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模範吟詠11                                       模範吟詠リストへ戻る



模範吟詠紹介
(其の十一)
「題」
 本能寺(七言律詩)

本能寺溝幾尺 ホンノウジ ミゾノ フカサハ イクセキナルゾ
吾大事就今夕在 ワレ ダイジヲ ナスハ コンセキニアリ
交粽手在交併食 コウソ テニアリ コウヲ アワセテ クロウ
四簷梅雨天墨如 シエンノ バイウ テン スミノ ゴトシ
老坂西去備中道 オイノサカ ニシニサレバ ビッチュウノミチ
鞭揚東指天猶早 ムチヲアゲテ ヒガシヲサセバ テン ナオハヤシ
我敵正本能寺在 ワガテキハ マサニ ホンノウジニ アリ
敵備中在汝能備 テキハ ビッチュウニ アリ ナンジ ヨク ソナエヨツ

                   文字のお断り : 三行目「交粽」の「交」は書体(フォント)が非登録
                の為、当て字 としてありますが「交に草冠」が元字です。
  作 頼山陽  
     江戸時代後期の儒者、詩人、歴史家、日本外史の著者。  


 明智光秀が主君織田信長を本能寺に急襲した事件。
 周囲の溝の深さにも意を払う準備をし、腹中の思い大事を成すは今夕である、
兵卒には説明して無かった攻撃目標を鞭を揚げて「我が敵」は本能寺に在ると、
「交粽手在交併食」コウソはちまきのことで、これをチマキの皮(コウ)ごと食べるとは、
慌ててか急いでか。詩意説明では、事前に句会の席で溝の深さを尋ねたり誤って
チマキを皮ごと食べた様に心情を説明しているが「大事を成すは今夕に有り」の後に
来れば馬上で急いで食している様にも読み取れる。
 雨で周囲の空はまっ黒、老ノ坂の西には備中にも敵が居る、みな注意せよと。

                                                                   



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