高槻市総合計画2010 基本構想 素案 平成12年2月 高槻市

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第1章 総合計画の策定に当たって

1 高槻市の歩み

 高槻(地名のおこりは「高月」)の名が史上に現れるのは鎌倉時代から南北朝期にかけてであるが、既に紀元前3世紀ごろには、安満遺跡のある地域で稲作が営まれていました。中世にはキリシタン大名の高山右近が高槻城を中心とする町の素地を造り、江戸時代には譜代大名永井家三万六千石の城下町が形成され、また、西国街道の芥川宿や富田の寺内町が栄えるなど、今日の都市発展の基礎が築かれました。
 明治22年の町村制の施行で島上郡高槻村となったのち、明治31年に高槻町となり、昭和6年に周辺4町村との合併、そして昭和18年に、大阪府内で9番目の市制を施行しました。
 戦後の昭和20年代は、田園の広がる農村地域でしたが、昭和30年代、40年代になると、高度経済成長による工場の立地と宅地の開発が進み、昭和30年に約6万4千人であった人口が、昭和40年には約13万人、昭和50年には約33万人に増え、全国でも有数の人口急増都市となりました。昭和44年に第1次総合計画を策定した後は、このような人口急増に伴う教育や児童福祉、公害防止などに対応するまちづくりが求められました。
 昭和50年代になると人口の増加は緩やかになり、昭和55年に策定した第2次総合計画に基づいてまちづくりを進めましたが、急増期に相次いだ義務教育施設の建設などにより市財政が窮迫するところとなり、遅れた都市基盤整備の充実が大きな課題として残りました。
 昭和60年代からは都市のグレードアップの時代に入り、平成2年に策定した第3次総合計画に基づき、道路、下水道等の都市基盤や総合センターなどの公共施設の整備を進めてきました。また、阪急高槻市駅周辺の鉄道高架化や大学の立地も進み、都市機能の充実が進むにつれ、市民アンケート調査にも、住み良さの評価や定住志向の高まりが表れています。

2 策定の趣旨

 本市では平成2年3月に、平成12年を目標年次とする第3次総合計画を策定し、「水とみどりの生活・文化都市」をめざして、市民と行政が力を合わせてまちづくりに努めてきました。
 21世紀を迎えた現在、我が国の社会経済は大きく変容し、本市のまちづくりに関わりをもつ諸制度も急速に変化しつつあります。
 社会経済の成熟化や人々の価値観と生活様式が多様化していく状況のもとで、かつて経験したことのない少子・高齢社会を迎え、さらには、国際化・情報化のめざましい進展、地球規模での環境問題、地方分権の推進など多くの新たな課題があります。そして戦後の我が国の発展を支えてきた社会経済システムでは対応できなくなり、様々な分野においてその再構築が進められています。
 国においては平成10年3月に全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」が閣議決定され、大阪府においても新しい総合計画の策定が進められています。
 本市におけるこの第4次総合計画は、このような新しい時代を見据えつつ、様々な情勢の変化に的確に対応する21世紀初頭のまちづくりの基本指針として、市民及び関係者の英知を結集して策定したものです。

3 構成

 「総合計画」は、基本構想、基本計画及び実施計画によって構成します。
(1)「基本構想」は、本市の中長期的な発展方向を示すもので、まちづくりの目標となる将来像を描き、その実現に向けたまちづくりの基本的な考え方を示します。
(2)「基本計画」は、基本構想を実現していくための施策の基本的な方向を体系的に示すもので、まちづくりの全般的な内容にわたる総論と部門別計画、地区生活圏構想で構成します。
(3)「実施計画」は、基本計画を受けて、行政施策を計画的に実施するために定めるもので、社会経済状況の変動に対応できる短期の計画とします。

4 計画の期間

 基本構想及び基本計画の期間は、平成13年度(西暦2001年度)を初年度とし、おおむね20年後を展望しつつ、平成22年度(西暦2010年度)を目標年度とした10年間とします。

