の初学者向け講座のメインコース「宅建士 合格コース・入門パック」を中心に、講座を構成する以下の項目ごとに分けて、ご紹介していきたいと思います。
- 講義・講師
- カリキュラム
- 教材(テキスト・問題集・eラーニング)
- 合格実績
- サポート体制
- 受講コース
大原 宅建講座は経験豊富な講師陣
出典:大原の宅建講座
では、大原の宅建講座の講義・講師からレビューしていきます。
資格の大原の宅建講座は、宅建試験の合格ノウハウを知り尽くした経験豊富な講師陣が、”丁寧でわかりやすい”をモットーに図や具体例をあげて分かりやすく説明してくれます。
大原のアンケートによると、受講生の89.1%が大原の講義は「分かりやすい」と回答したほどの、満足度の高い講義が展開されます。
なお、講義は、黒板の前に立ち、板書しながら講義を進めるスタイルです。通信講座の収録講義も、この教室講義を収録したものが使用されます。
大原の宅建講座は充実のスケジュール
次は、大原の宅建講座のカリキュラム・スケジュールについて見ていきます。
余裕を持った40問正解を目指す!
出典:大原の宅建講座
大原では、過去の宅建試験において出題頻度の高い論点に絞って学習することによって、余裕を持った合格点(50問中36問前後の正解で合格のところ、40問正解)で合格を目指すカリキュラムとなっています。
カリキュラムは、インプットとして、「入門講義」と「基礎講義」があり、アウトプットとして「直前対策講義」が用意されています。
まず、@入門講義で、重要科目の中のさらに重要な項目について、徹底的に学習し、A基礎講義で、各科目の重要な論点について、合格するために必要な知識を習得していきます。この基礎講義では、科目の学習が終わるごとに、定例試験により実力を確認するようになっています。
このようにしてインプット学習が終わった後は、B直前対策講義として、習得した知識を得点に結びつけるため、基礎演習、直前演習、総まとめ問題により訓練を行い、さらに、本試験と同じ形式で行う「直前模擬試験・全国統一公開模擬試験」によって、合格に必要な得点力を身に付けていくというカリキュラムになっています。
※ 「宅建士 週2合格コース」では、「入門講義」が省略になります。
100時間を超える丁寧な講義
以上のカリキュラムにより、大原の宅建講座の総講義時間は135時間という、たっぷりのボリュームになっています。(インプット講義:100時間、アウトプット講義:35時間)
講義時間数が長いということは、それだけ丁寧な講義を受けることができるわけですが、逆に言うと、それだけ学習期間が長くかかってしまうことにもなります。
この点については、ご自身が確保できる勉強期間と相談しながら判断する必要がありますね。
ただし、他の大手資格予備校の中で比較すると、LECやTACはいずれも150時間を超える講義時間になっていますので、それと比べれば、まだ効率的と言えるかもしれません。
大原の宅建講座のテキスト・問題集・eラーニングをレビュー!
大原の宅建講座では、下記の教材が使用されます。
- テキスト
- トレーニング問題集
- 分野別縦断まとめ
- 重要数字暗記集
- 定例試験、基礎演習問題、直前演習問題、総まとめ問題、直前模擬試験、全国統一公開模擬試験
情報を網羅したオリジナルテキスト
出典:大原の宅建講座
教材は、資格の大原の講師陣が過去の本試験問題を徹底分析し、重要項目を絞って作成したオリジナル教材が使用されます。
テキストは、必要最小限の学習で済むようにコンパクトにしつつ、合格に必要な情報を網羅したテキストになっています。
このテキストの特徴は、わかりやすい解説と豊富な事例、そして、情報を整理しやすいまとめ表と、視覚的に理解できるイラストなどの工夫が施されており、印刷も2色刷りになっています。
重要過去問を厳選したトレーニング問題集
大原の問題集は、合格に欠かせない重要な過去問が厳選して収録されたトレーニング問題集が使用されます。
この問題集には、選択肢ごとにテキストの該当ページが記載されていますので、問題とテキストとを関連付けて理解を深めながら学習を進めることができます。
出典:大原の宅建講座
WEB問題集でスマホ学習も可能
出典:大原の宅建講座
大原の通信講座では、WEB通信とDVD通信の受講形態のうち、WEB通信を選択した場合は、動画講義をWebで受講することができます。(パソコン、スマホ、タブレットいずれも可)
講義動画は、0.1倍刻みでスピード調整ができ、最大2倍速まで速度を上げることができるようになっています。
