吟道吟道清峰流
R2
詩吟アラカルト 1 アラカルト2へ
<詩吟に十五の徳あり、と言われています>
1,吟而強肺活 : ぎんシコウシテ はいかつつよし
------------------ 吟ずれば、肺の活動を強めて健康を得る
2,吟而高音量 : ぎんシコウシテ おんりょうたかし
------------------ 吟ずれは、発声力を高め心持ちが高揚する
3,吟而散積欝 : ぎんシコウシテ せきうつをさんず
------------------ 吟ずれは、憂鬱な気分を散じ心を軽くする
4,吟而知歌道 : ぎんシコウシテ かどうをしる
------------------ 吟に親しめば、歌の道に通ずる事が出来る
5,吟而慰閑居 : ぎんシコウシテ かんきょをなぐさむ
------------------ 吟に親しめば、寂しさを慰めてくれる
6,吟而楽衆人 : ぎんシコウシテ しゅうじんたのしむ
------------------ 吟に親しめば、衆人と交友を楽める
7,吟而知道徳 : ぎんシコウシテ どうとくをしる
------------------ 吟に親しめば、道徳が身に着く
8,吟而顧自己 : ぎんシコウシテ じこをかえりみる
------------------ 吟に親しめば、自身を顧みて人徳を高める
9,吟而得良友 : ぎんシコウシテりょうゆうをえる
------------------ 吟に親しめば、良き友を得ることができる
10,吟而被人敬 : ぎんシコウシテ じんけいをこうむる
------------------ 吟に親しめば、人々の尊敬を受ける
11,不老而識故事 : こじをしりシコウシテ おいず
------------------ 故事を知る見識を得て脳の不老を得る
12,不学而全忠孝 : まなばずともシコウシテ ちゅうこうをまっとう
------------------ 学びを極めなくても忠孝を行う事が出来る
13,不至而察勝地 : いたらずともシコウシテしょうちをさっす
------------------ 行かずとも景勝地を知ることができる
14,不観而知戦場 : みずともシコウシテせんじょうをしる
------------------ 観ずとも悲惨な戦(いくさ)場を知ることができる
15,不逢而教聖人 : あわずともシコウシテせいじんにおそわる
------------------ 逢わずとも聖人の教えを享受できる
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≪詩吟の効能≫
社会人となって久しく、「大勢の前で脚が震える思い」をする経験はめった
にない事と、先輩に言われたことを思い出します。
「此れは、ドキドキして脚が震える事は、もしかして血流を改善し心臓にも
脳の働きにも良い刺激になるかもしれない」と思った。
実際、競吟会では、数人が演者の後ろに控えて順番を待ちますが、これが
また何とも言えない緊張の場面となります。
壇上から会場の様子が見え、はじめは応援してくれている方々の顔が見えていたのが、そのうち出番が迫って来ると前席も見えず、
自分の前の人が吟じている詩の四行目に入ったかどうか気に掛け四行目(結句)が始まったら、その人の背後に立つのですが、
他人の詩吟を気にし過ぎて自身の詩がフッ飛んで焦り、せっかく壇上の書見台に置いた自分の詩片が見えなくなり、吟じながらいま何行目か分からなくなったり、あの短い2分間にドラマが起こります。
また、ある時は普段の通り練習の成果を発揮すればよいと思いつつ、演壇に立ちますが、出場順の運と申しましょうか、
自分の前に吟じる人が、高い本数の美声で高評価を得られそうな功吟に続いて、自分の出番が来ると、連られて自分本来の吟を見失い、
高い音で出てしまい頭の中が真っ白になり、四行詩のどこで取り直そうと考えたりしながら結句まで何とか遣り遂げ、降壇して幕の後ろに下がってから
猛反省の事も一度や二度ではありません。
これらを全て含めて「詩吟とのお付き合い」での妙味と云えますね、慣れてくれば「恥ずかしい」は忘れて「照れくさい」は笑い飛ばし、いつ迄も詩吟とお付き合い出来ることを 大切に過ごして行ければ良いですね。
熟達の遠い吟者のつぶやきより