第2章 高槻市の魅力

1 交通の要衝

 本市では、古くは西国街道、淀川の水運、昭和以降は国道171号やJR、阪急電鉄などの幹線交通網が整備され、京阪間の拠点として都市が形成されてきました。京都と大阪のほぼ中間に位置し、JRの新快速や阪急電鉄の特急の停車駅を持つなど、その拠点性は他の近隣都市より高いものがあります。
 全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」では4つの国土軸による多軸型国土構造の形成が示されていますが、本市はこのうち太平洋ベルト地帯とその周辺地域を含む「西日本国土軸」上に位置しています。
 今後、高槻ジャンクション・インターチェンジを備えた第二名神自動車道が整備されることにより、市内から直接高速道路を利用できるようになり、また、国土幹線道路のクロスポイントとして、ますます重要な地域となることが見込まれ、鉄道と併せ交通の要衝都市として知名度も向上し、広域的に交流する都市としての発展が期待されます。

2 活発な市民活動

 コミュニティ市民会議のもとに、32の地区コミュニティ組織が結成されており、14か所のコミュニティセンタ←では自主運営が行われ、12か所の公民館を含めたこれらの拠点では活発なコミュニティ活動、生涯学習活動が展開されています。また、生涯学習センター、文化会館、総合市民交流センター、そして総合スポーツセンターなどの市民利用施設は様々な文化・スポーツ活動で盛況を呈しています。
 阪神・淡路大震災後のボランティア活動への関心の高まりなどからボランティアやNPO(民間非常利活動組織)も増え、学校支援人材バンクも活発に活動するなど、福祉、環境、教育等に関する市民活動が伸展しています。加えて、昭和62年に府内でもいち早くスタートした情報企開制度も市民生活に定着しています。
 このような活発な市民活動は、市民と行政が自らの役割と責任を自覚して、協働してまちづくりを進めるための重要な要件であり、今後のまちづくりを支える大きな力となります。

3 豊かな水と緑と歴史の資源

 本市の北部には北摂山系の一部をなす森林が広がり、市域のおよそ半分にあたる約4,700haを占め、府内の市町村で3番目の広さを有しています。緑豊かな森林は、自然環境の保全、生物生息空間の確保等の役割を持つほか、都市にはない安らぎを市民に与え、心身の癒しの空間として重要な役割を担っています。
 一方、淀川流域一帯には田園や河川空間が広がり、また北部の山間地から市街地を南北に縦断して芥」1は檜尾川が流れています。芥川については、前総合計画で「都市シンボル軸」と位置付け、たかつきリーディングプランとして水辺空間や都市緑地などの各種整備を進めてきた結果、今では四季を通じて市民に親しまれる憩いの河川になっています。
 さらに本市は、安浦遺蹄、継体天皇陵といわれる今城塚古墳や藤原鎌足の阿武山古墳、青龍三年銘鏡、そして高槻城跡など著名な歴史的文化財を数多く持つ由緒のあるまちであり、西国街道沿いや富田の旧寺内町などには歴史的な街並みも残っています。
 このように、本市は水と緑と歴史のまちづくり資源が大変豊かな都市です。

4 多様な都市機能集積

 本市は、経済成長期において大阪市、京都市のベッドタウンとして成長・発展し、また、国道171号など幹線沿道には大規模な工場や流通施設が立地して産業都市としての性格も持っています。一方、JR高槻駅・阪急高槻市駅周辺の中心市街地は、近隣都市に比べて高い商業集積を誇り、JR高槻駅の北側では市街地再開発事業も進行しています。
 さらに、最近では、企業の先端技術研究所や著名な大学の立地が進み、経済・文教両面において充実・発展がみられます。
 このような都市機能の篠合化の進展とともに、北大阪地域における存在感ある拠点都市として、より一層拠点性・求心性を強めて、持続的に発展し得る高い可能性を有しています。

第3章 まちづくりの背景と課題

1 社会的潮流

(1)社会経斉の成熟化
 21世紀初頭は、我が国経済の低成長が続くなかで、人口の高齢化が進み、産業や国民生活、そして都市の運営など社会全体が成熟時代を迎えます。
 消費の形態は、若者中心から中高年も含めた全年齢層が満たされるものへ、また、大量消費から質を考える時代へと移行していくなかで、一方では時代を創る元気な若者による生活文化が貴重な存在となります。
 これまで社会資本の整備を図ってきた・公共投資の形態は、−般的には社会
資本ストックの活用や維持・更新に重点が移っていきます。自治体の自立が求められるこれからの時代にあって、市民の雇用や健全な都市経営を確保していくために、地域において産業を振興し、都市の活力を持続することの重要性がますます増していきます。