また、2023年度から新たに「WEB問題集」も導入されましたので、外出先のスキマ時間などに、スマホで問題演習することも可能です。
動画ダウンロードができるアプリ
さらに、「合格Webアプリ」も導入されており、講義動画のダウンロードが可能になっています。
このアプリで、事前に自宅で動画をダウンロードしておけば、外出先でも通信料を気にせずに動画講義を視聴できますね。
合格率は公表されていない
つづいて、大原の宅建講座の合格実績を確認しておきたいと思います。
合格者数の公表を停止
大原の宅建講座の合格実績については、かつては「合格者数」が公表されていましたが、ここ数年は公表されていません。
直近の公表数値としては、2017年度の宅建試験において、大原から531名の合格者を輩出しています。
その後、なぜ公表しなくなったのか、、合格者が極端に減っているのかもしれませんね。
ちなみに、大原の行政書士講座では、2015年に200名の合格者だったところが、2019年には65名、2021年には45名にまで減っていますので、4分の1以下にまで激減しているわけです。おそらく、宅建講座についても同様の現象が、さらに強く起きているのではないかと想像できますね。
合格者の声も少ない
そして現在では、公式サイトに「合格者の喜びの声」を掲載する形になっています。
ただし、合格年度の記載はなく、年間何名の合格者が出ているのかわからないようにしてあります。
また、この合格者の声の大半は「通学講座」の受講生で、「通信講座」で合格した人はわずかです。(令和5年6月時点で、過去からの累計合格者41名のうち、10名のみが通信講座の受講生)
大原の宅建講座のサポート体制
次は、大原の宅建講座のサポート体制です。
Eメールによる質問対応(回数制限あり)
大原の通信講座では、学習中にわからないことがあった場合は、Eメールにより質問できるようになっています。
なお、質問回数は、1通につき1質問で、30回までに制限されています。
通学スクールの場合は、もちろん講師に直接、質問や相談をすることも可能です。
自習室も利用可能
また、通信講座の受講生であっても、全国各地にある大原の校舎で、自習室が利用できますので、学習に専念できる環境で自習することも可能です。
大原の宅建講座の料金・受講コース
大原の初学者向け宅建講座のコースとして、学習ペースに応じて「週2合格コース」と「週1合格コース」が用意されており、それぞれ上述のカリキュラムで記載した@入門講義を付加した「入門パック付き」のコースも用意されています。
![]() ⇒ 資格の大原 宅建講座 公式サイト |
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受講料 |
宅建士 合格コース・入門パック【2023年試験向け】 宅建士 合格コース【2023年試験向け】 |
カリキュラム |
【インプット】 【アウトプット】 |
講義時間数・スタイル |
135時間 講義は、通学講座を収録。黒板の前に立ち、板書しながら解説 |
教材(テキスト・問題集) |
2色刷(オリジナルテキスト)。その他教材の詳細は、以下のとおり。 ・テキスト |
eラーニング |
講義視聴、WEB問題集(スマホ、タブレット、パソコンいずれも利用可) |
合格実績 |
ここ数年は公表なし(2017年度の宅建試験において、531名の合格者を輩出) |
サポート体制 |
Eメールによる質問対応 |
セールスポイント! |
★満足度の高い講義 |
ウィークポイント |
・受講料が高額 |
総合評価 |
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公式サイト |
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資格の大原の宅建講座を徹底レビューまとめ
大原は、さすが大手資格予備校だけあって、満足度の高い講義やオリジナル教材、効率的なカリキュラムなど、宅建試験に合格するには十分な講座が提供されます。
ただし、大原は、簿記、税理士、公認会計士などの会計系資格の予備校としてスタートし、会計資格や公務員試験を中心とした講座展開を行っているため、法律系資格も手掛けているとはいうものの、会計資格の予備校というイメージがかなり強いですね。
会計系資格や公務員試験では高い実績を誇っていますが、法律系・不動産系資格では存在感が少し薄いように感じます。
通学スクールとして通うなら、もちろん大原も、LECやTACと並んで検討対象になりますが、通信講座を選ぶにあたって、敢えて大原の通信講座を選択する必要はないのではないかと思います。