心の目で見える世界・・楽園のような世界と不安・恐怖との世界の狭間で
我々人間は、周辺や目の前の現実と満たされた幸福や充実感、または恐怖や不安のこころの世界を行き来しながら生きています。
経済という実態のない世界であっても動かすのは、永遠に継続する幸福・繁栄への期待、またはいつか来る将来への不安や恐怖を感じて、現実社会の中で動くものです。
情報技術や科学、現代医学が進んだといえ、所詮、二百年程度の短かい期間で解明されたもの、全容の極一部であり、わずかな知り得た生物行動の源の一部です。現代の技術の進歩は、世情で語られているほど進化していないのが現況のように思えます。
また、広い世界を知っていようとも、小さなコミュニティだけで生きても、最後には無に等しくなるでしょう。
時代とは波があり、グローバルな情報化により、現時点ではプロパガンダに操られ、加速的に思考の停滞及び退行を感じます。今や日本全国レベルではなく、世界全体レベルで報道やSNSで誤った情報も、あたかも真実の情報のように拡散されています。人工知能の技術が進めばもっと酷くなるでしょう。
勝手に世の中が流れて、自分は『それに乗れば良い。』などという思考は、これからの世の中、生き残れる確率は低くなるでしょう。
日本は、過去より最低限の社会保障はあった。東洋思想の倫理観・道徳観も日本流に浸透していたが、近年はうわべだけの帳尻合わせ・利己的解釈での西洋思想の導入で日本文化・文明の原点やあるべき日本の未来像も危機せまるものを感じる。
東洋思想にしろ、西洋思想にしろ、また各民族・各国の思想にしろ、歴史や事実を知らずして短絡的な認識・解釈で、自身の理想は民衆の理想とはき違えて終わらせています。
日本国憲法等の根幹の法や則りがありながら、全体が見えず、自ら撚り曲げてしまうのです。
結果として、全体、長期的な国家。国民の利益優先する意思決定型人材より自己利益優先型人材の排出するシステムの科している。20年先の自分すら見ていない人材が多い。あまりにも、根幹たる法を自己都合に変えてある。さらに自己利益の目的を含んで複雑に変えようとする。内情を知る国民もあきれ顔が多い。
このような世情で新発想、独創性を培うことや持ち得た人材をスパイラルに成長させることは困難と言える。
日本は、北欧と比較するとロジックやアウトカム評価の帰納分析や補正が苦手な文明、文化の側面を持ち、日本国内・組織のシステムに希望を持てない有能な頭脳や人材が組織外や地域外、海外に流出して国内経済等の混乱・衰退をたどっている現状は世情を知っている者には周知の事実です。
また、単純作業等に向いた人は、海外からの人々に頼らなければならない事実は町を歩けばわかることです。
ときどき見受けられますが、同じ所を廻り続け、命令・指示どおりしか動かない、考えようとしない、自己防衛本能として他に責任転嫁することにより、自分が傷つかないように装う多くの人々たち、非合法な裏金をちびりちびり分け合いながら、あたかも『正当性』を主張し合い、傷口を舐め合って前に進めようともしない。これほどかわいそうな人生はありません。
現代の日本社会では、事故や病気がなければ健康寿命70数歳、平均寿命80数歳まで生きることになります。平均寿命の中にはチューブにつながれて意識のない人も含まれます。
これは社会保障の真の目的や相手の意思が自分と同じであるという鳥瞰的な客観視が苦手である日本人の共生感の特徴でもあります。
永くも感じる短い生命活動、特に早期のうちに多くの体験や知識を習得する事が、より生きる人生観や価値感を育み培うことができるでしょう。
人間として生まれてきたからには、他の動物と比較すると大きな大脳皮質をフル活用して、脳内神経伝達物質を健全に生かせるものと思われます。また、これが将来の生活の安定にもつながります。
太古から、のんびりと暮らしてきた人類の歴史はないに等しい。そのような歴史があったと考えているなら『生に対する傲慢であり、歴史を見誤っている。』と考えます。『動かないで生きる』『楽(らく)して生きる』ことは『善』でもなく生物として『衰退への選択』の道と言えるでしょう。
実質2万5千日程度の短い人生で行えることは大統領でもしかり、大功績とされる研究者でもしかり、大したことはできない。
亡くなれば、すぐに忘れられる。建造物いわゆる『箱物』でも数十年先には廃墟か、取り壊しされる。管理人も新規部署をいくつか作ってきたが、40数年でなくなっているものもある。
未来永劫など考える必要もない。ただ、神に与えてもらった脳内神経伝達物質を最良に生かすことが周辺の豊かな将来を形成する。そして、時として次世代の役に立つヒントになるものが発見できるかもしれない。
そのときはそれほど気に留められない内容でも後の世で生きることもある。自身は一定の細々した生活ができれば良い程度の心構えで良いと思う。
それを目の前の自身の私利私欲、強欲を最優先とする人間もいる。まことに人とは不可解且つ勝手な生き物である。そういう人たちには、神が退行の道を用意するであろう。
平成23年2月8日