(2)価値観や生活様式の多様化
 物質的な豊かさがほぼ達成され、人々の価値観はものの豊かさから心の豊かさへと変化し、それに伴い生活様式は生活の質を重視する傾向が高まり、かつ多様化・高度化しています。
 人間関係も、従来の職業組織中心から、家族・地域社会、そして考え方を共有する「知縁」といった新たな関係 へと広がりを見せるようになり、ボランティア活動などによる社会参加が活発になってきています。
 このような社会のニーズに適切に応えていくとともに、行政と地域社会の新たな役割分担を築いて行く必要があります。

(3)少子・高齢社会の到来
 我が国は、かつて経験したことがない急速な勢いで少子・高齢化が進んでおり、21世紀初頭以降には人口減少局面に入り、同時に高齢化が一層進行すると見込まれています。
 高齢社会においては保健・医療・福祉等のサービスを必要とする市民が増加し、かつそのニーズは多様化します。また、元気な高齢者が知識や経験を活かし、社会の一翼を担っていきいきと就業や社会参加のできる社会の構築が求められています。少子化の進行に対しては、国・地方自治体そして民間企業を通じての総合的な子育て支援策などの、安心して子供を産み育てることのできる社会環境づくりが必要となっています。
 少子・高齢社会を支える生産年齢人口の増加が期待できない状況のもとでは、その負担力に限界が表れ、今後あらゆる分野で社会システムや既存施策の見直しが必要になるといわれています。

(4)地球環境に対する意識の高まり
 国連環境開蒐会議(地球サミット)を契機として、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨等の地球規模での環境問題への関心が高まっています。同時に、資源・エネルギー等の有限性や環境ホルモンについての認識も広が
りをみせ、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の形成が求められています。
 身近な地域社会においても、自然環境を保全するとともに、ごみ減量・資瀬リサイクル・省エネルギー等の課題に対応する生活様式への気運が高まりつつあり、環境と共生した快適な都市生活は、21世紀の大きな流れとなって
きます。

(5)ボーダレス社会の拡大
 国際社会における相互依存関係が増大するもとで、航空機利用の大衆化など、輸送手段の発達や世界的な高度情報化の進展により、人・物・金・情報の交流が飛躍的に拡大し、国境や地域、さらには業界などの既存の枠組みを越えたボーダレス社会が進行しています。
 産業構造や就労形態の変革をはじめ、市民レベルでの交流が活発になり外国人市民が増加するなど、経済活動から市民生活に至るまで様々な側面において、従来の秩序や価値基準では区分できない社会現象が生み出されています。

(6)地方分権の進展
 新しい全国総合開発計画である「21世紀の国土のグランドデザイン」では、地域の自立の促進がうたわれ、個性的な地域間の連携と交流による国土づくりの方針が示されました。
 異なる自然環境、歴史、風土、文化を持つそれぞれの地域が、その個性を活かしたまちづくりに自主的に取り組むことで発展を図ろうとするものです。
 平成7年5月に地方分権推進法が成立し、平成10年5月に閣議決定された地方分権推進計画とそれに続く地方分権一括法の施行(平成12年4月)により、地方分権は新たな段階に入り、地方自治体は財源問題の解決とともに、
地方分権への取組と受け皿の整備を進める必要があります。

2 高槻のまちづくりにおける情勢の変化

(1)第二名紳・高槻ジャンクション・インターチェンジ整備の進展
 国における重要な大規模事業として、第二名神自動車道の整備が進められており、本市域では既に施行命令が出され、21世舵初頭には高槻ジャンクション・インターチェンジが供用開始されます。これにより、市内からの高速
道路の利用が容易になるだけでなく、全国の高速道路体系上で両名神がクロスする都市として、その存在感とともに知名度も高まります。
 この高槻ジャンクション・インターチェンジの供用は、本市のこれまでの人・物・情報の流れにおいて、その広域性をより一層強化するものであり、産業振興や土地利用をはじめとして、中長期のまちづくりに大きな可能性を
 もたらすものと考えられます。

