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くすりと医薬品

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くすりとは?

「くすり」を辞書で調べると、次のように記載されています。

「病気や傷を治療するために服用または塗布・注射するもの」、「心身に滋養や利益を与えるもの」。

多くの人が連想するイメージも同様なものではないでしょうか。

では、医薬品とは何でしょう?

言い方が違うだけで、同じものと思っていませんか?

医薬品の定義は「医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に記載されています。(この法律は、略して医薬品医療機器等法、もっと略して薬機法とも呼ばれます)

要約すると、「疾病の診断・治療・予防に使用するもの、および身体の構造や機能に影響を及ぼすもの」です。

診断や予防という言葉が入っていますが、少し硬い表現にしただけで、くすり=医薬品のようにも思えます。

確かに、薬店で買った風邪薬や病院で処方された血圧降下剤は、くすりであり医薬品でもあります。

しかし、くすり=医薬品でないものもあります。

今では使う人は少なくなりましたが、昔は、風邪をひいた時に玉子酒を飲む・火傷をした時にアロエの汁を塗る、ということをしていました。

つまり、玉子酒やアロエ汁をくすりとして使用していたわけです。

台所で作った玉子酒や庭で摘んだアロエは医薬品でしょうか?

また、炎天下で仕事をしていて脱水状態になった人にとっては、水さえもくすりになります。

しかし、蛇口から出てくる水道水は医薬品ではありません。

このように、くすりという認識で使うものには、医薬品以外のものも含まれています。

人によって、あるいは状況によって、医薬部外品や健康食品を、時には通常では口にしない物までもくすりとして使用されることがあります。

どこまでが正解という枠はありません。

しかし、くすりにおけるトラブルは、医薬品との混同が原因になっていることが少なくありません。

自己責任

医薬品は、特定の疾病を対象に使用することを前提に国が認可したものです。

すなわち、効果や安全性を客観的な方法で検証し、正しく使用すれば有益性があると国が保証したものです。

現代医学はまだ人体を完全解明していませんので、予想していない副作用が起こる可能性は0ではありません。

その場合の対応として、医薬品副作用被害救済制度があり、健康被害に対して補償する制度が用意されています。

正しく使用しなかった場合や、医薬品以外のもので健康被害が発生した場合は、補償の対象外です。

つまり、くすりとして医薬品以外のものを使うのは自由ですが、効果も副作用も自己責任になります。

健康食品は健康になる食品?

医薬品と間違えやすいものが最近増えています。

特定保健用食品・栄養機能食品や機能性表示食品は、消費者庁が管轄する品で,「血圧が高めの方に」とか「目にいい」などの機能を表示できる食品です。

これらの効果には懐疑的な部分もあるのですが、何の根拠もなく有効だと表現している健康食品よりは安心できます。

健康食品とは、病人が健康になる食品ではなく、健康な人がその健康を維持するための食品です。

病気を対象に使用することを想定したものではないゆえに、厚生労働省の管轄ではないのです。

当然ながら、病人に使用しても大丈夫とは検証されてもいません。

医薬品には、誤解や誤用を避けるために広告に大きな制限があり、安全確保のために販売にも資格が必要です。

健康食品にはこれらの制限がほとんどありません。

過大な広告をして悪徳商法に利用されるケースもありますので、十分に注意してください。

食品だから安全?

健康食品に対して抱きやすいもう一つの誤解は、「食品だから安全だ」という考えです。

くすりを使用する状況であれば、誰しも早く効果を実感したいと願います。

医薬品では副作用の心配があるためか、定められた用法用量を大きく超えて服用する人はまずいません。

ところが、食品という言葉から副作用を連想する人はほとんどいません。

副作用や致死量は、医薬品に限ったことではないのです。

チョコレートにも致死量があり、これ以上食べたら死ぬという量があります。

ただ、通常では食べられない量だから問題にされないだけです。

「××1000粒分の成分を1カプセルに濃縮した」と宣伝している健康食品もあります。

さすがに致死量を超えることはないでしょうが、有益な成分だけでなく不利益な成分も濃縮されている可能性も考えましょう。

「量を増やせば効果も増す」・「食品だから多めに服用しても大丈夫」は危険な誤解です。

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