(2)高槻市街地中心部における都市集積の進展とさらなる発展
 JR高槻駅・阪急高槻市駅周辺の中心市街地は、北大阪地域で有数の商業施設の集積により、にぎわいの拠点となっています。近年、阪急京都線の高架化とともに、けやき大通りや阪急みずき通りなどの幹線道路が整備され、市役所などの行政機能や総合センター、総合市民交流センター、中央図書舘などの文化機能の集積も進み、京阪間における拠点性を高めてきました。
 JR高槻駅北地区の市街地再開発が進むことにより、高槻都心の魅力が一段と向上し、若者の集まりや他市からの来訪者を迎えて、さらなる都心のにぎわいと活性化が進む可能性が高まります。

(3)四大学の集積と社会資本ストックの活用
 本市には、従来より大阪医科大学が立地していましたが、市の誘致政策に応えて、平安女学院短期大学、関西大学総合情報学部、大阪薬科大学の三大学が新たに開設され、4つの大学が集積しました。
 また、これまでに道路や下水道、企園などの都市基盤施設や学杖・生涯学習施設などの公共施設について一定の整備が進み、社会資本ストックが形成されてきました。
 今後は、これらのまちづくりの資源を、都市の発展や豊かな市民生活の実現のために、より一層有効に活用していく取り組みが重要となっていきます。

第4章 まちづくり構想

1 将来の都市像

 高槻市は景勝摂津峡をいだく北摂連山から淀川の悠久の流れにいたる平和な風土のなかで、「人間尊重と市民自治」をまちづくりの基本理念にもつ先人の英知と努力によって、豊かな歴史と文化の郷土を築きあげてきました。
 21世舵の幕開けに当たって、このよき伝統を継承し、さらに発展させるため、まちづくりの目標とする将来の都市像を次のように定めます。

     心ふれあう 水とみどりの生活・文化都市

 一人ひとりが尊重され大切にされるまち、人と人とのふれあいが広がり心の豊かさといきがいに満ちたまち、豊かな自然と調和した安全で快適なまち、にぎわいや繁栄によって豊かで文化的な暮らしが営めるまち、このように、人々の健康としあわせを守り、人間性と創造性を育む、風格ある都市の実現をめざします。
  このような未来に向けて、

         さわやか未来ふるさと高槻

 をまちづくりの合い言葉として、市民、事業者、行政が力を合せて常に新しい可能性に挑戦しながら、誇りを持って「わがふるさと」を実感できるまち「高槻」を希求していきます。

2 基本人口指標

(1)定住人口
 本計画の目標年度である平成22年度(西暦2010年度)の人口を37万人と想定します。
 世帯数は15万4000世帯、平均世帯人員を2.4人と想定します。
 本市の人口は、経済の高度成長期にあった昭和40年代を中心に全国的にもまれな急増をみましたが、昭和50年以降は緩やかな増加傾向をたどり、平成11年9月末現在では362,164人となっています。
 大阪府の総人口については、本計画の期間内には大きな変化が生じないと想定されています。そのすう勢を念頭に置きつつ、本計画では、堅調な住宅開発の予定や都心居住の進行、さらには漸増傾向を望む市民アンケート調査結果などを総合的に勘案して、目標年度である平成22年度の人口を37万人と想定します。
 年齢別人口の構成については、計画期間内に団挽ジュニア世代が出産適齢期を迎えることから乳幼児数は増加し、計画期間以降も当分の間は小学生数の一定の増加が見込まれます。
 また、高齢化が着実に進行し、老年人口比率が平成11年度の13.3%から平成22年度には21.0%程度になると見込まれます。世帯数は平成11年9月末現在で137,484世帯であり、1世帯当たりの人員が2.6人となっています。1世帯当たりの人員は昭和40年に4.0人でありましたが、核家族化や少子化の進行で次第に低下しました。この傾向は今後も続くと考えられ、府の推計も参考にして、目標年度における世帯数を154,000世帯、1世帯当たりの人員を2.4人と想定します。

(2)昼間人口及び交流人口
 昼間人口は、夜間人口のおおむね90%に当たる33万人と想定します。通勤通学等による流動を示す昼間人口は、平成7年の国勢調査では287,559人であり、夜間人口を大幅に下まわっています。今後、高齢者の増加に加え、産業、文化、学術の振興等により広域的な拠点性が高まるものとして、昼間人口を33万人と想定します。
 また、新たな都市魅力の創出や産業の振興を図ることで、観光・買物・ビジネス客等の来訪による交流人口の増加をめざします。

3 都市の将来構図

 21世紀の社会を展望し、自然と調和した魅力と活力のある都市を形成するために、前総合計画に示された構想を基本的に継承しつつ、さらに地域間の連携や広域的な交流の展開をめざして、ゾーン、都市拠点、都市軸の3つの要素からなる次のような新しい都市靖造の枠組みを設定します。

(1)ゾーンによる空間形成
 ゾーンは、土地利用などでおおむね同じ性格を持?空間のまとまりであり、都市構造の最も基本的な要素です。ゾーン別に将来のあるべき姿の方向性を認識し、異なる特性を持つゾーンの適切なつながりによって、多様かつ一体感のある魅力的な都市空間の形成をめざします。
 北部の森林とその中に点在する集落地により構成される区域を「森のゾーン」と位置付けます。森林の保全と育成を基調にしながら、農林業の振興等により集落地の営農環境と定住環境を整え、都市市民との交流などによる新しい森林文化を活かした空間形成をめざします。
 森のゾーンとまちのゾーンの間に位置し、採石場や大規模企園などが点在する区域を「人と自然の交流ゾーン」と位置付けます。市街地の背景になる里山の今日的な保全を基調にしつつ、環境への影響を最小限に抑えながら、新たな機能を導入する土地利用を検討するなど、人と自然の好ましい関係をもたらす環境共生型の空間形成をめざします。
 中心市街地と一般市街地で構成される既成市街地を「まちのゾーン」と位置付けます。市民や企業による都市的活動の円滑な推進を基調にして、社会資本ストックの再構築とその有効活用を図り、都市的に整序された空間形成をめざします。
 南部の淀川に沿った区域を「水辺のゾーン」と位置付けます。農業的土地利用を基調にしつつ、営農環境と市街地環境の調整が図られる適切な地域のあり方を求めるとともに、淀川沿川を意識した空間形成をめざします。

く2)都市拠点の形成
 都市拠点は、様々な都市機能が集積し、市民や企業による都市活動が最も活発に展開される場です。4つの都市拠点を設けて集中的な機能整備を進めます。
 高槻ジャンクション・インターチェンジを中心とするエリアを「広域交流拠点」と位置付けます。第二名神自動車道の整備による交通条件を活かした多様な集客・交流機能や広域的な拠点機能の計画的な集積により、産業の活性
 化や情報発信を先導します。
 摂津峡公園、萩各総合公園、芥川緑地等の大規模なレクリエーション施設や大学が集積するエリアを「交流・レクリエーション拠点」と位置付けます。
 集積のメリットを発揮して、市民の交流や憩いの場として、また近隣市町をはじめ関西都市圏を対象にする集客・交流拠点としての役割を高めます。
 JR高槻駅及び阪急高槻市駅を中心に、中枢的な都市機能や商業機能が高密度に集積するエリアを「高槻中枢都市拠点」と位置付けます。本市の顔になる都心地区として、商業、業務、文化、情報、交流、行政サービス等中枢的な都市機能のさらなる集積と高度化を図りながら、都市イメ←ジのアピール
カをも高めていきます。
 JR摂津富田駅及び阪急富田駅を中心に、市域西部の生活中心機能や商業機能が集積するエリアを「富田都市拠点」と位置付けます。市域西部における玄関口として、旧寺内町の歴史・文化的な雰囲気を活かした個性的なまちづくりにより、趣のある副都JL地区を形成していきます。

(3)都市紬の形成
 都市軸は、都市活動における人、物、情報などの主要な流れであり、まちづくりの方向性を共有する帯状の地域の連なりです。ゾーンや都市拠点などを相互に結び都市全体の循環を促すことにより、地域間や都市間の交流・連携をめざします。
 国道171号、JR東海道本線、阪急粛都線を含み、京阪神の諸都市を結ぶ連なりを「広域連携軸」と位置付けます。充実した交通基盤を活用して、行政や市民などの様々なレベルにおいて都市間の交流・連携の強化をめざします。 樫田地区から中心市街地を経て淀川に至る地域の連なりを「高槻生活文化軸」と位置付けます。日常の生活圏域と中心市街地を結ぶ軸であり、今後さらに機能を充実し、都市構造を支える中心軸としての役割を強化します。
 市域北西部の大規模なレクリエーション施設や大学などが集積するエリアから富田地区の市街地を経て淀川に至る地域の連なりを「富田生活文化軸」と位置付けます。日常の生活圏域と駅周辺の市街地を結ぶ市域西部における軸として、今後さらに機能を充実し、南北地域間の連携強化をめざします。
 市街地の外周部を環状にとりまく幹線道路と、その沿道地域の連なりを「地域連揖軸」と位置付けます。日常の生活圏域を越えた東西方向の移動を喚起するなど地域間の新たな交流・連携を図ります。
 芥川とその沿川地域の連なりを「芥川都市シンボル軸」と位置付けます。都市内のアメニティ軸として、また交流や憩いの場として市民による一層の利用を促すとともに、河川の環境を積極的に市街地に活かしていきます。

第5章 まちづくりの基本的な考え方

1 安全と安心を高める

 市民生活の安全を守り、安心できる生活の条件を整えることは、都市の最も基礎的な課題です。阪碑・淡路大震災の教訓や高齢社会の到来を踏まえ、市民・事業者と行政が協力して、災害に強い、そして、子供から高齢者や障害者などすべての市民が安心して暮らせるやさしいまちづくりを進めます。

2 環境との共生を図る

 都市が持続的に発展するためには、環境との共生を図っていくことが求められており、いまや地球環境問題について、地域の一人ひとりが考え、行動する時にきています。リサイクル活動や省資源化を進めて循環型社会をつくるとともに、里山をはじめとした森林や河」llなどの自然環境の保全を図り、教育や健康づくりに活用できるまちづくりを進めます。

3 都市の魅力と風格を高める

 魅力に富んだ都市は、住む人の心を満足させ、多くの人々が訪れるまちとなります。本市は、都心部に商業・業務・行政・文化等の高い集積を持つことから、これの活性化を図り本市の顔としてのに’ぎわいと魅力を高めます。
 また、歴史の深みや豊かな自然をまちづくりに活かし、美しい街並みの形成にも努めて、都市の風格を高めるまちづくりを進めます。

4 都市の経済活力を増進する

 高齢化と都市の成熟化が進む中では、都市の経済活力を保持することが重要なテーマとなります。そのため、産業構造の変化に適切に対応するとともに、異業種交流の促進や産業界と大学との連携などを促進します。また、本市においては、高槻インターチェンジの設置によって市内から直接に高速道路の利用が可能になることから、既存産業の活性化と新規産業の創出を図るための条件を整え、これを支援するまちづくりを進めます。

5 多様な交流機会を創る

 本市は京都と大阪の間に位置し、JRや阪急電鉄による交通の利便性に加えて、高槻インターチェンジの設置により交通・情報基盤の優位性がますます高まります。37万人の市民文化、大学・研究所、商業業務機能などによる
 内外の交流を柱として、本市の魅力を発信し、新たなにぎわい、価値、文化を創造しうる多様で広域的な交流が行われるまちづくりを進めます。

6 創造性豊かな文化と人を育てる

 成熟社会における新たな発展のために、暮らしの中に創造の喜びがあふれる豊かな文化や人づくりと、それを生み出す地域づくりが求められています。常に活力が持続でき、文化の華を咲かせるまちをつくるため、地域と共に歩む学校、感性豊かな生涯学習そして大学や産業界との連携を推進し、創造の喜びを育むことのできるまちづくりを進めます。

7 まちづくり資源を活用する

 都市化社会から都市型社会へ移行し、今後は、本市も成熟時代に対応するまちづくりが求められてきます。そこで、これまでの社会資本ストックを十分に活用し、効率的で高度なまちづくりを進めます。また、本市の豊かな森林
環境や歴史遺産、生活文化等のまちづくり資源を十分に活かして、地区生活圏の特徴ある整備に努め、豊かな地域社会を実現するまちづくりを進めます。

8 市民と行政が協働する

 本市では市政への市民参加を積極的に推進してきました。地方分権時代の地域づくりでは、市民自らが地域に誇りを持ち、自らの責任と努力で住みよい地域社会を築いていくことが求められます。そのため、市民や地域が主体的に取り組む地域づくりのための仕組みや支援を進め、市民と行政がそれぞれの役割と責任を果たしながら、協働してまちづくりを進めます。

9 国・府・民間の事業活動を促進する

 本市のまちづくりは、市の施策だけでなく、国、府、公団等関係機関の公共事業さらには民間企業等の事業活動など多様な主体の参加を得て進められています。
 本市域における、それらの事業活動が、本計画を指針としてより一層適切かつ積極的に展開されるまちづくりを進めます。

第6章 施策の大綱

1 心がかよう共につくるまちづくり

 基本的人権の専重と国際平和は、すべての人々の願いです。このため、多様な機会を通じて平和・人権意識の高揚を図り、人が人として尊重され、その個性と能力が十分に発揮でき、そして男女があらゆる分野でともにいきいきと参画できる社会の実呪をめざします。
 情報化・国際化の進展や社会の成熟化により、ゆとりやいきがいを求める学習意欲が高まっています。このような時代の要請を受け、市民の誰もが生涯を通じて、いつでもどこでも、自由に学ぶことができる学習環境づくりを進
 めます。ふれあい豊かな住みよい地域社会を築くため、福祉をはじめとする様々なボランティア活動やコミュニティ活動など、地域の自主的な市民活動への支援に努めます。
 そして、行政、市民、事業者が役割を分担し相互に補完しながら、心がかよう共につくるまちづくりを進めます。

2 やさしさとやすらぎのまちづくり

 すべての市民が住み慣れた家庭や地域社会で健康でいきがいを持って、安心して生涯が送れる社会を望んでいます。そのため、人にやさしいまちづくりを進めながら、家庭や地域社会が自らその役割の一翼を担う、保健・医療・福祉の連携のとれた総合的なサービスの充実に努めます。
 また、ノーマライゼーションの理念のもとに、高齢者や障害者が自立して社会生活ができるよう、在宅福祉を推進するとともに、自らの能力を活かして社会参加し、いきいきと暮らせる地域づくりを進めます。
 さらに、少子化や核家族化が進む中で、育児に対する支援や児童の健全育成に努め、安心して子供を産み育てられる環境づくりを進めます。
  このように、互いに支え合って生きる、心の通った福祉社会の形成をめざして、やさしさとやすらぎのまちづくりを進めます。

3 ひとが輝く育みのまちづくリ

 ボーダレス社会の進行など社会経済が大きく変化する時代にあって、これらの環境変化に対応できる新しい知識・技術を習得することや創造的な思考力を身につけることが求められています。
  このため、次代の担い手である子供たちが、個性と創造性を備えた心豊かな自立した人間として、社会の一員となれるよう、学校、家庭、地域社会が適切な役割分担のもとに互いに連携し、その育成のための学校環境づくりに努めます。
 また、市民が文化、芸術、スポーツ、レクリエーション等様々な分野で主体的に学習し、自らの個性を伸ばし能力を発揮できる社会環境づくりを進めます。
 国際化が生活に限りなく身近になるなかで、姉妹都市等との交流など多様な機会を通じて、地域の国際化の推進をめざします。
 そして、心豊かで創造性に富むいきいきとした生活文化の土壌のもとで、ひとが輝く育みのまちづくりを進めます。

4 調和のとれた都市環境のまちづくり

 都市は、人々が様々な市民活動を営む場であり、また、企業が各種の経済活動を行う場でもあります。このような都市活動を活発に行うためには、都市基盤の整備を進めていく必要があります。
 そのため、都心部では、市街地の再生を促進して老朽化した都市機能の再構築を図り、併せて交通環境や都市景観を刷新して、美しい魅力的なまちづくりを進めます。
 道路整備については、第二名神自動車道整備事業などのプロジェクトに対応する道路事業を進めるとともに、高槻ジャンクション・インターチェンジに伴う交通ネットワークの形成を促進します。
 また、生活道緒や上下水道、公園・緑地等の都市施設の計画的な整備と適正な管理に努めるとともに、人や地球環境にやさしいまちづくりを通じて、身近な都市環境の向上を図ります。
 このように、都市における土地利用と交通を整序し、恵まれた森林や河川などの自然環境を活かすことによって、都市の風格を高める調和のとれた都市環境のまちづくりを進めます。

5 安全で快適なまちづくり

 市民の生命や財産を守り、安全で快適な生活環境をつくることは、豊かな市民生活を実現するための基礎であります。
 利便性や効率性を追求してきたこれまでの都市形成や生活様式では、資源の枯渇、良好な自然環境の減少、そして、身近な生活環境の悪化をもたらすのみならず、災害時における都市のぜい弱さを増すことが懸念されます。
 このため、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、都市の防災力や市民組織と連動した防災体制を整備するとともに、消防力と救急救助体制の強化を図り、災害に強いまちづくりに努めます。
 また、市民生活や事業活動に起因する地球環境問題に、地域として対応していくため、新しい観点に立つ環境基本条例のもとで、市民、事業者と共に、ごみの減量や省資源・資源リサイクルを進め、環境への負荷の少ない循環型都市への転換をめざします。
 併せて、地域情報化に一層の取組を進めるとともに、市民が安全に暮らせるよう交通安全や地域安全活動を推進し、公共空間の美化にも努め、安全で快適なまちづくりを進めます。

6 にぎわいと活力のあるまちづくり

 経済の低成長と少子・高齢化が進む時代にあっては、地域において産業を振興し、雇用を創出して経済活力を高めていくことが、市民生活や都市経営の上から、これまで以上に重要になってきます。
 そのため、国際化・情報化の進展など、社会経済の変化に対応できる新技術の開発や新分野への進出策を支援するとともに、高槻インターチェンジの供用も視野に入れて、幹線道路の整備を行い交通機能の改善を図ります。
 都心部では広域的な集客力を持つ質の高い商業・業務機能の集積を促進し、また、活気とにぎわいのある商店街づくりを支援します。
 農林業については、都市近郊の豊かな森林の公益的機能や農空間の多様な効用を活かして、都市住民と共生する産業としてその持続的発展を促進するほか、ボランティアやNPOと連携して、特色ある観光事業の振興を図るなど、広範で調和のとれた産業活動によって、にぎわいと活力のあるまちづくりを進めます。

第7章 構想の実現に向けて

 この基本構想は、21世舵初頭において本市が目標とする将来都市像とまちづくりの基本方針を示したものです。
 これを実現するために、基本計画及び実施計画を策定し、市民、事業者等との協働のもとに、国・府・関係機関等の計画・事業との整合に配慮しつつ、総合的、計画的なまちづくりを推進します。

1 市民参加
  地方分権社会において、市民の主体的で積極的な参加を得て、市民と行政が英知とエネルギ←を結集し、両者のよきパートナーシップのもとにまちづくりを進めます。

2 広域行政
  関係地方自治体と相互に自主性を尊重しつつ連携を強化し、適切な役割分担のもとに、合併問題などをも視野に入れながら共通する様々な広域的課題の解決に努めます。

3 行政運営
  社会経済情勢の変化と多様化・高度化する行政需要に即応した行政改革を推進し、事務事業評価制度の導入を図りながら、より質の高い簡素で効率的な行政運営を進めます。

4 財政運営
  市税をはじめとする自主財源の確保を図るとともに、限られた財源を有効に活用するため、経常経費の節減と投資的経費の重点的、効率的配分に徹し、健全財政を堅持します。

5 国・府及び民間との連携
  本市の主体性を基調として、国・府・関係機関等との連携と協調を図るとともに、本市域における事業活動が円滑に進むよう適正な役割を果たします。
  民間事業活動については、行政の責任領域を見極めつつ積極的にその活用を図ります。

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